松岡圭祐のレビュー一覧
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ネタバレ〇 概要
万能鑑定士Q,凜田莉子の最大のライバル,万能贋作者の雨森花蓮が登場する。莉子は,鎌倉の豪邸に招かれ,不可思議で目的不明な鑑定の数々を依頼される。万能贋作者である雨森花蓮が手掛ける最新にして,最大の贋作,MNC74とは何か?
〇 総合評価 ★★★★☆
凜田莉子のライバルである雨森花蓮が登場。これまでの作品の犯人とは異なり,莉子にやられっぱなしではなく,莉子を上回る知識と存在感。インパクト抜群。万能贋作家として作り出した贋作が,婦人の信頼を得る鑑定士というアイデアは秀逸。ただし,そのアイデアだけの作品で,やや冗長感はある。短編にしていれば,傑作になりえたかも。
とはいえ,トータル -
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ネタバレ〇 概要
凜田莉子は,お盆休みにパリに旅行することを計画するが,ひょんなことから,高校時代の担任,喜屋武と一緒に旅行をすることになる。パリで料理人として修業をしている高校時代の同級生,楚辺に迎えられるが,楚辺が勤務している一流レストランで,フォアグラの食中毒騒ぎが起こる。莉子は,同級生の危機を救うため,パリを駆け回り捜査を行う。
〇 総合評価 ★★★★☆
フランスを舞台とし,ベランジェールという老舗レストランの食中毒事件を,一観光客に過ぎない莉子と喜屋武が捜査するというインパクトのある展開
謎はそこまで魅力的でないが,捜査はテンポよく進み,誘拐事件も起こる。
バベット精肉のごみ箱から -
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ネタバレ〇 概要
マスコミに本物と全く見分けがつかない偽札が送付されたことをきっかけとして,日本を未曾有のハイパーインフレが襲う。日本経済が混乱に瀕する中,凜田莉子は独自に捜査を続ける。果たして,本物と全く見分けがつかない偽札を作り出し,日本経済を混乱に陥れたのは誰なのか。そしてその動機は?万能鑑定士Qシリーズの最初のエピソードの完結編
〇 総合評価 ★★★★☆
偽札騒動をほったんとするハイパーインフレ騒動がテンポよく描かれている。先が気になって読むのをやめさせない抜群のリーダビリティに,驚きの真相。特に真犯人は,消去法で予想がついてしまうのだが,それでも十分インパクトがある。欠点があるとすれば -
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この物語の結末はどうなるのだろう。
いったいどこに救いがあるというのだろう。
玲奈が歩んできた、そしてこれから歩いていかなければならない、あまりに過酷な運命に心が痛んだ。
究極の選択が玲奈にもたらしたものは、より一層過酷な道でしかない。
死神との対決だけが、いまの玲奈を支えているような気がする。
常に冷静に状況を把握し、己のルールに従って成すべきことを成す玲奈。
ときには冷酷に牙を剥き、ときには非情な行為も辞さない。
けれど、なぜかいつも危うさを感じる。
ハードな場面が続けば続くほど、玲奈が辛い状況に追い込まれれば追い込まれるほどに、小さな体を縮めてうずくまるガラス細工のような玲奈が浮かぶ。
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孤独だからよけいに温もりを求めるのか。
それとも温もりを求めるがゆえに孤独をよけいに実感するのか。
人はひとりでは生きられない。
生きていようと死んでいようと、心の奥底で自分を支えてくれる人が必要だ。
でも、死んでしまった相手とは話すことが出来ない。
触れることも笑いあうことも出来ない。
玲奈にとっての琴葉はもしかしたら代用品なのかもしれない。
けれど、それが代用品でなくなったときが怖い。
一度手にした温もりを手離すことは、きっと今以上に辛いことになるだろうから。
琴葉の姉、その夫、その友人たち。
事の是非なんて関係ない。
ただその場の優越感に浸りたいだけ。
誰かを虐げ面白がっているだけ。
い -
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高校時代ずっと落ちこぼれだった莉子がどうやって万能鑑定士としてのスキルを身につけたのか。
その過程が描かれている物語である。
思考方法を変えるだけで莉子のように誰でもなれるとは思えない。
きっとある程度の素質がもともと備わっていたということだろう。
莉子が成長していくにつれ、瀬戸内は複雑な思いになる。
万能鑑定士として優秀になっていけばいくほど、これから起こそうとしている瀬戸内の目論見が失敗する確立が増えていくだけなのだ。
自分の手で対抗勢力を育てている・・・莉子のことは娘のように思っている。
だからこそ、瀬戸内は莉子の成長を喜びながらも暗い気分になるのを止めることができない。
社印をめぐって -
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何手も先を読み、計算しつくされた犯罪を実行する。
それが雨森華蓮・・・莉子を唸らすほどの「贋作詐欺師」だった。
天才的な贋作者は同時に天才的な鑑定士でもある。
莉子に匹敵するほどの才能がありながら、華蓮は犯罪者として生きてきた。
それは彼女の人生観による。
天才的な嘘つきがいつまでたっても疑われることなく信じられてしまったら。
華蓮はそうやって、ずっと嘘をつきながら生きてきた。
詐欺師になったのは華蓮にとっては必然だったのだろうか。
誰かによって歯止めをかけられること。
これってすごく大切なことかもしれない。
悪いことは悪いと教えられて、ようやく人はことの善悪を知るようになる。
莉子はそう考え