松岡圭祐のレビュー一覧
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川島芳子、本名は愛新覚羅顯シ(王へんに子)。清朝末期、粛親王善耆の第14王女として生まれながら、日本の養父の元で育てられ、男装の麗人として一世を風靡した。
東洋のマタ・ハリやジャンヌ・ダルクとも呼ばれ、太平洋戦争終結時に中国でとらえられ、スパイとして死刑判決を受けたという彼女の確定した史実は極めて少ない。
映画「ラストエンペラー」や「李香蘭」に登場する芳子は決まって美しく謎の男装の麗人として描かれる。彼女は何故、男性として生きる道を選んだのか、彼女の数奇な人生の幼少期から青春時代にかけてを史実から発想されたフィクションとして描いた物語。
そこには、王女として運命を定められた彼女が、政治に利用され、中国人としても日本人としてもアイデンティティを得られず、「生きている理由」を見いだせない息苦しいほどの渇望と慟哭がある。
唯一の救いである陸軍少尉・山家亨とのロマンスが軸となって描かれ、ロマンスあり、歴史あり、アクションありの読み応えあるエンターテインメント作品。
今年は、続編も出るらしいので、そちらも楽しみです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「死神」との対決が終わった玲奈の、そもそもその「死神」を生み出した人物との対決。込み入った内容だが全く飽きさせない。ハイレベルな探偵トリック、ギミックも読み手の好奇心をくすぐる。構成もスピード感が最後まで切れず、凄まじいラストシーンに向かって突き進んで行く。最後は少しハリウッド映画的(ハリソン・フォードの逃亡者などを想わせた)で大げさすぎない?と、言うのと、琴葉との関係がややベタッとGL的すぎない?ってケチもつけたい部分はあったかな。それに、最後の方で特に琴葉がダメージ耐性あり過ぎ?ってとこも。ちょっとした描写の加減だとは思ったけど。そこまで肉体的にやられて、それちょっともう無理っしょ、みたいに思えるところが何ヶ所か。でも、四部作でいちおうまとまった。スッキリとした読後感が得られて満足した。良かった。面白かった。これだけの構成を書き切れる松岡圭佑という作家。この人の小説は大部作が多い印象だけど、やっぱり力量があってすごいなあ。