中村明日美子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ冬の海から始まり、夏の海で締めくくられる。
伊織と青目の海辺の散歩と、伊織と脇坂の海辺の散歩。
対極的な二つの散歩。
伊織が脇坂を労る会話のシーンでは、脇坂の弱さを包み込むような優しさで涙を誘われた。
視覚を失っても、強く聡い伊織に戻って、夷とマメの家族と慎ましく暮らしている感が幸せな気持ちにさせられた。
脇坂はどんどん重くなる責任・期待に押しつぶされそうになったり、大人の階段を絶賛登っていて、伊織のことを思って妖琦庵から足が遠のいていたって言うのが、脇坂らしい。
伊織との会話で吐き出せて、救われて、また妖琦庵に行きたいと思えるようになってよかった。
伊織と脇坂の漫才のようなやりとりをず -
Posted by ブクログ
シリーズの中で一番暗く、救いがなく、重い。
「家族」がテーマの物語で、今回、「被害者家族」「加害者家族」が交錯し、複雑な気分にさせられる。
「被害者の家族」が「被害者」に対して心を痛めるのは当然だが、「加害者の家族」も「加害者」に対して心を痛める。
伊織が青目を見限れないのも、「家族」として受け入れて過ごした過去があるから。冷静に冷徹に振る舞っていても、どうしようのない悪人の青目を見捨てられないのは、伊織の情の深さ、優しさなんだろうと感じた。
マメや夷のように血が繋がらなくてもお互いを想い合える「家族」。血が繋がっていても、上手くいかない「血縁」。
私自身、血縁関係の多いため、どうしようもない -
購入済み
同級生シリーズで中村先生を知り、ダブルミンツを手に取りました。
耽美な雰囲気はそのままに、ダークで薄暗い物語でした。
誰がなんと言おうとハッピーエンドですね。 -
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Posted by ブクログ
今作を読む前に、芦花公園の「異端の祝祭」を読んでいたので、“洗脳”、“教祖”、
の繋がりが個人的に怖かった。
今回はどことなく、、、青目も洗脳され、犯罪を繰り返しているのかな、と好意的に考えてしまう話だった。
きっと洗脳はこの話みたいに、意図して行うと洗脳と、意図せずじわじわ侵食する洗脳もあるんだろうな、と思わされた。
新しい登場人物の小鳩ひろむも「可愛げがない」という洗脳を母親から無意識にかけられ、自分自身でも「自分は可愛げがない」と洗脳する。でも脇坂や伊織の言葉に溶かされ、洗脳が少しずつ溶けていく。
我々の日常でも、こういうことは気づかないだけでたくさんあるんだろうなぁ。
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