古内一絵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ恋と食のある10の風景なんていうから
てっきりライトな話が多いのかと勝手に
思ってたらなかなか濃さでした・・・
どの話も面白かったけど最後の方の2編
「SUMMER STREAMER」の爽やかさと
「夏のカレー」と言うタイトルの割には
全く爽やかさ(個人的感想)のないなんか
どろどろと言うかちょっと濃いめの
男女二人の軌跡が対照的で印象に残ったかな?
途中出てきた「ゆかりとバターのパスタ」では
浮かれる男に怒ったけど、やっぱりおいしい
ものはおいしいんだなぁ~と思う女に共感。
まぁでもこれは作中にあるように「ゆかり」を
作った三島食品がすごいんだよ!間違いない!
知ってる作家も知らない作 -
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Posted by ブクログ
マカン・マランシリーズ以降久しぶりに
この作者の本を読みました。
アフタヌーンティー。優雅で高貴なイメージだから
自分も経験してみたいけれど、勇気が出ない。
けれど、この本を読む中で気軽にアフタヌーンティーに行っても大丈夫なのかもと思うことができました。
本の中では、何かに対する偏見というのも裏テーマなのかなと思いました。人種や障害、性差、そして
何かに対して頑張り、努力している人をバカにするなど
私たち自身も気づかないだけで無意識的に偏見の目を他人に向けているのではとハッとさせられた本でもありました。それと同時にどんな人でも平等に
受け入れる姿勢というのは難しいけれど
あなたはあなた、 -
Posted by ブクログ
物資の少ない戦時中に児童向けの学年誌が発行されていたことが驚き。発行したところで購入できた人がどれくらいいたんだろう。
小学館が軍事主義を煽る内容を載せていたことで、子どもたちを洗脳してしまったことは事実だろうけど、国策に協力せざるを得ない時代では仕方がない。
だけど戦後もそのことに苦しみ続けた人がいたんだなぁと重たい気持ちになった。
雑誌だけでなく、新聞、ポスターなどに携わった大勢の人たちが同じだろう。
物語には、実在した作家(林芙美子さん)、編集長(野山彬さん)が登場したり、手塚治虫の自宅に原稿を取りに行く話や、ドラえもん誕生時の小話などが出てきておもしろい。
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Posted by ブクログ
ネタバレアフタヌーンティーをテーマにした素敵な物語!
デザートって高貴な者なんだなー、と、
アフタヌーンティーの起源を少し垣間見て感じる。
ホテルのアフタヌーンティーのセットの裏側、これは物語だけれども…
企画する側と、シェフ長がいて、
その他のスタッフもいて、
いろいろな人間関係ややり取りがあって、
季節ごとのメニューが決まっている、という側面は、
もちろんアフタヌーンティーだけの話ではないのだろうと思いつつ…
…
主人公遠山涼音29歳は、入社7年目で、ついに希望していたアフタヌーンティーの企画を担当できる部署に配属になり、そこでの試行錯誤がこのストーリーのメインになる。
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Posted by ブクログ
出版社で働く明日花は
創業百周年の記念事業部署に転属される。
文林館は学習雑誌に端を発した会社だった。
最初はやる気のなかった明日花だが
過去を調べるうちに戦時中
祖母スエが勤務していたことを知り…。
いっそ記念企画として実名で書いても
良かったんじゃないかと思うくらい
小学館の成り立ちがよくわかりました!
登場人物には架空の人もいますが
現代の明日花、過去のスエ
抱える問題は違えど
どちらも仕事に向き合おうとしている。
戦時中パート、スエと年の近い円の
文学少女同士らしいシスターフッドな関係が
その後の文林館にとって大切な鍵に。
『彼方の友へ』や『らんたん』に通じる
私好みの物語でした。