古内一絵のレビュー一覧
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森の中にあるミステリアスな山亭。暖炉の薪は林檎の木。ごはんもデザートもとてもおいしく、ベッドは天蓋つき。美貌のオーナー、白髪でオッドアイの青年シェフ、小太りのフロントスタッフ。これだけ聞いたら間違いなく宿泊したくなる。私は「序」で語られる小さな女の子のことを終始考えながら読み進めた。
目の前の道が突然、悪天候で通れなくなったりして、山亭に導かれる人たち。今、皆が見て見ぬふりをしていることに、関わっている人たちがたどり着く場所。芸能界の闇、無責任な人、女性の生き方、部活動の闇、マタニティハラスメント。それぞれ皆がわかっていることなのに、流されてしまっていることを山亭での出来事が向き合わせてくれる。いい思いをしたら、見返りを求められることが正しいことなのかを考えさせられた。我慢をして通りすぎるのを待つだけでは、何も変わらないことにも。猫は、何気ないふりをして人のことを一番よく見ているのかもしれない、と思ったりもした。
そのなかで、山亭のロビーのからくり時計のモチーフの話は、とても興味深かった。長靴をはいた猫、金華猫、ケット・シーなど、猫好きとしては、とても楽しく読めた場面もあった。
山亭のミステリアスな従業員たちが、何者なのか、どうして修行という行動をとっているのか。それがわかったとき、その思いは大切にしたいと思った。
「すべての苦しみと哀しみから解き放たれて、もう一度新しく生まれ変わる」ことなく、小さな子どもたちが大切に育てられますように。読後、特に思ったことだった。 -
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マカンマランの”おしまい”の一話を読んだ後にたまたま最後のページをめくり、そこに載っていたので調べてみたら、おしまいを読む前に読んだ方がいいという感想があったので、先にこちらを読むことに!
主将を失い、部員もかなり減ってしまった水泳部を存続させるため奮闘する龍一。
大切なのは自分の泳ぎで、周囲には全く興味もなかった龍一が、主将となり新しい部員たちと共に成長する物語。
頭の硬い顧問の柳田先生も成長してた(笑)
シャールさんと柳田先生の再会もここで描かれていたし、ジャダさんもでてきた!
やっぱりシャールさんいいわ〜
“なにが正解かなんて、あたしにも分からない。でもしょうがないわよ。教師もオカマも神様じゃないんだから。”
ジェンダーの問題って、難しい。
でもこの水泳部員たちは対戦相手の選手も含めて、サラっと受け入れた感じがよかった -
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一人の女性騎手が運命とも呼べるような馬と出会い、人馬ともに成長していく物語です。
養成学校の同期の中では紅一点、全国的に見ても数の少ない女性の乗り手。主人公は、まだまだ男性社会が中心の競馬界で奮闘する女性騎手です。学校を卒業して所属することになった厩舎の面々となかなか折り合いはつかず、乗っても乗ってもレースでは勝てず、謗られ、侮られ、貶され、笑われ……まだたったの18歳の女性が男性社会で回ってきた世界で戦おうとすることはここまで屈辱的な目で見られることを耐えなければならないのか、と思ってしまうほど世間からの評価が厳しい中、彼女はようやく一頭の馬と出会います。初めは人馬一体など夢のまた夢のような様子だった一人と一頭が、地方競馬から中央のレースに挑むようなタッグとなっていく。彼女と、馬と、厩舎のメンバーが心を通わせて成長していく姿を見ることができるお話でした。
小学館文庫ということでしたが、子どもが触れる可能性が高い本としてはかなり、男性社会に女性が挑戦する時どんな反発が起きるのかをしっかりと書かれたものだと感じました。きっと、もっとキツイこともあるでしょう。相手が18歳の新人だろうと、社会に出たら守ってくれる人はいません。就職する厩舎によってはさらに酷いセクハラや犯罪まがいのこともあるかもしれない。それらが全て、『女なんかに務まるわけがない』『女のくせに』『女だから』そんな言葉で被害を受けたのは女が男の仕事に手を出した報いだと言うような勝手な言い分で塗りつぶされていく、そんなこともあるでしょう。
それでも、騎手になりたい。
女だから、男だから、そんなことではなく。
馬に乗りたい、レースに出たい、勝ちたい。
その気持ちで突き進んでいける主人公の強さが、とても眩しく感じました。
私は、実家がG1レースの行われる大きな競馬場の近くで、よく大きいレースがある日はファンファーレを聞きに競馬場へ出かけたものでした。大学に通う途中には地方の競馬場があって、そこで走る馬を見るのも好きでした。けれど、中央競馬と地方競馬で違いがあることも、騎手の資格自体も異なることも、この本を読むまで知りませんでした。
ただ好きだな、と思うだけでは見えないことがたくさんあるのだろうと、しみじみと感じます。
目の前に道が開けない、どこにも行く場所が見つけられない、そんな時に思い切って距離のロスを恐れずに大外へ飛び出す勇気。
開けた視界の先に全力で集中する覚悟。
作中の主人公とその相棒の駆け抜けていく姿に、勇気をもらった気がします。
ようやく心を通わせることができるようになってきた彼らが、そして厩舎のメンバーたちが、次巻更に成長していくだろう姿を見るのが楽しみです。 -
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奥三河…愛知県民だけど知らない土地。
方言も違うし初めて知る花祭り(゚-゚*;)(;*゚-゚)
たぶん奇祭?読む前にYouTubeで花舞をチェック!
良い作品でした。
東京から母親の実家である奥三河の集落に来た潤は
事故で友人が死に、自分だけ助かるという事に深く傷つき同級生3人という中学に転入します。
その地域では花祭りという伝統神楽が根付く土地でした。
神楽と出会い集落の人々との暮らしの中で中学2年の多感な少年が立ち直って行く…
王道です!登場人物少なくてみんな良い人!
読みやすい!神楽だけYouTube観て!!
舞がイメージできないと作品評価が下がります⤵︎
装画も素敵です(^ ^)
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「事実は小説より奇なり」なんてぇことをよく耳にしますが、物語に魅せられ、物語に信を置く手前のようなもんには、なかなか受け入れられねぇ言葉でもありやす
一方で確かにこりゃあなんとも奇天烈な出来事だなんてぇことがあって、そのたんびに小説家のみなみな様には、どうか奇天烈な事実に負けない物語を生み出しなすってほしいなどと手前勝手なお願いごとを押し付けているしでぇです
さて話は『風の向こうへ駆け抜けろ』に移らせて頂きます
なかなかに面白い小説ではごさいましたが、手前若いじぶんに寝ても競馬、覚めても競馬なんてぇ、まぁろくでもねぇ競馬狂いだったころがございまして、それこそ競馬の世界で語り継がれるなみだなみだの物語を星の数ほど読み漁ったのでございます
そして競馬の世界には悲劇の名馬、馬同士、人同士の好敵手、師弟や馬と人との絆、涙の復活劇なんてぇ話しがそこかしこにありやがって、なかなかこれを超えた話を作るってぇのは難しいものなんかと思うわけです
要するにわい競馬の話めっちゃ詳しいんで、競馬小説へのハードル高いかも!って2行でまとまっとるやないかーい
あ、最近は全然わかりません
だいぶ前に足洗ったのでいや洗わされたので(ノД`) -
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十六夜荘というお屋敷を巡って
現代と昭和初期の第二次世界大戦あたりの時代が
交互に進められています。
本当の豊かさとは何なのか、人生とは生き方とは
などエリート人生まっしぐらの雄哉と
大伯母にあたる玉青の物語を通じていろいろ
考えさせられました。
戦後大混乱の中、家族を背負っていきぬいた
玉青さんや家族、仲間達
平等でもなく理不尽すぎる世の中に
押さえ込まれながらも温かさや、人としての尊厳を曲げず一歩一歩歩く姿に惹かれ
今現在
そこに住む奇妙だけれど、真っ直ぐに生きている住民達にいつしか心動かされ、雄哉も自分の心や
居場所を見つけていく
そんなお話です。
毎日毎日追われるように生きる人生だけど
一度しかない人生
たまには
空に向かって大きな深呼吸をしよう。
それだけでも幸せな気分になります。