河野裕のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
このシリーズ、巻数増すごとに面白くなっている。キャラクターが増えて、話が膨らんできている。
今巻では二年前、浅井ケイが中学二年生のとき、春埼美空に出会ったときと、その出会いに相麻菫がいたことが語られる。
小学六年生の浅井ケイは電車で咲良田を訪れた。
魔女から「咲良田はあなたを放さない」との警告があったにも関わらず。
自らの記憶能力に目覚めたケイは、咲良田の外に出ても能力のことを記憶してしまう。
そのことに不都合を感じた管理局はケイを咲良田に留め置く決定を下し、ケイもその決定に従うつもりだった。
気がついたら、時が戻っていた。世界のリセットを初めてケイが認識したのはこのと -
Posted by ブクログ
ネタバレ入れ子式のストーリーを計算しつくしてるなぁと思った。映画のインセプションみたいだ。
まず事件が起きて、物語は三日前から始まる。これは春埼の能力リセットによるもの。時間は三日前にさかのぼる。
失敗を繰り返しながらも、どうにか解決できる方法を探して再び戻る。
さらに今回は新たに、写真の中の世界に入り込む能力で時間は30年前にまでさかのぼる。
サクラダリセットシリーズ2巻目、だんだん面白くなってきた。
ケイはとある初老の男性、佐々野に頼まれる。
マクガフィンが欲しいといわれ、またマクガフィンが、と思う。あれは、ただの石だ。
破れたジーンズをはき、十字架のチョーカーをつけ -
Posted by ブクログ
シリーズ完結。数々の伏線がきれいに消化かされてすごかったです。ケイが、時間の巻き戻った春埼に記憶を思い出させるために起こした行動で、泣いてしまいました。名前の由来とか、わざわざ相麻と話をしたりとか。初めてケイが泣くのは春埼のためなんですね…。みんなの能力がうまいこと組わせて使われてて気持ちよかったです。問題が必ずしもきれいに解決したわけではないけれど、そこがまたいいのだと思います。みんなでこれから、咲良田をよりよくしていくのでしょう。
相麻とケイ、春埼の関係も、なんとかなってよかった。
小説の最後の文章、わけもわからず涙が出ました。スケールの大きな話でしたが、結局は、二人の女の子と一人の男の子 -
Posted by ブクログ
物語がクライマックスに向けて動いています。激動です。前回からの続きで、ケイと春埼の関係がどうなるのか不安だったのですが、思った以上にしあわせな関係になっていてすっごくしあわせな気持ちになりました。しかし、そのしあわせな展開からの、相麻との会話や、浦地の計画、春埼の時間が巻き戻ったりと…怒涛でした。絶望的な気持ちになりました。このあと1冊しかないのに、みんながしあわせになるのか、計画は阻止できるのか。記憶は無事に戻るのか、心配です。ケイがどこまで信念を元に行動できるのか。彼の素敵な能力と言葉と対話で世界が、桜田が救われることを望みます。そして相麻と浦地も救われますように。
河野先生は、やはり言葉 -
Posted by ブクログ
わかりにくい暗喩や言葉遣いや言い回しがたくさんあって、わかりにくいのに言葉がきれいで話にぐいぐい引き込まれました。小説の話は、難しいですね。天才の定義とか哲学的な話が相変わらず多くて息を飲みます。こういう捉え方があるかー、と、新しい視界が開けます。
今回は時間が行ったり来たりして時系列がわかりにくかったです。そして幽霊たちそれぞれの思惑も複雑でわからないことだらけで謎がたくさんですね。時間が完結?っぽいので、早く読みたいです。最後のオチが!そうだよね、そうなるよね、と納得しつつも、このあとどうなるのか不安で仕方ないです。相変わらず河野先生のお話しはすてきでした。 -
Posted by ブクログ
三巻にしてようやくケイ、ハルキ、相麻の出会った二年前の話。ここでようやく張り巡らされていた伏線がすこし回収されてすっきりしました。ハルキとケイがどうしていまの信頼関係を築けたのかわかってよかったです。あと、やっと智樹の出番がきてうれしかった。ハルキが、そしてケイもとてもうつくしくて尊い人で、だれよりも善人である二人が、とても愛しい生き物に思えました。感動的な場面でもないのに、二人のあまりの澄み切ったうつくしさにある場面で泣きそうになりました。ハルキの涙はうつくしい。
そして、相麻が無事生き返ったことによる今後の展開が気になります。相麻の目的や意図が不明なのが、いいですね。どんどんおもしろくなっ -
Posted by ブクログ
4つのお話からなる、連作短編集。
それぞれのお話で主人公がかわりますが、
必ず脇役に死神の少女が登場しており、誰かの死に方が語られています。
死ぬ前につくと決意した嘘、死ぬ前に自分がやるべきこと、
死ぬ前に諦めたくないこと、死ぬ前に守りたいもの。
書かれているのは死ぬ前から死の瞬間までですが、
それによって描かれているのは生き方なのだと思います。
綺麗な死に方、ひいては綺麗な生き方、
そういうものはどういう形をしているのか、思わず考えさせられました。
色々なライトノベルがあると思いますが、
個人的にはライトノベルの型だけには閉じ込めたくないと思える作品でした。
魂のリサイクルという人の死後の -
-
Posted by ブクログ
シリーズ3冊目。作家先生がふたり登場するせいか、さらに文章がきれいになり洗練されてておしゃれでハイセンスで…途中、少し話についていけなくなりました。小説家の人の思考を一般人が読み解くのは難しいですが、その飛躍しているところがいい。佐々波さんの気持ちがわかります。メインストーリーは、切なくて苦しくて暖かい、そんな素敵なお話でした。根底に続いている紫色の指先についての話は、相変わらず伏線がたくさん出てきましたが、少しだけ回収されたのでしょうか?紫色の指先の目的が垣間見えて、背筋が凍りました。これからどう話が進むのかとてもたのしみです。この作品、回りくどくて過剰な言葉が多くて、わたしはとても好きです