河野裕のレビュー一覧
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能力者の集まる街「サクラダ」
ともすれば危険な能力者たちは「管理局」によってしっかりと管理され平和な日々が続くサクラダの中で起こるちょっとした事件のお話。(が今後続いていくと思われる)
主人公は過去のすべてを記憶できる能力の持ち主の男子高生と、時間を巻き戻せる(リセットできる)女子高生。
しかし女子高生は時間を巻き戻したことすら記憶を失うので、この男子高生とコンビを組むことで初めて能力が意味を持つといった仕組み。
非常によくできたSF作品でありジュブナイルだった。
そして決して大事件にはならずあくまで登場人物のなかだけで収束する事件を描くのは、「ハルヒ」から続く角川文庫らしい作風といえる。 -
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ネタバレサクラダリセット、シリーズ第2弾。
本作もとても面白かったです。
「リセット」能力が使われるため、事象の流れが分からなくならないように、普通の小説よりもじっくり読まないといけないところが、サクラダリセットを楽しむ醍醐味かなぁと思います。
能力者の能力の組み合わせ、その能力の制限を上手く利用して、不可能と思われることを可能にしていく、浅井ケイの知略に脱帽です。ケイの記憶保持、春埼のリセット、村瀬の物を消去する能力、そして佐々野の写真の中に入る能力を的確に組み合わせ魔女の救出作戦は凄かった。
浅井ケイは2年前と現在(高校一年生)では、考え方や行動が随分変わったのかな?
シリーズ第3弾も楽し -
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○惑う七草、直進する真辺の横顔の切なさ
「心を穿つ青春ミステリ」と評されたこの階段島(かいだんとう)シリーズも三作目。はじめて、恋という言葉が出てきましたが、それが全編通してのキーワードになるわけではありません。
真辺との再会で「引き算の魔女」の噂を知る七草。
しかし第二弾までとはなんだか少し様子が異なることに気づく。階段島で起こる出来事ではなく、現実世界で起こる出来事として語られる。これは第三弾までの間ではじめてである。
よく読むと、真辺と七草の関係性もこれまでと微妙に異なる。階段島に送り込まれた人格の反対側にある現実世界。七草は真辺がその状態になっていることに愕然とする。第1弾「いなくな -
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ネタバレ登場人物の“能力”や、時間の巻き戻しがあるため、読み始めはかなり混乱した。けれども、読み進めるうちに面白くなってきた。
リセットに影響を受けない人物が存在することで、リセット後(やり直し)の世界が微妙に変化していくのが、面白い。
浅井ケイ、春埼美空などの会話が哲学的?で不思議な空気感。
浅井ケイの一度見聞きした事を忘れない能力は、便利な反面、可哀想。人間は辛いことがあっても、徐々に忘れることで生きていける事もあるのに、忘れることができないという能力は残酷だ。
本作だけで物語は一応の完結をみるが、引き続き、2巻以降も読んでみたい。 -
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世界的に有名なIT系大企業ハルウィンが出した、たった一名分の求人告知の内容は、「年収8000万円で65歳までの雇用を約束。ただし応募条件は超能力者であること」。
数多の応募者から審査を経て残った7名の「超能力者」たちが、社員の椅子をかけてコン・ゲーム形式の最終試験に臨みます。
超能力者同士の争いと言えば、横山光輝の「バビル2世」と言ってしまうと年齢がバレますが…
比較的最近なら飯田譲治さんの「NIGHT HEAD」や本多孝好さんの「ストレイヤーズ・クロニクル」、漫画なら「文豪ストレイドッグス」などが思い浮かびます。
ただ、本作の超能力者たちの能力はそれらの作品でメインとなっているような格闘 -
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シリーズ最終巻。能力者をめぐる咲良田市の話もこれにておしまい。
咲良田市から能力が消え去った。過去四十年の能力に関する記憶は全ての人からリセットされ、偽者の記憶に書き換えられた。
浅井ケイ一人を除いて。
能力がなくなった街から、一人電車で咲良田を後にする。 向かった先では、かつて自分が捨てた家族がいた。
家族だったという記憶もない母親だった人にケイは謝り、
咲良田に戻る。
戻った先には一日前とは違う世界があった。
相麻菫は二年前に死ぬことなく普通の高校生だし、
皆実未来の性格は少し捻じれているようだ。
しかし、そこに春埼美空の姿はなかった。
何が正しくて、何が正 -
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終盤に向けて物語が一層加速する。
始まりの三人、未来視の魔女と能力範囲制限の夫婦が作った咲良田市の能力者たちをあるべき姿に戻す。その信念で管理局の一部署、対策室室長の浦地が暗躍し、相麻菫が力を貸す。
文化祭での出し物の劇、演じるケイと美空の距離が縮まる一方で、美空を危険から遠ざけたいとの思いから彼女を一人にしたのが失策だった。
街の数か所で突然起きた能力の暴発事故、そして咲良田市を包み込む雨雲を一瞬で晴らして青空になったとき、能力者たちの街の終焉サクラダリセットが始まる。
能力を残せば、犠牲になる人がいて、救われる人がいる。
能力をなくせば、犠牲になる人がいて、救われる人がい -