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Posted by ブクログ
記憶を保持する能力が欲しい。
その昔、自分のおこづかいからごく初めのころ買った『フォーチュンクエスト』の2巻か3巻において、すべてを忘れられなくなり他人を避けて暮らしている人物、という話が語られていた。
楽しいことも悲しいこともみな忘れることができず、いつまでも覚えていなければならない。それはとてもつらいことである、と。
当時、なるほどそれはつらい事だと同意した。印象的だった。そして今でも覚えている。(今ならインデックスさんを今を昔と思うころに思い浮かべるかもしれないがどうだろう)
しかし、今は思う。辛い苦しみも、恥ずかしく思い出したくもないことも、思い出せなくなるのは嫌だ。
いやむしろ、全てを覚えていて理知的に、聡く、行動に活かせるほうが、
どれほど有意義であろうかと。
大学生になって一人暮らしをはじめて以来、日記を付けている。起こったことを記録している。記録せずにはいられない。忘れたくはない。
しかし、全ては忘れてしまうのだ。
日記という形に記録をしても、それを手がかりに思い返して、過去の自分を現在に活かしていくことはできない。
ネットにサイトを置いて、ゲームの感想や読書の感想を記録しても、それを覚えておきその上に新しいものを積み重ねていくことの役には殆どたたない。Google先生が空前の偉大な知の整理者であろうと、現在の利用の仕方では駄目なのだ。
記録をして少しは満たされる。しかし忘れてしまうことに変わりなく、覚えていられる助けにはならない。
それでも、忘れてしまうのだから、記録するほうがまし、であるかも知れない。記憶を保持する能力、全ての記憶を自在に思い出す能力を今のところ獲得できる見込みはないのだから、断片的にでも記録しておくべきかもしれない。そうするしかないかもしれない。
日々は楽しい。それは常に昔の記憶を忘れ、全てを新しく感じ思えるからである。
それでも記憶を保持する能力は欲しい。自分はあまりに愚かしい。
誰でも何にでも、時の流れと等しく忘却は訪れる。
何かをきっかけに思い返していくより仕方がないのだ。そういうものなのだ。
それでもいつもいつまでも、全てを忘れたくはない。
いつか全てはなくなるとしても、この自分のため自分のことは、覚えていたい。
とかぽえむるくらいに感服した/話自体はゲーム調ミステリみたいな感じでそれほど驚くところはないが表現の仕方が一行ごと腑に落ちる/まったくすごい
Posted by ブクログ
三巻にしてようやくケイ、ハルキ、相麻の出会った二年前の話。ここでようやく張り巡らされていた伏線がすこし回収されてすっきりしました。ハルキとケイがどうしていまの信頼関係を築けたのかわかってよかったです。あと、やっと智樹の出番がきてうれしかった。ハルキが、そしてケイもとてもうつくしくて尊い人で、だれよりも善人である二人が、とても愛しい生き物に思えました。感動的な場面でもないのに、二人のあまりの澄み切ったうつくしさにある場面で泣きそうになりました。ハルキの涙はうつくしい。
そして、相麻が無事生き返ったことによる今後の展開が気になります。相麻の目的や意図が不明なのが、いいですね。どんどんおもしろくなっていて、物語に引き込まれます。作者の不思議な言い回しや比喩表現、哲学的な話が大好きです。自分にはない思考で、いつも考えさせられます。
Posted by ブクログ
3巻めもおもしろかった。今回は過去編ということでこれまでの登場人物が最初どのような形で咲良田(さくらだ)という街に関わってきたのかが描かれており、第2巻の最後の続きが早く読みたいと思わせながら、うまく3巻の最後まで引っ張ったんじゃないかと思う。つまり第2巻から未来のお話はほんのわずかという構成で、今回は恐らく大きな動きとなる次巻につながる舞台を整えたという感がある。もちろん単なる自己紹介的昔話で終わったわけではなくマリという小さな女の子とその母との物語を軸に、すべての登場人物の行動原理をより理解する上で非常に重要な内容だったと思う。ファンなら間違っても読み飛ばしたくない巻。
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