あらすじ
真辺由宇。その、まっすぐな瞳。まるで群青色の空に輝くピストルスターのような圧倒的な光。僕の信仰。この物語は、彼女に出会ったときから始まった。階段島での日々も。堀との思い出も。相原大地という少年を巡る出来事も。それが行き着く先は、僕と彼女の物語だ。だから今、選ばなければいけない。成長するとは、大人になるとは、何なのかを。心を穿つ青春ミステリ、堂々完結。
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Posted by ブクログ
ピストルスターと名付けられた星のことを知っていますか
銀河系のほぼ中心にある太陽系から2万5000光年離れた星
太陽の160万倍明るく太陽の300倍大きい星
とてつもなく明るいけれどあまりに遠くて地球からは見ることができない星
この物語はピストルスターを信仰した少年の物語
真っすぐ走り続ける少女にピストルスターを重ねた少年の物語
何かを選んでも何も捨てることなく大人になる道を探した少年の物語
群青色に染まる空を明るく照らし鮮やかな青に染め上げる物語
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階段島の物語、完結編。
階段を登るイレギュラーな存在、大地。
わがままな魔女になると決め、これまでになくルールを破りながら、それでも優しい堀。
大地のためにどこまでもどこまでも魔法を繰り返す真辺由宇と、それを寄り添って見つめる七草。
読み進めていくと、失くしたものを思い出すような気分になる。
今までのどの本より心に残る言葉が多い最終巻。
「綺麗なものは綺麗なまま扱うのがいい。そうできないのは、子供じみたプライドでものの見方がひねくれているだけだよ」
「私ひとりでみつけられるものよりも、きみとふたりでみつけたものの方に、価値があるに決まってる。だから、無敵だよ」
「私の絶望は、きみがいなくなることだけだった」
きみがここにいる限り、絶望なんか欠片もない。
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あぁ、この物語は、こうやって終わるのか、とついつい
考えたくなるような終わり方だった。
ある意味できれいな終わり方でもあるし、
別の意味ではもっといろんな角度から話を見たかった。
途中の話は難しいところもあったけど、
最後の最後は記憶に残る終わり方だった。
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この本の結末には賛否両論あると思う。だけど、私はこの結末がとても好きです。戸惑うくらい真っ直ぐな真辺、悲観主義でただひたすら優しくて何も捨てられない七草、いい魔女を愚直に全うする堀、口は悪いけどそれは人を思う優しさ故の安達…。感情の描写が難しく、決してすんなり入ってくる文章ではないけど、とても面白かった。読んでいて、胸が苦しくなるような時もあったけど、読み応えは抜群でした。
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階段島シリーズ最終巻。
1巻目からとても魅了され、最終巻の発売が待ち遠しく、買ってすぐに読んだ。
いままで、割と多くの本を読んできたけれど、ここまで「言葉の質」がいい本に出会ったことはなかったと思う。
この本を愉しむことができる頭を持ち合わせていて、本当によかった……。
河野さんのほかの作品も読んでみたくなりました。
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「いなくなれ、群青」シリーズの完結作。「愛」や「友情」、「憧れ」という青春時代の重要な価値観を基軸にしつつ、「理想」と「現実」の狭間で思い悩む少年少女たちの物語。
魔法は誰にでも使えて、誰も使えなくなるもの。ただ、それがある内だけでも、守りたいものを守り続けることが、僕たちにできるささやかな抵抗なのだろう。
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軽く読み始めたシリーズが、深く考えうながすものに変化していきました。じぶん、というものをはっきりと切り取ることなんて難しく、捨てたと思った自分がひょこりと顔を出すこともある。この物語の何度も繰り返される推敲は、ある意味リアルで、無理やり一つの分かりやすい形に押し込められなくて良かったです。
それでも、読後、あの出来事から2年後の、5年後に、ほのかな寂しさを感じました。
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大地の幸せを探す模索を軸にしつつ、魔法をめぐってだいぶ観念的な話になってしまった感じがします。それでもお話をちゃんと完結させられるのは、この作者のすごいところですね。
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6巻にわたる群青シリーズが終わった。最後のエンディングに向かう部分は今までの要素が収斂されてきて良かった。
ただ間の数巻は必要なかったと思う。同じことの繰り返しで冗長とも思われる部分も散見していた。
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真辺への信仰心の比喩を多用している場面が多すぎる。
互いに尊い存在 ピストルスター として追い求め続ける二人の関係性に憧れた。
どこまでも希望があるという絶望。
この矛盾を何度も訴え続けている。
それ理解してもなお、足を止めずに進み続けてく真辺、それを愛する七草。
二人のどこまでも繋がり続け、信仰し続ける。
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階段島シリーズも本巻にて完結。
これ読んでる同じ時期に、ちょうど涼宮ハルヒシリーズが文庫化してて、そっちも読み進めてるから、つい対比してしまう。
真辺は一人で突っ走ってるハルヒなんだ。
両人ともに自分の意志を貫き通してるけど、真辺は他人のあるべき姿を理想として突っ走って世界を変えようとする。
変数が他人なわけで、絶対に理想の世界にはたどり着かない。
七草は傍観者でありキョンなのだ。
ただし、キョンは傍観してなすがままに流されているけど、七草は傍観しながらも真辺の否定すべきところはキッパリと否定している。
シリーズは魔女だったり、家庭の事情のだったり、いろいろとテーマになっていたけど、
最後には真辺と七草の物語に収束する。
捨てたい感情を捨て、捨てられた感情が集まった島、階段島。
「嫌いだよ。でも、悪くないところもある。そんなもんだろ、自分自身なんて」
ラストが清々しい。
Posted by ブクログ
最終巻、前半は主人公、後半は七草、真辺双方の視点で
繰り返される堂々巡り、物語としては何も進展しません
巻が進むたびに難解になっていく印象ですが、最終巻は特に答えのない議論といった様相
一部を抜き取られた人格同士だからと言ってしまえば、こうなっちゃうのかもしれません
やっぱり現実は全くの別
一様の結末を迎えますが・・・
Posted by ブクログ
ついに最終巻。
やはりこれは成長の話なのね(たぶん。まだ自信ない)。
成長の過程で選び取るもの、捨てるものがあって、で、「大人って何よ?」「どうなったら大人なのよ?」的な永遠のテーマともいえる疑問を大地から投げかけられて・・・
誰のどの考えが正しいのかはさておき、みんなが大地のために行動して、という姿勢がうれしいものの、元(?)魔女の時任が作った世界に、現実から一部を抜き取られた大地の両親がいて、大地は二人に会いに行く、だとか、現実に戻った大地は魔法の力で、自由に階段島と現実を行き来するとか、「えぇのん?それ」みたいなところが多々あり、真辺が魔法を使って大地の幸せをシミュレーションし出してからは、もう、正直何がなんだか。
捨てる捨てない、諦める諦めない、日常的に大なり小なり選択していることを深堀りしたらこんなに哲学的な話になるのだろうか・・・。
にしても、予想とは違う物語の着地や、それはしょうがないにしても、なんかモヤモヤするラスト、そして、トクメ先生などなんだか置き去りにされている登場人物が多いことなどで、とにかくスッキリしない最終巻だった。
あ、真辺と堀の両方を想う七草には、階段島で堀と、現実で真辺と過ごせるという一番美味しい結末になったということか?!え?そういうこと?!(誰か教えてー)
さすが、諦められない七草。(←もう決めつけた)
なかなかに面白い設定の物語だったものの、たぶんどの登場人物もあまり好きになれず、感情移入できず、魔法が突飛すぎてついていけなかったことが原因で、そこそこ面白いけど・・・という感想にとどまってしまうかな。
なんだか惜しいと思う反面、途中(真辺がシミュレーションするところ)飛ばし気味に読んだせいだけでなく、自分自身の読解力もないのだと思った。まだまだ修行が足りません。
Posted by ブクログ
階段島シリーズ全部読み終わりました。最後は真辺と結婚したってことでいいのかな?
このシリーズの印象としては、非常に読みにくく、文学的要素+自己啓発が含まれた小説だったなという感じです。物語の展開を要約するとすごく短く表現できるけど、言葉遊びをしていてのんびりとストーリーが進んでいく、そんな作品でした。
人生においてさまざまな選択時がありますが、その時選ばれなかった道が階段島という夢幻世界で別のストーリーを紡ぎながら、それを現実世界で必要になったら思い出して拾う… 私たちリアルの世界でもありそうですが、その夢幻世界では自分以外の人間との社会性が存在していて、いろんな人と関わった後で、現実の自分と対話をするのは唯一無二のファンタジーだなと思った。
めちゃくちゃ面白かったというわけではないが、続きが気になってしまう、それは階段島という世界観に魅力を感じたからだと思います。
Posted by ブクログ
最終巻にしてイマイチよく分からない終わり方になってしまったか。
大地はあれで良かったと思うけれど、最大の課題である七草と真辺の関係にはキッチリと決着をつけて欲しかったな。更に言うと、他の人たちも全て放ったらかしは無いだろう。
せっかくここまで読んだのに不完全燃焼です。
Posted by ブクログ
4巻から5.6巻を読むまで時間が開いたからか、私には上手く理解出来ませんでした。
どうか私に全ての解説をして欲しいです。
トクメ先生や時任さん、堀さん、美絵さんのことなど…
Posted by ブクログ
階段島シリーズが遂に完結。
最初から最後まで、やはりこの物語は七草と真辺の物語だった。堀を真辺と対比させ、安達と七草の類似性を示す事で、より2人の性格が掘り下げられていた。多少の変化はあれど、最後まで階段島の2人は一貫していた。
ゴール無き命題を、呆れるほどに愚直にドリブルする真辺と、どうにか目の前のディフェンダーを抜けるようにサポートする七草。この2人の関係性は、正しくないとしても、素晴らしいと思う。また、2人が成長して、足を止めてドリブル以外の選択肢を持った真辺と、それを受け入れる七草は正しいと思う。
人生において成長は必要なもので、その過程で失われる自分は、不必要なものだったと捉えるのではなく、尊いものとして記憶のどこかに保存しておくのがいいと思った。階段島の住民は尊い。決して不必要ではないから、来たるべきタイミングで拾ってもいい。
自分のダメなところや辛い体験も、時間が経って、回顧して笑って人に話せるようになったら幸せだなって思う。
Posted by ブクログ
登場するだれもがやさしくてこんな世界にいられたらそれはほんとうにしあわせだろうなぁと思いました。
ありえないけれど、理想を求める姿はうつくしくて、きれいでした。
結末はあっけなくて、すこし切なくもありました。
大地がこれからきっとしあわせになれることを祈ります。だれもがしあわせになれますように。
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「階段島」シリーズ6。最後
真辺由宇の絶望が見たかったのか。屈折してるのは苦手なんだな。
私は大地が気になる。
魔法や階段島の概念は良いね。ライトノベルかと思ってたら、そうでもなかったのは収穫。
Posted by ブクログ
終わり方としては少し拍子抜けだった。
ただ、「私は世界を認識できない」という台詞に示されるように複数ある自分がそれぞれ認識する世界があり、だからこそパラレルになってしまう世界を認識しきれないし、本来世界を形作る恋愛も信仰も友情も、捨てないことの呪いによって幾層にも世界を作ってしまう。あぁ、なんともまぁ複雑な世界なのか(笑)。そこで生きる登場人物も結局崇高すぎて(笑)
あと、大地が半分ってのは、ちょっとどうなんだろうかね。そうしなければならなかったのは物語としては必要だけども、彼のアイデンティティや不思議なまでの賢さは説明が付かない。この物語にリアリティなんかを求めても意味は無いのだけれども、それでも階段島の人物のキャラクターは階段島のアイデンティティに支えられていたはずで、大地にとってそれはつまりなんだったのかなぁと。彼は純粋に絶望のためのアイコンだったのかな。
Posted by ブクログ
階段島シリーズ最終巻。現実の大地にとって一番良い世界を選ぶ為それぞれ奔走する七草と真辺。とは言ってもどちらも自分の信念に基づき過ぎているのでそれ大地にとっては本当に一番なのか?なもやもやが残る。結局真辺が放つ理想の光がいつか消えると怯えてならばと吹き消そうとしたけどその光は七草がいる限り輝き続ける、とある意味完璧な二人の世界を再確認する結末でこう結ぶかと納得。しかし時が進んだ現実はどうなったかとか堀と安達の魔法を巡る対決は?とか色々語られないままのエピソードあるけど二人の物語だから語るのは野暮か。
Posted by ブクログ
本屋の新刊コーナーで、5巻の郵政カブのイラストを見て、へぇ、と気になった。
で、デザイナーの川谷さんの特集(この間休刊したMdN)を見て、読まねばなるまい、と思って古本で順次集めた。
(この6巻目だけは新刊で購入)
イラストがビブリアの越島さんだということには、つい最近になって気が付いた。
2巻まで読んだ後、しばらく間が開いたけど、3巻以降は割と一気に読み進んだ。
で、この作り物の世界を美しいとか愛しいとか感じるか、というと、それはないなぁ。
6巻の帯の「映画化」に、シャフトですか、と思ったら実写だ、と。
その映画の幸福な未来はまるで思い描けないね。
Posted by ブクログ
星を見る物語だった。それは手が届かない理想を求める物語。そして誠実を求め続けた物語だった。
6巻に渡る階段島シリーズの完結巻。本作を簡潔に総括することは大変な困難なのだけど、ワシはこの美しい言葉の群れに耽溺したと言える。
それは同時に、木を見て森を見ずになってしまっている、すなわちこの物語をまだ咀嚼できてないのかもな、とも思っている。それでもその木は美しく、特に突然現れる、カタルシスとも違う唐突な登場人物の言葉に心揺さぶられる。
人は何も捨てずに成長できるのか。捨てられた人たちの、捨てられなかった声に沈思する。
Posted by ブクログ
人生に正解は無い。
人生に近道は無い。
群青色ってどんな色だっけってPCで調べたけど、こんな無機質な色なんかじゃなくて、自然界の中で見られる本物の群青色を見てみたいなって思った。
Posted by ブクログ
シリーズ最新刊。
自分は大分ラストの方から読みだしたからアレですが、いなくなれ群青から読んでいた人だったら感慨深いだろうなぁ。青春小説なんだけれどもチープな(本人たちにしてみればチープじゃないのかもしれないけれども)恋愛モノではなく、実際に起きているネグレクトをどう解決していくか、という重いテーマが裏にあってどう終わるんだろう?と思ってました。なるほど。でも確かに精神的支えとか逃げ場って大事だよねぇ、ウン。
あまりにもまっすぐで正しいマナベさんが苦手だったんだけれども彼女は現実の彼女に拾われて良かったな、とも思う。階段島の彼女は尖りすぎていてある意味怖かったので。理想のために理想を追いかける姿をバカだと笑うのか、愚直さをああはなれないと直視するのを避けるのか。そう言う意味ですごい痛い人だった。
でも読んでよかった、と思ったシリーズでした。探偵舎の方も楽しみだ。
それにしても作家さんってスゴイなぁ。10代を越えても作中の人物は10代のままだからその感覚で物を語らないとイカンのだもんなぁ~ スゴイ。
Posted by ブクログ
皆に優しいのは、誰にも優しくないのと一緒だよ?
なんて10代の頃から云われ続けている。ひとによっちゃトラウマになるところだぞこれ。
欲張りなんだろうなぁ、と思うことが多い。
何かを捨てる、捨てない、
選ぶ選ばない、という道程で、
選ぼうとするものがひとよりも多い?
いや、正確には
選ばないと決めるものが極端に少ないのだ。
はふう、である。いやほんとに、はふう、だとは思ってんだよ?(笑
思ってんだけどさ。
さて。
一作目をタイトル買いしたのがもう五年も前なのかと思うとぞっとしますね。
シリーズ後半から少し観念的になってきたな、と思いながら、それでも青春小説として楽しく読めました。
それでも☆がある程度なのは、最終的な落としどころ、が自分はこれを選ばないなぁ、と感じてしまったからで。
例えばそう、シミュレートされたのがこの結末であるのなら、オレは次、を始めてしまうだろうと思ったから。
さて、オレには果たして、
壊れる前に止めてくれるひとは、居るのかね?
その前に人並みに壊れるのかね、これは。