あらすじ
真辺由宇。その、まっすぐな瞳。まるで群青色の空に輝くピストルスターのような圧倒的な光。僕の信仰。この物語は、彼女に出会ったときから始まった。階段島での日々も。堀との思い出も。相原大地という少年を巡る出来事も。それが行き着く先は、僕と彼女の物語だ。だから今、選ばなければいけない。成長するとは、大人になるとは、何なのかを。心を穿つ青春ミステリ、堂々完結。
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Posted by ブクログ
この本の結末には賛否両論あると思う。だけど、私はこの結末がとても好きです。戸惑うくらい真っ直ぐな真辺、悲観主義でただひたすら優しくて何も捨てられない七草、いい魔女を愚直に全うする堀、口は悪いけどそれは人を思う優しさ故の安達…。感情の描写が難しく、決してすんなり入ってくる文章ではないけど、とても面白かった。読んでいて、胸が苦しくなるような時もあったけど、読み応えは抜群でした。
Posted by ブクログ
最終巻、前半は主人公、後半は七草、真辺双方の視点で
繰り返される堂々巡り、物語としては何も進展しません
巻が進むたびに難解になっていく印象ですが、最終巻は特に答えのない議論といった様相
一部を抜き取られた人格同士だからと言ってしまえば、こうなっちゃうのかもしれません
やっぱり現実は全くの別
一様の結末を迎えますが・・・
Posted by ブクログ
ついに最終巻。
やはりこれは成長の話なのね(たぶん。まだ自信ない)。
成長の過程で選び取るもの、捨てるものがあって、で、「大人って何よ?」「どうなったら大人なのよ?」的な永遠のテーマともいえる疑問を大地から投げかけられて・・・
誰のどの考えが正しいのかはさておき、みんなが大地のために行動して、という姿勢がうれしいものの、元(?)魔女の時任が作った世界に、現実から一部を抜き取られた大地の両親がいて、大地は二人に会いに行く、だとか、現実に戻った大地は魔法の力で、自由に階段島と現実を行き来するとか、「えぇのん?それ」みたいなところが多々あり、真辺が魔法を使って大地の幸せをシミュレーションし出してからは、もう、正直何がなんだか。
捨てる捨てない、諦める諦めない、日常的に大なり小なり選択していることを深堀りしたらこんなに哲学的な話になるのだろうか・・・。
にしても、予想とは違う物語の着地や、それはしょうがないにしても、なんかモヤモヤするラスト、そして、トクメ先生などなんだか置き去りにされている登場人物が多いことなどで、とにかくスッキリしない最終巻だった。
あ、真辺と堀の両方を想う七草には、階段島で堀と、現実で真辺と過ごせるという一番美味しい結末になったということか?!え?そういうこと?!(誰か教えてー)
さすが、諦められない七草。(←もう決めつけた)
なかなかに面白い設定の物語だったものの、たぶんどの登場人物もあまり好きになれず、感情移入できず、魔法が突飛すぎてついていけなかったことが原因で、そこそこ面白いけど・・・という感想にとどまってしまうかな。
なんだか惜しいと思う反面、途中(真辺がシミュレーションするところ)飛ばし気味に読んだせいだけでなく、自分自身の読解力もないのだと思った。まだまだ修行が足りません。
Posted by ブクログ
階段島シリーズ全部読み終わりました。最後は真辺と結婚したってことでいいのかな?
このシリーズの印象としては、非常に読みにくく、文学的要素+自己啓発が含まれた小説だったなという感じです。物語の展開を要約するとすごく短く表現できるけど、言葉遊びをしていてのんびりとストーリーが進んでいく、そんな作品でした。
人生においてさまざまな選択時がありますが、その時選ばれなかった道が階段島という夢幻世界で別のストーリーを紡ぎながら、それを現実世界で必要になったら思い出して拾う… 私たちリアルの世界でもありそうですが、その夢幻世界では自分以外の人間との社会性が存在していて、いろんな人と関わった後で、現実の自分と対話をするのは唯一無二のファンタジーだなと思った。
めちゃくちゃ面白かったというわけではないが、続きが気になってしまう、それは階段島という世界観に魅力を感じたからだと思います。
Posted by ブクログ
「階段島」シリーズ6。最後
真辺由宇の絶望が見たかったのか。屈折してるのは苦手なんだな。
私は大地が気になる。
魔法や階段島の概念は良いね。ライトノベルかと思ってたら、そうでもなかったのは収穫。
Posted by ブクログ
終わり方としては少し拍子抜けだった。
ただ、「私は世界を認識できない」という台詞に示されるように複数ある自分がそれぞれ認識する世界があり、だからこそパラレルになってしまう世界を認識しきれないし、本来世界を形作る恋愛も信仰も友情も、捨てないことの呪いによって幾層にも世界を作ってしまう。あぁ、なんともまぁ複雑な世界なのか(笑)。そこで生きる登場人物も結局崇高すぎて(笑)
あと、大地が半分ってのは、ちょっとどうなんだろうかね。そうしなければならなかったのは物語としては必要だけども、彼のアイデンティティや不思議なまでの賢さは説明が付かない。この物語にリアリティなんかを求めても意味は無いのだけれども、それでも階段島の人物のキャラクターは階段島のアイデンティティに支えられていたはずで、大地にとってそれはつまりなんだったのかなぁと。彼は純粋に絶望のためのアイコンだったのかな。
Posted by ブクログ
階段島シリーズ最終巻。現実の大地にとって一番良い世界を選ぶ為それぞれ奔走する七草と真辺。とは言ってもどちらも自分の信念に基づき過ぎているのでそれ大地にとっては本当に一番なのか?なもやもやが残る。結局真辺が放つ理想の光がいつか消えると怯えてならばと吹き消そうとしたけどその光は七草がいる限り輝き続ける、とある意味完璧な二人の世界を再確認する結末でこう結ぶかと納得。しかし時が進んだ現実はどうなったかとか堀と安達の魔法を巡る対決は?とか色々語られないままのエピソードあるけど二人の物語だから語るのは野暮か。
Posted by ブクログ
皆に優しいのは、誰にも優しくないのと一緒だよ?
なんて10代の頃から云われ続けている。ひとによっちゃトラウマになるところだぞこれ。
欲張りなんだろうなぁ、と思うことが多い。
何かを捨てる、捨てない、
選ぶ選ばない、という道程で、
選ぼうとするものがひとよりも多い?
いや、正確には
選ばないと決めるものが極端に少ないのだ。
はふう、である。いやほんとに、はふう、だとは思ってんだよ?(笑
思ってんだけどさ。
さて。
一作目をタイトル買いしたのがもう五年も前なのかと思うとぞっとしますね。
シリーズ後半から少し観念的になってきたな、と思いながら、それでも青春小説として楽しく読めました。
それでも☆がある程度なのは、最終的な落としどころ、が自分はこれを選ばないなぁ、と感じてしまったからで。
例えばそう、シミュレートされたのがこの結末であるのなら、オレは次、を始めてしまうだろうと思ったから。
さて、オレには果たして、
壊れる前に止めてくれるひとは、居るのかね?
その前に人並みに壊れるのかね、これは。