河野裕のレビュー一覧
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〈それは、アズ・テイルズのような未知ではなかった。ごく当たり前の物理現象に過ぎなかった。地球は丸く、落日とは地球の陰に太陽が隠れる現象だ。だが観測者の位置が変われば――たとえば急速に高度を上げれば、地球の陰に隠れた太陽がまたみえる。原理としては、塀の向こうを跳びあがって覗きみるのと変わらない。〉
17世紀後半のイングランド、ケンブリッジ大学でアイザック・ニュートンに師事した数学を愛する若き学者のオスカー・ウェルズは、現王の反乱軍を鎮圧するために赴いた戦場にて、『怪物』に命を救われる。二者はやがて友情を深めていくが、オスカーは自身の知られざる秘密を知るとともに、時代の激流に飲み込まれていく。 -
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『さよならの言い方なんて知らない。2』の概要と感想になります。
ネタバレの境界線が未だに分からない本シリーズですが、青崎有吾さんの裏染天馬シリーズ並みに飽きることなく読み終えました。
本作はアクション映画の撮影現場に居合わせたかの如く、一つ一つの描写がイメージしやすく、そして何より鳥肌が立つような知略に興奮しました。早く次回作を読み進めたくなります。
簡単な概要です。
※前作未読の方はご注意下さい。
とんでもなく臆病な香屋歩(かや あゆむ)は前作で同級生のトーマと再会を果たし、トーマが架美崎という戦場の半分の領土を占める「平穏な国」に所属していることを知る。そして「平穏な国」と同等の権力 -
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ネタバレとても驚きました。面白かったです。
主人公の岡田杏が1,000年間転生し続けていると知り、読むことを決めた本ですが、徒名草文通録を巡る物語がとても魅力的でした。この物語の中に登場する様々な神様も自然と人間の日常に溶け込んでいて、正に平穏で満ち足りた、ただの日常のお話でした。
登場人物の中にいる浮島龍之介のモノローグ的な部分でのとある言葉が特にお気に入りです。その言葉はこの物語の中核を担うような言葉だと感じましたし、浮島龍之介自身がその言葉を体現するような人間でした。とても好感を持てましたし、その言葉がより一層好きになりました。
最後は読者の前提をひっくり返してきて、とても驚きました。また、タ -
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ネタバレの境界線が分からないので詳細は伏せます。
タイトルと装画の印象から淡い青春小説かな?と思っていたのですが、近未来的な三国志という例えがしっくりくる作品でした。特に最後の三行は衝撃ですね。
本作『さよならの言い方なんて知らない。』の感想になります。
河野裕さん初読みの本作はシリーズ8巻まで書店で見かけるものの、インフルエンサーの方々で絶賛の声を聞かないのですが私は絶賛します!!
これは今の時代にテレビアニメ化していたら大ヒットする完成度だと感じますし、推し活したくなるキャラクターが多い印象です。(私は今のところ、秋穂がお気に入りです。)
本シリーズも続編を追いかけていこうと思いな -
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【ネタバレ無】【感想】
ハラハラ!ワクワク!が持続して没頭!!
輪廻転生のファンタジーでありながら現代を生きる様はリアル。
神戸/姫路/城崎。
舞台が身近で現実世界としても想像できる〜!
巻き起こる思惑バトル。輪廻とのつながり。
現代の出来事と輪廻の出来事を行き来して読者の頭も縦横無尽。
好き!!
日本神話も関連するので神社巡りが好きな方はよりなじみ深く感じられそう。
とはいえ当然本書にはその知識がなくても楽しめるし、むしろ神話エピソード調べてみよっかな、と世界観に引き込まれる。
それくらい登場する神様の性格も魅力的。
世界観の設定=制約が序盤でさらっと潔く描写されるので、世界観を咀嚼