【感想・ネタバレ】彗星を追うヴァンパイアのレビュー

あらすじ

魔術が終わる時代に、ふたりは戦場で出会った。

17世紀、イングランド。母と暮らした幼い頃から、オスカーの願いは〈世界のルールを解き明かす〉ことだった。数学の才を持つ彼は、ケンブリッジ大学でニュートンに師事する。けれど、王位継承を巡る反乱が勃発し、戦場へ。窮地に陥った彼の命を救ったのは、人知を超えた力を操る謎の男、アズ・テイルズだった。物理法則に従わない未知の存在を解き明かそうとするオスカーと、自分が解き明かされる日を待ち続けるアズ。ふたりの出会いが、人類の〈科学〉と〈戦争〉の歴史を動かす。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

なんと科学✕怪物(ヴァンパイア)
痺れる発想

しかも主人公オスカーはアイザック・ニュートンの弟子という数学者
そんな彼が悠久の時を生きるヴァンパイアのアズと出会い
ヴァンパイアの謎を解き明かそうとするが、無血革命に繋がる歴史の渦に飲み込まれて行くというストーリー

そして解き明かされるのは、「学問」とは何か?という壮大なテーマだったように思う
そして「知りたい」と思う心こそ人類が決して飼い慣らすことのできない怪物だったのではないか

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

主人公が交代していくのかと思ったんです。ヴァンパイアものだから。「彗星を追う」って、年月もかかるだろうなと思って。もう、全然違った。泣くとは思ってなかった。私も。学問の尊さと、人間の愚かさ(学ばない人とかではなくて)と、「生きる」という気持ちの薄さ?とかなんかもう色々。読後の感情が混沌とする。
作者さんの書き方がなんだか好きです。なんだろうなぁ。読点の打ち方とかかなぁ。(私は異様に読点の入れ方がなんか違うと知人の文章でももぞもぞするタイプ)淡々としているけど飽きない感じ。熱量の入れどころが定まってて、そことの比較でなんか…ぐっときました。アズ…今も居るんだろうか…

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

読後の感想がすっと出てこない作品は久しぶりかもしれない。ただ、儚くも尊い物語だったなと。
自分にとって「美しい」と感じることを追い求める。それこそが人生のあり方なのかもしれない。

タイトルの回収も見事だった。

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2025年07月05日

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思ってたのとちがうぞ!!なにこれめちゃくちゃ切ねええええええええ(叫

アズくんの愛が重すぎて窒息するかと思ったけどよかった。何がいいのか説明できないけど(語彙力)よかった。

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2025年05月05日

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ネタバレ

ヴァンパイアが出てくるのでファンタジーではあるが、イギリスの17世紀の歴史とニュートンなどケンブリッジの学究や科学発展の側面が融合していて面白い。また主人公オスカーの美しい世界、学問への信仰が揺るぎないことに感動しました。ヴァンパイアのアズとの友情は、唯一無二の愛と言ってもいいでしょう。アズの孤独を思って涙が出ました。

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2025年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ヴァンパイアと数学者の話なので、この感想が適切かどうかは分からないんだけど、すごく言葉の定義が綺麗な話だった。
怪物という言葉に未知という意味を重ねて、最終的に無知という意味も添えられて、読み終わる頃には「怪物を殺し尽くす存在」という序盤に出てくる言葉が違う意味になっていく過程を読んでいくのが素敵。
終盤になるにつれてアズとオスカーの結末から目が離せなくなるし、最後の1ページまでじっくり噛みしめるように読んでた。面白かったです。

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2025年01月28日

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ファンタジーと化学。
地に足のついた歴史的な部分とヴァンパイアという存在。
そしてそれらを繋ぐ普遍的な知識欲、探究心、そして友情。
アンビバレントな要素が上手く融合していて、面白かったです。

感情的でない主人公達、だけど、どうしても突き止めたいことのある主人公達。その温度感も心地よかったです

2025.1.26
19

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2025年01月26日

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結末に感動した!タイトル、キャラ名含めていろんな伏線回収が楽しめる。ヴァンパイアというファンタジー要素と、17世紀イギリスの史実が綺麗に融合している。ヴァンパイアと主人公の、寿命や種族を超えた熱い友情が素敵。

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2025年01月25日

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〈それは、アズ・テイルズのような未知ではなかった。ごく当たり前の物理現象に過ぎなかった。地球は丸く、落日とは地球の陰に太陽が隠れる現象だ。だが観測者の位置が変われば――たとえば急速に高度を上げれば、地球の陰に隠れた太陽がまたみえる。原理としては、塀の向こうを跳びあがって覗きみるのと変わらない。〉

 17世紀後半のイングランド、ケンブリッジ大学でアイザック・ニュートンに師事した数学を愛する若き学者のオスカー・ウェルズは、現王の反乱軍を鎮圧するために赴いた戦場にて、『怪物』に命を救われる。二者はやがて友情を深めていくが、オスカーは自身の知られざる秘密を知るとともに、時代の激流に飲み込まれていく。ということで本書は、フェルト帽を被った背の高い男の姿をした『怪物』とこの世界のルールを解き明かしたい青年、『友情』が、『科学』と『未知』の接地点となる美しい歴史ファンタジー(あるいはSF的でもあります)になっています。

 ネタバレになるので明確な言及は控えますが、物語の中盤、オスカーは様々な大切なものを失ってしまうことになり、大きな転換点を迎え、新たな一歩を踏み出すことになるのですが、そこから、さらに強く魅力が増す展開になっています。ニュートンやリサ、義父であるトーキー卿など脇を固める人物たちも印象的で、結末はかなりドラマティック。未知との邂逅、心を通わせた果てに見る光景は、哀しくも、どこまでも美しい余韻が残ります。『泣ける』ことが物語の評価の必要条件とは思わないのですが、こういうの読むと、やっぱりどうしても私は目頭が熱くなるし、おそらくそうなるひとは多いと思います。

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2024年12月22日

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美しすぎる物語
私は世界を司るルールよりも
その美しさを表現する言葉の方が美しいなと感じた
最初は感情移入できるか分からない雰囲気だったが、いつの間にか溢れてくる感情に戸惑った。
突飛な展開があり想像のつかないストーリーと、タイトル、表紙からは想像できない哲学的愛の物語
初めて読むジャンルの本だったが、改めて自分は読書が好きだと気付かされた
またこんな本に出会いたい

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2024年12月20日

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ネタバレ

河野裕作品は初でした。
絶妙に史実を織り交ぜつつヴァンパイアというファンタジーの生き物と人間の友情の儚くて切なくてとても美しいお話でした。

作中に出てくる「怪物というのは、無知につけられた名前なのだと思う。知らないことを、知ろうともしないまま、ただ恐れている言葉」という台詞は現実を生きる人達にも刺さるというか、言える言葉だよなぁと。無知であることの怖さというか…だからこそ知的好奇心が旺盛で知ることを幸せだと言えるオスカーはアズを最期まで"怪物"とは呼ばなかったしそう呼ぶことを拒んだし、オスカーの強さでもあったんだろうなぁ

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2024年12月01日

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ネタバレ

終盤は、泣きそうだった。

学問の未来のために命を差し出そうと決めたオスカー。
「世界はこんなにも魅力的な未知で溢れているのに、どうして。どうして僕は、死ななければならないんだろう」

この国の未来よりオスカーひとりを生かそうと決めたアズ。
「私は、また救えないのか。」

美しい未知に手を伸ばしたくて仕方がない人間への敬愛にあふれた物語だった。
私たち人類は確かに、無数の今を越えて、遠い未来まで進み続けている。

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2024年11月06日

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ネタバレ

17世紀イングランド。無血革命に繋がる時代、永遠を生きるヴァンパイアと、学者の青年オスカーの友情のお話。

学問というものへの見方がかわる。
すごく尊くて美しい物語だった。
ヴァンパイアの名前が、もう素敵だ。アズ・テイルズ。
特にエンディングが素晴らしく美しくて好き。
オスカーとの約束通り、75年後のハレー彗星を確認するアズの姿が、自然と浮かび上がってくる。
本当に綺麗な画が頭に浮かぶ。
ハレー彗星の夜空を見上げながら、愛した友人と人間への賛美を語るヴァンパイアの結末、美しいの一言だった。

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2024年11月05日

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学問の世界ってこういう未知の存在が介入していないと説明できないんじゃないかっていう発見が度々ある。帯にもあるが、科学小説でありファンタジー小説。珍しい組み合わせに感じるけれど、思えば学問はいつだって超常的な物事と隣合わせかもしれない。

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2024年10月28日

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ファンタジー作品だけれど、現実の世界にも続くようなところもあって…。
とても不思議な感覚で一気に読めた。

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2024年10月24日

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ヴァンパイアを数学で解き明かす、
そんなことできるのかな……と読み進めてました。
出てくるキャラクター達(実在の人物も含め)も
魅力的で、アズ・テイルズが何を求めていたのか
終盤でわかってくると、オスカーとの関係の
尊さに泣きそうになりました。
人々が学ぶこと、考えることの美しさ、
私はとても好きな作品です。

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2025年09月02日

Posted by ブクログ

感想を言うには難しいけど、終始穏やかな時間が過ぎていくような美しいストーリーだった。
悲しいけれど、よかったな、みたいな。

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2025年06月16日

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これは思わず良い物語に出会えた。ヴァンパイアは出てくるけど、荒唐無稽なだけに非ず、史実をうまく絡めた科学、ひいては。。。とこれ以上はやめておくが、さまざまな悲哀がありつつ、それらが希望へとつながっていく多層的な構成が素晴らしい。ラストは少し甘めがすぎた感があるけど、それも許せてしまう良質な物語だった

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2025年04月13日

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ネタバレ

学者が領主のために命を懸ける姿に凄さを感じた。
ヴァンパイアは飄々としていたけど、最後は主人公のことが好きだったのだろうな。
私は科学のことは分からなかったけど、この時代は学者は研究だけに集中することは出来なかったのだなと、少し悲しさも知った。

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2025年03月24日

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『彗星を追うヴァンパイア』
読み終わった後、この題名の意味が分かり感動した
文章が綺麗で、余韻に残る

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2025年01月03日

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ネタバレ

少し理系の人が読むと
楽しい物語です。

「対比」がキレイだと思いました。
・科学と非科学(ヴァンパイア)
・父と子
・ニュートン力学と量子力学
(確定性と不確定?(存在するけど曖昧…的な))


そして
名誉(無血)革命にヴァンパイアが絡んでるという仕掛け! 

爽やかな読後感を残す作品でした。

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2024年12月21日

ネタバレ

アリソンが…。

終盤でアズが殺戮を開始するシーンで、アリソンも巻き込んだのが悲しい…。
アレってオスカーがアズと交わした約束を破ったからだよね…。
最初読んだ時は約束をすっかり忘れてて巻き添え食らったアリソンが不憫でならなかった…。
オスカーも考えるのに忙しくて約束の事失念してたみたいだし…。いや、それとも覚悟の上だったのかな?
まぁ…、あの状況じゃアレが最善だったのかな…
何にせよ、最初から最後まで酷い目にあわされっぱなしで結局死んじゃったアリソンが一番心に来た。

いやぁ、生きてて欲しかったなぁ…。

#切ない

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2024年12月18日

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若き天才科学者の情熱を描く長編サイエンスファンタジー

いつの世も真実の探究にのみ没頭出来ない現実は厳しい
人が紡いでゆく科学の歴史を、美しいヴァンパイアがみとどける、淡い寂寥を感じるお話です

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2024年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

科学とファンタジーが組み合わさった物語で、評判も良さそうだったので読んでみました。(勝手な表紙のイメージから)ハラハラドキドキ系かと思っていましたが、予想と違い、淡々としたストーリー展開でした。でも最後の方はページをめくる手が止まらず、切ないもののタイトルと伏線の回収が見事だったと思います。

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2024年11月16日

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初めて味わう読書体験、そして彗星の如く一瞬だけど、長く尾を引く読後の余韻。
うまく言葉にできないし、この本の中に正解は記されていないけど、考えることはとても美しくて心躍ることだと改めて思わされた作品でした。

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2024年11月15日

Posted by ブクログ

学問を愛した青年と人間を信じた怪物の友情が歴史を動かしていく物語。歴史上の出来事や人物が次々に登場する展開に心が踊り、史実を知っているからこそ先を思い苦しくもなった。タイトルに収束するエンドロールが素敵。

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2024年11月15日

Posted by ブクログ

名誉革命が就るまでのイングランドが舞台のファンタジー。物語としての面白さ以外にも、学問について考えさせられる部分があって良かった。《学ぶことにおいて、未知とは敵ではなく親密な友人でなければならない》この小説を象徴する一文には深い感銘を受けました。

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2024年11月11日

Posted by ブクログ

研究と、ヴァンパイアと、英国の反乱が混ざった物語。こらは面白いのだろうか?研究と学問の話がかなりあるのに、意外とスイスイ読めるのは不思議だ。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

わたし理系って、奇跡とか魔法とか夢とかを否定するリアリストだと思ってたけど、この本の【あの日の彗星と同じ彗星ですね】のくだりを読んで、逆だ。ロマンだ。理系はロマンだなんだ!と思いました。文系の私とは世界の美しいと感じる点も違ってて面白かったです。美しい計算式とかさ…。お話や登場人物の雰囲気は殺伐としてて思ってたのと違ったんだけど、知識を得たら世界の見え方が変わる。感じ方がかわる。っていうのはすごく納得で、勉強すること・新しく何かを知ることって楽しくてワクワクするぞーっていうのがすごく伝わる小説でした。

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2025年10月18日

Posted by ブクログ

証明に到達できるとは限らない。
が、必ず到達する。
確信の名を、学問という。

不死のヴァンパイアが、人の心に少し寄り添い学問の進化の行き証人となった物語。

前半冗長で少し飽きたのが残念。

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2025年07月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本作は、自然科学の数学的原理の範疇を超えた存在であるヴァンパイア、アズ・テイルズと、その不可思議な【現象】の解明を目指す自然科学の徒、オスカー・ウェルズの物語です

学問の本質は天才による大きな前進よりも人類の総体としての知の集約と漸進にあるという考えが、本作品全体の基軸になっています

その考えは、大学院・企業の研究所に身を置き、自然科学の一端を探求したものとしてある種当然でややありきたりでした

より広く解釈して、生命の進化の結果として人類が生まれ自然法則を紐解きこの世界の理に挑んでいることそのものが科学の神秘であると感じます

河野裕作品の大ファンですが、本書よりも他のシリーズのほうが言葉の美しさや思想の清廉さが感じられ、私は好きです

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2024年09月07日

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