榎田ユウリのレビュー一覧

  • 宮廷神官物語 九(角川文庫版)

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    どんどんと物語を深く濃く読み続けたこれまでの8巻があり、
    8巻の最後ではこれからのさらなる波乱・クライマックスを思わせる内容と、その前の静けさを感じて、
    そして読んだ9巻!!

    まさかの外伝!短編集!

    と少しずっこけたのですが、あえてここで短編集を持ってくるのは一呼吸おけていい塩梅かも。
    ハラハラが続くお腹いっぱいよりも、箸休めの1巻があると、クライマックスも際立つというものです。

    この外伝集は、時系列に短編が構成されていて、
    1巻の頃の天青から、8巻の天青まで。
    天青が全ての短編で主人公というわけではないけど、どの話もマイナス要素がなく、ほのぼのと前向きに語られています。

    いろんな苦難があったり、不穏な空気を感じてきたけど、
    同時に、8巻までの1年間の間には、合間合間に、この短編で描かれているような平和な日々もあったんだなぁと、保護者目線のような感覚で嬉しく思いました。

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    2022年03月21日
  • 宮廷神官物語 三(角川文庫版)

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    鶏冠が本当に天青のことを想っているのが伝わってきた。隷民に対する態度ばかりはどうしようもできないのかと思ったがそれを変えようとする、全員のこれからの行動が楽しみ。

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    2022年03月16日
  • 宮廷神官物語 八(角川文庫版)

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    ネタバレ

    だよねー、だよねー、そうなるよねー!
    なラストです。

    即座にネタバレしますが…


    ここまであれだけ言葉として、鶏冠の思い出として出てきた葉寧。
    あれだけ出てきたんだから、そりゃ出てきますわ!

    この巻の中で、鶏冠が葉寧の死因については「分からない」と言った時点で、出てくるわーと思ったけど、苑遊のところに出てくるかー。

    登場の仕方が、自分を見殺しにした兄に恨みを持って…という感じだけど、今後の展開、どうなるんでしょうね⁈

    それにしても、
    苑遊の目的って本当に鶏冠だけなの?
    その執着って恐ろしい。

    あんなにも明確に意思を持って、虎視眈々としていた虞恩賢母でさえ、あんなにも打ちのめされた今回なのに⁈

    とにかく物語として緩急が激しかった1冊。
    この緩急についていくだけで、満腹感すごい!

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    2022年03月14日
  • 宮廷神官物語 七(角川文庫版)

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    ネタバレ

    動の6巻から、静の7巻へ。

    渦巻く大きな流れを感じながら、話としては大盛り上がりですが、その動きは「静」の7巻で話が進んでいきます。

    ひたすら、「静」として、それぞれが身動きが取れないような、心の内側に向かうような、そんな「考える」ことが多くなる1冊。

    これまでの6巻では、比較的動くことが多くて、考え込むよりも、動いてわかりやすい物語だったので、この考え込むような1冊があることで、また宮廷神官物語の深みが生まれたように思います。
    こういう内内の気持ちに向かっていくような書き方が多いのも好きなので、読むのが楽しかったです。

    より登場人物たちの心情を理解する1冊は、これまで6巻の話があったからこそ、また引き立てられるものがあります。


    そろそろネタバレです。

    少し話は変わりますが、私は小野不由美さんの『十二国記シリーズ』が好きです。
    十二国記はどちらかといえば中華系ファンタジー、宮廷神官物語はどちらかといえば韓国系ですね。

    7巻148ページの鶏冠と天青のやりとりで、
    天青が「……曹鉄は鶏冠を、もう信じてないかもよ?」と問い、
    それに対して鶏冠が「相手がどうかは関係ない」「信じるとは、そういことだ」
    と答えます。

    この言葉に、十二国記シリーズ『月の影 影の海』での主人公の言葉に、
    「世界も他人も関係ない。私は優しくしたいからするんだ!信じたいから信じるんだっ!!」
    というものがあります。
    この言葉を思い出しました。

    十二国記は私が多感な青春期に出会った話で、この主人公と同年代として読んだ物語です。
    そのため、この『信じる』ということに対しての言葉は、私に強く印象付けられたのですが、その時の気持ちを宮廷神官物語で思い起こされました。

    時として『信じる』ということは、馬鹿を見ることもあります。

    鶏冠は、物事を冷静に正しく見ようという気持ちがあるから、信じる人と信じない人とを区別としなければならないと理解している人だと思います。
    が一方で、信じる人に一度入れてしまったら、そこから信じてはならない人だと判断するまでが遅かったり、信じる人に入れるための門戸が緩いこともあるのかもしれません。

    そのような場合に、「何もなくてよかったね」で済めばいいけど、「馬鹿を見る」ことも多い人なのだと、ちょっと読んでいて思いました。
    そして、それは曹鉄にも共通するところがあって、そんな共通点のある2人の仲違い(というには深い亀裂)が切なくなります。


    さらに、今回は藍昌王子もまた『信じる』に翻弄されています。
    これまでも鶏冠や天青・赤烏にも櫻嵐にも、「信じる」という言葉を用いてきたけど、今回はさらに深く「信じる」と使っています。

    これだけ多くの人生を翻弄とさせられる出来事でも「信じる」という実態のないものでしか、担保にできないんだなと思うと同時に、「信じる」ことの強さや「信じる」ということ以上に真実につながるもはないんだろうなとも思います。

    こうやって感想として書くと、途端にチープになってしまうけどね。

    苑遊は誰も「信じられない」けれど、自分の信念というものが何か明確にあります。
    「信じる」ことの誠実さ・正しさ・強さは、「=信念・信条」とも言い切れないことの寂しさもありますね。

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    2022年03月13日
  • 宮廷神官物語 六(角川文庫版)

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    ネタバレ

    わー!わー!
    この1冊の大どんでん返し感というか、帯にある「快進撃」というか、そんな気持ちに全身覆われるラスト!

    6巻は冒険の1冊でした。
    これまで6巻も、冒険といえば冒険でしたが、
    いろんな策略や罠の中に身動きがままならない状態を感じながらの物語でした。
    この1冊は、もっと爽やかな風が吹くような冒険。冒険を楽しむ冒険として、策略や罠の息苦しさを感じることがなく(もちろん全体の話の流れとしては有るのだけど)楽しめるハラハラドキドキワクワクな話。

    きっと山の中が多かった話の中で、初めて海の冒険だったからというのも理由かも。

    5巻のラストでは、虞恩賢母と苑遊の怪しさが含まれていて、その怪しさが6巻でもひしひしと感じる前半と後半(冒険以外の宮中での物語部分)でした。

    この2人の怪しさは、ここまで怪しさ醸し出してくるのは、逆に怪しくないんじゃない?
    なんて思いながら読んでたら、ラストでこれだもんねー!

    ここからネタバレです。


    6巻を読みながら、
    天青が5巻で回収した木剣が、曹鉄の手に渡った時に、『1番目の王妃の亡くなった子が実は曹鉄じゃないか?』と思いながら読んでたんだけど、まさにラストでそうやって話が進んでいくんだもんね。

    榎田ユウリのこういうところがほんと秀逸だと思うのだけど、読者が「こうじゃない?」と思ったことというのは、そのままダラダラと伏線を続けるのじゃなく、その巻の間にネタバラシしてくれます。

    スピード感がいいよね。



    この曹鉄の血縁についても「こうじゃない?」を感じたけど、苑遊に関しても、本当は虞恩賢母との血縁があるんじゃないか?とかも思ったりはするんだけど、まだ「こうじゃない?」としては薄いから謎のまま。

    そして「こうじゃない?」が薄いといえば、
    虞恩賢母と苑遊のラストで明らかにされた今までの怪しさっていうのは、『敵を騙すにはまず味方から』ってやつじゃないかなと目論んでます。

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    2022年03月12日
  • 宮廷神官物語 五(角川文庫版)

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    ネタバレ

    4巻は、段々と渦巻いていく罠に嵌められていく1冊、しかし最後の最後には宮中から追い出されながらも希望を感じる終わり方でした。

    その希望を引き続いてはじまり、追われる身という緊張感は何処へやら、ほのぼのとした雰囲気で読みはじめた5巻です。

    この5巻で天青はまさしく修行をします。
    慧眼児としてついに開眼した天青の成長、そして成長のための過程には心揺さぶられます。

    ここからネタバレです。

    3巻の最後に声だけで登場した『敵』がまた出てきますが、そこで「女官」と描かれた人物。
    この「女官」もまた声だけでの登場で名前は分かりませんが、読者が知ってる情報を集めると、当てはまる人物は「苑遊」しかいない。

    常に微笑みを讃えて、見守り、こちら側の人物である、
    それでいて直接にはこちら側として表立つ人物ではないところ、
    黒幕側としてそりゃあこれまでの出番を考えて、ほどよい怪しさを醸し出していたけれど、本当に苑遊であったらショックすぎるよ!

    これまでの藍昌王子が女装したり、鶏冠が女装したり、櫻嵐が男装したり、そういうのが、最後に「女官」として出てきた苑遊と通ずるところもあって、その推測が正しくあってほしくないと思う私です。


    それにしても、天青も鶏冠にしても、得が高く心が美しいことに、読んでいるこちらが安心させられます。

    p.219 最後の行から
    『たとえば、夕暮れの茜空。
    たとえば、喉を潤す澄んだ水。
    子供の無垢な笑い声。
    人が人を労わる心。
    そんなすばらしいものたちは、ただそこにあるだけでいい。自分のものにする必要などない。いや、自分のものではないからこそ、大切なのだろう。』

    綺麗な言葉たち。
    そしてその真理を知っている天青に鶏冠。

    まさに、そうありたいものだなあと、このような綺麗な心に触れるたびに、私も思わされます。

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    2022年03月06日
  • 宮廷神官物語 四(角川文庫版)

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    ネタバレ

    これまでの3巻は、起承転結の「起」であったのだなぁと思う1冊でした。

    文庫本発刊と同時に読んでる方には、残り何冊あるかわからない状態で読むわけなので、これまでの3冊での話が軽く感じたかもしれないけど、宮廷神官物語が全12巻あるということを知りながら読むと、これまでの3巻が起承転結の「起」として軽い内容であっても今後の「承転結」と続いていくことの期待感で、軽い内容でも納得のものとして読めました。

    そんな「承」の一冊目となる第4巻です。

    相変わらず1冊はページ数としては薄いですが、これまで構築してきた「起」の3巻を思うと、このページ数の薄さにも重厚さを感じます。
    まだ、「承」は始まったばかり!
    1冊1冊の読み心地はライトでも、全12巻での起承転結の物語だと思うと、重なりで深い味わいになるのだなぁと期待度高し。


    ここからは振り返りかつネタバレ。

    読者側としては、3巻の最後で怪しい人物のセリフだけの登場があったので、女性の口調だし、推察すると賢母だろうという状態で読み始める4巻。

    賢母の怪しさ、どんどん増していくんですよね。
    新しく慧眼児(だろう)として現れた羽汀が、曹鉄の両親が火事で死んだことを感じ取るシーン。そのことはその時点でごく限られた人(賢母含む)しか知らなかったこととか。

    そんなん、賢母がその情報流してるじゃん!と、読んでる側は思うわけです。
    が、それまでの間に羽汀は、側室・蝶衣と景羅の息がかかっている者だと判明しています。
    果たして、蝶衣・景羅と賢母は同じ側の人間であるのかどうか?
    どうもここが仲間であるとは考えにくい。

    蝶衣や景羅が画策するのは分かります。
    『息子を王にする』『そして権力を握る』という分かりやすい目的のため。

    しかし賢母が藍昌王子と敵対する形になるのは腑に落ちない。
    自分の息子は王になっているわけだし、実権を握らずとももう権力は握る立場にあり、今のままで十分死ぬまで安寧だと確定している人なんですよね。
    じゃあ、何も危ない橋を渡らずとも良いわけで。
    じゃあ、藍昌王子や鶏冠・天青と対立しなくても良くない?てことは、黒幕じゃないんじゃない?
    と考えられるわけです。
    4巻目にしてここまで怪しい空気出してくるのは、全12巻の物語にしては早すぎるしね。

    そんな風に、賢母が藍昌王子にとっての敵になるとは考えられないわーと感想を持つ4巻中盤ですが、
    後半には牢に一度捕らえられた曹鉄が、処分を免れて、賢母の元で軟禁の対応になります。
    そこでの賢母の様子からするに、やっぱり中盤までで感じた怪しさというのは、物語を楽しむためだけのものだったんだよね!
    賢母は敵ではないよね!
    とほっと一安心。

    このまま賢母敵説で進めていくには、配役として適切じゃないでしょ〜と思う中盤だから、ここでちゃんと「敵じゃないですよ」と回収してくれたことは、すっきりと4巻読み終えられて、進め方のバランスがいいわ榎田ユウリ!と拍手を送りたい気分に。

    この後で、やっぱり賢母が敵だったとなったら、更なる愕然とした気持ちを味わうことになるので、それはそれで物語としてはよし。(でも気持ちとしては、賢母はいい人であってほしい)


    賢母についての流れを語ってしまったけど、
    後半からはどんどん罠に嵌められていくような暗い流れへ。
    羽汀が真なる慧眼児であると主張され、また認められてしまうということは、羽汀が出てきた時点でそうなるだろうと考えていた流れ。
    必然ではあるけど、この小気味良いほど罠に嵌められていく流れに身を置く感覚というものを味わうのは、どこまで深く落ちていかなければならないのかという不安さえも生じてきます。

    その暗い不安の気持ちのまま、天青は一度宮中を去らなければならなず、「これからどうなるんだ」というハラハラと「天青ならばどうにかなる」という気持ちとないまぜに終わりに向かいます。
    そんなラスト、都へ向かう時にお世話になったあの一座と再度出会うという演出、最高すぎるでしょう。

    起承転結の「承」たる1冊にふさわしい1冊だったな〜。

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    2022年03月06日
  • 妖奇庵夜話 ラスト・シーン

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    ネタバレ

    雰囲気としては徹頭徹尾まるごとエピローグのような、推理小説の解答編だけを読んでいるような雰囲気だった。
    そんななか、鵺への決定的な一撃を洗足に担わせず"警察官"脇坂の手によって決着をつけられたというのは、考えてもみれば平家物語に於ける源頼政による鵺退治に準えられているのだろうな、と勝手に腑に落としている。
    シリーズ通して幕間に洗足と青目の幼い日のやりとりが挿入されてきたが、全て集約されたうえでの左目の話で結びとした優しさがある

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    2022年03月05日
  • 宮廷神官物語 十二(角川文庫版)

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    本当に...これで終わってしまうというのがつらい...まだまだ続きが楽しみな物語です...でもこれで宮廷神官物語が終わってしまうとなると本当に悲しい。名作でございました

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    2022年03月04日
  • 宮廷神官物語 三(角川文庫版)

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    ネタバレ

    今回の物語も、とても読みやすい内容でした。
    受け入れやすく、わかりやすい、それがこのシリーズのいいところですね。
    もっと重々しい内容が好きな方にはライトすぎる部分もあると思いますが、テーマになることには、考えさせられることがたくさんあります。


    ここからネタバレです。

    拐かされた天青が、隷民街で、民の現状を知り、自分ができることとして濾過桶を必死で作ること。
    鶏冠が隷民街の子供たちに施しをしていること。

    違う立場、違う状況で行っている行動が、とても似ているように感じ、
    2巻で、2人が「似ている」と2度言われることがあったけど、今回は行動としてそれが感じられました。

    『違う立場』であるからこそ、周りからの目線は違っていたりもして、そこに大人になることや権力や妬みなどの縮図も感じてしまいました。

    どちらも「自分ができることを」「他意なく」「心からの(本人は善意であると意識していない)善意として」行っていることです。

    読者は2人の性格を知っているし、離れた場所で見ているから、2人の行動をただ好ましく思います。

    例えばこんな2人が現実世界にいたとしたら、それを好ましく受け取れる人がどれだけいるだろう?

    鶏冠の周りの他の神官のように、陰口を叩いてしまう人はどれだけいるだろう?
    その善意が、何か裏がある行動だと捉えたり、妬ましさから穿った考えで評価したり。
    残念ながら、そういう人が世の中にはいる。

    そして、行動をする場合にも、天青や鶏冠のように、「自分ができることを」「他意なく」「心からの(本人は善意であると意識していない)善意として」行うことができる人って、どれだけいるのだろう?

    私自身でも、他意なく相手の気持ちを考えて行った行動に対して、偽善だと言われることが何度かありました。


    『偽善』と言えば、
    真心から行動した天青や鶏冠のこれらの行動に対して、
    藍昌王子が貴族に穀倉を開かせる命令を発布したことに関して…

    その中で、笙玲の父である桑慶義は『当然として受け入れるだろう』と王子自身も言っており、それは受け身での善意の行為ではあるけど、偽善ではありません。
    反対に、側室・蝶衣の祖父である景羅は、『穀倉開きの発令を試している』と見抜き行動しています。
    (描写はありませんが)、それにより景羅が穀倉を開くことは偽善でしかありません。

    困窮した民から見れば、桑慶義が穀倉開きすることも、景羅が穀倉開きすることも、同じ「穀倉開き」で優劣がつかない事実なんですよね。



    そのような『善意』に関するそれぞれの違いを感じた今作ですが、『なりすます』に関しても3つの差が楽しかったです。

    鶏冠がまたも女装を披露したのは、毎回女装ネタがあるのはちょっとチープになりすぎないか?とは思いながらも、ファン心理としてはウキウキするものがありました。
    話が進むにつれ、鶏冠は天青の姉に『なりすまし』、天青は笙玲に『なりすまし』、櫻藍は慧眼児に『なりすまし』。

    その対比が、重たいテーマの中でメリハリになってました。


    さて、そんな対比や物語のメリハリがあり、1冊もさほど長くないので分かりやすい構成で楽しく読んだ1冊ですが、ラストでまたまた分かりやすい悪者の登場。

    正体は明かされることなく登場しましたが、この1冊を読んだ人は賢母ではないかしら?と想像してしまいますよね。
    引き続きのシリーズが楽しみです。

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    2022年02月27日
  • 宮廷神官物語 二(角川文庫版)

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    ネタバレ

    久しぶりに面白い小説に出会った!と1巻でも思ったけど、シリーズの勢いは1巻だけでは評価し切れないと思いながら読んだ2巻。
    うん、面白い。

    シリーズものは登場人物も多くなるが、2巻目にしてまだ多いというわけではなく、1巻で馴染んだキャラクターたちに、さらに2巻でそれぞれに対する愛情も湧き、全ての登場人物に対しての感情移入をしてしまう。

    キャラクターへの読者の愛着の湧き方もそうであるけど、物語の流れ、スピーディーさ、
    時に残酷な描写も物語の緩急のために入れてくるあたり、すごくいい。

    読みやすくて、焦ったさもなく、それでいて伏線が下手くそということもない、気持ちのいい作品だなあと思います。
    それゆえに1巻がすんごい薄いんだけどね、シリーズまだ続くからまだまだ序章なのだろうねと思ってる。


    ここからネタバレ。

    先に書いた『伏線が下手くそということもない』というものの1つが、
    天青が初めて山の中で櫻嵐・紀希に出会ったシーンの後、鶏冠のもとに乱麻が訪れ、延珠氏の姫君が島流しにはなっていなかったと判明したシーン。
    ここで多くの方が、天青が出会った紀希がその姫君であると想像したと思う。
    私もそう思った。

    そのままの流れで鶏冠はその山へ向かうことになり、紀希に対して「姫」と頭を下げるわけである。
    スッキリと姫君を元の人生へと戻らせる話の流れの軽快さに、ジリジリとした焦ったさもなく、読む側としては「あっぱれ!榎田ユウリ」と思ったし、
    何より実は姫は男装していた櫻嵐であるという種明かしにも「あっぱれ!」

    我々読者と鶏冠は同時に、榎田ユウリ(及び櫻嵐)にしてやられたわけです。

    男装していた女性というのは、1巻で女装していた王子や鶏冠の流れも汲みしていて、読者としてはなんとなく懐かしさというものも感じるし、
    それにより一泡ふかされた笙玲の描写は、すっかり天青に感情移入している読者にとっても溜飲が下がるシーンになった。

    この1シーンに詰まった要素がこれだけ多いのに、
    情報過多にならない書き方がすごく好みです。


    この1シーンだけで語るものが多いけれど、
    この1冊を通しての、さらなる鶏冠と天青の絆の強さにほっこりさせてもらったし、
    天青に待ち受けている運命に対しても、想像するものがあった。

    同時に、天青は天青で成長していることが伝わるラストに、鶏冠と同じように私も弟(というか子供?)を見るかのように感慨深くなりました。

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    2022年02月23日
  • 宮廷神官物語 十二(角川文庫版)

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    12巻まで一気に読んだ!読み始めたら止まらなくなるくらい続きぐ気になる物語。天青をはじめ登場人物たちが少しずつ成長して、身分を越えて仲間の絆を深めていくファンタジー小説。読んでいく中で自分も登場人物たちから学べる。私は自分の心に素直で天真爛漫な王女の櫻嵐が本当に好き。

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    2022年01月19日
  • 妖奇庵夜話 ラスト・シーン

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    ネタバレ

    ああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ!!!!!!


    …と本当に叫びそうになりました。

    ラスト・シーン
    最後の景色。

    なんだこの感情は。
    エモいってやつか。

    榎田ユウリ作品はこう、ぎゅううううっと胸を締め付けられるけど不快じゃない
    笑顔のはずなのに涙が溢れそうになる
    そんな終わりが印象的。

    そして耽美なラストが中村明日美子さんのイラストで脳内再生される……
    描かれていないところが妄…想像をかきたてる……
    ああああああああぁぁぁ!!!!!

    これ、本編完結ってところに期待をしていいんですよね!?!?
    なにかが始まるんですよね!?
    中村明日美子による青目先生のイラストも見たい…絶対美しいな……

    楽しみにしてます!!!!!

    0
    2022年01月18日
  • 妖奇庵夜話 ラスト・シーン

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    ネタバレ

    ひとから見てどうであれ、勿論それも真実なうえで
    あくまで伊織の芯がずっと強いままなところ、すごくすき。
    とても大好きなキャラクター。

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    2021年12月07日
  • ところで死神は何処から来たのでしょう?(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    こりゃぁ反則だぁ。やられたな。最後にまさかの展開が待ってました、そう来るかぁ。【夜道を歩き出す。死神男とふたりで。】『あんた、本当はどこから来たんだ?』小木輝と小木昇、余見透。でもでも本当に死神が死ななくて良かったぁ。安堵。シリーズ面白すぎて読み出したら止まらない!

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    2021年09月19日
  • 妖奇庵夜話 顔のない鵺

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    ラスボスとの最終決戦で
    もうみんなボロボロ(u_u)

    すっごいところで続く…
    早く次巻出してくださいm(_ _)m

    表紙は脇坂〜イケメンです\(//∇//)\

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    2021年09月16日
  • 妖奇庵夜話 誰が麒麟を鳴かせるか

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    クライマックスに近づいてきました。

    青目と先足の父親と思われる犯人…鵺

    父親の事は今まで語られた事はありませんでしたが
    妖人なのか?ただの殺人鬼なのか?

    青目の事は嫌いになれない私(u_u)
    しかし鵺は完全なる悪ですな…

    表紙は美少女…次は誰かしら(//∇//)

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    2021年09月15日
  • 妖奇庵夜話 花闇の来訪者

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    季節は春
    桜舞い散る表紙…桜餅に金鍔
    一見繋がりがない事件関係者達が複雑に絡み合いながら真相に近づいていく。

    ラストの十代だった青目の過去が出たところで
      続く…気になりすぎて待てない_| ̄|○

    今回の表紙が美しすぎる(〃ω〃)

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    2021年09月15日
  • ところで死神は何処から来たのでしょう?(新潮文庫nex)

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    シリーズいち、面白かった!
    まず、長編だったのがうれしい。
    そして、やっと余見の素性がわかりはじめて・・・。更に先に続きそうな展開でのフィニッシュだったので楽しみ。

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    2021年09月14日
  • 死神と弟子とかなり残念な小説家。(新潮文庫nex)

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    死神シリーズ4作目。
    余見さんに弟子が。。。この弟子もなかなか面白いキャラ。
    最後の作品は、もう想像を超えています。
    何を書いてもネタバレになるので是非一読をお勧めします。
    こんな展開も良いです。

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    2021年09月14日