榎田ユウリのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ初めてこれを読んだときから10年近く経ってしまって、内容もすっかり忘れてしまっていたけれど。最近なぜかずっと読みたいと思っていてやっと読めた。
こんなに痛くて辛くて愛しいお話だったんだ、と泣きに泣いた。
ここからは私の話も書かせてください。
これを初めて読んだ時はたぶん感動とかで泣いていたと思うけど、今ほど痛みは感じていなかっただろうなーと思った。
というのも、数年前(=初めてこの本を読んだ数年後)に私も相次いで大切な人を突然亡くして心を病んだので、今の自分が魚住の経験の一部をなぞっているようでとにかく辛かった。
だから魚住が久留米を怖いと避けたときも、直感的に彼の気持ちが分かる、と思った。
自分も暗闇の中にいる時、あの子が、あの人がいなくなったら、家族が死んだらどうしよう、次こそもうだめだとばかり思って毎日怯えて暮らしていたから。
正直途中で読むのを止めようかすごく悩んだ。今も精神的にあまり安定していないので、これをきっかけにどうにかなったらやばいなあと思ったけど、魚住にはちゃんと抱きしめてくれる人がそばにいて、生きている人の温かさを教えてくれたんだと感じられたから読んで本当に良かった。本当に。
もともとの性的指向はあっても、説明は上手くできなくても、魚住と久留米の間には愛だけがあって、これさえあれば人は生きていけると思える終わり方だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前半は魚住の過去につながるお話。まあまあ濃いというか重い話。
シフォンケーキをみんなで食べる話はなんてことない日常の1コマなのに、鼻の奥がつんとしてしまった。
個人的にこの巻では「彼女のwine,彼のbeer」が1番刺さった。ただのうざい女の子だと思ってごめん安藤さん。
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「だって、疲れるでしょ。無理してたら」
「疲れるけどね、確かに。自分では上手くやってるつもりだったのに」
「自分の思った通りにやんないと、だめだよ」
「だってさ、そんなことして最後どうなっちゃうか知ってる?」
「あのね、最後はね、」
「最後は死ぬの、おれたち」
(※ところどころ中略)
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いくつもの死を見てきた魚住の言葉には嘘がなくて、でも決して諭すとか説教じみた重みもなくて、ただただ、そうだよなあ…と思わせるのが不思議。
久留米も魚住も(周りの彼らも)お互いの気持ちに気づいてそうで気づいてなくて、いやでもほぼ分かってるじゃん!?みたいな状況だけど、魚住の性格を考えると進展は早そう。
課題(?)は久留米だけど、どうなるのか続きを早く読みたい。 -
Posted by ブクログ
40間近のメガネイケおじ×2と子猫。
そして愉快で個性豊かななシェアハウスメンバー。
明るい話かと思いきや、なかなか地に足着いたというかハードな背景というか現実的というか。榎田ユウリ作品だなぁ。
人間関係、人生上手くいくばかりじゃないよってのが多く描かれるよね。でもそんな時にどう立ち直るのか。乗り越えるのか。考えを改めるのか。そこまで描かれているから安心する。
行動心理学やらなんやらウンチクが好きなので「へぇ!」感心しながら読んだ。ディベートもっとしてくれてもいいんだよ。会話がテンポよく、ダラダラせず一気に読んでしまった。
ラストは予想と違ったが、今後が楽しみな終わり方。
むぎちゃがとにかくかわいい。
あと出てくる食べ物無性に食べたくなる。
あとあと
私もB〇Sを仏間に飾りたい(笑)
おばあちゃんがアミで吹いてしまった。
名前を覚えた4人は誰だろうとかどうでもいいこと考えてしまった。
シリーズ化するんだろうか?
是非して欲しい。
なんならドラマ化とかできそう。
お互い支えあって生きてくれ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ冬の海から始まり、夏の海で締めくくられる。
伊織と青目の海辺の散歩と、伊織と脇坂の海辺の散歩。
対極的な二つの散歩。
伊織が脇坂を労る会話のシーンでは、脇坂の弱さを包み込むような優しさで涙を誘われた。
視覚を失っても、強く聡い伊織に戻って、夷とマメの家族と慎ましく暮らしている感が幸せな気持ちにさせられた。
脇坂はどんどん重くなる責任・期待に押しつぶされそうになったり、大人の階段を絶賛登っていて、伊織のことを思って妖琦庵から足が遠のいていたって言うのが、脇坂らしい。
伊織との会話で吐き出せて、救われて、また妖琦庵に行きたいと思えるようになってよかった。
伊織と脇坂の漫才のようなやりとりをずっと読んでいたい、と思えるお話でした。 -
Posted by ブクログ
シリーズの中で一番暗く、救いがなく、重い。
「家族」がテーマの物語で、今回、「被害者家族」「加害者家族」が交錯し、複雑な気分にさせられる。
「被害者の家族」が「被害者」に対して心を痛めるのは当然だが、「加害者の家族」も「加害者」に対して心を痛める。
伊織が青目を見限れないのも、「家族」として受け入れて過ごした過去があるから。冷静に冷徹に振る舞っていても、どうしようのない悪人の青目を見捨てられないのは、伊織の情の深さ、優しさなんだろうと感じた。
マメや夷のように血が繋がらなくてもお互いを想い合える「家族」。血が繋がっていても、上手くいかない「血縁」。
私自身、血縁関係の多いため、どうしようもない屑の親族がいる。
もう、何年も会っていないし、家族の縁もあまり感じないが、悪さをせず平穏に過ごしてほしいと願う気持ちはある。
青目とは比にならないが、伊織の心情には及ばないが、「家族」と言うことを意識しながら読んだ一冊。
救いが少なかったが、2023年7月に続刊が発売で何やら事件があるものの、平穏が訪れていそう、と希望が持てるので、このまま「ラストシーン」へ、、、。 -
Posted by ブクログ
今作を読む前に、芦花公園の「異端の祝祭」を読んでいたので、“洗脳”、“教祖”、
の繋がりが個人的に怖かった。
今回はどことなく、、、青目も洗脳され、犯罪を繰り返しているのかな、と好意的に考えてしまう話だった。
きっと洗脳はこの話みたいに、意図して行うと洗脳と、意図せずじわじわ侵食する洗脳もあるんだろうな、と思わされた。
新しい登場人物の小鳩ひろむも「可愛げがない」という洗脳を母親から無意識にかけられ、自分自身でも「自分は可愛げがない」と洗脳する。でも脇坂や伊織の言葉に溶かされ、洗脳が少しずつ溶けていく。
我々の日常でも、こういうことは気づかないだけでたくさんあるんだろうなぁ。
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Posted by ブクログ
ネタバレラストシーンの意味。
ずっと青目と洗足の決着だと思っていた。何なら青目の死に際だと思って、そのつもりで読み進めていた。
けれど決着は決着でも、決着のさらに向こう側だった。
そういう意味か。
洗足が最後に見るもの。今生で、目に焼きつける最後のもの。そういう意味なのか。はぁ…エモい。
初回封入特典のリーフレットの話題が《最後に食べたいもの》なのも、そういう事…だよなぁ…。エモい。
あと、洗足は今後は夷やマメに世話をかけると言っているけど、本当にそうかな。
夷に関しては、むしろ……。
そりゃあ最初は怒りもするし、悲しみもする。命に背いてでも探さなかった自分を責めるし、悔いもする。でも一通り怒って後悔した後はむしろ…。
夷は青目に負けず劣らず、洗足に執着してる。脇坂や甲藤のような《憧れ》からの子どもじみた独占欲ではなく、自分の命そのものだと言って憚らないほどの偏執的な執着。主のためなら、捨て駒にされることすら厭わない、そんな重たい執着心。
洗足の目が見えなくなったことで、洗足が今後生きていくためには、生活のほぼ全てにおいて自分を頼らなければならない。自分の命より大切な主が、自分に依存して生きていく。
夷にとってこの状況は、作中に出てきた《縛り上げて監禁したい(未遂)》と近いのでは…?執着心が満たされる以外の何物でもないのでは…?エモすぎか?
ただ青目も青目で、そんな夷のことを分かってそう。
2人が互いに殺したいほど嫌いあってるのは、同族嫌悪かつ同担拒否だからだもの。
だからこその青い義眼。
伊織の目が見えないからって、これでお前だけの主になったと思うなよ。伊織の顔を見る度、伊織の1番は俺だと思い知れ、みたいな。青目からの牽制。
その牽制(マーキング?)を分かっていながら、呆れつつも受け入れたのであろう洗足。義眼の色を知った時、きっと困ったように微笑んだんでしょうよ。仕方の無い子だね、と。
はぁ…エモすぎて情緒がおかしくなる。
【本編完結】だから、外伝的な続編が出ることを期待したい。
甲藤の主問題とか、マメとトウの今後とか、脇坂とひろむの新婚生活とか、夷の甲斐甲斐しい世話焼きとか、色々見たいのあるのよ。
お願いしますよ本当に。