椰月美智子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレまだまだ小さいと思っていた、わたしの娘。
12歳がだんだん迫ってきて、ときに難しくなってきた。
はて、12歳とはどんなことを考えていたっけ? と思い手に取った本作。
実際には娘も読めるように青い鳥文庫版を手に取りました。
椰月美智子さんは初めて。
本作はデビュー作にあたるようで、確かにところどころかなり荒いが別の話も読んでみたいなあと思わせる筆力を感じた。
けれどやはり気になるところはいつまでも気になってしまい、特に途中から作者が前面に出てきて「さえ」を使って昔語りを始めてしまうような近さがこの本の根幹が語られていく場面で出てくるので、残念ながら大事なところで集中力が切れてしまった。
それでも、色んなことがジェットコースターのようにめまぐるしく過ぎ去っていったのに、あるものについてはいつまでも濃く、アンバランスで危うくて、ダサくてイタい……でもそういうものこそ今の自分のベースになっているあの貴重な時間のことを「人間離れ」するさえを見ながら思い出した。
身体の変化や思想の変化、あんなに近いと思っていた友達と自分との間に横たわる相容れない距離、不意に顔を上げたときの世界と自分との間にある果てしなさ、それでも自分は何者かになれるだろうという楽観と、そうかと思えば深淵の前で背中をトンと押されるかのようなあの急転直下の絶望と。
あるいは、どんなことにも自分の想像を超える努力や継続が必要なのだ(あるいは”だったのだ”)という当たり前の、だが天井ごと落ちてくるような避けきれない事実に直面したときのやさぐれ感。などなど。
さて、本作は「さえ」の抱えるこころの靄がラストまでハッキリと分かりやすく晴れることはない。
「ああ! もう少しで思い出せそう……!」というときのような歯痒い描写であれこれ描かれていたと思えば、ラストでは勝手に自分の中で解決してしまったようで、読者であるわたしを置いて晴れ晴れと小学校を卒業してしまったので読後は寂しかった。
いや、実際には「さえ」の心の中で何が起こり、どう解決したのかは書かれてはいるのだがそれがあまりにも作者の個人的な実感に基づきすぎている気がしてしまい気になるのだ。
作者がいかに12歳の自分に戻って書いたとて、本当の12歳になれたわけでない。
そしてまた、12歳を思い出すつもりで読むわたしもいい大人で、どれだけ没頭しても決して本当の12歳にはなれない。
分かっている。
だが、そうだとしてももしわたしが12歳でこの本を手にしていたら、「さえ」が短いページ数の中で、最後は駆け足で箇条書きのようなスピード感で解決してしまった(あるいは自分の中で落としどころを見つけてすっきりしてしまった)ことにとても裏切られたような気持ちになってしまうかもしれないなあと思ったのでした。
いやいや、救われる12歳もいるのだろうから、わたしに合わなかったというだけのことです。
なのでいつまでも大人の作者の姿を透けて見てしまうのをやめられなかったのが申し訳なかったです。
でも児童文学面白いなあ。
大人でも夢中になれるカテゴリーなのですね……!(目から鱗) -
Posted by ブクログ
〇葵さんの初恋
同じマンションに住む2個上のお姉さん、葵さんが自分の継父とラブホにいるのを見てしまう。
高校生の主人公が淡白というかあっけらかんと状況を認識してる感じが面白かった
〇シニガミ
リアルにありそうな展開、結末だった。
葵さんの初恋の主人公もそうだったけど、この主人公も不倫を淡々としている感じがリアルだな、と思った。
〇最後の恋
これはあまりしっくりこない結末だった。
成人した息子も娘もいるどこにでもいそうな父親で課長の主人公が20代のつかめない性格の女に恋をする話。
不倫をした人は幸せになってはならない、という思い込みが誰しもあるからこの結末にもやっとしたものを抱いてしまうのかもしれない。
〇年下の男の子
これは普通に面白かった
不倫というより主婦がほんのり息子の同級生に恋するお話。
日常のちょっとした幸せとイベント
〇魔法がとけた夜
理解力だ足りないのか結末が良くわからなかったけど、確かに魔法がとける瞬間ってあると思う。
〇二人三脚
これまでの登場人物が全員出てくる所が面白かった。総括のような年配夫婦の不倫を交えた壮絶な人生がこれまた淡々と語られていた。