椰月美智子のレビュー一覧
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ネタバレ第二弾はとばして。どれも面白かったが、やはり最後の藤谷治さんの『新刊小説の滅亡』。本に関わる全ての人の背筋を正すような問いかけ。もともこもないが結局本を読む人は新刊がなくても読むし、読まない人は最初から読まない。想像・創造の場が失われたわけでもない。原作なしオリジナル面白ドラマが増えるのも個人的には良い。確かに積ん読は増えてる。再読で事足りるかもしれない。「青」と「赤」のように埋もれていた既刊小説に救われる人もいる。
けど、「それでも……!」(by バナージ・リンクス『機動戦士ガンダムUC』)と言いたい。答えになってないが(笑)、う~ん、悩む。考えさせられる -
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アラフォー夫婦の生活と、心のすれ違いを描く。妻の視点で描く表題作と、夫の視点で描くスピンオフ「あいうえおかの夫」の2編からなる。
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39歳の多香実には、夫と2人の子どもがいる。夫婦ともにフルタイムの仕事を持っているが、育児は多香実1人でこなしている。それどころか分担するはずの家事も夫はサボりがちだ。
今日は土曜日だが、夫は出勤すると言って出かけていき、多香実は朝から子供の世話と家事に追われている。おまけにシングルのママ友が急な仕事が入ったからと言って2人の子どもを預けにきた。昼食を食べさせおやつも用意してやる。まさに戦争のような忙しさである。
そうこうするうちに夕方になりママ友が子どもを引き取りに来たので、やっと買い物に出ることができた。もちろん子ども連れだ。夕飯の支度には遅いのでできあいの弁当を買って済ませることにした。
帰ると夫が帰宅していた。遅くなると聞いていたが風邪気味で少ししんどいので早めに帰ってきたと言う。
念のために買っておいた弁当を出したところ、疲れているのにこんなものかと夫は不満たらたらだ。これから2人の子を入浴させる妻の手間など考えもせず、缶ビールを飲みながらソファで寛ぐだけなのにである。
子どもたちを寝かしつけた多香実がリビングに戻ると、風呂から上がった夫はソファでうたた寝をしていた。
入浴後の浴室掃除は夫の仕事だが案の定した様子がない。洗うよう念を押しても聞こえないふりをして寝室に行ってしまう。これが毎日繰り返される家庭生活だった。
自分の仕事が何より優先で、同等に働く妻へのいたわりも家事分担の義務も後回しにする夫に対し、多香実の不満は抑えようもないほど膨れ上がっていた。
そしてある決定的な出来事が起こる。
* * * * *
男は家事育児においてほとんど戦力にならないということが、これでもかと書かれていました。リアリティ溢れる描写です。
夫婦共にフルタイムの勤めを持ち、保育園に通う姉弟2児もいます。生活の慌ただしさは察してあまりあります。
なのに、上げ膳据え膳を当然のごとく考え担当の風呂掃除すら知らん顔を決め込む夫。これはひどい。昭和の時代ならともかく、現代でもこんな男が一般的なのだろうかと唖然とするばかりでした。
中間管理職として部下の面倒を見ながら営業の最前線で戦っているとの思いがある夫ですが、実は多香実も管理職です。忙しいのが同じなのは当然のこと。
だからこそ、家事育児に割く時間は自分で意識して捻出すべきなのです。なのに、夫はそうしない。時間は仕事に、会社に捧げる。こんな男はただの社畜でしょう。
スピンオフで描かれる夫は、課内に気を配り部下たちを引っ張ることに力を注ぐ、やり手の営業課長です。中間管理職としては立派だし、人間的にも悪くないですが、それは「会社から見て」です。
だから、妻の苦労やストレスをさほど大きなものとは思ってもいず、家事育児についてたまに「手伝ってやっている」程度の関わりしかしない時点で家庭人としては失格です。
妻のキャリアを大切にしようと思わないところは、共同生活者の資格すらありません。夫のほうが立場が上だと思っているのがありありです。
夫の協力に見切りをつけた妻が離婚を意識するのも当然と言えるでしょう。
作品のモチーフになった「さしすせそ」のリアクションスキルは、何も夫婦間だけのものではなく、営業マンの心得でもあります。
つまり、優秀な営業マンである夫は、当然このリアクションスキルを身につけているはずです。なのに、このバカ夫は妻のためにそのスキルを使おうとはしません。
自分がガス抜きするためには妻の献身が必要なのに、妻のガス抜きには協力することすら考えない。スピンオフで描かれる夫の心情はちゃんちゃらおかしいだけで、同情な余地はありませんでした。
夫が妻に対する心遣いを見せないまま物語はエンドを迎えました。
けれど、妻が心の中でペンディングした離婚計画は着々と進行しているに違いないと思います。 -
Posted by ブクログ
フィクションなのでやや誇張している部分はあるにしても、決してこういう類の男性が少数派ではないだろうことにも戦慄を覚える。夫の秀介にムカついてイライラして、一気に読み切ってしまった。日頃から家事・育児を協力し合ってこそサプライズが活きてくるのに、このままでは絶対に喜んでもらえない。
女性はマルチタスクを強いられ過ぎていると思う。もちろん男性側も大変な部分はあるだろうが、仕事も育児も全力でやりたいのにどちらかを諦めざるを得ない社会の仕組みは何だかなぁ。我が家は協力的だが、子どもの熱で仕事を休むのは100%私だし。好きでやる分にはいいが、女性が我慢して夫におもねるのは違う。 -
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バンドマンに恋をする。
よくありそうな話かと思ったら、その熱量が尋常じゃない。
私もバンドとかミュージシャンが大好きで、たくさん応援していた時期がありましたが、ここまで入れ込んだことはなかったなと。
本気で恋をするとかじゃなくて、本気で応援するスタンスがもはや異常。
恋愛関係になりたいと願う方が、まだ共感できる。
どうしてここまで彼女はすべてをかけられるんだろう。
ファンとして応援すること。
簡単なようで関係じゃない。
ずっと一人だけを応援するって、意外と難しい。
ここまで一途に、一心不乱にいられるって、羨ましいような怖いような。
冒頭で結末がわかってからのストーリーなので、ぞくっとしながら読みました。 -
Posted by ブクログ
同じワーママということで、感情移入して読んでしまった。
まず夫がありえない。家事はしない、育児も大してしないくせに自分がすべきことには文句ばかり。
読んでるだけでだいぶストレスが溜まった。笑
さしすせそ…さすが、知らなかった、すごい、センスいい、そうなんだ。ずいぶん前にモテるワードとして世の中に出た気がするけど、夫婦間でも有効な使い方をしたら良い関係が築けるのかも。でもそれを容易く使えないのが夫婦というものでもある。
ちっちゃいことでイライラするし不満も溜まるし、持ち上げてばっかいられないよねー。
夫側の話も読んで、男の人というのは本当に何も考えてないんだなーと実感。
妻側が色々溜め込んでも伝わるはずがないし、きつい言い方をしても逆効果だということがよくわかった。やっぱり上手に褒めながら関係を築いて行くのが1番なのね…