あらすじ
あなたの目を見て
だいじょうぶだよと
言ってあげたい
そんな物語です
萩尾望都(漫画家)
物語の主人公「あおの」はタウン誌の編集者になったばかりの新人社会人で、高千穂を思わせる神話の国のような山中にある鍼灸治療の「キシダ治療院」を取材で訪れる。幼少期に両親を亡くし、親戚の家で育ったあおのは、血の繋がった家族というものを知らずに育ち、ストレス性の病を患っていた。難病患者のどんな病も治してしまうという、どこか妖しげな治療院には、不思議な力を持つと言われている節子先生が暮らしていた。そこには、あおのと年齢の近い「つきの」という女の子が、手伝いとして住み込みながら治療を続けていた。ひょんなことからあおのも住み込んで治療に専念することになり、二人は規則正しい暮らしの中で、少しずつ距離を縮め、いつしか二人の病気は回復に向かっていくはずだったのだが……。ある日、庭に河童が顕れていることを発見したときから、二人の運命は大きな展開を迎えることに。二人を呼び寄せたものは何だったのか。物語のラストで驚きと共に感動に包まれることでしょう。文庫化にあたり、節子さんが“視える”ようになった幼少期の出来事を描いた「春の記憶」を収録。
※幽ブックス「消えてなくなっても」を文庫化した作品です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
哀しく切ないラストながらも、そこに至るまでの日常やちょっとした不思議を丹念に描いた作品でした。読後、タイトルの意味が胸に迫る。科学的に証明されているものにしか理解を示せない傲慢さをぶった切られた感じ...。訪ねてみたいぞ! キシダ治療院!
Posted by ブクログ
荒唐無稽と捉え書評されている方が多いようだが、わたしは純粋な心の持ち主なので、泣いたぞ。泣かされるなんて思わなかったのにちゃんと泣いた。
未読な方にはタイトルに縛られず、読んでほしい。
Posted by ブクログ
何とも不思議な読後感。
いわゆるスピリチュアルなお話が主体だが、
主人公の葛藤や焦燥など、心象描写が細かくて
とてもリアリスティック。
が、物語の大半はゆったりとした時の流れの中で
少しずつ癒されていく主人公たちが描かれる。
その中で、要所要所にクサビのように打ち込まれる
「この世のものならぬ」恐怖の体験。
終盤になると、え、そう来るか?
という展開の後、さらに「そういうことだったのか」と
驚かされ、また納得させられる。
文庫版の巻末に収録された
「本来なら連載作品になるはずだった」
節子の幼少期の話は、
ぜひ続きを読んでみたいものである(^ ^
Posted by ブクログ
椰月美智子さんこんなのも書ける。
あれ、じゃぁあの二人の掛け合いは幽霊同士でやってたってこと。誰にも見られないところでも。
んーまあでも人が見てないところで何があっても不思議じゃないか?そうか?
節子どんおばさんだろう。少しふくよかな感じ?それとも痩せた感じか?跡継ぎいないのさびしいね
Posted by ブクログ
人には定められた運命がある。それがどのようなものであっても全て受け入れるしかない。本書はそうしたものとどう向き合っていくかを問うた作品と言えるかもしれない。
少しファンタジー的な要素も入りつつ、自らの置かれた立場を徐々に認識していく魂の救済の物語。
Posted by ブクログ
疲れてしまった心の再生物語かと思ったら、見える見えないあたりからちょっと違った方向へ。こういうお話嫌いじゃないけど、切ないなあ。そしてキヨシくん好きだ。
Posted by ブクログ
これもまたアラサー女が読むにはしんどかった……。ていうか本屋で衝動買いだったけど、初出は幽booksだったのか。そっち系って知ってたら買わなかった。