あらすじ
中三の息子が家出した。行き先は氷見。慌てて連れ戻しに向かった母親のみゆきと父親の範太郎だが、息子はまだ帰りたくないという。倦怠期真っ只中の夫婦が、図らずも富山に滞在することに。鉄軌道王国の富山にはしゃぐ鉄道オタクの夫に対し、不満が募る妻……。富山県内の観光名所や鉄道を舞台に描く、夫婦のドタバタロードノベル。
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『きときと』とは富山弁で『新鮮な』という意味らしい。何とも味わいのあるタイトル、そして表紙絵だなあ。
主人公は中三の息子がいる夫婦。
すでに倦怠期にはいり、必要以上に会話をしないことが平和な夫婦だ。
しかし息子が突然家出した。なんと行き先は富山。
慌てて連れ戻しに行くも息子はまだ帰りたくないといい、夫婦は富山に滞在することになり、鉄道オタクの夫ははしゃぎまくり、妻は腹が立って仕方がない…夫のほうも旅先まで不機嫌でいる妻に呆れている。
しかし些細なことで夫婦喧嘩しながら二人旅を続けているうちに、地元の人のあたたかさに触れ、人生を思い返し、胸の中には様々な思いがわく。そしてお互いを思いやる気持ちをいつのまにか忘れていたことに気がつく…。
結局、中3の息子はエスカレーターで進学できる高校にはいきたくない。大島にある海洋学を勉強できる高校に行きたいというが、息子の意思を尊重しようと夫婦で話し合う。
なかなかよい小説でした。旅行はほとんどしたことがない僕にとっては、それこそ『きときと』…新鮮な内容だった。
やっぱり旅行っていうのは、非日常ってのがいいんだろうなあ…
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ビバ富山!!富山に行きたくなる1冊。冷めきった夫婦がひょんなことから富山へ旅行することに。気の合わない人との旅行ほど苦痛なものはないが、作中でもやはりギクシャクする夫と妻。夫は鉄ちゃんで鉄道王国富山にワクワク。妻は白けた目でそれを見る。夫の言動はイラっとするが全力で旅を楽しむ姿勢には共感。妻は一見常識的だが夫に水を掛けたり常にピリピリしたムードは如何なもんかと。どっちもどっちの夫婦だった。自分は中学の頃富山に行ったはずだがチューリップしか覚えておらず、今ならこの本をガイドブックに楽しめそう。面白かった。
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子どもが中学生の夫婦は、共働き、冷めきった夫婦関係で家での会話もなくただの同居人。
ある日、息子の昴が、突然、学校を無断欠席して、富山の友達の家に行ってしまう。
その息子を迎えに夫婦で行く事になり…
息子は、迎えに来ても、日曜日まで帰らないからと言うので、夫婦2人で、富山観光する事に。
家では、顔を合わせたり、会話も無いが、旅行の開放感もあってか、少しずつ会話もするようになる2人。
こういう感じなのかな…夫婦って。
我が家は、割と夫と仲が良いので、イマイチわからないけど…。
夫婦、両方の立場から描かれて、なるほど〜男性脳と女性脳の違いかな?と、すれ違う気持ちがわからなくもないかな。
最終的にはハッピーエンドかな。
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小野寺史宣の夫妻集に続いて夫婦もの。
偶然だけど。
女性の作品のせいか、
こっちの方が感情移入はしやすかった。
子供の成長に親がついていけないってあるあるかも。
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これが、他の地方の旅行記なら星3つなのだが、馴染みのある富山を舞台にしていて、ずいぶん楽しめたので星4つ。食べ物が美味しいのは地元民でも納得。路線図でもあれば、他の地方の人でももっと楽しめるのでは?
最後まで夫婦がわかりあうことができない感じがしたのだが、息子が旅立ったあとは大丈夫なんだろうか?
椰月美智子さんは初読みだが、垣谷美雨さんのような読みやすく楽しい小説だった。
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夫婦って〰️と、自分も同年代だから、笑いながら読みました。同じ場面でも、みゆきの受けとめかたや気持ちと、夫の考え‼️違ってて、夫婦って〰️むずかしいなあ〰️と。
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富山の魅力がたっぷりと詰まった家族小説。
家出した中3の息子・昴を連れ戻しに、富山へ向かった安納夫婦の二泊三日、悲喜こもごもの旅が描かれる。
美しい立山連峰を眺め、きときと(新鮮)な、お刺身を食べて育った私にとってコロナで中々帰省出来ない今、凄く楽しめた。
家庭内別居状態で、嚙み合わない夫婦のやり取りはあるあるの連続。
自分第一主義のこの夫、嫌すぎる。
だが物語はテンポ良く流れるので、一緒に富山旅をしているようで観光気分が味わえる。
富山の名所、美味しいものが盛り沢山。
ロードノベルと家族小説、一粒で二度美味しい作品。
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家出した息子を、富山まで迎えにいく道中のあれこれ。家庭内別居とも言える状態の夫婦が旅の中で少しずつ変わっていく様子がユーモラスだ。鉄オタの夫の蘊蓄も興味深く、旅行記としても楽しめる。ただ帰ってきても変わらぬ夫のダメぶりに呆れた。
息子が立派に育って良かったです。
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パオーン以来。今回は不穏な空気も漂うが、清々しくほのぼの感も。そう富山の人はみんな気持ちにゆとりがあるのです。美しい山と海、毎日眺めてる為かなぁ。白エビ団子つまみに勝駒、ますいずみ…思い出すだけでヨダレ。「きときと」新鮮とは知らなかった。パンツ泥棒もなんだったのかなぁ?
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1人息子が家出!? 行先は富山県氷見!? 息子を追って富山まで行くことになったアラフィフ夫婦の珍道中。全7章。
* * * * *
奇数章は妻のみゆき、偶数章は夫の範太郎、それぞれの視点で描かれ、物語は進行します。
夫婦観や子育て観に違いがあり、軽い冷戦状態にある2人だけに、この描き方は相手に対する不満や諦めがよくわかる構成です。
そんな倦怠期夫婦がひょんなことからともにすることになった2泊3日の富山への旅。
ぶつかりつつも、そういう喧嘩さえここ数年してこなかったことに気づくなどしながら夫婦仲が ( 少し ) 修復されるというのが主たるストーリーです。
けれどイベントが盛り沢山すぎて、テーマがぼやけてしまった感が強いように感じました。
例えば、氷見の旅館で起きた「パンツ事件」は不要だと思うし、親の介護問題も規模縮小していいイベントでしょう。
作者のサービス精神の賜物なのはわかりますが、多少うるさく感じてしまうのが残念です。
反対に、息子の親離れと、息子に対する夫婦のスタンスの違いについては、もう少し紙数を割いてもよい気がします。
けれど、弥次喜多道中のようなドタバタコメディーは十分に堪能させてもらったので☆4つにしました。
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みゆきはともかく、夫の範太郎、最後まで好きになれない。イライラする。うちの夫と重なる部分があるからかな。
息子の昴は、しっかり成長しているようで、その点はホッとする。
話の筋はともかく、出てくる富山の名所にはそそられた。
岩瀬浜、環水公園のスタバ、池田屋安兵衛商店、富山市ガラス美術館、一万三千尺物語、ヒスイ海岸、ひみ番屋街、潮風ギャラリー、光禅寺、珈琲駅ブルートレイン・・・
先日読んだ絲山秋子さんの「まっとうな人生」の舞台も富山で気持ちが動いたが、ぜひぜひ富山に行ってみたくなった。
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安納みゆき、中高一貫校に通う息子が行方不明。富山の友人宅にいることが分かった。富山に行く。長年会話してない鉄オタの夫範太郎が一緒に行くと言い出した・・・
険悪な仲になっている夫婦が珍道中を経て、良好になってゆくのかを読むという意味ではサスペンス。息子の成長を読むという意味では冒険小説。
面白いというより、自らを省みる小説だった。
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中三の息子の突然の家出。
行き先は、小学校時代に引っ越しした友だちの家である富山県氷見市。
平日である木曜日に学校をさぼって行ったこと。
日曜日までそこにいるという…。
仕事を休んで夫婦2人で行くことになったのだが…
倦怠期真っ只中のこの夫婦。
口もきかずに過ごしていたのに、どうなるやらの2人旅。
案の定、夫は鉄道オタクで鉄軌道王国の富山にテンション上がりの浮かれまくり状態。
行く先々でも衝突が絶えない。
息子の家出の原因や夫両親の問題などもありながら物語は進むのだが、この2人の夫婦中もなんとか息子が間に入ることで収まりそうな気配である。
子育て中のこんな時期もあったなぁと思いながら富山の見どころの多さに興味が湧いた。
そして、鉄道の多さにも驚いた。
車窓からの景色も憧れるなぁと…
まだ行ったことのない県である。
ぜひ行きたいと思った。
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キトキトって、音感的にてっきりギシギシした関係の、とかそんなんかと思って読んでた!本当の意味は文中で。前半は、本当にギシギシした夫婦の旅日記だから、いやはや、聞いてるだけでしんど~〜!でも、奥さんが思い切って一人行動するようになってから、二人の関係が変わっていって…
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たわいのない旅行小説。
中学3年生の子供が家出?家出先に迎えに行くまでの夫婦間の新しい気づき。
富山県の風景を織り込んだ旅行小説となっている。旅行のお供として最適か?
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2023富山が舞台でなかってもいいような気がするけどこの時期の家族のなんとなくの危機感は良くわかる。いい息子が居てよかったね。娘ではこうはいかんねんなあ(泣)
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富山満載、旅をきっかけに夫婦関係を見直すのかと思ったが、夫は多分変わることはないだろうな。息子が真っ直ぐ育ってくれてて良かったです。
旅のハプニングあるあるが可笑しくて、旅行気分になりました。きときとではない、其々の家族の事情や主人公の思いに頷きが多かったです。
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息子の迎えにかこつけて鉄軌道王国の富山ではしゃぐ範太郎の姿に、最初は笑えていたのに、みゆきにちっとも寄り添わない思いやりのなさ・卑屈さが次第に嫌になってきた。実の親のこともどこか他人事で人任せだし。
範太郎ムリだわー。みゆきが「は?」と言いたくなるのも分かる。
進学のことで昴の肩を持つ場面でも、急に良い親ぶっちゃって~!ぐらいにしか思えなかった。
富山旅行を経て冷戦状態は解けてきたっぽいけど、これ以上関係が良くなることはないでしょう。昴がいなくなったら逆に悪化しそう。
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夫婦水入らずの旅で
二人の冷え切った関係も
改善されていくのか・・・
と期待しながら読んだんですが
全く改善されませんでした
なんだかねー
夫 範太郎の態度が悪すぎますよ
バカにしたような嫌な合いの手
入れてくるし
元カノと偶然再会して
自分だけテンパっちゃってるのに
みゆきに 元カノに嫉妬してるとか
勘違いな言葉を投げかけてくるし
妻の態度が可愛くない
なんて 上から目線ですが
範太郎のほうが 100倍可愛くないです
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家出した中3の息子を連れ戻しに、富山へ向かった
夫婦。だが息子はまだ帰らないといい、夫婦は
外山に滞在するはめに。行く先々で衝突の絶えない
ふたりだが…。本音炸裂の夫婦ロードノベル。
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中学生の息子が家出した。富山にいるかつての友人の元に居るという知らせを受けて、みゆきと範太郎夫婦は息子、昴を連れ戻しに富山の氷見市へ向かう。しかし2人は、今や共に暮らしていてもろくに顔を合わす事もなく、会話もしないような仲になっていた。そんな2人がツノ突き合わせながらも富山を巡って息子の元へと行こうとするが…。
範太郎が鉄オタで、息子そっちのけで鉄道旅を楽しもうとしたりして、息子の事で頭がいっぱいのみゆきのイライラは高まるばかり。でも共に旅するうちに自分達夫婦の在り方を再考していく。
親離れしつつある子供と、子離れしなければならない母の姿が身につまされた。序盤はやや読みづらかったけど、旅が進むうちにどんどん引き込まれた。
Posted by ブクログ
夫婦の問題は解決法があるわけでは無く、その都度その都度、折り合いをつけて二人で乗り越えていくしかないのでしょうね。
その為にも、内に籠った自分を遠くから眺めることが大切だと思いました。
それができるのが、旅の良さですね。
富山の旅!いいですね。
Posted by ブクログ
家事育児は妻任せの範太郎と、それにイライラするみゆきの夫婦が、家出をした息子を迎えにいくために富山へ!最初はカリカリしているみゆきと、呑気すぎる範太郎に少しイラつきながら読んでいったが、清々しいほどお互い噛み合ってないのが逆に面白くなってきて、途中からは「いいぞもっとやれ」って感じで読んだ。特にみゆき側に共感。でもやっぱり、息子の昴くんが一番大人!いつか自分の子どもたちも、こんな風に客観的に親を見て、「やめなよ」って気持ちになるんだろうなぁ。自分がそうだったし。
巣立っていく子どもを頼もしくも、寂しく思うみゆきの親心、10年後に読んだらもっと共感できそう。
Posted by ブクログ
あー、富山いいなあーまた行きたい。黒部ルートに。富山の風景、電車旅、富山料理、一緒に富山旅行をした気分になれる。家出した息子を追いかけるのは倦怠期の夫婦旅。旅に出て夫婦で過ごす時間を持ち、夫婦の仲が変わる…わけはなかった!!そんなにすんなり問題は解決しない。夫婦それぞれの本音が炸裂するこの旅は仲が戻るのか離婚一直線か。ハラハラしながら読みました。