堂場瞬一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「堂場瞬一」のスポーツ小説集『ターンオーバー』を読みました。
『10‐ten‐俺たちのキックオフ』に続き、「堂場瞬一」作品です。
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夏の甲子園予選。
全国一の激戦区と言われる神奈川県大会で活躍する、東高学院のエース「渋井」。
彼を追う東日新聞記者「新見」の胸には、ある苦い思いがあった……(『連投』より)。
野球、アメリカンフットボール、やり投、マラソン、ラグビー――プレーする興奮と観る感動をそのままに、アスリートたちの様々な瞬間を切り取った、手に汗にぎる純スポーツ小説集。
全6編収録。
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スポーツをテーマにした以下の6篇が収録されています、、、
野球(高校野球とプロ野球)、アメリカンフットボール、やり投げ、マラソン、ラグビー… と扱われている競技も多彩で、それぞれの作品を飽きずに愉しめました。
■連投
■インターセプト
■失投
■ペースダウン
■クラッシャー
■右と左
■解説 西上心太
やり投げのように、あまり興味もなく、知識も少ない競技もありましたが… 意外と面白く読めました。
『連投』は、高校野球をテーマにした物語、、、
最も過酷といわれる夏の高校野球の神奈川県予選大会… ベテラン新聞記者の「新見」は、快進撃を続ける東高学院のエース「渋井」の投球に異変を感じる。
かつて自分も高校球児で肩を壊して野球を辞めた「新見」は、「渋井」が連投により、故障を抱えて投げていることに気付き、直截な問いを投げかける… 結局、「渋井」は決勝戦の先発を回避するが、その理由は意外なものだった、、、
監督や記者、選手… それぞれの価値観の違いが面白かったですね。
『インターセプト』は、アメリカンフットボールをテーマにした物語、、、
目覚ましいスピードを持つ新人ワイドレシーバー「徳田」、クオーターバックの「矢嶋」は、彼に完璧なパスを投げたのに、ディフェンスバックの選手にインターセプトを喰らう… 「徳田」は自信を喪失し、「矢嶋」はサインが読まれたのかと疑心暗鬼に駆られる。
なぜパスが通らないのか… という謎を推理し、そして解決していくという展開は、ある意味、ミステリっぽい仕立てでしたね。
『失投』は、やり投げをテーマにした物語、、、
前シーズン終盤に肩を痛めた「織田」、第一人者でありながら調子の出ない自分に迫ってくる若手の「山藤」… 焦燥に駆られながらも、ようやく会心の一投がでるが。
かつて自分も先輩を追い越してきたことを振り返りながら、後輩に追われる側のトップアスリートの心理を描いた物語でした。
『ペースダウン』は、マラソンをテーマにした物語、、、
箱根駅伝で活躍した「穴川」は、学生最後のレースでマラソンに挑む… 絶好のコンディションで身体の調子も良く、折り返し地点を過ぎてもトップを走る憧れの選手から離れず追走をするが。
マラソンの厳しさが伝わってくる物語でしたね。
『クラッシャー』は、ラグビーをテーマにした物語、、、
大学1年生で日本代表に選ばれながらも、3年連続でシーズン初戦で大怪我を負うことを繰り返してきた「五十嵐」、4年生となったシーズンで不安を抱えながら開幕戦に挑む。
ラグビーの物語だったので期待し過ぎていたのかもしれませんが… 怪我の恐ろしさだけが強調されていた感じがして、それほど愉しめませんでした、、、
でも、試合での緊張感は伝わってきました… 久しぶりに楕円球を触りたくなりましたね。
『右と左』は、プロ野球をテーマにした物語、、、
最下位に低迷する横浜パイレーツ、ところが最終戦直前の試合で奇跡的な勝利を得たことにより、最終戦の結果次第では4位に上がれるチャンスが… 首の皮一枚がつながった「平井監督」の悩みは、明日の先発投手だった。
高卒2年目で新人賞候補の若手右腕「大洞」か、ベテラン左腕「黒澤」か、奇しくも両者とも15勝7敗という同成績で、休養も充分… 何がなんでも最多勝タイトルが欲しい「大洞」、少し軸足を痛めており、すでにシーズンのモチベーションを失っている「黒澤」、思考の迷路のはまった「平井監督」の決断は。
監督はどちらを選ぶのか… という謎を中心とした心理小説でしたね。
イチバン面白かったのは『連投』かな… あとは『右と左』が印象に残りました、、、
両方とも野球ですね (笑) -
Posted by ブクログ
「堂場瞬一」のラグビーを扱った長篇スポーツ小説『10‐ten‐俺たちのキックオフ』を読みました。
今月の20日にはラグビーワールドカップ(RWC)2019が開幕しますからね… ラグビー関係の作品が続いています。
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理想のラグビーとは何か。
頂点に挑む男たちの熱き闘い!
大学リーグ四連覇を目指す強豪・城陽大ラグビー部が初戦に大勝した夜、名監督の誉れ高い「進藤元」が急死。
チームは、ヘッドコーチから昇格した「七瀬龍司」に引き継がれた。
「七瀬」は城陽OBではなく、「進藤監督」の高校時代の教え子で、半年前にヘッドコーチに就任したばかりだったが、亡き監督が生前、「七瀬」を後継者にしたいという意向を伝えていたのだ。
動揺する選手たちに対して「七瀬」は、従来の城陽の「型に縛られた」プレースタイルにとらわれず、選手の自主性を促し、相反する戦術を試みようとしていた。
そのことに、亡き監督の息子でもあるキャプテンの「進藤直哉」は反発。
OBも介入し、チーム内には不協和音が……。
新たな戦術にこだわる「七瀬」の真意とは。
そして、最後に栄冠をつかむのは誰か!?
ラグビー日本代表の「五郎丸歩選手(ヤマハ発動機ジュビロ)」も一気読み。
「激しいプレーでラグビーの魅力を伝えたい――僕と同じ思いが、この本に凝縮されている」と激賞する一冊、待望の初文庫化!
[解説/ 「大友信彦」]
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ラグビーを扱ったスポーツ小説って少ないと思うんですよね… わかり難いルールや表現し難い選手の心理状況やゲーム展開等が原因なんでしょうが、、、
著者がラグビー経験者ということもあり、それなりにリアリティがあり、愉しめる作品に仕上がっていたと思います… 試合の描写が多いので、ラグビーを観戦したり、経験していないと、なかなかイメージし難いとは思いますけどね。
シーズン途中で、大学リーグ四連覇を目指す強豪・城陽大ラグビー部の名監督「進藤元」が急死… 「進藤監督」の遺言もあり、半年前にヘッドコーチに就任したばかりの「七瀬龍司」が繰り上がり監督に就任、、、
恩師でもある「進藤監督」が本当にやりたかったラグビーを知っている新監督の「七瀬」は、従来のやり方に固執する前監督の息子でキャプテンでスタンド・オフを務める「進藤直哉」をはじめとする選手やOBたちとの間に確執を生じる… シーズンが進んでいくうちに、キックアンドラッシュで攻めるという常勝パターンは綻びを見せ始め、チーム内にも不協和音が生じてくる。
OBからのプレッシャーを受けながらも、選手たちに「今のプレースタイルのままでいいのか!」と疑問を投げかけ、気付きを促す「七瀬」だったが… やがて、リーグ戦の優勝をかけたライバル校・天聖大学との試合が始まる、、、
これまでの戦い方を貫こうとする「直哉」だったが、天聖大学には全く通用せず、前半を終了した時点で3トライを奪われ"0-19"と窮地に陥る… ハーフタイムでの「七瀬」の指示は? そして「直哉」等、選手たちの判断は?
ラグビー経験者立場から見ると、監督と選手の微妙な関係や心理描写、バックスとフォワードの考え方の違い、試合中のメンタルの変化等は、共感できるほど巧く描けていると思いましたが、、、
得意な戦術がキックアンドラッシュ… それとドロップ・ゴール って、ちょっと現実味がないような気がしましたね。
(私が高校生の頃の戦術ですもんねー 監督に言われた通りで、選手が何も考えずにプレーしているところまで、ホントにそのまんまでした)
それで「直哉」はアンダー19やアンダー20の年齢別の代表にも選ばれている設定なんですからね… そんなこんなで気になる点はあるものの、それなりに愉しめました。
もっともっと… ラグビーを扱った作品が生み出されるとうれしいですね。