榎田尤利のレビュー一覧
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執事、主従、そんなキーワードにちょっとヒネリが効いてるのがさすがの榎田センセ。
シリアスでありながら、あちらこちらに笑いがてんこ盛りで飽きることなくどっぷり話に浸れます。
営業職希望だったのに、老獪なそれでいてユーモアたっぷりの富益に、まんまと難攻不落で人間嫌いでわがままジコチューな室長乙矢の秘書候補(そのうち執事候補)にさせられてしまった仁。
体育会系で小さな子供の世話も厭わず、男らしくて優しさも持ち合わせ、限りない忍耐力があるところは、まさに潔癖王子乙矢にぴったり。
それだけじゃなく、男の色気がそこはかとなく漂ってるところ、ステキです。イラストでもかっこいい。
なのに、はじめのうち、仁は乙矢にバイキン扱いを受けます。このあたりのやりとりは大爆笑。
潔癖症になった理由を知ると笑えないのですが、二人の受け答えは榎田センセならではの巧みさが光っていて面白さ抜群。
次第に仁を憎からず思い始める乙矢の気持ちも可愛げがあって、せつなくなります。触りたいのに触れない乙矢の辛い気持ちに思わずほろりとしました。
菜箸で鼻、ってところは二人の気持ちが近付いた気がして微笑ましかった。
濡れ場はもちろん文句ナシに萌え感MAX!仁の♂フェロモン全開で、攻として完璧。言葉攻めもいいかんじで乙矢がめろめろになるのも頷けます。
シメの三人の会話も甘くて笑えて、読後も満足です。 -
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泣いた。魚住に萌えた。胸がいっぱい。無邪気さがたまらない。
始まりは滑稽なぐらい不幸体質にニュートラルな魚住で…いや、味覚障害だの本当は壊れまくりなのに…久留米大好きなんだよね…ぁあ言葉に出来ないっ!
その他の登場人物も魅力的だった。どの人もいないと違う空気になってしまうような。マリちゃん凄いし。
久留米が王子様的に助ける役じゃないとこも好き。魚住を可哀そうとか思ってなくて、呆れながらも見てると面白いって感じの久留米がいいな。しょうがない、放っておけない、だけど少しだけ見せる喜ぶ姿とか楽しんでる感じが。
次は夏の子供。眠らず読みたいんですけど、どうしてくれるの。 -
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いい幕切れ。途中痛い場面があったのでなおさらです。
芽吹と兵頭に訪れた試練は過酷でしたが、いっそう二人の絆は深まったのでほっとしました…
そこまでを一気に読ませてしまうつくりの上手さには、逆らえません。読み手までを嵌めようとするあざとさも、かえって嬉しくなったりして。
テーマは「信じる」ことなんですが、こうもあっさりハラハラさせられて、途中彼らを疑って、逆方向に行ってしまうなんて私はまだまだ読みが甘かった。
私とUSBメモリとどっちを取るの?的な展開から、愛だけではどうにもならないんだよ風に転がるのかと思いきや、そうでもないところが面白い。
その結末を知ると、生きる世界が違う二人が、男としての矜持を保ちつつ、互いを思いやってるのがすごく感じられます。
伏線小ネタがいろいろ出てきて、こういう長編ではマストアイテムだなと再認識しました。兵頭のカシミアコートのポケットから甘栗とか、いまさら印象的で、上手いなあと思います。
で、最後のベッドシーン。襲い受けで上書き!
能動的芽吹が嫉妬で濃厚H。こちらも満足です。アホ鵜沢登場の痛いシーンも、芽吹の嫉妬爆発である意味エロくて、悪くなかったけど。
兵頭、やっぱりイイ男だ…
最後の1ページ、じんとくる締めくくり。エンターテイメントながら、感動もしっかりあって、何度でも読み返せる質の高いシリーズだと思います。 -
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「黙らない」「疑わない」「振り返る」と続いた交渉人シリーズが、今回は2巻同時発行の長編で読み応え充分なボリュームです。
慣れ親しんだ芽吹と兵頭に再会できるのはうれしい限り。こう続くと、マンネリや劣化は少なからずあるもので、そこは大目に見ようと身構えたけれど、心配無用でした。ちゃんとエンターテイメント。
そんなことより、奈良絵師の微妙な作風の変化に「ん?」と首を傾げてしまいました。暗く重かったのが、なんだかコミカルに。作品との関連付けをどこまで重く見るかにもよるけれど、一応挿絵のイメージでキャラを捉えるわけだし。あまり極端には変えて欲しくないですね。いちいち脳内変換するの、大変なので。
住む世界は違えど、身も心も通い合っていた芽吹と兵頭。芽吹視線で語られる部分は、軽妙洒脱でテンポもよくて、二人の掛け合いも相変らずで面白さは高レベルを維持してます。
登場人物も多くてますます賑やかになっているのも、読んでいて楽しい。
でも、起こる事件は正反対にシリアスで、あんなに明るくて弁の立つ芽吹の過去の闇の部分に重点が置かれていて、どんより。登場する敵がとても手ごわいし、芽吹ピンチです。交渉人vs詐欺師の頭脳バトルですね。
まあ、2冊にまで及ぶ争奪戦に突っ込みどころも多々ありますが、ここは交渉人のファンということで、とやかくは言いません。あのUSBメモリにそこまでする程の価値や重要性がホントにあるわけ?とか、環のへんな脅しにふつう乗るか??とか、細かいことは申しません…
それよりも、ただただ、二者択一を迫られる、芽吹の悲痛な気持ちや、兵頭の苦悩を辿るのみです。
そして、双方の超強力な嫉妬!こっちに萌えたいと思います。 -
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原作もよかったけど、こうして挿絵がコミックスになって、それが成功してるってすごい。
円陣闇丸センセは、イラストの時からイメージがぴったりで、コミカライズでもハンパなくいいお仕事したと思います。
あんなシーンやこんなシーンでは、ルコちゃんと東海林は一体どんな表情を見せていたのかな?とか、原作以外の場面でも気になるシーンがいっぱいあって大満足で楽しかった。
世間的にもかなりいいトシなのに、いっこうに自立できないルコちゃんと、彼の世話を焼くことに何の疑問も抱かず、日常と化している東海林。ホットケーキ、胸がキュンとします。
東海林がルコちゃんを愛していることを自覚してからは、マンガで読んでもやっぱりせつないなぁ。万年筆のエピは泣けるし。
最終的なバカップルぶりも、マンガで見るとまた一味違っておいしいです。ダメダメルコちゃんの天然なかわいさとか、男前なのに案外世話女房な東海林の魅力が、ブレなく的確に伝わってくるってのは、うれしい限りです。 -
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町屋 はとこ×榎田 尤利 コラボ企画で、コミックスのcp、小説のcpの2組の話が平行して進展する趣向も興味津々。
コミックスの主人公は不器用でクソ真面目な英と、彼にクリスマスイヴに拾われた年下のイケメン青年淳平、プラス子猫のやきのりちゃん。
話のテーマは「理性も期待できず、自己抑制も困難な異常事態が恋」(byサガン)というところなのかな。主人公の英は盲目の恋に酷く傷つけられて心が折れそうになっているところを、淳平とやきのりちゃんとの出会いによって救済されます。
その出会いや、同居に至るまでの過程がやさしくてあったかくて、読んでいてほっとするというか、なごむというか…やきのりちゃんの涙目とか見てしまったら、英でなくともたまらん。
わかっていても、なーんか胸騒ぎがしても、自分にとって都合よく解釈したくなったりするのが恋なのよね。人が良すぎる英のこと、イラつきながらもすごく共感しました。
年下の淳平は、明るくてイマドキの好青年ぽいですが、暗い過去背負っていそう。「死」というもうひとつの主題も見えています。
「死んだら俺はどこへ行くんだろう」というコトバに続く淳平のモノローグにはどきりとする。榎田作品にいつも流れる生死の意味が、この話にも出てきています。
淳平はすごくいい奴だから、英と上手くやっていって欲しいなと心底思います。ゲイでもなさそうなのに、恋に落ちそうな予感がありあり。何にしろ、話も始まったばかりなので。
エロシーンはメインcpにはまるでなし。でもでも、それを補って余りあるのがやきのりちゃんですよ~!いとしすぎる。かわいすぎる。
やきのりちゃんは、2組のcpにも絶妙に絡んでいて、しっかり結びつけるカスガイとなって「コラボもの」という意味を格上げしています。
次が楽しみ。待ちきれません。