坂本龍一のレビュー一覧

  • ぼくはあと何回、満月を見るだろう

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    坂本龍一関連本そのいくつか。今まで読んできた本の中ではあまり面白くなかった方ではある。一つはずっと坂本龍一武勇伝みたいにどうしてもなってしまって、はいはい~というテンションになってしまいがちだったからだ。ところどころ面白いところはもちろんありつつ。それも含めて、この人は作家ではないしなという気持ちにも同時になっていた。フューネラル・プレイリストの曲、私も考えたい。まずは坂本龍一を想って聞こう。あとがきにもあるが、坂本龍一のなかにタルコフスキーやドゥルーズやらがいるように、私の中にも坂本龍一が生きていくだろう。

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    2024年08月29日
  • 音楽は自由にする(新潮文庫)

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    Musik macht Frei. 直訳すれば、「音楽が自由を作る」。音楽は人を自由にするということだ。
    恥ずかしながら、僕は坂本さんのことをあんまり詳しく存じ上げず、彼の音楽はバッハやラヴェルなんかがベースにあって、幸宏さんが「教授」と呼んだくらい理論的バックボーンのある人というイメージだったので、この本も読む前は難しいことが書いてあるのかなと思っていた。ところが、実際読んでみたらとても面白くて、スルスルと最後まで読めてしまった。
    細野晴臣さんと出会ったエピソードがとても印象的で、きっと「別々の国で生まれたのに、会ったら言葉が通じた!」みたいな衝撃だったんでしょうね。矢野顕子さんとの結婚もず

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    2024年08月13日
  • ぼくはあと何回、満月を見るだろう

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    映画、哲学、社会評論、現代芸術等等多岐に渡り自分の中で消化し、音楽と映像の世界でクリエーティブする方だったんだとあらためて思う。読んでみたい本、見てみたい映画、聴いてみたい音楽、このひと夏では到底足りない。

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    2024年07月31日
  • ぼくはあと何回、満月を見るだろう

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    昨年亡くなった坂本さんの遺稿といえる作品。ガンを患っての闘病生活が赤裸々に綴られながらも、同時に尽きせぬ音楽、芸術、文学への情熱に圧倒される。病気が進行してなお、精神性を求めることのできるのは、彼の強さなのか、いや、もしかしたら弱さを意識しての頼るすべだったのか。やはり凄い方だった。合掌。

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    2024年05月22日
  • 新版 縄文聖地巡礼

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    ネタバレ

    坂本龍一強化月間でこちらを。
    面白かったし、ちょくちょく入る坂本龍一の写真が格好良いし、取り上げられている場所に旅行で行ってみたいなあという気持ちがわいています。

    中沢「…死の問題をいろんなかたちで世界のなかに取り入れていくことが戦略上、重要なんですよね。生きている人間の世界は、「ある」か「ない」かっていうバイナリ思考に陥りがち。でも「ある」でも「ない」でもない、もっと根源的な「生命力に満ちた死」があるわけで、それを組み込むと3の世界になっていく。世界はバイナリではなくトリニティの構造に変わっていく…」(p.51)

    中沢「神話の想像力と、資本主義や科学技術へと分かれていく原点は。エコロジス

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    2024年04月14日
  • 音楽は自由にする(新潮文庫)

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    本音を言えば、あまり気が進みません、からはじまる、坂本龍一の人生の振り返り。常に自分から何かしてきたわけではない、としながらも、その時々に起こる機会に対して、尋常ならざる好奇心や好き嫌いが、人生で出会う人を多様にし、圧倒的に多面的で複雑なインプットが、幼少期から学んだ正当な音楽理論の上に乗って、ハーモニーを奏でる。そんな背景でこの音楽が作られているんだ、という、その裏にある果てしない奥深さを垣間見た

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    2024年03月03日
  • ぼくはあと何回、満月を見るだろう

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    「著者に代わってのあとがき」に書かれているように、確かに人の3倍は生きておられる濃密な71年だったんだろう。凡人には想像できない才能とバイタリティー。
    本を読みながら音楽を聴くことはあまりしないのだが、本書に上げられている坂本龍一本人やその他の曲を読みながら聴いた。豊かな時間だった。静かな時間だった。
    闘病生活が大変だったことが書いてあるのに、印象としては最後までスタイリュッシュで端正。そのことは良かったと思う。

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    2024年02月28日
  • 音楽は自由にする(新潮文庫)

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    書店でふと手に取った坂本龍一さんの自伝。若かりし頃の猪突猛進さ、求められる方へ良い意味で流されながら。3.11やグリーランドの景色に感じた危機感から、社会的アンテナが広がっていく。激動と崩壊の狭間で、いつも音が紡がれていた。

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    2024年02月23日
  • ぼくはあと何回、満月を見るだろう

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    ネタバレ

    生前は情報量が多過ぎる気がして敬遠していたけど気にはなっていた。なぜ闘病しながら活動家のようなことを続けてやっているのか…この本でほんの少しだけ、彼の言い分のようなものを知れた気がする。去る準備ができることを幸せだと思うこともあるだろうけど、やはりもう少し時間があれば…ファンですらないのに、そんなことを思った。
    それにしてもさまざまな知識が語られるので、周りの人も博学なのか?自分の周りにはこんな話す人はいないので、新鮮。多方面に関係団体や人物が出てくるので、ノートに書き出したくなる。読み終えて、そういえばと思ったが、パートナーと大貫妙子さんの話はあるけど、矢野顕子さん方面の話はなく、お孫さんの

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    2024年02月16日
  • ぼくはあと何回、満月を見るだろう

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    ほとんど一面しか知らなかった坂本龍一。音楽に関することだろうけれどとても様々なことをしていたということに驚きました。ご自分の命が尽きる直前まで現役であり続けた…尊敬です。

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    2024年02月16日
  • 音楽は自由にする(新潮文庫)

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    坂本龍一のこと、あんまりよく知らなかったけど、
    こんなに面白く書こう!って思ってないのに面白い人生って凄いなあーと思いました

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    2024年02月02日
  • ぼくはあと何回、満月を見るだろう

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     昨年の3月に71歳で亡くなった坂本龍一氏(以下、「教授」とする)が、闘病中の2022年2月から10月にかけて、編集者の鈴木正文氏を相手に2009年以降の歩みを口述した本書。YMOで一世を風靡しながら、奇しくも高橋幸宏氏に続いて教授までもが逝ってしまうとは。教授の人生観や音楽に対する姿勢などが盛りだくさんに記されており、あっという間にページが進んだ。「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」という書題も心惹かれる。それにしても最近ミュージシャンの訃報が続いているのは寂しい限りである。

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    2024年01月20日
  • 音楽は自由にする(新潮文庫)

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    2023年の年始に坂本龍一のドキュメンタリーをNHKで放送したが視る事が出来なかった。視るには何かしらの覚悟が要り、その覚悟が持てなかったからだ。

    しばらく時を開けこの本を取り、その人生を悼む。クラシックとポップ、両面を使い分けた世界で最も膾炙された日本の音楽家であった。今なら冒頭のドキュメンタリーも視聴出来ると思う。

    因みに父親の坂本一亀はこの本の中では希薄な存在である。元々希薄な親子関係だったのか、それとも男の親子特有の一種の照れから敢えて詳しく述べなかったのか…
    思考的にはこの親あってこの子あり、といったイメージがあるのだが。

    扶桑書店アルプラザ堅田店にて購入。

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    2024年01月17日
  • ぼくはあと何回、満月を見るだろう

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    2023年3月に亡くなった音楽家の生涯は本職の活動の枠を超えて様々な活動に携わる。そこには社会問題や次世代への憂慮も内包されていて、日常からの不安を打破したい苦悶が伝わってくる。本書は既に出版された「音楽は自由にする」以降の日々が記されている。転移するガンとの関わり、スタイルにとらわれない音楽表現の推移、そして飽きることなき読書体験、教授の本心に少しでも触れることで私たちは何を考えていくべきか、それぞれが行動に移す機会を与えてくれる。まさか。

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    2024年01月15日
  • 音楽は自由にする(新潮文庫)

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    2024年3月まで、初台のNTTインターコミュニケーションセンター(ICC)で開催中の「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」を見てきた際に、そういえば未読だったということで、こちらを購入。

    2009年に出版された本作は、坂本龍一が自らの幼少期から現在までを語る自伝であり、この本ならではのエピソードも数多く収録されている。

    特に「ラスト・エンペラー」をはじめ、様々な映画音楽に関してはステークホルダーが多かったであるからだろうか、かなりのボリュームが割かれており、さすがの教授といえども苦心したエピソードなどが非常に印象深い。

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    2024年01月14日
  • 音楽は自由にする(新潮文庫)

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    もちろん坂本龍一さんのことは知っているし、すごい人なんだなっていうのはふわっとわかっているけれど、どんな人生を送ってきたかまでは知らなかったので興味深かった。
    なんだか、うん、本当に天才ってこーいう人の事を言うんだな…というのが正直な感想。努力をしようとして努力をしている印象はないのに、いざ本気を出すとできてしまう感じ、嫌味な気はしちゃうけど、本物ってそういうことなのかなと。

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    2024年01月10日
  • 新版 縄文聖地巡礼

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    著者、中沢新一が、音楽家、坂本龍一と縄文にかかわりのある土地への巡礼を行った際の対談。一読では理解しきれない面もあったが、アースダイバーと併せて読むとよいと思う。

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    2024年01月04日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    コロナ禍の数年前、未来がわからない時に書かれた文章を一応社会が再び動き出した時に読む。そこには色々な気づきがあると思いました。

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    2023年10月04日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    現在2023年4月末。先日、まもなく新型コロナが5類になることが正式決定されたとニュースで流れた。
    この本に掲載されているインタビューや手記は2020年。コロナ禍がいよいよ始まり、おそらく世界中の誰もが、今まで非日常と思ってきたことを日常的なものとしなくてはならないという不安に覆われはじめてきた、そんな時期の発言だ。そのような意味では、更に数年後、コロナ禍を振り返るための格好の史料となりうると思った。
    この本の中で多くの識者たちが言及していたと思うが、人間にとって一番厄介なのは、人間の心の中に生じる差別、偏見、批判なのだ。どのような状況下にあっても生じるこの心の動きに、私たちはどのように打ち勝

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    2023年04月28日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    第2弾の方が面白かったから、遡ってこの第1弾も。識者による未来予測だから、概ね似た内容になるのはむべなるかなで、『とんでもないな』って思うことは無い反面、そこまでインパクトの大きい論説には出合えなかったり。ただ、そんな中でも探検家・角幡さんの投稿はかなり移植で、だからこそ際立って面白く感じられた。コロナ突入のちょうどその時期、極地単独踏破を敢行していたなんて、まさにリアル浦島太郎。そんな状況に身を置かれていたとは。色んな意味で得難い体験。面白かったス。

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    2021年12月09日