高橋克彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『総門谷』続編の第四弾。伝奇SF超大作。伝奇<SF。
今度は『総門谷』(一作目)のあの人とまさかの再会。
いやぁ。ここにきてもう一人ぶち込んでくるとは夢にも。
『R』も四冊目に入り、主人公サイドでもだいぶ諒の能力にスポット当てられはじめたわけですが。
示されれば示されるほどに理解しづらい力だなぁと思います。
諒が「為ると思えば為る」力。
――要するに「信じる心が力になるのさ!」ってことみたいですけど。
その力の及ぶ範囲……上限をどう考えてよいやら。
一作目のやらかしっぷりからすると事実上限界無いような気もしますが。
「限界は無いけど制約はある」
そういう解釈でいいのかなぁ。 -
Posted by ブクログ
『総門谷』続編の第一弾。伝奇SF超大作。
今度の舞台は平安時代。
空を爺さんが飛びまわったりついでに未確認飛行物体もとびまわったり、
そうかと思えば陸奥で大戦がはじまったり。
あと宇宙いったりとか空海さんがいろいろやらかしたりとか。
――などという紹介の仕方をすると「何その異種格闘技戦」みたいな感じになってしまうのですが、
実際には虚の糸と実の糸が見事に織り合わされ、妙な説得力があります。
初代征夷大将軍と伝えられる坂上田村麻呂が大活躍、アンドまわりの連中大暴れ。
「この部分は空想だろう」と思っていたら
キッチリ実際に存在する伝説を材料に話を構成してたりして油断のならない作品でした。 -
Posted by ブクログ
高橋克彦ドールズシリーズ第三弾。
少女・怜とその叔父・恒一郎が今度は猟奇殺人事件に遭遇!
お化け屋敷で本物の死体を発見してしまった恒一郎の元に犬の生首が届けられ、
さらには彼らの回りで新たな殺人事件が起こってしまう。
そして"センセー"の前に現れる、シリーズ最悪の難敵……その正体とは!
ホラーなんだかミステリーなんだかサスペンスなんだかよくわからないっていうのが一点。
前作までにあった「江戸情緒」がほとんど失われてしまったというのがもう一点。
残念な部分がいくつかあるので星はひとつ減らしましたが、今作も大変おもしろかったです。
ラストシーンにおける"センセー"の最後の一言が、この作品、と、いうよりも。
このシリーズの肝なのだなぁと思います。 -
Posted by ブクログ
<再読>おさらいその2。第二巻では、760年〜764年恵美押勝の絶頂から没落−恵美押勝の乱までを描く。立志篇では陸奥守になるべく、天鈴の策で奈良麻呂の乱において藤原仲麻呂(押勝)に力を貸して授刀衛の大志にまで昇進を果たした牡鹿嶋足。しかし押勝の息のかかった者が陸奥に赴任し、蝦夷はさらに苦しい立場に追いやられた。腐敗した押勝の権勢を打倒し、今度こそ陸奥に平穏をもたらすべく、天鈴たちは道鏡や吉備真備と手を組んで押勝を追いやるべく権謀術数する。この風の陣シリーズで面白いのは、京で起こる争乱がすべて天鈴の策謀と嶋足の活躍に集約されていること。もちろん小説であり、すべてが史実ではない。だが史実の裏に何があったのか、それを想像する楽しさが伝わる。
-
Posted by ブクログ
旗本の次男坊で江戸の広告代理店「藤由」の居候、
香冶完四郎(こうやかんしろう)のシリーズ第1弾。
幕末の江戸を背景に、主要キャラクターとの顔合わせをしつつ
謎解きに挑む1冊。
でも、クライマックスは安政の大地震。
そう考えると謎解きが主体でもなく、すべては
「たった一枚の紙が世の中を変える」
「ようやく自分が命を懸けるに足る仕事と巡り合った」
そう主人公に言わしめるための布石だったのかと。
結構楽しく読めました。
【収録作品】
第1話 梅試合
第2話 花見小僧
第3話 化物娘
第4話 雨乞い小町
第5話 花火絵師
第6話 悪玉放生
第7話 かぐや御殿
第8話 変生男子
第9話 怪談茶屋
第10話 首なし武者
第11話 目覚まし鯰
第12話 大江戸大変
<解説>池上冬樹 -
Posted by ブクログ
「炎立つ」「火怨」に続く「陸奥三部作」の最終章となる作品。九戸党の棟梁・九戸政実が今作品の主人公。文庫版では、全3巻。
戦国時代の末期、陸奥において近隣諸国に「北の鬼」と恐れられる九戸政実は、南部氏の勢力を拡大して天下に名を上げようと考えていた。実際、政実率いる九戸党は強者揃いの武闘派として、その名を知られていた。
しかし、当の南部氏は内紛が絶えず、当主・養子間において争いが起こる始末。政実は、独自で南部氏の勢力を南に拡げることに成功するも、権謀術数渦巻く南部氏の呪縛に縛られ、その才を十分に発揮できないでいた。
南部氏が内紛に時間を費やしている間、天下は大きく変わっていった。政実は、南部氏のために、あらゆる策を弄していく。
やがて、豊臣秀吉が天下を手中にし、陸奥も秀吉の掌握下となっていく。政実は秀吉に従うことを良しとせず、南部氏に対して叛旗を翻す。陸奥に住まう“蝦夷”の誇りのために、政実は起つ。狙いは南部氏を飛び越えて、天下人の秀吉との大喧嘩!九戸党5千対秀吉軍10万との戦いが始まる。
主人公の政実は、戦いに、策略に優れた冴えを見せる。それだけでなく、人を惹きつける魅力もある。津軽為信、伊達政宗といった武将達も政実の人物に魅了されている。完璧すぎて何故に早く、大望を遂げるための戦いをしなかったのかというツッコミはあると思うが。
彼の起こした「九戸の乱」は、歴史上において知られることはあまりない。だが、秀吉の天下平定は、この「九戸の乱」終息をもって完成されたと言っていいだろう。
この作品を通して、天下人に逆らって無駄死にした愚か者か、蝦夷の誇りを守るために抗った英雄か。ぜひ、この本を読んで知ってもらいたい。