高橋克彦のレビュー一覧
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旗本の次男坊で江戸の広告代理店「藤由」の居候、
香冶完四郎(こうやかんしろう)のシリーズ第1弾。
幕末の江戸を背景に、主要キャラクターとの顔合わせをしつつ
謎解きに挑む1冊。
でも、クライマックスは安政の大地震。
そう考えると謎解きが主体でもなく、すべては
「たった一枚の紙が世の中を変える」
「ようやく自分が命を懸けるに足る仕事と巡り合った」
そう主人公に言わしめるための布石だったのかと。
結構楽しく読めました。
【収録作品】
第1話 梅試合
第2話 花見小僧
第3話 化物娘
第4話 雨乞い小町
第5話 花火絵師
第6話 悪玉放生
第7話 かぐや御殿
第8話 変生男子
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「炎立つ」「火怨」に続く「陸奥三部作」の最終章となる作品。九戸党の棟梁・九戸政実が今作品の主人公。文庫版では、全3巻。
戦国時代の末期、陸奥において近隣諸国に「北の鬼」と恐れられる九戸政実は、南部氏の勢力を拡大して天下に名を上げようと考えていた。実際、政実率いる九戸党は強者揃いの武闘派として、その名を知られていた。
しかし、当の南部氏は内紛が絶えず、当主・養子間において争いが起こる始末。政実は、独自で南部氏の勢力を南に拡げることに成功するも、権謀術数渦巻く南部氏の呪縛に縛られ、その才を十分に発揮できないでいた。
南部氏が内紛に時間を費やしている間、天下は大きく変わっていった。政実 -
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ほとんど日本人作家のミステリは読まないんだけれど、高橋克彦の「浮世絵シリーズ」は好きで、もう20年も前の話になるけれど、「北斎殺人事件」を読んで小布施の北斎館に行ったこともある。観光案内じゃないけれど、謎を解くためにあちこち行ったときのその土地の風景だとかおいしいものだとかがすてきで、思わず行ってみたくなったのだ。で、ゴッホがテーマのこの作品もものすごくおもしろかった!(まず、はじめから日本語で書かれている話って読みやすーい、と翻訳ミステリばかり読んだあとで思ってしまった・・・)。フランスやオランダが舞台になったり、モサドが出てきたり、爆破事件があったりと、一見派手だけれど、研究者が地道に推