高橋克彦のレビュー一覧

  • 風の陣【立志篇】

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    「炎立つ」にすっかり魅せられたので時代を遡って本シリーズに突入。
    第1巻はひたすら朝廷の政争に終始していますが、文明が未成熟なせいか、やり方がいちいちえげつない。但し蝦夷や物部氏を中心に個性溢れる魅力的な人物が続々登場しており、嫌気を覚えることなく先の展開を楽しみに読み進めることができました。
    既にこの時代から日本の政治家は政より権力争いに執心していたとは。ちょうど読んでいる最中に希望の党が結成された現代との類似性が、何とも情けなくて可笑しいです。

    名前が似ていて区別がつかなくなるという恐ろしい噂の「麻呂麻呂地獄」も、巻頭の人物紹介欄の助けを借りながら何とかクリアできそうかな。

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    2017年10月09日
  • 風の陣【裂心篇】

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    鮮やかに描かれる「人として扱われない苦しみ、忌まわしさ」の受け手の感覚。
    「蝦夷は人ではないこと」が普通になっている天皇を含めた大和の感覚に随分温度感があるように感じます。

    ずっと堪えてきた蝦夷がついに決起。
    やっぱりそうこなくっちゃ、と思いつつ、戦の時代に雪崩れ込む予感にゾクゾクします。

    個人的には、前半主人公の嶋足が全く出てこないで終わったのが少し残念。。

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    2017年10月01日
  • 風の陣【風雲篇】

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    悪は悪らしく清らかな心の者に成敗される。
    物語としてスッキリした読後感です。

    都の諸行無常の政がメインだったところから、陸奥にだんだんと舞台が移って行きます。

    蝦夷に理解を示す苅田麻呂が陸奥に赴いて一安心かと思いつつ、歴史の事実を知っていれば、胸が騒ぎます。陸奥の胆沢を治める長の息子である「阿弖流為」と、苅田麻呂の息子である「田村麻呂」が馬で競い合う姿に「火炎」までの物語展開が楽しみになります。

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    2017年10月01日
  • 風の陣【天命篇】

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    天皇の周りの権力者が劇的に移り変わる物語に目が離せず、はらはらしながら読み進められます。それぞれの思惑と欲望を読みながら、「策」を進めるところが見どころ。

    現代にはない「天皇への権力の集中」と「貴賎、階級制度」が、一族の栄華や滅亡を簡単に予感させるほどの激動の時代を生み出しているのかと、この時代への興味が湧きました。

    余談ですが、「麻呂」の名前が付く登場人物が多く、頭の中が「マロマロ」で一時混乱しかけました。名前の流行がこの当時からあったのかしら。

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    2017年09月18日
  • 鬼九郎五結鬼灯 舫鬼九郎3

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     鬼九郎とその仲間たちを様々な怪異が襲う、血沸き肉躍る時代劇アクション。

     この巻は、今までとは変わって多彩な登場人物それぞれが中心となって連なる短編小説の形をとっており、前巻までとは違った楽しみを味わいました。

     それぞれの人物が活かされ、その中で鬼九郎の出生の秘密が徐々に明らかにされていく展開も興味深かったです。

     次巻が最終巻ということで、寂しい気もしますが、早く読みたいと思わざるを得ません。

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    2017年08月06日
  • 鬼九郎五結鬼灯 舫鬼九郎3

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    「長兵衛獄門首」「女難徳兵衛」「怪談高尾」「重ね十兵衛」「九郎非情剣」とこのシリーズの主要キャストの播随院長兵衛、天竺徳兵衛、高尾太夫、柳生十兵衛、舫九郎それぞれを主人公にした5つの短編で構成されている。
    鬼九郎を中心とした仲間の絆が深まっていき、さらに九郎の出生の秘密が明らかにされ、最終巻に向けて、より心情を深めた三巻目だ。

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    2017年07月30日
  • 鬼九郎鬼草子 舫鬼九郎2

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    会津藩のお家騒動を巡って、舫鬼九郎、柳生十兵衛、天海大僧正たち前巻の面々が激闘を繰り広げる時代活劇。

    今回も多彩な人物たちが登場し、会津藩の謎を解くために左甚五郎を敵にまわして闘っていく展開に目が離せませんでした。

    そこにあの由比正雪が絡んでくるあたりは、風太郎作品を彷彿とさせ、盛りあがざるをえない感じでした。

    鬼九郎と十兵衛の剣劇も十分に満喫し、時代活劇の醍醐味を味わうことができました。

    次の彼らの活躍を期待せずには、いられません。

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    2017年07月25日
  • 舫鬼九郎

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     女の謎の死体を巡って、柳生十兵衛、天海大僧正、左甚五郎たちを巻き込む壮絶な戦いに挑む、凄腕の美剣士、舫鬼九郎の活躍を描く。

     新しい時代劇のヒーローといってもいい、謎の美剣士、舫鬼九郎が大好きな柳生十兵衛とともに活躍する展開とあって、それだけで読むのに夢中になってしまいました。

     魅力的で多彩な人物、剣劇シーンやエロティックな場面、そしてミステリー仕立てな展開など、娯楽時代小説の王道といった感じで十分楽しめました。

     多彩な登場人物たちは今後もまだ絡んでいく感じがしますし、主人公の生い立ちも少しずつ明らかになっていくようなので、次巻からの展開も気になります。

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    2017年07月18日
  • 鬼九郎鬼草子 舫鬼九郎2

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    会津で舫鬼九郎、柳生十兵衛と左甚五郎率いる根来衆と激突する。
    会津騒動をネタに、幕府と会津、その裏で動く柳生と根来衆という構図に、鬼九郎一味と天海和尚をからめ、由井正雪、丸橋忠弥まで出てきて、後の慶安事件を感じさせる展開。
    最後に明かさせる真相。
    歴史の中の事件を描きながら、まったくの娯楽時代小説。
    知っていなければ、実際にあった事件とは思わなかったかもしれない。

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    2017年06月18日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(1)

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     戦国時代、戦の天才九戸政実が武者揃いの一族郎党を束ねて東北の血を駆け巡る。

     「炎立つ」「火怨」に続く「陸奥3部作」の最終章をついに読み始めました。

     この作品も前2作に劣らず、熱い男たちの闘いや生き様が描かれていました。

     この主人公もこの作品で初めて知った武将でしたが、読み始めてすぐにこの人物の魅力に惹かれてしまいました。

     織田信長の時代に陸奥で戦いの駆け引きが渦巻いていたことを初めて知り、この時代のエネルギーがすさまじかったことを改めて感じさせてくれました。

     次巻も政実の活躍を期待しています。

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    2017年04月24日
  • 緋(あか)い記憶

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    記憶をテーマにし、作者の東北の故郷を舞台にした物語が連なる短編集。各話の主人公らはふとしたことをきっかけに自分の過去の記憶を掘り下げることで、忌まわしい事実が明らかになっていく。焦燥感と緊張感に飲み込まれて、ぞわぞわしながらいっきによみました。

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    2017年03月13日
  • パンドラ・ケース よみがえる殺人

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    高橋克彦作品、ハマってしまったかも……
    というのも、主人公が浮世絵の研究をしていたりと、浮世絵三部作を思い出したり、なんとなく関連性を感じたりもして楽しい。
    最初はアクが強すぎて、うっと思っていた登場人物(チョーサク)も読み進めていくうちに、
    友達になる過程のように、あなたはそういう人だよね(笑)、という印象に変わっていたりして面白い。
    ある意味冬の密室物としては王道っぽいけれど、
    タイムカプセルや、キーパーソンの名前がパンドラという好奇心をくすぐられる設定がたまらない。
    ラストは、終章タイトルパンドラ・サッドケースにふさわしく、かなしく寂しい。
    エピローグはなんとなく期待をしていた展開になっ

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    2017年02月05日
  • かげゑ歌麿

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    先にドラマを見てしまったので、ドラマのイメージが消えるまで待って読みました。

    老中松平定信と歌麿の軋轢に、裏麿の過去が絡み事件が起きる。その中で、歌麿の絵師としての覚悟、時代を切り開く強い気持ちが描かれる。

    源内、歌麿、北斎、鬼平。。。スター勢揃い。続編期待

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    2016年12月23日
  • 歌麿殺贋事件

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    初めましての作家さん。
    歌麿の浮世絵に絡んだ連作短編集です。
    北森鴻さんの陶子堂シリーズが好きなら楽しめます。
    陶子堂シリーズと違うのが、骨董商同士の化かし合いじゃないこと。
    美術雑誌の編集者と私立大学で近世庶民文化史を講義している
    研究家がメインキャラになるので、信用問題が絡んでくる。
    そんな中での化かし合い。
    騙しのテクニック合戦って感じなのです。
    歌麿の蘊蓄もありで、これがまた面白い。
    歌麿だけでなく、研究家のことも取り上げられていて
    これは本当の話なのか?と思ってしまうほど。
    面白かったです♪

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    2016年12月01日
  • ドールズ 最終章 夜の誘い

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     ドールズシリーズの最終作。
     前作で「箱神」を追って、死んだ聖夜のお葬式から始まりますよ。
     
     で、壮大な冒険になっていくのだが…。
     ちょっと駆け足だったかな。でも、様々なことへの膨大な知識に圧倒される。
     が、それを生かすために(?)ちょっとご都合かねっという展開が…。

     まぁいいんだけど。

     でも、やばげな展開になったからこそ、怜ちゃんと目吉の混在っていうのがなくなっていて、それが面白いのに残念だったかも。まあ、そこで怜ちゃんがどうのってなると、彼女のトラウマになりそうだから、むしろなくてよかったんだろうけど。

     なんか、ホラーで始まったシリーズだったけど、最後

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    2016年11月06日
  • ドールズ 最終章 夜の誘い

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    前作全部引っ越しの時にギブアップしてしまったんで、イマイチ細かい内容が思い出せず、こんな”総門谷”っぽい話やったっけ??いや、もっとしっとりと美少女の中に同居する名探偵目吉センセーが活躍する別なノリのお話だったような、、と思うんだが。ま、それはともかくスッカリ忘れているお陰で非常に楽しく読めました。蘭陽が出て来て嬉しかった。ていうか、やっぱり総門的高橋ストーリーで決着して大団円でした。満足。ただ、なんとなく総門谷や龍の柩の時よりも、登場人物のバランスが微妙というか、、全員が同じ場で居る筈なのに居ないような錯覚を起こすというか、例えば最後は味方グループは現代人5人(3人+陰陽師親子)、ご当地人3

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    2016年09月06日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

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    日本の歴史の中で殆ど忘れられている存在である蝦夷に焦点を当てるという意味で興味深いし、まぁ、そう云うのを抜きにしても面白い。
    遥かに兵力が少ない蝦夷軍が、地の利と知恵を駆使して、朝廷軍を破り続けるところがなんとも痛快。楠木正成的な面白さだね。

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    2016年08月07日
  • ドールズ 闇から招く声

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    ネタバレ

    ドールズシリーズの3冊目

    これは短編集では無く長編となっている。
    3作目ではほぼほぼ江戸時代の
    おっさんセンセーの目吉が
    「あっしが思うに・・」等々出番が多い。

    しかし・・・転生や輪廻があるって信じたい。
    って言うか信じると少しだけ死が怖くなるなぁ~

    そうは言っても
    転生先が子供の身体で残忍な殺人を・・・と言うと
    何か残酷。
    でも、今世で悪いコトしたら
    次に人間に生まれ変われない。
    って小さい頃聞いたけど・・・

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    2016年06月08日
  • だましゑ歌麿

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    厚みがある割にはすんなり飽きずに読めた。
    千一がおこうさんと出会って結婚するまでの話しになってる。
    時系列で言うとこれのあとに当たる話も読んでいるんだけど、千一の身分ってってそんなに偉かったっけ? と前に読んだのを読み返したくなった。

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    2016年02月13日
  • 総門谷

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    伝奇SF小説というくくりを超えた
    ぶっ飛んだ感じが楽しめるかどうか。

    前半パートと後半パートでテンションが変わってくるんだけど
    後半はやや口ポカーン( ゚д゚)気味。

    前半の雰囲気は好きだった。

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    2016年02月11日