高橋克彦のレビュー一覧

  • 鬼九郎五結鬼灯 舫鬼九郎3

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     鬼九郎とその仲間たちを様々な怪異が襲う、血沸き肉躍る時代劇アクション。

     この巻は、今までとは変わって多彩な登場人物それぞれが中心となって連なる短編小説の形をとっており、前巻までとは違った楽しみを味わいました。

     それぞれの人物が活かされ、その中で鬼九郎の出生の秘密が徐々に明らかにされていく展開も興味深かったです。

     次巻が最終巻ということで、寂しい気もしますが、早く読みたいと思わざるを得ません。

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    2017年08月06日
  • 鬼九郎五結鬼灯 舫鬼九郎3

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    「長兵衛獄門首」「女難徳兵衛」「怪談高尾」「重ね十兵衛」「九郎非情剣」とこのシリーズの主要キャストの播随院長兵衛、天竺徳兵衛、高尾太夫、柳生十兵衛、舫九郎それぞれを主人公にした5つの短編で構成されている。
    鬼九郎を中心とした仲間の絆が深まっていき、さらに九郎の出生の秘密が明らかにされ、最終巻に向けて、より心情を深めた三巻目だ。

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    2017年07月30日
  • 鬼九郎鬼草子 舫鬼九郎2

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    会津藩のお家騒動を巡って、舫鬼九郎、柳生十兵衛、天海大僧正たち前巻の面々が激闘を繰り広げる時代活劇。

    今回も多彩な人物たちが登場し、会津藩の謎を解くために左甚五郎を敵にまわして闘っていく展開に目が離せませんでした。

    そこにあの由比正雪が絡んでくるあたりは、風太郎作品を彷彿とさせ、盛りあがざるをえない感じでした。

    鬼九郎と十兵衛の剣劇も十分に満喫し、時代活劇の醍醐味を味わうことができました。

    次の彼らの活躍を期待せずには、いられません。

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    2017年07月25日
  • 舫鬼九郎

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     女の謎の死体を巡って、柳生十兵衛、天海大僧正、左甚五郎たちを巻き込む壮絶な戦いに挑む、凄腕の美剣士、舫鬼九郎の活躍を描く。

     新しい時代劇のヒーローといってもいい、謎の美剣士、舫鬼九郎が大好きな柳生十兵衛とともに活躍する展開とあって、それだけで読むのに夢中になってしまいました。

     魅力的で多彩な人物、剣劇シーンやエロティックな場面、そしてミステリー仕立てな展開など、娯楽時代小説の王道といった感じで十分楽しめました。

     多彩な登場人物たちは今後もまだ絡んでいく感じがしますし、主人公の生い立ちも少しずつ明らかになっていくようなので、次巻からの展開も気になります。

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    2017年07月18日
  • 鬼九郎鬼草子 舫鬼九郎2

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    会津で舫鬼九郎、柳生十兵衛と左甚五郎率いる根来衆と激突する。
    会津騒動をネタに、幕府と会津、その裏で動く柳生と根来衆という構図に、鬼九郎一味と天海和尚をからめ、由井正雪、丸橋忠弥まで出てきて、後の慶安事件を感じさせる展開。
    最後に明かさせる真相。
    歴史の中の事件を描きながら、まったくの娯楽時代小説。
    知っていなければ、実際にあった事件とは思わなかったかもしれない。

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    2017年06月18日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(1)

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     戦国時代、戦の天才九戸政実が武者揃いの一族郎党を束ねて東北の血を駆け巡る。

     「炎立つ」「火怨」に続く「陸奥3部作」の最終章をついに読み始めました。

     この作品も前2作に劣らず、熱い男たちの闘いや生き様が描かれていました。

     この主人公もこの作品で初めて知った武将でしたが、読み始めてすぐにこの人物の魅力に惹かれてしまいました。

     織田信長の時代に陸奥で戦いの駆け引きが渦巻いていたことを初めて知り、この時代のエネルギーがすさまじかったことを改めて感じさせてくれました。

     次巻も政実の活躍を期待しています。

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    2017年04月24日
  • 緋(あか)い記憶

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    記憶をテーマにし、作者の東北の故郷を舞台にした物語が連なる短編集。各話の主人公らはふとしたことをきっかけに自分の過去の記憶を掘り下げることで、忌まわしい事実が明らかになっていく。焦燥感と緊張感に飲み込まれて、ぞわぞわしながらいっきによみました。

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    2017年03月13日
  • パンドラ・ケース よみがえる殺人

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    高橋克彦作品、ハマってしまったかも……
    というのも、主人公が浮世絵の研究をしていたりと、浮世絵三部作を思い出したり、なんとなく関連性を感じたりもして楽しい。
    最初はアクが強すぎて、うっと思っていた登場人物(チョーサク)も読み進めていくうちに、
    友達になる過程のように、あなたはそういう人だよね(笑)、という印象に変わっていたりして面白い。
    ある意味冬の密室物としては王道っぽいけれど、
    タイムカプセルや、キーパーソンの名前がパンドラという好奇心をくすぐられる設定がたまらない。
    ラストは、終章タイトルパンドラ・サッドケースにふさわしく、かなしく寂しい。
    エピローグはなんとなく期待をしていた展開になっ

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    2017年02月05日
  • かげゑ歌麿

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    先にドラマを見てしまったので、ドラマのイメージが消えるまで待って読みました。

    老中松平定信と歌麿の軋轢に、裏麿の過去が絡み事件が起きる。その中で、歌麿の絵師としての覚悟、時代を切り開く強い気持ちが描かれる。

    源内、歌麿、北斎、鬼平。。。スター勢揃い。続編期待

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    2016年12月23日
  • 歌麿殺贋事件

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    初めましての作家さん。
    歌麿の浮世絵に絡んだ連作短編集です。
    北森鴻さんの陶子堂シリーズが好きなら楽しめます。
    陶子堂シリーズと違うのが、骨董商同士の化かし合いじゃないこと。
    美術雑誌の編集者と私立大学で近世庶民文化史を講義している
    研究家がメインキャラになるので、信用問題が絡んでくる。
    そんな中での化かし合い。
    騙しのテクニック合戦って感じなのです。
    歌麿の蘊蓄もありで、これがまた面白い。
    歌麿だけでなく、研究家のことも取り上げられていて
    これは本当の話なのか?と思ってしまうほど。
    面白かったです♪

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    2016年12月01日
  • ドールズ 最終章 夜の誘い

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     ドールズシリーズの最終作。
     前作で「箱神」を追って、死んだ聖夜のお葬式から始まりますよ。
     
     で、壮大な冒険になっていくのだが…。
     ちょっと駆け足だったかな。でも、様々なことへの膨大な知識に圧倒される。
     が、それを生かすために(?)ちょっとご都合かねっという展開が…。

     まぁいいんだけど。

     でも、やばげな展開になったからこそ、怜ちゃんと目吉の混在っていうのがなくなっていて、それが面白いのに残念だったかも。まあ、そこで怜ちゃんがどうのってなると、彼女のトラウマになりそうだから、むしろなくてよかったんだろうけど。

     なんか、ホラーで始まったシリーズだったけど、最後

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    2016年11月06日
  • ドールズ 最終章 夜の誘い

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    前作全部引っ越しの時にギブアップしてしまったんで、イマイチ細かい内容が思い出せず、こんな”総門谷”っぽい話やったっけ??いや、もっとしっとりと美少女の中に同居する名探偵目吉センセーが活躍する別なノリのお話だったような、、と思うんだが。ま、それはともかくスッカリ忘れているお陰で非常に楽しく読めました。蘭陽が出て来て嬉しかった。ていうか、やっぱり総門的高橋ストーリーで決着して大団円でした。満足。ただ、なんとなく総門谷や龍の柩の時よりも、登場人物のバランスが微妙というか、、全員が同じ場で居る筈なのに居ないような錯覚を起こすというか、例えば最後は味方グループは現代人5人(3人+陰陽師親子)、ご当地人3

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    2016年09月06日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

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    日本の歴史の中で殆ど忘れられている存在である蝦夷に焦点を当てるという意味で興味深いし、まぁ、そう云うのを抜きにしても面白い。
    遥かに兵力が少ない蝦夷軍が、地の利と知恵を駆使して、朝廷軍を破り続けるところがなんとも痛快。楠木正成的な面白さだね。

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    2016年08月07日
  • ドールズ 闇から招く声

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    ネタバレ

    ドールズシリーズの3冊目

    これは短編集では無く長編となっている。
    3作目ではほぼほぼ江戸時代の
    おっさんセンセーの目吉が
    「あっしが思うに・・」等々出番が多い。

    しかし・・・転生や輪廻があるって信じたい。
    って言うか信じると少しだけ死が怖くなるなぁ~

    そうは言っても
    転生先が子供の身体で残忍な殺人を・・・と言うと
    何か残酷。
    でも、今世で悪いコトしたら
    次に人間に生まれ変われない。
    って小さい頃聞いたけど・・・

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    2016年06月08日
  • だましゑ歌麿

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    厚みがある割にはすんなり飽きずに読めた。
    千一がおこうさんと出会って結婚するまでの話しになってる。
    時系列で言うとこれのあとに当たる話も読んでいるんだけど、千一の身分ってってそんなに偉かったっけ? と前に読んだのを読み返したくなった。

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    2016年02月13日
  • 総門谷

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    伝奇SF小説というくくりを超えた
    ぶっ飛んだ感じが楽しめるかどうか。

    前半パートと後半パートでテンションが変わってくるんだけど
    後半はやや口ポカーン( ゚д゚)気味。

    前半の雰囲気は好きだった。

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    2016年02月11日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    人の心を深く沈潜させ、一方で競争心と怨恨を掻き立てる。
    大和朝廷とえみしの構図は、今の世界でも続いていると感じる。
    私は田村麻呂とアテルイの人間模様に感動するのではなく、集団や個人のエゴイスティックな志向に目を向けている。
    例えば権力者、民衆、少数派と分けるならば、権力者はそれを拡大したい保持したい、民衆は安らかに過ごしたい、そして少数派は抵抗しつつ体制に組み込まれながらも怨恨を保持し続ける。
    権力者は勢力が伸びきったと思えば、今度は更に外へ出るか内紛して分裂するしかないものだから、かくして、争いは絶えることはない。
    いくら戦はしたくないといっても、欲しがる者に対抗するには立ち上がるしかないの

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    2016年01月22日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

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    ネタバレ

    ものすごく時間のかかってしまった読書。
    時は平安遷都の少し前。奈良に都があったころ。

    着々と地方を制定して勢力を拡大していた朝廷からも放っておかれていた辺境の土地。みちのく。
    そこに金山が発見されたことから、俄然朝廷の動きが慌ただしくなる。
    金に興味のない蝦夷たちは、放っておいてくれさえしたらよかったのだが、金も土地も全てを支配したがる朝廷と、対峙しなければならないことになってしまう。

    圧倒的な物量を誇る朝廷の大軍に対して、小競り合い程度の争いしかできない蝦夷たち。
    しかし部族ごとにバラバラに戦っていては、いつかは朝廷軍に飲みこまれてしまう。
    いくつもの部族を束ねたのは、まだ若いアテルイだ

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    2016年01月06日
  • 炎立つ 参 空への炎

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    ネタバレ

    1051年前九年の役の物語、戦争終結。熱い武士の美学と、戦に勝つための策謀が活き活きと描かれる。おもしろい。


     何がいいって、蝦夷の地は朝廷に敗れた者の流れ着いた地という設定がきちんとあるというところだよね。
     そういう背景を背負っているからか、ジワジワくるものがある。そう、あらゆる情景がジワジワと読み手に作用していく、そんな作品。


     美学について考えさせられる。


    ______
    p16 清原氏
     安部氏は頼義との戦ののち、朝廷に恭順する姿勢を貫き、和議の手前まで我慢し漕ぎつけた。このまま安倍氏が存続できるようになれば、そこから力を十分に貯めて朝廷に匹敵する勢力を東北に気づくことがで

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    2015年08月08日
  • 竜の柩(1) 聖邪の顔編

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    古事記や神話を元に『竜』そのものの正体を明かしていく話。
    竜=ロケット。
    神様=宇宙人。

    こう書いてみても、は?何それ?な感じなのですが、いやいや私も虹人(主人公)の解説に洗脳されました。
    滑稽無糖な説の様に見えるのだけれど、
    いつの間にか、もしかしたら本当にそうなのかも知れない!と思えてしまうから不思議。

    古事記の内容をほとんど知らなかったので、
    調べ調べ読み進めました。

    こんなの嘘に決まってるじゃん!馬鹿馬鹿しい!と思ってしまうと多分興醒めして読み進めるのが難しくなると思います。
    こんな説もあるのか、こうだったら楽しいな
    と思いながら読むと、きっとワクワクすると思います。

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    2015年06月17日