垣谷美雨のレビュー一覧
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単行本が出版された当時の2020年前後、高齢ドライバーによる交通事故はたしかに頻繁に報道されていたと記憶に残っています。そのなかに、高齢ドライバーは免許を自主返納すべきだという声が大きいです。
事故を未然に防ぐために、返納したほうがいいでしょう。アクセルとブレーキの踏み間違いは危険ですし。たとえ数字から見ると飲酒運転事故より少ないといっても、やはりやめたほうがいいと主張したがる、という気持ちがよくわかります。
だが一方、高齢者たちの立場からみると、それは差別ではないか。そしてなにより、車がなかったらどこへも行けないのです。バスもないし、タクシーに乗るお金ももちろんありません。隣もみんな同年代の年寄り。車がなくなったら、家に引きこもるしかないのではないか。そうなったら体力が衰えており、精神的にも落ち込んでばかりいます。
主人公はいろいろな方法を試しながら考えています。親に運転を諦めてほしい、新しい時代に適応してほしい、都会に来てほしいなどと思ったのは、自分のためだけで、実は親にとってはまったく解決法にはならないのではないでしょうか。
すなわち、高齢ドライバーというテーマは「事故防止のために、ある年齢に達すると免許を返納すべき」という一方的な思考様式に単純化されてはいけないのです。これは、高齢化社会や社会福祉、過疎化などの社会問題にもつながる複雑な課題です。互いにコミュニケーションを取りながら出した答えこそ、よりいい社会を作り出すことができる、というのは本作の主旨でしょう。 -
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ネタバレ読後感悪いわ~、登場人物が全員エゴであるが、限りなく一般人
話はバブル崩壊寸前に高額購入して老朽化を迎えたニュータウン分譲団地、夫は合併で一般職に降格したシステムエンジニア(実は最後に古い言語を使える希少価値で長く働けている)、主婦の頼子パートで節約三昧…なのに団地の理事に選出される、団地は老朽化が進み、修繕か建替えかで喧々囂々侃々諤々の話し合い、リアルに分譲団地買わなくて良かったと思う
主人公?頼子の娘の琴里も奨学金を抱えてバイト三昧、その最中友人の彼氏(ボンボン)に引き合わされオペラとか付き合ううちに友人が逃走(?)なぜかボンボンと付き合い始めるが粘着質でストーカー気質に恐怖を覚えて、次の犠牲者(コーラス部の仲良し三人組)に自分がされた様に彼氏とで合わせ・・・気持ち悪いわぁ、感情移入できん、あと作者は中年女性を議会に送り解決させ過ぎ、議員報酬を低賃金パートからの逃げ愚痴にしちゃうのも如何なものか -
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感想
雪子はお茶汲みしかできないって言ってた割に一番しっかりしている。
資産家の黛もどこかズレていて危うい。
終盤に向かうに連れて暗雲が立ち込めるが、最後に幸せな結末になるのか?
あらすじ
織部頼子はバブル崩壊前に買った寂れた団地で暮らしている。旦那は、会社の吸収合併で部長から平社員に降格し、自分はパートに出ている。長男は家を出て、娘の琴里は、就職活動に失敗して寿司やでアルバイト中。
暮らし向きが上がらない中、20年に一度の団地の理事の番が回ってくる。
琴里は、親友の三起子とその彼氏の黛を紹介してもらう。三起子の代わりに黛とオペラに行くことになってしまう。その後、三起子に連絡が取れず、黛の家に行くことになってしまう。
黛の家は資産家の大地主で不動産の不労所得で暮らしている。琴里は付き合うことになったが、付き合いを続けるうちに自分の考えが絶対であるかのように振る舞うところや考え方が合わないところ、自分の行動が監視されていることなど気になりだす。
頼子は団地建て替えについて理事会で話し合う。建設業者が持ってきた案は素敵で修繕に比べて良さげに見えるように作られていた。雪子以外はみんな賛成で乗り気になる。
琴里は黛のストーカー気質が生理的に合わなくなり、別れを告げる。三起子は黛と別れたいがために全てを捨てて、琴里を人身御供にして別れたのだった。琴里は黛と別れるためにもう一人の親友だった朋美を紹介する。
団地の建て替えは、駅から遠いという理由でゼネコン各社が辞退し、暗礁に乗り上げる。雪子は、団地存続のために頼子に市議会議員に立候補して欲しいという。
時は流れ、琴里も結婚した。ロンドンで暮らす朋美の家に三起子と呼ばれる。朋美は黛と結婚したのだった。頼子は市議となって相変わらずニュータウンに住んでいた。建て替えも決まらない状態だった。 -
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それは、「自分が死んだら樹木葬にしてほしい。夫と同じ墓には入りたくない」という義母の遺言から始まった。五月は困惑する夫を冷静に見ていたが……。
墓の問題は、家の問題から夫婦の問題を経て娘の結婚問題へと波及していく。果たして解決の手立てはあるのか。
現代の社会問題でもある家族や社会の制度をテーマにしたヒューマンドラマ。
◇
義姉の光代から電話があったのは先週のことだ。光代は夫の姉であり、私の携帯に直接かけてくるのは珍しい。
要件は、先日亡くなった義母の四十九日についてだった。香典と精進落としの金額やその他の留意事項なので夫より私に言っておくほうが確かだと思ったのだろう。
それにしても物入りだ。新潟までの旅費もバカにならないのに、などとため息をついていると夫のスマホに着信があった。
「姉ちゃんだ。きっと四十九日のことだな」
と、言いながら夫はスマホを片手にリビングを出て隣の部屋に入っていく。私がテレビの手芸番組を見ているので気を使ってくれたようだ。
しばらくして夫の大きな声が聞こえた。
「本気で言ってんの? それ、おかしいって」
どうやら顰めっ面をしているらしい。
「親父は?」「兄貴は?」
と矢継ぎ早に質問する夫のことばだけでは何のことかわからない。もどかしく思っていると、
「なんでジュモクソウなんだよっ」
という夫の叫ぶような声が聞こえてきた。
( 第1話「松尾五月 61歳」) ※全28話。
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大きく分けて、松尾家と中林家というふた家族の問題として描かれていますが、中心になるのは松尾家です。また、各話ごとに視点人物が変わるのですが、主人公に相当するのが松尾五月という61歳の女性です。
物語のポイントは2点。
1点目は両家の「先祖代々之墓」の管理問題で、2点目は松尾家次女の志穂と中林家長男の悟の結婚問題なのですが、その2点が密接に絡み合うところもあり、問題の根深さを際立たせていました。
まず墓問題について。
都心で暮らす松尾家と中林家には、それぞれ新潟と鹿児島に実家があり、菩提寺には先祖代々の墓があります。その墓はどちらも立派なものだけに、掃除や献花など日々の管理がかなりの負担になっています。
一族のほとんどが地元にいて家族も多いならまだしも、跡継ぎ世帯は都会で生活していて年寄りだけが残っている現状では、この墓問題は遠からず破綻するのは明白です。
労力面はもちろん費用面も大きくのしかかるため、ゆくゆくは自分も先祖代々の墓に入ろうと思っているのではないなら、 ( よほどの名家でない限り ) 墓仕舞いもやむを得ないと思います。
なのに地元の親族たちは墓仕舞いに反対する。ここで興味深いのは、反対するのが実際には墓の世話をしていない人間ばかりだということでした。
妻や姉妹などに世話を押しつけている男どもや、少し離れたところに住み世話にノータッチの分家 ( 古臭い言い方! ) の連中です。
都会で暮らす跡継ぎ世帯は、うるさ型の親族に辟易しつつも強く言い返せないまま、時間だけが過ぎていくのです。
墓問題に絡んでくるのが結婚問題で、言い換えれば「嫁」問題です。
結婚すると、女性を「嫁」として捉える人たちが未だにいます。そう考えるのは老年層だけでなく、若い男性にも少なからず存在します。
夫の籍に入り夫の姓を名乗る。そして、夫側の両親や墓など、義実家の世話をする。
それを当然だと考える人たち ( 特に男に多い ) が、現実社会でも相変わらず幅を利かせているようです。
少子化が猛スピードで進み、核家族化が既定路線のようになってきている現代。古臭い因襲に拘っていると、結婚できない男と結婚しない女が増えていくばかりでは!?
垣谷さんの忠告が聞こえてきそうです。
* * * * *
私事ですが、法事の際に住職から伺った話を思い出しました。要約すれば次のような内容でした。
☆人間は死ねばおしまいです。死後の世界などありません。
ですから葬儀や法要、供養等の諸々は故人のためではなく、ご遺族の方が自身の心を慰め故人とお別れするためのものなのです。
法要の規模に拘られる必要はないし、ましてや墓や仏壇のグレードなど気になさらなくていい。
ご遺族様が心の中できちんと手を合わされるなら、それに勝る供養はないのです。☆
宗派によって考え方が異なるのかもしれませんが、この住職のお話はとても印象深く、感銘を受けました。
樹木葬や永代供養など、現代の世相に適した供養がもっと一般的になればいいのになと思います。 -
Posted by ブクログ
東日本大震災の同じ避難所に集まった年代の違う三人の女性の話。
信じられないことだが、せっかく届いた間仕切りを、年配の男性リーダーが、「同じ避難所にいる我々は家族同然だから、間仕切りを使うなんて水くさい」と、設置を許してくれず、授乳や着替えなど、毛布の中でこっそり行っていたと言う。これは実際に何ヶ所かであったそうだ。
このことに限らず、田舎では、男尊女卑が根強く残り、女は意見を言うことすら許されない。
読んでいる間中、ムカムカしてたまらなかった。能登半島地震の避難所では、少し改善されたのだろうか?
東日本大震災の時は、やたらに、日本人は避難所でも譲りあっている、暴動を起こしたりもしないし、素晴らしい民族だ、みたいに報道されていたけれど、実際はそうでもないと改めて感じた。 -
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/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/
いきなり、スタートが衝撃でした。
震災が発生するところからスタートで、ドキドキ感が伝わってきて、吸い込まれていきました。
3人の主人公が交互に展開していく形で、どの主人公たちもつらい境遇。
そして、ほとんど、男がダメ。
やっぱり、男はダメだ、、、女性が男といるメリットはあるんだろうか、と、この作品でも痛感させられました。
とくに、田舎の男たちが、ほんとダメな感じで描かれていて、もう、男の私でも憎しみが湧いてくるような感じでした。まだ、いるのかな、、、こんな人たち(T . T)
最後に向けて、思うような展開になっていくので、ホッとしました。今の若い女性は、しっかりと収入を確保することと、結婚にこだわらないことですね。子ども欲しくても結婚せずに子ども産む選択肢を探した方がいい。ほんと、結婚なんて、期間決めてやるべきだなと、この作品を見ても思いました。
なかなかに、震災現場の辛さが伝わってきて、なんともいえない気持ちになります。死生観、しっかり考えないとだめですね。
/_/ あらすじ _/_/_/_/_/
3人の女性が主人公。
震災によって、人生が大きく変わって行ってしまう。
私と対面することで、死生観をつよく意識するようになり、新しい一歩を踏み出していく。
/_/ 主な登場人物 _/_/_/
椿原福子 55歳、ダメ夫を持つ、スーパーで被災
山野昌也 少年、渚息子
山野渚 40歳、1人親
漆山遠乃 うるしやまとおの、28歳、生後6ヶ月の子を持つ母、自宅で被災、白雪姫 -
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久しぶりの垣谷美雨さん♪
垣谷さんお得意の「身近なんだけど結構深刻な人生のあれこれ」がテーマの本作。
今回の主人公は2歳年上の夫が急死して未亡人となった子なし妻 高瀬夏葉子44歳。
団信で住宅ローンからも解放され、
少額ながら生命保険金も入り、
やり甲斐を感じるパート仕事もあり、
晴れて自由の身になる筈だったのだが・・・
急死した夫には女の影が!
独身時代から愛人への送金が判明し、
更に旧家で封建的な考えの舅姑の思惑や、
引き篭もりの義姉の存在に
墓問題や介護の重圧とがんじがらめになる夏葉子。
あぁ〜このリアルで丁寧な心理描写がたまらん。
夏葉子目線で進む本作は、彼女の生い立ちからその人となりが手に取るように分かる。
しかも44歳ってまた絶妙な年齢設定だなぁ。
周りが何と言おうと再婚もまだまだ有りだろう。
同じ女性として共感ポイントが多いのもまた面白い。
物語の転機となるのが、
夏葉子を窮地から救った『姻族関係終了届』!
(えぇ〜っ!そんなのあるの!?これは初耳)
と東京の下町で自営業を営む実父の存在。
「相手を批判しない。非難もしない。
自分がどう感じたか、どんなに嫌な思いをしてきたか、何が悲しかったか、そういうのを淡々と正直に言えばいい。相手のテリトリーには入らずに、自分だけの世界の中で話す。」
この実父の教えは確かに大事だなぁ。
夏葉子と急死した夫も、これが出来ていたらもっと違った夫婦関係が築けただろうに・・・
そしたら結末もまた違ったのかも。
亡き夫の本音も聞いてみたかったなぁと思う。
『姻族関係終了届』は、その制度に驚いたと同時に、姻族関係終了の必要性について考えさせられた。
本作では子なし夫婦だったが、子ありだったら更に慎重に判断するべきだろう。必要な方には恩恵の大きな制度だが高齢化社会の余波のようで切なくなった。
誰しも訪れる、近親者の死、お墓やお仏壇、遺品や相続に介護問題など、普段考えないあれこれに思いを巡らせる良いきっかけになる作品だった。
夫婦関係に悩む人にもオススメの一冊。
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Posted by ブクログ
ネタバレリーマンショックで円高株安の最悪の時代の話。
70歳で安楽死させられる最悪の法律なのに、意外なことに大半の人達がこの法案を受け入れていることに驚く。
それほど当時としては未来に希望が持てない状況だったんだな。まぁ思い返してみても、確かに一気に景気が悪くなった感じがあったわ。
後半で、母親の東洋子が家出して、息子の正樹や父親の静夫が家事や介護を自分の仕事だとは思わずに、他の女性に仕事を押し付けようとしてるところがホントにイライラした。
だけど、結果的に東洋子の家出が契機となって、いい方向に変わっていったのが、良かったといえば良かったんだけど、何かモヤモヤしちゃうよなあって感じ。
そうでなかったらホントに誰も東洋子の犠牲を何とも思わなかったんだ…。自分もそうだけど、そういう損な役回りの人ってやっぱりいるんだな、と思った。
私も社畜でブラック労働してるからついつい仕事を引き受けてしまうんだけど、むしろいなくなったほうが労働環境改善されるかもしれない。
最後は、みんなが自立していく話に落ち着いたのは良かった。
でも、増税総理だけはアカン!どうしてか、この時代に書かれる政治家って何か増税派で、書いてる作家も「やりにくいことに立ち上がる総理かっけー」みたいなスタンスなんだよね。当時のマスコミの影響だろうか…。