藤原緋沙子のレビュー一覧

  • 茶筅の旗(新潮文庫)

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    大阪落城前後の京都
    女性ながら宇治のお茶師の跡を継いだ主人公「綸」

    政治、権力に翻弄されながらも宇治のお茶を守るために
    奮闘する若い女性の姿を描く

    豊臣と徳川の争い
    お茶師内の足の引っ張り合い
    主人公の凛とした強さが魅力

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    2022年05月10日
  • 梅灯り 橋廻り同心・平七郎控

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    江戸の町人世界を知る

    天下太平の世が長く続く江戸。特権階級の武士はたいした役目や仕事もなく無為に日々を過ごすだけだ。
    反面、町人の世界は盛んになり繁栄するのだが、特に大店と呼ばれる町人の中に取り入る武士が現れる。そこには、金が全てという価値観の変化が見られる。
    第二話は、奉行所の内輪の話である。南町奉行所で威勢を謳歌する楠田宗之進が、市中のお店から金を強請り取るという、悪事の物語である。お店の落ち度や弱みを見つけては取り入り、刑罰の免除をちらつかせ、金を強請るのである。
    南町の岡っ引の伊勢蔵は、父伊助を殺害されたのだが、その犯人は楠田だという証拠を見つけるために、楠田の関係するお店を根気強く廻り調べる。そして

    #感動する

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    2022年04月14日
  • 雪舞い―橋廻り同心・平七郎控

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    幕府が巧みに江戸市中を守る

    橋廻り同心、立花平七郎は江戸に沢山掛かる橋の検査の役目に就いている。これは奉行所の一つの役目なのだ。木槌で叩いて橋梁や橋板などの腐食、傷みを見つける。単純だが根気の要る仕事だ。もし落ち度があれば、橋の倒壊や流失などの重大な事故に繋がる。だから、たまに平七郎は仕事後には橋の袂の茶屋や居酒屋で相棒の秀太とその日の疲れを癒やすのだった。
    江戸は広く大勢の人が橋と係わりがあるようだ。橋のある風景は、時に人を故郷で見た景色を思い出させて懐かしい気持ちにする。また、橋の袂に風雪に耐えてたたずむ老木を眺めては、自身の励みにすることもある。
    第三話では、東堀留川に掛かる思案橋。近くに魚市場があり新鮮な魚が

    #笑える #ほのぼの

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    2022年03月28日
  • 蚊遣り火―橋廻り同心・平七郎控

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    大阪出の店者の人情ある幸せとは

    第2話「秋茜」は、蝋燭問屋播磨屋の主の自殺に係る投げ文が奉行所にあり、榊原奉行から依頼された平七郎が探索を始めるのである。
    橋廻り同心、立花平七郎は旗本で火付盗賊改方の市岡勘解由の不正を調べることになった。
    市岡は、その屋敷で賭博を開いては市井の人々を餌にしていた。なかでも市岡家と取引のある商人を賭博に誘っては大金を巻き上げ、やがて借金地獄に陥れ、自殺させたり、お店の沽券を奪うという極めて悪くどい事実が判明する。
    平七郎は読売屋のおこうと辰吉などの仲間の助けを借りて証拠をつかみ、榊原奉行を通じて市岡を大目付に訴え成敗する。
    他方、平七郎の下役の秀太が小名木川に架かる万年橋の袂で川に浮か

    #ほのぼの #切ない #笑える

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    2022年03月02日
  • 藍染袴お匙帖 : 13 色なき風

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    安定の内容でした。患者の周りを取り巻くさまざまな問題が解決することで患者の病も快復する、という千鶴先生の行動力は、なかなか一歩を踏み出せない私に勇気を与えてくれます。

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    2022年02月12日
  • 恋椿―橋廻り同心・平七郎控

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    奉行所内に「橋廻掛」がある

    北町奉行所定橋掛同心、立花平七郎は日々江戸市中の川に架かる橋を検査し、傷んでいるところがないかを確認するのが役目である。元々は定町廻同心だったが、何か不手際なことをして、降格されて奉行所内では一番格下の橋廻を務めている。この小説は、平七郎が橋を巡りながら江戸の街を歩く間に起こる事件などの物語である。
    「恋椿」の巻には四編の物語が収められているが、三編目の「闇の風」が味わい深く良い物語だ。
    今日、検査が終わったばかりの紀伊野国橋を淫靡な雰囲気を醸して橋を渡る女を見かけた。平七郎が三年前の定町廻りの頃に捕えて島送りにした男、仙吉の女房・おまつだと気づいた。
    仙吉は腕のいい鬼瓦職人だった。そし

    #ほのぼの #感動する

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    2022年01月21日
  • 茶筅の旗(新潮文庫)

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    女性ながら宇治のお茶師の跡を継いだ主人公「綸」の姿を描いた小説。
    古田織部、小堀遠州など、歴史上の人物も登場し、興味深い。
    終盤まで描かれる小堀遠州の姿は葉室麟氏によって描かれた遠州とは違い、少し違和感も覚えたけれど、最後でイメージ通りになり、安心しました。

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    2021年08月27日
  • 藍染袴お匙帖 : 13 色なき風

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    読みやすい時代劇

    千鶴先生のファンになったと言うのか、彼女のこれからが 気になって仕方がない。
    患者さんや自分の周りののために 一生懸命になる所がとても良いと思います。
    これから、どうなっていくんだろう。
    次回作が楽しみです。

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    2021年07月21日
  • 火の華―橋廻り同心・平七郎控

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    3年前、上司に濡れ衣を着せられ、定町廻りから、橋廻りに左遷された、立花平七郎。「キツツキのように橋を叩いておれば仕事は済むのだろう。いいな」と冷笑され、揶揄されているが、北町奉行、榊原主計頭忠之から、「歩く目安箱」と言う特命を密かに、受けている。

    江戸の町が、彷彿とされるのは、脚本家出身の、女流作家ならでは。

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    2021年07月02日
  • 見届け人秋月伊織事件帖 全8冊合本版

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    流石に、読みでが有った。

    8冊の合本版。流石に、読みでが有った。江戸の庶民の暮らしが、訥々と綴られていて、胸を打った。哀しい話が多かったような気がするけれど、それでも、世の中、捨てたもんじゃないねっていう話も、また有って、悲喜交々…。伊織は、やっぱり元の暮らしに戻って行った。だるま屋の見届け人をしていた事を胸に、上から目線ではない、下々の目線で判断できる善きお城務めを、して貰いたい。いや、してくれるはずだ。

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    2021年06月29日
  • 秘め事おたつ三 青葉雨

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    3作目でおたつさんの本来の目的がかなり進んで来たので、そろそろ終わりかな。あんまりこういう話はダラダラしないほうがいいと思うので、それでいいと思う。で、2件の大きな揉め事を解決していくが、おたつさん、いいね。最初登場した時にはそうも思わなかったのだが、素晴らしい!

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    2021年06月07日
  • 月凍てる―人情江戸彩時記―

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    この本には救いというものは存在しないです。
    大体において。
    どこかしらで誤りを犯してしまう人たちが
    でてくるのですから。

    特に最初の作品は最悪でしょう。
    思う女性のためにすべてを最悪の形で
    投げうってしまうのですから。
    思うようにならない日常から
    解放されたい気持ちもあったのでしょう。

    3作目もそうですね。
    確かに裏切りはあったものの、
    男は女を愛していたわけで。
    でも踏ん切りをつける時期は、遅すぎました。

    表題作はね…
    ただただ思いが遂げられても、
    あとに残った人たちの現状は変わらないのよね。

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    2021年05月29日
  • 秘め事おたつ二 鬼の鈴

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    シリーズの2作目。1作目では語られてなかったおたつの前身があっさりと語られるが、そのつながりを生かしての人助け。藤原さんらしい作品だなあ~

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    2021年01月30日
  • 冬の虹 切り絵図屋清七

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    シリーズ6作目の完結編。偶然関わることになった敵討ちの話と悪徳同業者の話の2作。完結と云うことで、清七だけでなく紀の字屋の他のメンバー、おゆり、藤兵衛、与一郎なども落ち着くところへ落ち着いてゆく。藤原さんの連作としては18作続いたものもあり、6作ではかなり少ない方だが、それでも8年掛かってるので、印象としては長かった。新しいシリーズも出されてるので、入れ替え時だね

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    2020年12月29日
  • 風よ哭け 橋廻り同心・平七郎控

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    シリーズ14作目の2作品。おこうとの話はまったく進展しないが、平七郎の働きは明らかに認められてきたようで、使えない2人もなんとか使えてる。素晴らしい!

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    2020年11月01日
  • 秋の蝉~隅田川御用帳(十八)~

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    2002年から16年間出されてきたシリーズの最終巻。私が読み始めたのは06年だったが、14年掛かっての18巻目。安定の内容だったが、これでお登勢と十四郎の新しい話が読めなくなると思うと淋しくなる。お幸せに!

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    2020年09月04日
  • 切り絵図屋清七 紅染の雨

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    内容(「BOOK」データベースより)
    武家を捨て、町人として生きる決意をした清七郎改め清七。与一郎や小平次らと切り絵図制作を始めるが、絵双紙本屋・紀の字屋を託してくれた藤兵衛から、世話をしているおゆりの行動を探ってくれと頼まれる。男と会って金を渡しているおゆりを見て動揺する清七だったが。江戸の風景を活写する人気書き下ろし時代小説第二弾。

    令和元年12月18日~19日

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    2019年12月19日
  • 秘め事おたつ 細雨

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    久しぶりにスタートする新シリーズ。今度は情に厚い金貸し婆が主人公。まずは人物紹介の中編2作。これからの展開が楽しみ

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    2019年05月19日
  • 雪晴れ 切り絵図屋清七

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    シリーズ第5巻で長編。今回は切り絵図にはほとんど関係ない話で、ちょっとその点は物足りない。話自体も面白いけど、よくあるような話。これで最終巻にしていいような形で終わるが、次はどうするのか?

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    2019年05月11日
  • 青嵐 見届け人秋月伊織事件帖

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    シリーズ第8巻で中編2作を収録。2話目でついにシリーズ完結。まあ、いい頃だね。こうなるかしかないかなあって云う落としどころかな。

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    2020年12月13日