藤原緋沙子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
9月にポケモンの新作ソフトが出て、夫がそれとDSi LL本体をセットで買ってくれたもので、ポケモンの捕獲と育成に忙しく(夫がホワイト、わたしがブラック)、ここ2ヶ月ほど読書が休み休みになってしまっている。が、読みたい本は山とあるので、入浴時や就寝前には本を読む。
で、今ドラマが放映中ということもあって(見てないけど)、なんとなくこのシリーズを読み始めた。
このシリーズは、2005年2月に1巻(本書『風光る』)が出ており、その頃わたしはまだ時代小説にハマる前だったのだが、なぜだかふと「おもしろそう……」と思って買っていたのだった。
さて、このシリーズ、江戸時代の女医さんが主人公で、<父の遺志を継いで治療院を開いた千鶴が、御家人の菊池求馬とともに難事件を解決する>。
本書1巻には、4話収録されている。
第一話 蜻火、
第二話 花蝋燭、
第三話 春落葉、
第四話 走り雨。
それぞれ事件がひとつずつ解決されていくので連作短編のようなものだが、時系列はつながっていて、季節の移ろいなどが感じられる。
はじめは登場人物の特徴が薄めで、期待したほどのワクワク感やおもしろみはなかったものの、読んでいくうちにそれぞれキャラが固まってきて、1巻を読み終える頃にはみんなに愛着がわいていた。
千鶴や求馬はもちろん、南町奉行所の同心、浦島亀之助と、手下の岡っ引、猫八、酔楽先生に五郎政、お道にお竹……。みんな愛すべき人たち。
そしてストーリーも、ミステリなんだけどどれもじんわりといい話で、とくに最後の「走り雨」では泣けてしまった。
今後のみんなの活躍と人情が楽しみ。
ゆっくり読んでいきます。
ドラマの方は、配役を見ただけでもだいぶイメージが違いますね。
機会があれば見てみてもいいけど。 -
購入済み
人情味ある伊織の仕事ぶり
伊織は、自らの生計を立てる為だるま屋の下で見届け人として働くのである。伊織の実家は兄が幕府目付頭の役に就いて、家を護り継いでいた。伊織は、この仕事を続けることでいつかはよい転機が訪れることを待っているかのようだ。
第1話「霧の路」は、江戸っ子を騒がせた忠臣蔵再来の物語である。
陸奥国広岡藩主襲撃未遂事件が、1昨年4月、秋田白沢宿で起こった。盛山藩士十数名が広岡藩主を襲ったのであるが、計画が事前にばれて藩主殺害には到らなかった。
盛山藩と広岡藩は、本家分家の関係であり同じ陸奥国を治める。幕府から蝦夷地の防衛と警護を任されている。
只ここに来て、広岡藩主は侍従という栄誉を賜り、家格が盛山藩と同じになった。藩主の歳の差で幕府内の序列に差は無かったが、盛山藩主の死去に伴い家格が広尾藩が高くなった事で、これを不満に感じた盛山藩士の一部が脱藩して事件を引き起こしたのだった。その際、犯行に及んだ藩士はほとんど斬り殺され又自害をしたが、残党3名が江戸で剣道場を構えて暮らしていた。
容認出来ない広岡藩士が、残党狩りと称して一人を斬殺。残り2名、道場主小宮山と弟子の関谷が彼らから狙われた。
伊織と源之助らは、2人の逃亡を応援すべく、小宮山の家族は国元の寺に送り、預かって貰うよう計らい、2名を大阪に逃がすことにした。しかし、小宮山は広岡藩に捕まり、裁きで磔獄門が決まった。弟子の関谷も素直に伊織に従わずに面倒を掛けるのだが、最後は伊織の説得に応じて大阪に逃げ延びたのである。
かわら版を読んだ江戸っ子の元盛山藩士への同情が大きくなり、広岡藩主は江戸市民の声に恐れをなし、また公儀に圧力を掛けられて藩主は隠居したのだった。
第2話「猩々」は、猩寿と猩美の兄弟が神楽舞で京都などで人気を博し、江戸に来ても高い人気になった。親代わりに彼らの面倒を見る与七が、能楽の役者と笛師になりたい2人の望みを叶えるべく奮闘の物語である。
第3話「蕗摘み」は、去年の夏、目明かし鉄三が盗賊かまいたちに殺された事件で、死因が違うとだるま屋に苦情を持ってきた娘のお馬の話である。
お馬は、鉄三は仕事では功名心などとは無縁の人だと食い下がり、伊織がお馬と鉄三の手下の源吉を連れて調べ直すのだった。3人は、行徳や今戸の聞き込みから意外な犯人を見つけた。それは奉行所与力の佐久間の乱行だった。
物語全体にもっと具体性が欲しいと感じた。