あらすじ
「血の色は厄払いじゃ。万民の不安を払い落とすのじゃ」幕末の土佐に生まれ「絵金」と呼ばれた男、艶やかな色彩で見る者を虜にした異才、激動の生涯。――幕末の動乱は土佐国も大きなうねりで呑み込んだ。様々な思想と身分の差から生じる軋轢は、人々の命を奪っていった。金蔵はそんな時代に貧しい髪結いの家に生まれた。類まれなる絵の才能を認められ、江戸で狩野派に学び「林洞意美高」の名を授かり凱旋。国元絵師となる。しかし、時代は金蔵を翻弄する。人々に「絵金」と親しまれながらも、冤罪による投獄、弟子の武市半平太の切腹、そして、土佐を襲う大地震……。金蔵は絵師として人々の幸せをいかに描くかに懊悩する。やがて、絵金が辿り着いた平和を願う究極の表現とは――。作家生活20周年記念作品
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Posted by ブクログ
読みやすいですね〜
幕末から明治へと時代が変革していくとき、多くの人から助けられ、手を差し伸べられて、時代を生きぬく、絵金の筆をとる姿が見えてきます。
Posted by ブクログ
絵師広瀬金蔵、絵金の生涯。身分制度の厳しい土佐で町民として生まれたが、絵師としての才能を見事に開花させる。才能を妬まれもしたが、彼を助ける人々にも恵まれて自由自在に絵を描けたことが後世のわたし達を楽しませてくれる。
こういった人物の歴史物は読み物として面白いのはもちろんだが、知らなかった絵の世界を見せてくれるのでとても楽しい。