あらすじ
永代橋――桜の季節、愛しい男を待って橋の袂に佇む女。一石橋――生きる希望を与えてくれた母子のために、命をなげうつ男。元柳橋――仇と追われながらも清冽な愛を貫く男と女…。北町奉行所の橋廻り同心・立花平七郎と、読売(瓦版)屋の女主人・おこうの人情味あふれる活躍を描く人気シリーズ!
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Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
永代橋―桜の季節、愛しい男を待って橋の袂に佇む女。一石橋―生きる希望を与えてくれた母子のために、命をなげうつ男。紀伊国橋―島送りになった夫のために春をひさぐ女。元柳橋―仇と追われながらも、清冽な愛を貫く男と女…。北町奉行所の橋廻り同心である立花平七郎と、読売(瓦版)屋の女主人・おこうの人情味あふれる活躍を描く書き下ろし時代小説。
平成30年12月7日~10日
Posted by ブクログ
買ったまま、精神的に本読み気分でなかったために放置。
こんなに面白いのに放っておいたことをかなり後悔。
続編をまとめ買いしたのは言うまでない。
奉行所内に「橋廻掛」がある
北町奉行所定橋掛同心、立花平七郎は日々江戸市中の川に架かる橋を検査し、傷んでいるところがないかを確認するのが役目である。元々は定町廻同心だったが、何か不手際なことをして、降格されて奉行所内では一番格下の橋廻を務めている。この小説は、平七郎が橋を巡りながら江戸の街を歩く間に起こる事件などの物語である。
「恋椿」の巻には四編の物語が収められているが、三編目の「闇の風」が味わい深く良い物語だ。
今日、検査が終わったばかりの紀伊野国橋を淫靡な雰囲気を醸して橋を渡る女を見かけた。平七郎が三年前の定町廻りの頃に捕えて島送りにした男、仙吉の女房・おまつだと気づいた。
仙吉は腕のいい鬼瓦職人だった。そして女房のおまつと仲睦まじく平穏に暮らしていた。ある時、仙吉は親方から、女房について卑猥な言葉を言われ、喧嘩になり相手の腕に深手を負わせてしまった。奉行所に捕まり、島送りの刑を言い渡された。おまつは、普段はおとなしい仙吉がいとおしく、島送り船が出る時は見送りにも来るほどで、非常に悲しんだ。そんなおまつに更に不幸が重なり続ける。
仙吉が傷つけた親方から体を求められて、申し訳ない気持ちもあり許してしまったり、島送り船の船頭に騙されて、仙吉の御赦免のためには米や役人にお金を送るようにと言われ、花街の料亭に勤めて金を稼ぐのである。そして、その通いの時ちょうど平七郎の目に付いたのである。平七郎の活躍が始まる。
おまつは元々貞淑な女房である。普段の生活も質素でしっかりしていて、稼いだ金は貯まれば船頭に渡して仙吉の御赦免を願い続けていた。そして、島流しから三年経ち、三月前に仙吉は赦免されて江戸に戻ってきた。しかし船頭がおまつの金を目当てに仙吉は殺されてしまうのである。
平七郎により犯罪の全てが証されて、おまつは同じ幼馴染みの幸吉と一緒になり幸せで平穏な暮らしに戻った。
人情の機微に触れる良い物語ある。
Posted by ブクログ
人生の機微に触れ、人情を感じるシリーズです。
橋廻り同心立花平七郎が活躍を描くこの小説は、それぞれ異なる四つの話が楽しめます。
決して派手な演出があるわけでもないのですが、話が分かりやすく、スッと世界に入って行けます。
安心して読める、とても上質な時代小説ですね。
全シリーズを読んでみようと思います
Posted by ブクログ
同心にも、いろんなのがあるのだと知った本作
剣の腕は立ち、捜査能力にも優れているが、それゆえに窓際の橋廻り同心に降格された立花平七郎が主人公
役柄だけに、「橋」が舞台となる人情噺が主題
のちに、基本的におヒマなんで首をつっこんじゃう
脇を固める読売屋の女主人、町人上がりの相棒の同心、口うるさいが愛情深い義母もいい味を出していて楽しい
Posted by ブクログ
木槌をもってコンコン江戸の橋を叩いて廻る橋廻り同心立花平七郎の人情裁きが楽しめるシリーズ。橋廻りとはちょっとなじみがないが(要するに左遷)また独特の視点から江戸情緒が伺える。しみじみ時代小説に浸りたい方にお勧め。