海堂尊のレビュー一覧
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ネタバレ田口センセが還暦間近となり、ついに学長室を根城とする時代が来たか…と思いきやZ世代の若手医師に振り回されている相変わらずの巻き込まれ体質
お世話になった先輩がどんどん偉くなっていくけど、根底は変わらずいてくれる安心感。
そして、兵頭クンが教授選?!
ほんとに田口センセ達と一緒に時代を歩んでいるんだな…という気持ちで嬉しくなってしまう。
久しぶりのかのたまコンビが2人とも昇進してて、玉ちゃんが警部…!とこちらも感慨深い
全体的には特に後半は政治色が強すぎて、フィクションとノンフィクションの境目がよく分からんくなって面白さという天では失速しちゃった感じ。
でも、ナニワシリーズ再読したくなったなぁ… -
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江戸時代後期から幕末にかけ、蘭医学の発展を目指して活躍した緒方洪庵と佐藤泰然に焦点を当てた歴史医療小説。
二人は「西の適塾、東の順天堂」と呼ばれる名門塾の創始者。後生に名を残す多くの人材をそれぞれ育成しながら、当時の人々にとって脅威だった「天然痘」の撲滅に心血を注ぐ。
二人が生きた幕末は、異国船打払令、シーボルト事件、モリソン号事件、蛮社の獄、安政の大獄、桜田門外の変など、動乱の時代。
外国に対する攘夷論が渦巻く中、各地の蘭方医たちが協力して、外国発祥の牛痘法普及に奔走する。
洪庵は非常に律儀で生真面目、対する泰然は豪放磊落、対照的な二人だが彼らの人生は不思議に同期し、お互いに理解しあう。
どちらかというと、洪庵の適塾にウエイトを置いて構成されており、その門下生の顔ぶれにすごみを感じる。村田蔵六(後の大村益次郎)、橋本佐内、福沢諭吉が適塾出身だとは知らず、勉強不足を痛感した。
しかし、登場人物の多さにはまいる。著者の医学の歴史に関する造詣の深さには感服するが、それぞれの人物像にこだわるとページがなかなかめくれない。再々名前が出てくる人物がどんな人だったのか、ページを戻ろうとすると、大変な時間を要するため、理解を無視して読み流す箇所が多かった。
学究肌で秩序を重んじるが、融通が利かず、臨床より学問にこだわる洪庵、蘭書より実際の外科手法に重きを置き、経済や政局についても目を向け、先を読む能力に優れた泰然。この二人が異なるアプローチで蘭医学の発展に寄与していく、一言でいうと、これがポイントだが、この本には、医学を中心に歴史史実がこれでもかというほど詰まっている。
NHKの大河ドラマとして採用されても違和感はない、そう感じさせる力作である。 -
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井沢元彦さんの逆説の日本史: 明治激闘編 日露戦争と日比谷焼打の謎 (26)にかなり厳しい森林太郎(鴎外)批判がある。海軍は麦飯で脚気発症を抑えている事実を無視し、米食を続け、日露戦争では戦争での死傷者以上の軍人を死に至らしめている。陸軍の医療衛生の責任者の要職にあったのに、非難に対し検討会を立ち上げ問題を棚上げして逃げまくったと。
北里柴三郎と森鴎外を主人公にした物語。
鴎外については、「ぼく」と1人称で語られる。津和野の森家の坊ちゃんはプライドはあるが、中身が無いような印象。
北里は豪放磊落。若きに明治天皇に面会する。明治帝「そちの言は正しい。たとえ朕が不快に思っても、自由に話せと申したのは朕である。だがそちの言は無礼であり、これでは気が晴れぬ。なので角力を取って、勝った方が言い分を通す、というのはどうか。」こういう外連味のある海堂節が心地よい。
登場人物たちが自分を誇りながら言い合う場面は、桜宮サーガの火喰い鶏、白鳥が頭に浮かぶ。階上からそれらの騒動を眺めている石黒忠直と長居専斎。石黒は北里と鴎外の行く道に影響を与えるしぶとい妖怪のよう。
後藤新平って医学出身の人だったんだ。根っからの行政の人と思って思っていた。後藤と北里の貶しあいながらも、どちらが上か判らない関係。良いパートナーだと思う。
後藤の検疫対応は早期に立ち上げてきっちり徹底している。新型コロナ騒動のときには後藤のような人がいなかったということだな。
最終的に鴎外は敗者だけど北里が褒めたたえられているわけでもない。偉業も沢山あるが、間違いもあり、効果のないツベルクリンを売りまくったり、伝研は乱脈経営でその金は北里の女遊びに消えている。
あとがきに鴎外と北里の心情的な交流の記録はないとある。解説にも歴史と歴史小説に触れている。しかし、こういう確執はあったんじゃないかなと信じてしまいたくなった。 -
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【要約】娘の曾根崎理恵から「自分の子どもを産んでほしい」と頼まれる母親のみどり。彼女は、理恵の母親としての姿勢に、悩み、苦しむ。私が産む子は誰の子か、割り切れない気持ちとは裏腹に出産を迎える。
【感想】
本作は『ジーン・ワルツ』の「舞台裏」で、理恵の母であるみどりの視点で描かれる。ちなみに、ヴェルデはイタリア語でみどり。つまり、マドンナ・ヴェルデは「聖母みどり」。
理恵が代理母親を子供を産む道具としか認識してない態度や行動に理解できなかった。結局、理恵は自分の主張に説得力を与える為の手段として子供が欲しいだけであるように感じられた。ただ、親子間で気恥ずかしいものがあった為、素直に母親に感謝できなかったのかとも思った。
みどりは、最初は理恵に従順であるが、胎児が大きくなるに従い理恵に疑念を抱くようになる。子を産む母親としての意識が強くなってきたのだろう。 -
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ネタバレ中学生の曽根崎薫が、潜在能力試験で全国1位になってしまったことから、大学医学部の研究室に週2日通い、論文を巡るドロドロに巻き込まれていくストーリー。
薫の受入研究室の藤田教授が、薫の名前で英語論文を書いたり、追試が間に合っていないことが外部から指摘されると、記者会見の場に薫を連れ出したり、薫の中学のクラスメートが医学の最先端の研究を理解できたりと、常識的にはあり得ない設定で、読んでいる途中で少し白けてしまった。
しかし、最後に、薫と離れて暮らす父親が薫にアドバイスを与えたり、薫を守るために、薫の業務日記を証拠として効果的に見せる手はずを整えたりしたところは、ジンときた。
薫が書き留めている、パパの言葉がいい。
また、海堂さんの後書きにある、中高生に向けたメッセージがよかった。 -
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ネタバレ【要約】理恵は帝華大学産婦人科医で、現行の出産制度に疑問を抱き、上司の清川から反感を買っている。彼女のバイト先の病院は、5人の妊婦の出産を最後に閉院が決定しており、それぞれの妊婦が深刻な事情を抱えている。また、理恵は日本で認められていない代理出産に関与していることが告発され、事態はさらに複雑化する。
【感想】日本の医療行政や医療、医学に関する問題を問いかけるメッセージ性が強く、出産をめぐる医師と妊婦の思いをシンプルに描いている。しかし、緊迫感に満ちた場面が随所にあり、主人公・理恵が組織の反発を受けながらも自身の信念を貫く姿には感銘を受ける。
現代の出産においては夫の立ち会いや積極的な関与が増えている為、やや時代の違いを感じた。