海堂尊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2022年6月~2022年12月までの話。
今は2024年4月だから、1年半程前の様子だ。
ちょうど読もうとしたタイミングで文庫化された。
解説が鈴木エイトさん。
話題がコロナから別の方向にそれている。
ハチャメチャな政府のコロナ対応をテーマに執筆を開始した本コロナシリーズだが、
五輪利権や奉一教会問題が明るみに出て、コロナ対応の不手際よりも自保党批判の色合いが濃くなっている。
この3作目では、浪速万博利権に焦点を当てて浪速白虎党にも苦言を呈している。
「この物語はフィクションです」が、呆れてものが言えない物語です。
本書の内容がヒントになって、私が知らなかった事実を知ることになった。
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Posted by ブクログ
2020年9月から2021年7月の、五輪開催と引き換えに政府が人命を危機にさらした期間の話。
世界では幾つもワクチンが開発されて、その効果に関しては、中国製、ロシア製のデータも出てきた。
小説だから文面のまま信用するわけにはいかないが、忘れていたので調べ直すきっかけになった。
この時期の政治家の無策や非常識な言動が、笑点の大喜利の風刺ネタのように書かれている。
ワクチン接種後の死亡例の話題も出てきたが、「ワクチンと死亡との因果関係が評価できない」と責任逃れしている。
コロナワクチンの功罪については公的発表を全面的に信用せず、別途確認しようと思っている。
3年経った今読んでみると、よくこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ潜在能力試験で全国1位になった主人公カオルが東城大学医学部に入り、レティノブラストーマの論文を発表し、その誤りを謝罪するというのがこの作品の大きな流れ
藤田教授にそそのかされて論文発表から謝罪までしてしまうのだが、中学生カオルには頼もしい友達とゲーム理論の第一人者のパパがサポートして藤田教授の悪意を打ち負かすのは爽快。
桃倉さんはとても良い人で、冷静にかつ総合的に何をすべきかを判断出来る。少しスピード感には欠けるが。こういう人が沢山医療関係者にいれば良いのにと思った。
このような事は世の中にたくさんあって、本作品の登場人物のような人もいる。悪意に立ち向かう勇気を持ったカオルはすごい!
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Posted by ブクログ
東京の帝華大学医学部助教、理恵は顕微鏡下体外受精のエキスパート。
彼女は、女医であり研究者であり、大学で発生学の講義を担当している。
ここで、妊娠とは、発生とは、出産とは、といった産婦人科医として必要で、一般人にも重要な知識を理解できるように講義する。
そして、非常勤で閉院近い産婦人科医で妊婦の診察を続ける。最後の患者は、5人。それぞれ妊娠出産に課題があり、妊婦とともにその状況を考えてしまう。
主題は、代理母出産となっています。
医学的には可能となった代理母出産の倫理的社会的な課題を提示していきます。
母親は、誰なのか。
誰の子供であるか。
彼女は、体外受精からの代理母出産を医療として認識して -
Posted by ブクログ
不妊治療をテーマとして1人の産婦人科医師と周囲の医療関係者や患者らが織りなす人間模様。
実際の医療問題に類似する内容を入れ込んだこと、日本の産婦人科医療の現状や国の政策を入れた事でメッセージ性の強い作品になっている。事実、現在私が住んでいる地域でも民間の産婦人科病院は分娩を取り扱わず妊婦健診のみ診察のセミオープンシステムのみ、もしくは移行といった話を聞くようになった。
生命の神秘と科学の進歩。それに倫理的な問題が絡むと完全な終着点はあり得ない。
ジャンヌダルク的な主人公で大変面白かったが、今回現場側に偏った作品なので、官僚側から見た作品があれば読んでみたい。