海堂尊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
チェ・ゲバラの青年期が、南米の国々の歴史や文化の描写とともに描かれる。
ゲバラを英雄視しすぎて、フィクションらしい場面はあった。
しかし、著者は約200冊にもわたる参考文献をあげている。
著者のゲバラや描かれる南米の国々への知識は、膨大で、現実に基づくものであるだろう。
日本では、ゲバラや南米の歴史はあまり知られていない。
それらを知ってもらうとっかかりとして、著者はフィクションを交え、より面白く、より人に手に取ってもらえそうなこの小説を描いたのではないか。
そのため、この本はゲバラや南米の現実を知りたいマニアには向かない。しかし、初心者や南米の文化を感じたいという方には大変参考になり、 -
Posted by ブクログ
中高生向けに書かれたとは知らず、表紙のヨシタケシンスケさんのイラストにつられ、久々に海堂尊さんの小説を読んでみた。
中学生が主人公の、約半年間の物語。
12の章から成り立っていて、各章には主人公の父の一言が10、残りの2つは、大学教授の一言と、主人公の一言がタイトルとしてつけられていた。
このタイトル、ほとんど自己啓発本。
目次を読み返すだけで、より良く生きるためのヒントになっている気がした。
手帳に書き出しておこうかな。
最終12章、大学教授の悪を退治しようと頑張る中学生、大人の対応で、ソフトランディングさせた大学院生、そしてメールでしか登場しないパパの優しさに目頭が熱くなった。
あ -
Posted by ブクログ
なんて濃密な一冊!
読んでいる間私は、20世紀をまたぐ時代のキューバに確かにいました。
いやぁもう、おもしろかった。
フィデルの天才っぷりが痛快爽快。
ザマアミロと何度心の中で叫んだことか。
1巻『ゲバラ覚醒』の巻末にある鶴田真由さんとの対談で、海堂さんは「第三部はカストロ編で、カストロが生まれてから(中略)メキシコに亡命するまでを書きます」と語っているけど、3巻の最後でフィデルはまだ19歳の学生。
というのも、まさに今『週刊文春』で「ポーラースター外伝 フィデル!」を連載中ですが、これをいったん中断して、先にこの3巻に当たる部分を書き足したという経緯があるため。
結果的に本書を文庫書 -
Posted by ブクログ
人生迷い中の自分に、中々染みる作品。自分もふらりと旅に出てみたくなった。これからゲバラの人生が、アルゼンチンという枠にとらわれずにどう展開していくのか、続きが楽しみで仕方ない。
実はゲバラの作品は別で接したことがあって、それが映画の「モーターサイクルダイアリーズ」。映画好きな高校の友達に勧められて観たけど、当時の自分にはさっぱり。まだ教養も、好奇心も足りなかった。
今は歴史的側面と地理的側面、両方に興味を持って読めている。今の自分には、南米は余りに未知。マチュピチュまで出てくるとは思わなかった。
そして当然、海堂尊の作品ということも読み始めるインセンティブになったわけだが、ゲバラも医師という共