海堂尊のレビュー一覧
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おすずさんの本棚を見ていて、え、海堂先生のコロナの本、と気づき、本屋に向かう。
序盤は、なんだかな~。梁山泊の村雨、彦根、白鳥たちの安保総理追い落とし会議に鼻白む。最近読んだ100分de名著のヘーゲルにあった共感なき啓蒙という言葉を思い出す。白鳥については、田口先生への原稿依頼の顛末と云い、「医学のひよこ」でも口ばかりで全然機能してなかったこともあり、ヤキが回ったんじゃないと感じる。
という序盤に対し、コロナ感染の状況に全然ダメな厚生省、バカ丸出しの官僚の尻ぬぐいに白鳥は的確に手を打っていく。クルーズ船の感染者の受入れ先になった桜宮大学、田口先生以下、島津、師長の如月、若月、そして看護婦たち -
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桜宮サーガの短編集
バチスタ裁判の表題作を含めて収録は4編
・双生 1994年 春
田口先生のところに桜宮すみれ、桜宮小百合が短期研修していた頃
すみれと小百合のそれぞれやりたいことの片鱗がこの時期にも発露されていたのですねぇ
でんでん虫の倒壊のあれこれや、その後の暗躍にまで関わってくるとはね……
・星宿 2007年 冬
オレンジ病棟で南十字星を見ようとするお話
ナイチンゲールの沈黙の後くらい
手術拒否する小児患者の「南十字星を見たい」という願いを叶えようとする如月翔子
便利屋 城崎を頼って実現した方法とは?
オレンジ病棟の建設の経緯やら、タヌキの思惑やら、白鳥の力技やら、田口先生の -
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前作に引き続き、コロナ禍で桜宮サーガの面々がどう関わっていたかというお話
前作以上に政治のグダグダ加減が描かれている
実際の出来事の経緯を説明しているだけで、創作の要素はそんなにないかも
政治判断の裏側には私利私欲に塗れた呆れた理由があったというのが創作要素だろうけど
でも、実際にそんな損得勘定があったんだろうなぁとは思う
ところどころ、現実とは違う展開があって、その辺はやはりこれまで物語を追いかけてきた身としては面白く読める
やはりヤツが全てを破壊していくんだなぁ……
まぁ、総理に面と向かってああもズケズケ言える人物といえばそうなるよなぁ
あと、村雨のモデルは橋本だと思ってたけど、 -
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田口・白鳥シリーズ
ってか、このシリーズは完結って前に言ってなかったけ?
今までより作品内でクロスオーバーがされていて
田口視点の桜宮、速水の極北、彦根の梁山泊のエピソードが程よく入り混じっている
要は、コロナ禍を桜宮サーガで描いた作品
ただ、年代も2020とリアルと一致させているけど、作品内の時系列もそれだけ進んでいるって事でよいのだろうか?
「医学のたまご」では、田口先生は教授にんってたはずだけど、未だに講師?
「モルフェウスの領域」で論文を書いてたから、それが評価されてとかってパターンを予測してたけど……
辻褄合わせられるのか?
リアルのコロナ禍と政治のあれこれを「ああ、そうだっ -
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第3巻はこれまてで一番物語として、また人物伝として興味深く読むことができた。
事実の列挙中心から人の成長が中心の内容に変わったからだろうか。
それはともかく、アメリカの横暴さは読んでいて胸が悪くなる。世界の警察を自認して、一見すると善人のような言動をしながら裏側では自国の利益しか求めていないところは今でも変わらないな。ただ、それによって解放され発展した国も沢山あるわけで、一方的な観点で善悪を測れない代表的な事例だと思った。
カストロに対して漠然と過激な革命家のようなイメージを持っていたけれど、これもアメリカの思想操作によって植え付けられたものかも。本書が必ずしも正しいわけでもないだろうけれど、 -
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海堂尊『コロナ狂騒録 2021五輪の饗宴』宝島社文庫。
『チーム・バチスタの栄光』シリーズの新章『コロナ狂騒録 2021五輪の饗宴』の続編。
ノンフィクション・虚構コメディという感じで政府や地方自治体の新型コロナウイルスへの無策を揶揄しながらストーリーは展開する。この際、全てを実名にして、おバカどもの愚行を赤裸々に描いた方が面白かったのではないかと思った。
最後に『これはフィクション』とでも書いておけば許されるだろう。
現在、日本は新型コロナウイルス感染症の第7波にさらされている。状況が一変したのは第5波からだろう。それに比べれば第1波、第2波などさざ波程度だ。恐らく第7波は全国で1日