海堂尊のレビュー一覧
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プラチナハーケン1980
著者:海堂 尊
**あらすじ**
昭和の終わりの足音が聞こえる中、東城大学医学部総合外科の佐伯教授は、若きヒラ医局員・渡海征司郎を大抜擢した。彼は周囲の医局員の反感を買いながらも次々に高度な手術を成功させる。やがてオランダの国際学会に教授の名代として送り出された渡海は、その地で新たな因縁と巡り会う。
そして帰国後、ある患者のカルテに不審を抱いた彼は、佐伯外科の深い闇へ足を踏み入れていく……。
『ブラックペアン1988』『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』、そしてその後の「桜宮サーガ」のすべてはここから始まった!
メディカル・エンターテインメントの -
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前作「ブレイズメス1990」がスリジエハートセンター開設に決着をつけず、ある意味中途半端に終わったため引き続き本作を読むことにした。
いわゆる「バブル三部作」の最後の作品になる訳だが、各種エピソードの謎解きというか経緯が描かれているのはとても面白い。例えばジェネラル・ルージュ速水の医局入りから伝説となっている大事故対応の話。高階と藤原看護師長がタッグを組むことになった経緯と「ゴンちゃん」と呼べることになる話。後に看護師長となる花房の若く可憐な姿と淡いロマンスの話。最上階のVIP室「ドア・トゥ・ヘブン」が出来た経緯などなど。
また本作はあたかも名作「白い巨塔」のような大学病院の院内政治のために跳 -
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海堂尊「桜宮サーガ」の「バブル三部作」もしくは「ブラックペアンシリーズ」と呼ばれるシリーズの第2作目。天才外科医・天城雪彦を震源とした、現代医療現場の課題を浮き彫りにし医療倫理を問いかけた佳作。
そのそも天城にはモデルとなる人物がいる。世界で初めて胃大網動脈グラフトを使用した冠動脈バイパスを開発し、日本で初めて拡張型心筋症に対する左室形成術の一術式であるバチスタ手術を行った須磨久善氏だ。須磨氏はNHKの「プロジェクトX」など各メディアにも登場したスーパードクターで、バチスタ手術後も色々な手術器具の開発や術式の改良を行っている。そういう意味では須磨氏は「ブラックペアン1988」で「スナイプAZ1 -
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桜宮サーガ、炎上。海堂尊著『輝天炎上』が描く医療ミステリーの到達点
本作は、桜宮病院炎上事件から1年後を舞台に、新たな陰謀と謎が渦巻く医療ミステリーです。
物語は、東城大学医学部の学生、天馬大吉が「日本の死因究明制度」を調査することから始まります。調査を進めるうちに、天馬は制度の矛盾に気づき始め、同時に桜宮一族の生き残りが動き出していることを知ります。前作『螺鈿迷宮』で張り巡らされた伏線が、本作でついに回収され、予想を遥かに超える展開に息を呑みました。
複雑に絡み合う人間関係と緻密な舞台設定
本作の魅力は、複雑に絡み合う人間関係と緻密な舞台設定です。桜宮一族、東城大学、そしてAiセンター。