海堂尊のレビュー一覧
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不妊治療をテーマとして1人の産婦人科医師と周囲の医療関係者や患者らが織りなす人間模様。
実際の医療問題に類似する内容を入れ込んだこと、日本の産婦人科医療の現状や国の政策を入れた事でメッセージ性の強い作品になっている。事実、現在私が住んでいる地域でも民間の産婦人科病院は分娩を取り扱わず妊婦健診のみ診察...続きを読むPosted by ブクログ -
2024.01.28
ここにも日本の制度疲労の影が色濃く反映されている。医師法のそもそもは昭和23年につくられており、その中で定義されていないこと、時代に即さないことが様々あるが、そのことを「放置」して向き合ってこないから、筆者が憤ることになっているのだと「鳥の目」で俯瞰してみると感じる。Posted by ブクログ -
東日本大震災時に各所での医師の奮闘。1勤務医、精神科医、病院長、診療所長、歯科医師などがそれぞれの立場で最善を尽くした記録である。何に苦労したのか?何が問題だったのか?様々な人々の苦労が垣間見れる。ただし、不要だったのが著者の後書き。”批判のない世界は腐敗する”のはわかるが、赤十字を含めて官の対応を...続きを読むPosted by ブクログ
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シリーズを通して読んで、海堂ワールドここまでつながってるんだ。時が過ぎ、世代交代して浮かび上がってくる桜ノ宮、東上大学、なつかしく「おかえりなさいみなさん」といいたくなった。
ちっぽけなプライドに固執するより、心地好く生きる。何か背中押されるような、そうだと勇気をもらえた気がした。
あれこれぬりか...続きを読むPosted by ブクログ -
ひよこを読んでいるうちに、どんなトラブルだっけと気になり、再読。たまご、ひよこ通して読んだらスッキリした。関係がわかった。海堂ワールドはつながっている。過去も次世代も、たても、横も。スゴいな。
エラーはさっさと解決したほうが良い。言い訳を考えたり!何とかしようとするより、間違いや思慮の足りなさを認め...続きを読むPosted by ブクログ -
後編に期待!
曽根崎のお子さん(薫くん)は出てきてたけど、忍はどうなったのかなあ、なんて思ってたら思いがけず登場。恵理先生まで出てきたし、このあとどのような展開が待つか。文科省とはどう対峙していくか、白鳥さんの、腕の見せ所かな。
後編も楽しみです。Posted by ブクログ -
著者曰くジーン・ワルツとの裏表の作品。
ジーン・ワルツでは様々なお産の話が、一つの産院で展開され、それを担当する一人の産科医の「出産」の裏表がマドンナ・ヴェルデという物語。
それが先に読んだ「医学のたまご」に繋がっていくという…
改めて、スゴいです!海堂先生。
ここに描かれている課題は、進捗を見...続きを読む -
ナイチンゲールが統計学を駆使して、公衆衛生学の基盤を築いたってのは、よく知られてること。
看護職に「献身」と「自己犠牲」を求めず、看護職員が働く環境整備にこそ努力した人だけど、彼女自身は自らの資産を投じて看護職の訓練施設を整備した。
やっぱり看護って特別な仕事なんだよね。それが分かっていたからこそ、...続きを読むPosted by ブクログ -
物語として激しい起伏があるわけではないが、読後人生の選択と小さな勇気など前向きな選択を取りたくなる小説。Posted by ブクログ
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コロナ前に読み、コロナ禍で真っ先に本書を思い出したが、実際に下地となったのは2009年の新型インフルエンザ騒動だったとのこと。どちらにせよ解説によると、近未来を予言したような内容も散見されたらしい。本書ですっかり村雨府知事ファンになったのだが、その後「日本三分の計」はどうなったのだろうか。桜宮サー...続きを読むPosted by ブクログ
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著者の「医学のたまご」を読んで、本書を読むことに決めました。
発売当時に読んでいたはずで、物語の骨格は記憶にありました。でもクールウィッチにしてやられました。コテンパンに。
ジェンダーフリーの世の中、「女性」である人は、より共感し考えさせられるのではないでしょうか。
マドンナ・ヴェルデをこの後読み...続きを読む -
大筋では、無理筋な展開な気もしたけれど、エンタメとして、海堂ワールドのキャラクターが跋扈する姿がただただ面白い。
彦根先生が大活躍で、バチスタシリーズとは違った面白さがある。Posted by ブクログ -
玉村警部補と加納警視正のコンビのシリーズ。とにかく切れ者の加納警視正が次々と問題解決していく中、ちょっとぼんやりしている玉村警部補がかわいかったです。Posted by ブクログ
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おすずさんの本棚を見ていて、え、海堂先生のコロナの本、と気づき、本屋に向かう。
序盤は、なんだかな~。梁山泊の村雨、彦根、白鳥たちの安保総理追い落とし会議に鼻白む。最近読んだ100分de名著のヘーゲルにあった共感なき啓蒙という言葉を思い出す。白鳥については、田口先生への原稿依頼の顛末と云い、「医学の...続きを読むPosted by ブクログ -
『コロナ黙示録』と同じく、フィクションというよりも現実の反映が強い。『コロナ黙示録』『コロナ狂騒曲』の新たな登場人物は現実の登場人物がモデルになっており、事件も現実を反映している。『コロナ黙示録』では桜宮サーガの登場人物の物語と現実の反映にギャップを感じ、小説として面白さを感じなかった。『コロナ狂騒...続きを読むPosted by ブクログ
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現実の引き写しではないキャラクターに『ナニワ・モンスター』に登場した村雨弘毅がいる。改革マインドを持った浪速府知事だった人物であり、どうみても橋下徹元大阪府知事をモデルに感じる。ところが、村雨は維新に相当する浪速白虎党を批判する立場である。著者が当初都合よく橋下元知事を理想化し、後で幻滅したブレを感...続きを読むPosted by ブクログ
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チームバチスタのシリーズはとても面白いのですが、私はちゃんと順番に読んでいないようで読んでしまった続きのお話と心の中で照らし合わせながら読んでます。
今回は天馬くんが主役なんですかね?
天馬くんが大学にちゃんと行くようになった理由がわかりました。Posted by ブクログ -
桜宮サーガの短編集
バチスタ裁判の表題作を含めて収録は4編
・双生 1994年 春
田口先生のところに桜宮すみれ、桜宮小百合が短期研修していた頃
すみれと小百合のそれぞれやりたいことの片鱗がこの時期にも発露されていたのですねぇ
でんでん虫の倒壊のあれこれや、その後の暗躍にまで関わってくるとはね……...続きを読むPosted by ブクログ -
財政破綻都市の市民病院の惨状を想像して書かれたらしいが、想像がノンフィクションになってしまったらしい。やる気のない病院職員や不潔な病棟はこんな病院には絶対お目にかかりたくないと思うが、似たような状態だったなんて信じられない。続編も読んだがまだ再建の真っ只中だったので、モデルになった市は実際どうなっ...続きを読むPosted by ブクログ
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病院小説の短編集。表題の小説は最後に掲載されていますが、空想の話でありながらもなぜかいつかは起こり得るのではないかと思ってしまう話でした。ガンコロリンの話も災害の地に速水が派遣される話も、フィクションだけど今の日本の医療に関して考えさせられる話でした。Posted by ブクログ