海堂尊のレビュー一覧
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ネタバレ研修医制度の問題を中心に2025年の日本の問題をあらゆる方向から問題提示するシリーズ11弾
コロナ3部作以来の東城大学シリーズ(田口・白鳥シリーズ)。
過去の桜宮サーガの話もテンコ盛りで、佐々木アツシや曽根崎薫が本シリーズに参加するのは感無量で時間の経過を感じます。
いつものように日本の現状と未来を嘆きますが、その時点のモデルの石破元首相には肩入れしている感じで、安倍系政治家には相変わらず手厳しいです。
今回は医療的には研修医制度にメスを入れていますが、作者提示の改善案は将来的に採用されるのか楽しみです。
次回は日本初女性宰相の下での日本の医療や政治経済の悲劇に対して憤慨するのかな。 -
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ネタバレ北里柴三郎と森林太郎(鷗外)は「感染症から国民の命を守る」という同じ志を抱き、共にドイツへ留学し、世界的権威ロベルト・コッホの秘蔵っ子となる北里。その縁で森もコッホの下で学びます。帰国後、理想を掲げる二人は次第に道を違えていき、北里が民間の立場から実学としての細菌学を追及する一方、森は陸軍という組織の中で官僚的な衛生行政を担っていく。
結核菌やコレラ菌を発見したコッホ。その秘蔵っ子の北里もペスト菌や破傷風菌の発見、また破傷風菌の血清療法の開発等、世界的な学術成果を挙げた。
だが、北里は政府の官僚的な体質を批判したのが祟って、帰国後は冷遇され宙ぶらりんの状態であった。そこへ福沢諭吉が救いの手を差し伸べて私立の研究所を設立し、北里も活動の場を得るが・・・
一方の森は順調に軍隊での出世と作家としての才能を開花させるが、脚気(かっけ)問題では、後世に大きな汚点を残している。
当時は、脚気(かっけ)での死亡が深刻な社会問題となっていた。
陸軍では、脚気は細菌感染という考え方が主流であったのを配慮した森は、栄養学の観点から陸軍の白米食を理論的にバックアップし、海軍が採用した洋食+麦飯(麦と米の混合食)への切り替えを認めず、白米食を維持する立場を取り続けた。
その結果、日露戦争では、戦死者よりも脚気での死者が多い事態(28,000人以上)となるが、陸軍はその事実をひた隠しにし、陸軍軍医としての森の立場は揺るぎなかった。
陸軍軍医としては最高位の陸軍軍医総監(中将相当)まで登り詰めた森だが、北里の大鷲のような強靭さと、目標に対して一直線に翔けて行く意志に対し、森は常にコンプレックスを抱いていたと思われる。また森家の家長としての期待、組織人としてのしがらみに常に悩まされていたので、そのはけ口として文学の道へもひた走るが・・・
そういう事象が淡々と書かれているのですが、森林太郎(鷗外)の苦悩の掘り下げ方が今一つ心に響かないという感じです。
全体として面白く読み通せたのですが、読後感となると、いまひとつ物足りないという感じになったのは残念です。
山崎正和氏の「鷗外 戦う家長」という優れた評論があります。そこでは明治という国家の期待を背負いながら、家というものを必死に守り抜こうとした一人の男の「闘い」と「孤独」を浮き彫りにしています。
「挫折しないことへの不安」に怯えながら、最後まで社会的役割を演じ続けた森が、死の床ですべての社会的肩書きを拒否し、「森林太郎」として死んでいく事実。そこから逆に遡って考えれば、もっと哀れな、悲劇的な人間として森を描けたのでは・・・読者の身勝手な思いですが・・・ -
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学力テストで全国1位になり、病院の医学生として推薦され研究することになったカオル
教授に褒めちぎられ、テレビにも放映され浮かれまくっていたけど、実際の実力は伴っていなかった
カオルのお調子者なところが後々窮地に陥る展開になるだろうなと思いながら読み進めると案の定だった
先輩の佐々木さん、モグラ先輩との関わりを通して自身の気持ちとも一生懸命向き合い誠実に対応しようと奮闘するところは好感をもてた
カオル父のメールが味方だよって息子に伝えているようで家族愛も感じられた
最後カオルの父が、佐々木さんに依頼したフローチャートに沿って進んでいく展開はテンポよく面白かった -
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ネタバレ【天才同士の空中戦を楽しめる本】
コールドスリープで眠っているモルフェウス(ギリシャ神話の夢の王)ことアツシとそれを見守るサポーター日比野涼子。
スリーパーの人権などを保護する、または遺棄する凍眠8則の在り方を吟味しながら、コールドスリープの社会概念を考える物語。
製作者西野がコールドスリープを世に送り出す価値を説く。社会に封印されようとする自分の作品を残すために、マッドサイエンティストながらもその方法を模索する。涼子に恋心を抱き、次第に互いに信頼を寄せるようになる。
涼子はモルフェウスに愛情を持つが、契約上目覚めたアツシには触れられることができない。誰も身寄りのないアツシの存在を正当化するために、ひとりぼっちにさせないために自らをコールドスリープすることにした。
アツシは自分への涼子の深い愛情を感じたため、西野とともに、涼子のサポーターになることを決意する。
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涼子のモルフェウスに対する愛情はとてもよく感じられた。涼子の過去の話は大きくは出てこなかったが、アツシと重なる部分があってこの子を守りたいと共感できたのかな、と読み解くことができた。
ステルスシンイチロウとのメールでのやりとり、西野との攻防は知的でとても面白かった。正直、理解が及ばない部分や置いて行かれた部分もあったが、それも天才同士の合戦と思えば部外者的に楽しむことができた。
最後のシーン、涼子がコールドスリープを決め装置に入る直前の西野の独白はどんな意図があったのだろうか、推察するのが面白い。
海堂さんの文章がとても魅力的で専門語を駆使ししながらも、感情を揺さぶるような表現が随所に現れていた。
どのキャラクターが前作に関わっていたのかも知りたくなったので、バチスタシリーズもゆくゆくは読んでみたいと思った。
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ブラックぺアンを読んだ後だったのでうまくリンクされているなと思った。
剣道はその昔身内がやっていたのと当時『六三四の剣』という漫画を読んでいた(しかもこの表紙、村上もとか先生だった!びっくり!)のもあって文章を頭の中で映像化するのは難しくはなかったが、野球やサッカーと違って知らない人は中々しんどい文章だとは思った。
しかし、この手のスポ根ものには何で仙人みたいな人が出て来て稽古をつけるのかな。
速水のその後はいろいろ描かれているが、清川の物語はまだ読めていないので楽しみ。って言うかこの物語の登場人物のその後が知りたい。志郎や朝比奈、塚本とか出て来る話あるのかしら。
それにしてもどこにでも現れる高階先生ってどういう人なんでしょう。