あらすじ
TBS系日曜劇場
2024年7月スタート
『ブラックペアン シーズン2』原作シリーズ最新刊!
昭和の終わりの足音が聞こえる中、東城大学医学部総合外科の佐伯教授は、若きヒラ医局員・渡海征司郎を大抜擢した。彼は周囲の医局員の反感を買いながらも次々に高度な手術を成功させる。やがてオランダの国際学会に教授の名代として送り出された渡海は、その地で新たな因縁と巡り会う。
そして帰国後、ある患者のカルテに不審を抱いた彼は、佐伯外科の深い闇へ足を踏み入れていく……。
『ブラックペアン1988』『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』、そしてその後の「桜宮サーガ」のすべてはここから始まった!
メディカル・エンターテインメントの最高到達点!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
超久しぶりの海堂尊さん作品。バチスタシリーズほとんど読み尽くしていただけにとってもとっても感慨深い作品で、みんな若くて笑ってしまう。エピソードゼロはこれだからやめられない。若くて熱い渡海先生。こんな時代があって、今は亡き巌雄先生が出てきたりして泣きそうになってしまった。やっぱりこのシリーズは最高だなぁとしみじみかみしめた。また読み返してみたくなっちゃった。
Posted by ブクログ
気に入っているシリーズである「桜宮サーガ」の最近の作品ということになる。
題名に「1980」と在って「1980年の或る日」というような様子から物語が起るが、作中で5年程度の時日が経ち、最終盤の方では「1985年の或る日」という様子になっている物語だ。
所謂「桜宮サーガ」のシリーズというのは、東海地方の架空の街、東城大学と大学病院の在る桜宮市で展開するシリーズの作品である。ドンドン拡がる世界が描かれた様々な作品を「桜宮サーガ」というように呼ぶ場合が在るようだ。
「バチスタ」ということで、東城大学病院を舞台にした物語が登場して、以降の展開が在る。作品が登場した2000年代の物語が主な作品なのだが、1980年代末から1990年代初めという物語が登場した。『ブラックペアン』のシリーズということになる。
この『ブラックペアン』に、凄まじい手技を誇る手術職人のような渡海医師が登場する。1988年頃という『ブラックペアン』から更に遡り、1980年頃からの数年間の渡海医師という物語が展開するのが本作ということになる。
渡海医師が凄まじい手技を誇る裏に何が在ったのかということが少しずつ明かされる。そして佐伯教授の居る大学病院での活動が続くのだが、佐伯教授と父との因縁のような事柄に次第に気付いて行く。そういうことで1980年代の冒頭から数年間、1985年頃までの渡海医師と周辺の様子という物語が展開する。
本作に関しては、作中世界の設定年代である1980年代前半の様々な様子に纏わう描写も交じる。多分、作者御自身の若き日の様々な想いが渦巻く時代なのだとも思うが、そういう辺りも少し面白い。
或いは「桜宮サーガ」の「起こる頃」という感でもあるが、1980年代に入った頃に活動を始めた若き医師の物語という感じで、後の時代を描く各作品と無関係に面白い。愉しい作品だ。
Posted by ブクログ
チームバチスタ、お帰り~
ドラマの「ブラックペアン2」を見た後に読んだ。
本の出版は新しいけど、ストーリーの時代設定は1980年。
猫田さんも藤原さんも、そして、渡海も若い!
大学病院の白い巨塔の世界がそのまま、
派閥争い、出世争い、ドロドロした人間関係の中で、
飄々と立ちまわる、佐伯教授と、渡海。
「医療」を何より優先する姿にはとても好感が持てる。
そして、渡海が豹変するまでの、様々なでき事。
読み終わって、ドラマを思い出し、つながった!
オランダから始まった日本の医療の歴史に触れて、
とても勉強になった。
Posted by ブクログ
12年ぶりの黒本シリーズ新作っ…!!!
渡海先生の新人時代を知れる日が来るとは………
後にオペ室の悪魔と呼ばれる天才外科医が佐伯教授に忠誠を誓い「手術場という戦場を、自由自在に駆け巡る騎士みたいな医者になりたい」と語っていた頃の話。
渡海先生は手術室のあの部屋に勝手に住み着いた訳じゃなかったんだ…とか、初めての国際学会で緊張する初々しさがあったんだ〜とか、天城先生との邂逅とか、垣谷先生が世良ちゃんの医局長大抜擢の時優しかった理由とか、知りたかったことがたくさん知れてほっこり。
そして、バタフライ・シャドウの城崎さんがこんなところで絡んでくるなんてほんまにえぐい。
垣谷先生のことを「凡庸な外科医」と評し、「力無き衆生を教導したいなどという、酔狂な趣味は持ち合わせておりません」と言い切った天城先生が世良ちゃんに出会って、世良ちゃんに惹せられたと思うと、ほんとにこの2人って運命じゃん………という気持ちで胸がいっぱいになってしまった。
渡海先生が東城大学総合外科の闇に触れ、佐伯教授への信頼を失ったラストシーンはめちゃくちゃしんどかった……
渡海先生と佐伯先生はきっともっと分かり合えたはずだし、世良ちゃんや高階先生と一緒に総合外科の輝かしい未来を作っていけたはずだったのに……
木村先生のことただただ嫌いになってしまった。笑
Posted by ブクログ
読書備忘録937号。
★★★★。
桜宮サーガの骨太前日譚シリーズ。
バブル3部作と表現されることもありますが、ブラックペアンシリーズの方がしっくりきます。本作も含めると7作。
本作は、ブラックペアン1988⇒ブレイズメス1990⇒スリジエセンター1991の本流から遡ること10年くらい。
佐伯外科の渡海が名実ともに異端児・一匹狼になるまでのストーリーです。
桜宮市、東城大学医学部付属病院、佐伯外科。
3年目研修医の渡海征司郎の手術の手腕は佐伯教授に勝るとも劣らない。
佐伯教授は高難度の食道癌手術を渡海にやらせる。
佐伯外科の医局員は大いに反発。なぜ3年目の若造にやらせるのか!出来るわけがない!と。
そして渡海はとんでもない手技を発揮し、見事手術を成功させる。
それも通常の3倍いや、4倍以上の速度で。こんな速度で接近できるモビル、いや手術出来る奴がいる訳がない!シャ、いや渡海だ!逃げろ!
実は渡海。碧翠院桜宮病院で桜宮巌雄院長の元、行政解剖のアルバイトを数限りなくこなしており、手技を磨いてきた。
死体であれば思い切った手技の練習が出来るわけで、一般的な手術経験より経験値は上がるということみたいです。
そんな渡海を佐伯は、外科教室の改革に向けた腹心として使っていこうとする。
手術における器具ハーケンという位置づけ。地味な器具であるが、こいつが無いと手術が成り立たない重要な器具。改革を実現する為に重要なパーツとして。
話は変わり、渡海の父一郎は故郷北海道の神威島という辺境の診療所を切り盛りしていた。かつて一郎は、東城大学内科を仕切っていたが、大学病院を辞めて故郷に戻ったという。
なぜ?見えてくる佐伯との過去。確執?
渡海は、ひょんなことから父一郎が関わった飯沼達次の症例カルテにたどり着く・・・。
そして明かされる驚きの事実!
って言っても全然驚かないですわね。
だって、既にブラックペアンで事実は明かされているので。そこに至る若干の肉付けがされたという感じです。
ということもあり個人的な評価は低いですが、国際シンポジウムで策士高階との邂逅、モンテカルロ・ハートセンターの天城雪彦と係わりがあり、懐かしかったので復活の★4つ。
加えて、藤原看護師や猫田ちゃんも初々しく楽しめました。
海堂さんの作品は最近読んでない。
コロナ三部作は政治色が強いので読んでないし、ゲバラシリーズはあまり興味がないので読んでない。
海堂さんのあるべき医療の姿をテーマに、なんか面白い医療小説書いてくれないかなぁ。と思う今日この頃。
Posted by ブクログ
プラチナハーケン1980
著者:海堂 尊
**あらすじ**
昭和の終わりの足音が聞こえる中、東城大学医学部総合外科の佐伯教授は、若きヒラ医局員・渡海征司郎を大抜擢した。彼は周囲の医局員の反感を買いながらも次々に高度な手術を成功させる。やがてオランダの国際学会に教授の名代として送り出された渡海は、その地で新たな因縁と巡り会う。
そして帰国後、ある患者のカルテに不審を抱いた彼は、佐伯外科の深い闇へ足を踏み入れていく……。
『ブラックペアン1988』『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』、そしてその後の「桜宮サーガ」のすべてはここから始まった!
メディカル・エンターテインメントの最高到達点!
**感想**
本作は『ブラックペアン1988』の前日譚にあたる物語であり、渡海征司郎という人物がいかにして「オペ室の悪魔」と呼ばれるまでに至ったのかが丁寧に描かれています。佐伯教授によって抜擢された若き渡海が、嫉妬や反発を受けながらも、手術の腕一つで周囲をねじ伏せていく姿には、読者としての高揚感と緊張感が絶えませんでした。
本作は『ブラックペアン1988』より後に刊行された作品ですが、時系列としてはこちらが先の出来事。私は刊行順に読みましたが、この『プラチナハーケン1980』を先に読んでおけば、渡海というキャラクターへの理解がより深まり、『ブラックペアン』の印象もまた違ったものになっていたかもしれないと思いました。
初めて「ブラックペアン」シリーズに触れる方は、どちらの順で読むかによって受け取り方が大きく変わる可能性があります。それぞれの作品が補完し合うように構成されているのがこのシリーズの醍醐味であり、何度も読み返したくなる奥行きが魅力です。
Posted by ブクログ
渡海がまだ初々しい。
結局渡海一郎と佐伯の間に何があったか今回はっきりしないで終わったが、以前の巻で明かされてたか…?覚えてなくてモヤモヤする。
他にも新たな人間関係が判明して興奮!桜宮家の長男があの人…!
今後ガッツリ絡んでくるあの人もちょい役で登場して…
Posted by ブクログ
チームバチスタシリーズ以来、久々にこの作家の作品を読みました。言い回しが古いし理屈っぽい会話が苦手なのは変わらないけど、ストーリーがどんどん加速して後半は一気読み。
ブラックぺアンも読もうかな。
Posted by ブクログ
これぞ桜宮サーガ、これぞ海堂尊
って本が帰ってきた。
あからさまで嫌悪するぐらいに左傾化していたコロナ3部作と
同時期の作品とは思えないくらいに真っ当に読めた。
これを読んで、もう一度1988年にいきたくなりました
Posted by ブクログ
渡海先生がどうして渡海先生になったのか、この順番で知れるの面白いなあと思った
桜宮サーガは相変わらず知った名前が出てくる感動が大きくて、楽しい
患者の命なんて1ミリも考えてないんじゃないかと思える医者には思うところあるけど、一人一人の個性が筋が通っててすごく読み応えがあった
Posted by ブクログ
先日(2024年夏)までTBS系で放送されてた二宮和也主演の「ブラックペアン2」ではなく、その前の「ブラックペアン」の主役だった、同じく二宮和也演じた渡海先生がなぜ「オペ室の悪魔」になったのか、佐伯教授との間に何があったのかを描いた作品。天城先生もちょこっと登場するがドラマのような双子ではない。「ブラックペアン」の原作を読んだのは15年近く前なので復習しないとなんのこっちゃって感じだった
Posted by ブクログ
「ブラックペアン1988」の8年前、オペ室の悪魔誕生秘話?
若き日の渡海、藤原サン、ネコちゃん…
17章 粛清 の佐伯教授が凄かった!
ブラックぺアン…内容忘れちゃってるんだけど(^◇^;)
Posted by ブクログ
後日談を先に読んでる身としては若き日の看護婦たちが見えるなど楽しさもある。反面、前作から間が空いており後日談で渡海らがどんな風だったか思い出せずもどかしい。
Posted by ブクログ
渡海がまだ若い時、やさぐれていない時の話。正直、この作品とブラックペアンの渡海に乖離がありすぎて、そこまで性格変わる?と思う。
ただし、相変わらずの医局いざこざは面白く、最後は溜飲が下がる。
Posted by ブクログ
<目次>
第1部真夜中のドア(1980)
第2部北ウイング(1984)
第3部そして僕は途方に暮れる(1985)
2024/7/1第1刷
初出:小説現代2024 4,5/6,7月号
東城大医学部佐伯教授の下、若き医局員渡海の
ストーリー(1980-85)
いつも通りの海堂氏の運び。が、
最近、左翼リベラル的な政治的ネタを入れてくるのは、
違和感がある。
Posted by ブクログ
偉大な伝説たちの若かりし時代。
このクロスオーバー感がこのシリーズの醍醐味。
ぐいぐい読ませられました。
ブラックペアンをまた読み返さないとーっていう気になるよね。
Posted by ブクログ
すべては、ここから始まった…
佐伯外科の深い闇は、ここから始まっていた
若きヒラ医局員の渡海は、周囲の反感を買いながらも、佐伯の笠の下で恩恵に授かりながら、高度な手術をこなして始める。真行寺三羽烏の2人の医師から、指導を受けながら、着実に技術を身につけていく…
一方、闇の入り口が、見え始めてきたことに、蓋をしながら、少しずつ違和感が、違和感でなくなり始め、遂に…
Posted by ブクログ
ドラマでブラックぺアンで天城先生と渡海先生の繋がりみたいな事をやっていたけど、このプラチナハーケンは全くの別物で渡海先生が手術室の悪魔と呼ばれる所以が最後に描かれていました
私にはちょっと消化不良に感じました
Posted by ブクログ
渡海の過去編。
ちょっと全体的に小粒感あり。
オペの話より政治的な派閥争いネタが多め
渡海の悪魔らしさも控えめだし。
天城との邂逅は良きでした。
2024.9.8
160
Posted by ブクログ
ドラマに繋ぐために出版されたのかな?
佐伯清剛が魅力的。医療の知識があれば壮大なこのシリーズの理解が深まったのかもしれない。ドラマ視聴の後に読んだので、ニノや内野聖陽の顔しか浮かばなかった。
Posted by ブクログ
東城大学医学部総合外科の佐伯教授は、若き医局員・渡海征司郎を大抜擢する。
黒崎講師は面白くないが仕方なし。
渡海は週一で碧翠院へ通って、桜宮厳雄院長について指導を受ける。
佐伯の下で手術室の小部屋を根城とする「佐伯図書室」の室長を務める。
が。そこで不思議なカルテの存在に気づく。
「飯沼達治」は一度渡海が診ている患者。
其処を突くには元三羽烏の佐伯教授、桜宮厳雄院長、市民病院の鏡部長から話を聞かないといけない。
そんな時、オランダの学会に佐伯の名代として渡海を送り出す。
お供は垣谷。
オランダで会ったのは厳雄院長の息子亮。
元極北大の先輩。軽音の先輩でもある。
亮はここで「バタフライ・シャドウ」を作る事を渡海に話している。
オランダを立つ日、渡海父が死んだと知らせが入る。
実家に帰り、彼是手続きをしていると、久世先生が今は継ぐ事となる。
根城に帰ると一通の封筒が。
写真に映るは佐伯教授の姿と一筆。
「親の仇に尽くす戯け者(うつけもの)。いい加減に目を覚ませ。」と。
父の亡くなる前日の日付。
佐伯教授への謀反を起こした木村講師、あえなく返り討ちに。
木村講師はその後渡海をリクルートしに来る。
そして、その封筒の差出人だと言う。
渡海に「なぜ渡海父が桜ノ宮を去ったのか?」を知らせるため。
佐伯教授のミスの所為で、病院を去ったと知った渡海。
その日を境に渡海は佐伯教授を信じられなくなる。
そして、渡海はオペの症例を淡々と積み上げる。
佐伯教授を引きずり下ろすために。
暴挙を繰り返してもお咎めなしの渡海は「オペ室の悪魔」と異名を取るまでになる。
Posted by ブクログ
現在放送されているブラックペインの前バージョンかな?病院の人同士の争いを1人の主人公を中心に上手く、書き上げている。
面白くて一気読みだった。
Posted by ブクログ
最近読んだコロナ三部作であれっ
海堂さんってこんな感じの作風だっけ
なんて思いながらバブル三部作のその前の
時代っぽいタイトルを本屋で見かけたので
手に取って読んでみましたが、すごくいい!
「オペ室の悪魔」と呼ばれいていた
渡海征司郎の原点やその軌跡、
途中出てくる東城大に来る前の高階先生や
東城大で現役バリバリの藤原副婦長、
新人の猫田看護師、忠誠心が半端ない
黒崎医師、そしてまさかの天城先生の登場
などなど後からの作品ででてくる人たちの
原点というか過去がストーリーと一緒に
その当時の時代背景や院内政治、
昭和の病院の実態なんかも読める
部分なんかも含めてすごく面白かった。
えっそんな勝手な事を許しちゃうの?
なんてハラハラしながら読んでたけど
木村医師の謀反をスパッと切り伏せる
場面の佐伯教授はさすがだったし、
まぁ持ちつ持たれつなんだろうけど
時代だったとは言え病院と製薬会社の
密着度は読んでて改めて凄かったんだな
と思いました。
「桜宮サーガ」の原点、すごく面白かった。