しきみのレビュー一覧

  • 恋愛論(乙女の本棚)

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    2025/11/30
    p.24
     A君とB子が恋をした。二人は各々ねむられぬ。別れたあとでは死ぬほど苦しい。手紙を書く、泣きぬれる。そこまでは、二人の親もそのまた先祖も、孫も子孫も変わりがないから、文句はいらぬ。しかし、これほど恋しあう御両人も、二三年後には御多分にもれず、つかみあいの喧嘩もやるし、別の面影を胸に宿したりするのである。何かよい方法はないものかと考える。
     しかし、大概そこまでは考えない。そしてA君とB子は結婚する。はたして、例外なく倦怠し、仇心も起きてくる。そこで、どうすべきかと考える。
     その解答を私にだせといっても、無理だ。私は知らない。私自身が、私自身だけの解答を探しつづ

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    2025年11月30日
  • 文字禍(乙女の本棚)

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    文字の精霊によって人が支配される話は面白かった。絵がないと多分意味が分からなく読めかなったかも。石書で死んでしまった字を調べていた老博士、字の精霊の怖さを知る
    でも字によって記憶力の低下、目が悪くなる、情報過多など現代でも字の精霊はいると考えてしまう。自分も字の精霊に囚われて目も悪くなり多くの時間を字に費やしている。。。

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    2025年11月30日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    はじめは男が女に執着しているようでそのために女を甘やかしていたが時が経つにつれ女の方が男に依存しているようで面白かったです。

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    2025年11月26日
  • 魔術師(乙女の本棚)

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    2025/11/08
    p.20
     やや長い間、私は唯、無数の人間の雲の中を嫌応なしに進みました。行く手を眺めると、公園は案外近い所にあるらしく、燦爛としたイルミネエションの、青や赤や黄や紫の光芒が、人々の頭に焦げつく程の低空に、炎々と燃え輝いているのです。道路の両側には、青楼とも料理屋ともつかない三階四階の楼閣が並んで、華やかな岐阜提灯を珊瑚の根掛けのように連ねたバルコニイの上を見ると、酔いしれた男女の客が狂態の限りを尽くして野獣のように暴れていました。彼らの或る者は、街上の群衆を瞰おろして、さまざまな悪罵を浴びせ、冗談を云いかけ、稀には唾を吐きかけます。彼等はいずれも外聞を忘れ羞恥を忘れて踊

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    2025年11月08日
  • 文字禍(乙女の本棚)

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    大好きな中島敦の文字禍がYA向けの本になっていたので読んでみた。初めはイラストが可愛らしすぎるかなと思っていたが、割とよかった。文字に支配されてる人間というテーマが今も昔も変わらないってのが興味深くて好き

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    2025年11月06日
  • 奇譚ルーム

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    ネタバレ

    まさか、みんな別人格だったとは…
    それに、ぼくも別人格だったなんて…
    はやみねかおる、恐るべし。
    最後伏線回収がスッキリしすぎてやばい(語彙力)

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    2025年10月04日
  • リセットルーム

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    とても面白かったです!奇譚ルームに続き、びっくりする展開でした。途中まではハラハラドキドキなんですが、最後はあっと気づかせるような、ホッとするストーリーです。今までの中で1番と言えるほど面白い作品でした!

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    2025年09月21日
  • 奇譚ルーム

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     途中まではハラハラドキドキしたけれど、最後はホッとするストーリーで怖い話が初めてでも読めました。今までの中で1番と言えるほど面白かったです!

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    2025年09月21日
  • 夏休みルーム

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    ネタバレ

    夏休みに塾仲間と夏休みルームでバカンスを過ごすキリン。何度も殺されかけたが、実はターゲットは他にいてーー

    とにかくおもしろい。またまた裏で糸を引くシロクマ・・あくどい!

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    2025年09月04日
  • 奇譚ルーム

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    ネタバレ

    娘が読み終わった後に大興奮しながら薦めてきたので読んでみた。

    ミステリ好きとしては、結構早めに「ぼくが多重人格でルーム参加者は全員違う人格なのかな」と予想できてしまったが、まさかぼく自身も作られた人格の1つだったとは驚いた。

    普通にそれぞれの人格から語られる奇譚の内容も面白く一気に読み進めてしまいました。

    面白い本を薦めてくれてありがとう!

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    2025年08月03日
  • 奇譚ルーム

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    横書きで、セリフも吹き出しで書かれているので、とても読みやすかったです。
    奇譚を話しながら物語が進んでいくところがいいと思います。
    物語の最後も意外で、ドキドキとワクワクがたくさん詰まった1冊だと思います。

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    2025年08月02日
  • リセットルーム

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    ネタバレ

    リセットルームに招待された8人の中学生がリセットルームに招待される権利を得る為のAR空間
    (実は学校ルーム)に招待される。
    で出しから現れる欠席者 ぬえからの依頼で探偵になり、リセットルームにいける権利をリタイアし、バグの真相を追う中3の僕。(おなじみキリンのアバター)孤独と読書を好む少女(ヘビのアバター)
    ピアノの音を追求する少女(ペガサスのアバター)
    英語を早く学びたかった少年(サルのアバター)
    小説を上手く書きたい少年(カワウソのアバター)
    誰からも避けられない人生に憧れる少女(トラのアバター)
    ネット依存症の少年(ネズミのアバター)
    次々と自らリアルが良かったり、自分の意思で空間から退

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    2025年07月22日
  • 奇譚ルーム

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    ネタバレ

    奇譚ルームというSNSに招待された「ぼく」
    探偵は精神科医で、招待者。招待されたのは小説を書くために「ぼく」が作った登場人物が別人格となって表れていたのだったー
    マンガ家、
    先生、
    ヒーロー、
    アイドル、
    遊民、
    人形遣い
    キリン
    次々と奇譚が面白くないという理由で殺していったマーダラーの正体はなんと主人格の「ぼく」だったのにはびっくり。登場人物が別人格というのに意外性があって面白かったです。

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    2025年06月22日
  • 乙女の本棚5 押絵と旅する男

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    江戸川乱歩の『押絵と旅する男』と素敵なイラストがコラボする、乙女の本棚シリーズ第5巻です。
    主人公の汽車に乗り合わせた黒髪の老紳士、彼は額に入った何かを持ち歩く変わった人物でした。
    主人公は気になって仕方がなくなり、老紳士にそれは何かと尋ねます。
    彼が持ち歩いていたのは押絵でした。
    押絵には美しい色娘とその老紳士に似てはいるが白髪の男が描かれているのです。
    老紳士は語ります、この押絵の男は自分の兄であると。
    そしてこの娘は…。
    美しい純文学を美しいイラストが彩り、世界観を更に色濃く描く良書です。

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    2025年06月19日
  • 恋愛論(乙女の本棚)

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    「ほんとうのことというものは、ほんとうすぎるから、私はきらいだ」。渇いた心にすとんと落ちた一文だった。ひとは恋愛によってみたされることはない。「苦しみ、悲しみ、切なさによって、いささか、みたされる時はあるだろう」、この一文を読んだときに、心の柔らかい部分が布団でくるまれるような感じがした。想いが伝わるかなんて確証もない、自分の方が心変わりするかもしれない、それでも自分の一生を、今を精一杯生きたい。永遠などないと知ってなお、私は恋をする。愛する人に手紙を書く。猫がニャンと鳴くように。

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    2025年05月04日
  • 魔術師(乙女の本棚)

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    谷崎潤一郎の『魔術師』と素敵なイラストがコラボする、乙女の本棚シリーズ17巻です。
    ヨーロッパから遠く離れたどこか…東京のような都で仲良く歩く「私」と恋人でしたが、恋人が公園へのデートを提案したことで物語の歯車が回り始めます。
    「私」は町に公園があることを知りませんでしたが、そこに人々を魅了する「魔術師」がいることを恋人が語りだします。
    広場を抜けて魔術師の幻惑を求める群衆が集まる小屋へ入る二人。
    生きた蛇の冠を頭に巻き、ローマ時代のトーガを身に着け、黄金のサンダルを穿いた魔術師がそこにいました。
    男性なのか女性なのかわからない、両性の美しさを持つ魔術師に「私」は…。
    不可思議で美しい純文学を

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    2025年04月29日
  • 文字禍(乙女の本棚)

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    中島敦の『文字禍』と素敵なイラストがコラボする、乙女の本棚シリーズ43巻です。
    アッシリアのナブ・アヘ・エリバ博士は、アッシュールバニパル王から“文字の精霊”が引き起こす災いについて研究するよう命じられます。
    研究の成果として文字の精霊が存在することを発見しますが、精霊の厄介さを知った彼は王に文字を使わないことを進言し軟禁状態となります。
    この成り行きも文字の精霊の暗躍によるものとされましたが、博士には更なる災厄が待っているのでした…。
    このような不可思議な物語を不可思議なイラストで彩った本書は、その世界観を増幅させている良書です。
    特に文字の精霊は楔形文字を擬人化したような存在でとても素敵で

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    2025年03月13日
  • 乙女の本棚2 猫町

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    しきみさんの絵が、とても文章の雰囲気に合っている本だった。
    「すべての軒並の商店や建築物は、芸術的に変わった風情で意匠され、かつ町全体としての集合美を構成していた。」はたくさん使われているイラストの色使いの統一感にも通じるし、確かに美しい絵ばかりなんだよね。でもちょっと不思議なところとか、好きだなあ。
    この文章をこの挿絵付きで読めて良かったと思った。

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    2024年11月21日
  • 乙女の本棚5 押絵と旅する男

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    江戸川乱歩、めちゃくちゃ美しい文章を書くな。背広の流行、「黒天鵞絨」「緋鹿の子」なんて素敵な表現。
    長野まゆみさんの本を思い出す。
    また、題材は京極夏彦の『魍魎の匣』のモチーフだろうな。

    浅草凌雲閣の細かな描写あり、こちらにも興味を持った。

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    2024年11月17日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    有名なタイトルだけど、読んだことなかったから読んだ。タイトルの美しさと、それに負けない不気味さが良い作品だった。絵も上手く雰囲気が合っていた。
    文字だけで、桜吹雪の中に立っている気持ちになれる。
    顔は美しいかもしれないけど、首でままごと遊びする女はやばすぎるだろ。
    山育ちが都で感じる寂しさはわかるなあ。

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    2024年11月14日