しきみのレビュー一覧

  • 乙女の本棚5 押絵と旅する男

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    久しぶりの乱歩作品。やはり良いですね、大乱歩様。冒頭の語りだしから乱歩節。それに続くは魚津の浜の蜃気楼、大気のレンズが引き起こす妖しい現象に何かが起こりそうな気配が漂います。

    今回はイラストレーターのしきみさんとのコラボ作品。

    表紙のイラストは下記の場面。イラスト付きもなかなか良いです。

    『黒天鵞絨の古風な洋服を着た白髪の老人が,窮屈そうに座っていると、緋鹿の子の振袖に、黒繻子の帯の映りのよい十七八の、水のたれる様な結綿の美少女が、なんとも云えぬ嬌羞を含んで、その老人の洋服の膝にしなだれかかっている。』

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    2024年06月23日
  • 恋愛論(乙女の本棚)

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    今まで、色んな本や漫画で、困難な道とそうでない道があれば困難な道を選ぶ方が良い、と書いてあっても、意味がわからなかったが、
    本著にあるように(あくまで私の理解だが)、困難な道と無難な道であれば困難な道の方が乗り越え甲斐がある、という区分なら、理解できる。無難ではないのだから、凸と凹があって、刺激と刺激に伴うレスポンスがあるよなぁ。何もなければ何もないままだから。
    結局は何を求めるかだと思うけど、どうしても得たいことがあるなら、覚悟決めて無難な道は選ばないほうが善きにしろ悪きにしろレスポンスが得られると理解した。

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    2024年05月19日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

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    絵が綺麗で気になっていたシリーズ。
    昔の話というのもあるので、絵があると情景が想像できてよいですね。
    お話は第一夜がお気に入りです。とても美しいお話だなと感じました。
    不思議で難解ですが、そこがまた解釈が分かれて想像力がかきたてられます。
    第九夜も、悲しいお話だけれど好きです。
    わからないもの、というのは自分の想像によって自由に変えることができる。
    というのが面白いなと思います。

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    2024年05月11日
  • 詩集『青猫』より

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    はい、萩原朔太郎の詩集『青猫』でございますよー

    詩集さ、基本的によく分からんよね
    で、もう何回もレビューに書いてますが、詩なんてものはね受け取り方は自由でいいと思うんですよね
    もう完全にこっちサイドの都合で解釈しちゃっていいと思うんです

    後でなんとか大学のなんたら教授の解説読んで「ぜんぜん違うやん!」と思っても恥じることなどないのです
    むしろさすがの感性やな自分!と胸を張っちゃっていいのです

    はい言い訳はこのくらいにして(言い訳言っちゃってるじゃん!)『青猫』です

    女性のことを歌った詩や女性のメタファーと感じられる詩が多かったような気がします

    やっぱ男の目から見た女性って謎なのよ

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    2024年04月27日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

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    夏目漱石先生+しきみさんのコラボ!即購入しました。イラストが凄く綺麗。鑑賞用として買っても後悔しないと思う。小説を読んでいても思ったけど、やっぱり夏目漱石先生の文章って凄く言葉遣い良いですよね。全巻集めたいけど、結構な値段するので月に一度のペースで買おうと思っています。シリーズの名前が凄く尊い。乙女の本棚、最高。

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    2024年03月20日
  • 乙女の本棚5 押絵と旅する男

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    好きなイラストレーターさんと好きな文豪なので即購入しました。絵本なので多少の文章量の省略があるのかな…?原作だともっと長い感じだけど…。私個人としては小説を持ち歩くより、こっちの乙女の本棚シリーズ持ち歩きたいと思うくらい好きです。全巻集めてみたいけど、絵本だから凄く高くて全巻集めるのは流石に無理かも。年々イラストレーターも増えて来たのが嬉しい。

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    2024年03月20日
  • 詩集『青猫』より

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    ネタバレ

    目次
    ・薄暮の部屋
    ・寝台を求む
    ・青猫
    ・月夜
    ・春の感情
    ・恐ろしく憂鬱なる
    ・夢に見る空家の庭の秘密
    ・黒い風琴
    ・みじめな街灯
    ・題のない歌
    ・鴉毛の婦人
    ・猫柳
    ・怠惰の暦
    ・閑雅な食慾
    ・蒼ざめた馬
    ・顔
    ・自然の背後に隠れて居る
    ・片恋
    ・夢
    ・春宵

    「乙女の本棚」という、乙女受けするイラスト付きの詩集や短編などを収録しているシリーズ。
    正直、詩にイラストがつくと、詩に対するセンスの持ち合わせのない私は、イラストにずいぶん引っ張られてしまうので、イラストは不要だ。

    しかもこのイラスト、詩を表現しているというよりも、詩と並行してそこにあるという感じ。
    ピンとこない。

    なので、

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    2024年03月12日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    再読。
    高校時代に初読した時はちょうど手塚治虫の「火の鳥」を読んだ頃だった。山賊のイメージが『鳳凰編』大和の我王にダブる。

    鈴鹿峠に一人の山賊がいました。桜の季節、花の下では誰もが気が変になるのでした。山賊は街道で八人目の女房にする女を攫います。女が美しすぎたので夫を殺します。家に帰り着くと、女の言うままに七人いた女房たちを次々に殺します。女の言うままに都に住み始めます。女の言うままに殺した男女の首を持ち帰ります。女はその首を使って"首遊び"をするのでした。やがて山賊は都に住むことに飽き飽きして…。

    突然気になって再読したのは、たぶん、「鬼滅の刃」を見ていたからだと思い

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    2024年03月09日
  • 乙女の本棚5 押絵と旅する男

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    文豪と言われる人の書く話は難解すぎて何を伝えたいのか、自分らだけが分ればいいとおもっているのか、それともかまってちゃんのように難解にすることによってこの作品だけを考えて、理解してから次の作品を読んで欲しいと考えているのか??感想を書くようになって徐々にだけど、本を読むことが苦痛になって全然読めなくなった時に前の本の内容を考える。そんな時だけじっくりとそして感想を書きながら吟味。


    蜃気楼を見に行くところから話が始まり、行ったことを話すと周りはそれは夢だと言う。確かに有名な名所に行った記憶があり帰りの汽車で一風変わった男の人に出会い話を聞く。蜃気楼のような内容で押し絵の中の男は自分の兄だという

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    2024年03月09日
  • 恋愛論(乙女の本棚)

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    少女の本棚の新刊!ぱっと目を惹くやわらかで可愛らしい桃色の背景、しかしよくみると肋骨に守られ頭蓋骨に頬ずりするかのような少女の様子が毒々しい素敵な装丁です。
    読むのはこれが初めて。恋愛とはなんぞや、と坂口安吾が訥々と説いていくのだけれど、これがもう名言の宝庫なのである。
    切支丹が渡来したころ、それまで「愛する」という概念がなかった日本国で、「神の愛」「キリシトの愛」を解釈するのは難儀なことであったという。困惑し苦心しつつもどうにか置き換えたのは「神のご大切」「キリシトのご大切」。
    すなわち、「余は汝を愛す」というのを、「余は汝を大切に思う」と訳したのだそうだ。
    私はこれまでもつねづね「愛する」

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    2024年03月03日
  • 恋愛論(乙女の本棚)

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    ここまで真面目に恋愛について考えたことなかったから、新鮮に読めました。
    言葉の表現が易しくて、わかりやすいのも好印象!
    このシリーズはかなり好き!

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    2024年02月28日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    坂口安吾 安吾忌
    久しぶりに読みました、1947「桜の森の満開の下」

    ぞっとする程美しい。
    幻想的でもあり、人智を超えた美しさ。
    美しいが為に 恐ろしさは増す。

    桜の下では、気が狂う。
    鈴鹿峠に住み着いた山賊。
    旅人から 美女を手に入れる。
    その美女を手に入れてから 山賊の生活は 一変する。
    エゴイストが更なるエゴイストに従属していく。
    美女と桜に共通する恐ろしさに気づく。

    何回か読んでますが、これも自分の体調?などで受け取り方が変わるんですよね。
    今回は、しきみさんの美しい絵の数々ですが、
    最も凄まじい女の“人の首の雛人形遊び”を もうちょい挑戦して欲しかったかも。



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    2024年02月17日
  • 恋愛論(乙女の本棚)

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    「恋愛論」というタイトルながら、人生論・生き方論といえる内容。
    初出は47年とのことだから、結婚恋愛もまだまだやるべき・すべきという圧力があった時代だけれど、令和現在の生き方や人生にも通じる。
    旧さや価値観の押し付けを感じない。
    むしろ今のSNSであふれる価値観の対立、今の時代の圧力への警句・アドバイスにもなる一節もあって、心が軽くなる。
    かわいらしいながらダークなしきみ先生の絵も魅力的。

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    2024年01月01日
  • 夏休みルーム

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    小6の娘に薦められて読んだ本。
    未来的な題材で、内容も(謎解きもストーリー的にも)楽しく読めました。

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    2023年11月06日
  • 魔術師(乙女の本棚)

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    わからん
    ちーーーーーっともわからん

    ただただ美しい文章を書きたかっただけなんじゃね?と思ったりしました
    だとしたらとても美しい世界観がとても美しい文章で綴られていると思いました

    あれ?案外この感想って的を得てるんじゃね?
    潤ちゃんどうなのよ?(馴れ馴れしい)

    というわけで乙女の本棚シリーズ10冊目は谷崎潤一郎の『魔術師』でした

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    2023年10月06日
  • 奇譚ルーム

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    5.6年。再読。SNSで奇譚を話しあう部屋に招待された主人公。10人しか入れない部屋になぜか11人目のホストが現れ、話が面白くないと殺されるという設定。横書きチャット形式、イラストレーターの使用、身近なデジタル話から紹介すると手に取られやすい一冊。

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    2023年09月26日
  • 詩集『青猫』より

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    イラスト好き!かわいい!
    猫町のあとに青猫読んで
    すんなり詩が入ってきた

    好きな表現
    恋びとよ
    ぶむ ぶむ ぶむ ぶむ

    てふてふてふてふ
    (蝶)

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    2023年09月24日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

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    国語のテストでよくある問に
    「この時の主人公の気持ちを答えなさい」というのがある

    いや、分かるわけないだろ!

    といつも思っていた

    要領のいい嫌なタイプの子どもだったので、難なく大人が喜びそうな「答え」を書いていた

    でも本当はそんなん本人に聞いてみな分からんだろ!と思っていた
    正解なんか分かるわけないだろ!と思っていた

    正しい「答え」なんてないと今でも思う

    だけど正しい「問い」ならある気がする

    「あなたがこの物語を読んでどんな気持ちになったか答えなさい」

    「答え」はひとつじゃないが、全てが正しい「答え」だ

    「あなたが『夢十夜』を読んでどんな気持ちになったか答えなさい」


    むむ

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    2023年09月20日
  • 乙女の本棚2 猫町

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    〈乙女の本棚シリーズ〉
    萩原朔太郎+しきみ

    まず驚いたのは「刀剣乱舞』のキャラクターで知られるイラストレーターしきみさんの絵がアニメを観ているようで今にも動きだすのでは…と感じるほど魅力的だった。
    萩原朔太郎の小説も現代版のように感じてSFの世界へ入り込んだような気分だった。

    旅は、単なる同一空間における同一事物の移動にすぎないと思っていた私が、ある日狐に化かされたかのようにふと道を間違え、方角をわからなくしてしまう。
    偶然の発見から違った世界へ。
    どこへ迷い込んだのか、それとも悪夢か。
    猫の大集団がうようよと…。
    幻影だったのか…。
    それは「三半規管の喪失」にかかったからだと。

    なんと

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    2023年09月15日
  • 乙女の本棚5 押絵と旅する男

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    話は勿論、挿絵が美しい。
    この乙女の本棚シリーズは、
    どのイラストレーターさんも
    ストーリーにあった素晴らしい絵を描いてて好き。

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    2023年09月14日