しきみのレビュー一覧
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勘違いしていました。桜の樹の下に屍体を埋める話かと思っていました。まさか、ほとんど今昔物語とは。
山賊と妖しげな姫との話。どちらも人でなし。その彼らが、満開の桜の下だと、更に「気違い」になるという話でした。
初出は「いづこへ」真光社1947(昭和22)年5月15日発行だという。だとすれば、此処に出て来る数多の殺戮、首遊びの大元は、その数年前の戦争だと思います。
ペチャペチャとくっつき二人の顔の形がくずれるたびに女は大喜びで、けたたましく笑いさざめきました。
「ほれ、ポッペタを食べてやりなさい。ああおいしい。ああおいしい。姫君の喉もたべてやりましょう。ハイ、目の玉もかじりましょう。すすって -
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3作目になるのかな?
はやみねかおる先生のルームシリーズ!
読みやすいし、面白いし、テーマも新しくて、このシリーズ結構すきです(/ω\*)
今回は人生をリセットする、リセットルームなるものがテーマで、リセットしたいと思っている人達を集めてテスト(実技?)をし、合格者1名にだけ、そのリセットルームに入ることができるよーテスト頑張ってー的な話。
その中でイレギュラーが発生して、推理して……ってなっていく感じ。
児童書ならではの、説明多し的な文もあるけど、それはそれとして、テーマがテーマだけに、それぞれが自分の悩み?と向き合っていかなきゃいけないっていう、前を向いていける話になっているの、素敵だ -
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乙女の本棚シリーズの一冊。
複雑な気持ちになる。話自体はもう何度目かわからないくらい読んでいる。やはり傑作だ。で、今回は初めてイラストつきで読んだ。そこで思ったことは、乙女の本棚シリーズに入っていることで、イラストつきの「押絵と旅する男」に出会うことの意味である。イラストで固定されたイメージで読むことになってしまい、イラストなしで初めて読む経験が奪われてしまうことになる。それは不幸なような気がするのだ。しかし、一方で、乙女の本棚シリーズに入っていなかったら、この作品とは出会わなかったことも考えられる。それもまた不幸なことだ。これは、イラストなしで読むことができた優越感から出た感想なのかな。乙女 -
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萩原朔太郎の『猫町』と素敵なイラストがコラボする、乙女の本棚シリーズ第1段2冊中の1巻です。
極度の方向音痴である主人公は、ある時自分のよく知る町で違和感を禁じ得ない場所へ迷い込みます。
そこは全てのものが反転した似て非なる世界で、徐々にこの不可思議な世界へ行き戻る方法を習得していくのです。
北越の温泉地を訪れた際、普段とは違う世界へ迷い込んでしまった主人公。
そこは山とは思えない上品な街並みの都会で、行き交う人々にも気品が溢れています。
しかし、いざ元の世界へ戻ろうとしたところ…。
猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫。
不可思議で美しい純文学を不可思議で美しいイラストが彩り、世界観を更に色濃く描く良 -
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ふとある芸人さんの本の内容を思い出した。
まったく本を読まない芸人さんの読書経験を綴った本であったが、「どうして単に文字が並んでいるを読むだけでシーンが頭の中に浮かぶのか、この仕組みは一体なんなのだ」…というようなことだったが、それもまた文字の精霊の力、ともすれば文章の精霊の力というものなのだろうか。
たしかに、なんでもない文字という記号の列だけで、見たこともない文明の街並みや老学者の様子が頭に浮かぶ。
それを元に、しきみ氏がこうしてイラストを添えている。
読書をする人間にとって、当たり前すぎることを、否、人間として生きるうえでも当たり前すぎることを、揺さぶられる短編だった。
…それも、文字を -
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はい、42おネェ
坂口安吾が「恋愛」について考えた随筆になります
内容は「恋」と「愛」の違いから始まって…
ん?
ちょっと待って
わい、随筆って書いたけど、ものによってはこの『恋愛論』はエッセイと紹介されてたりするんよね
なんとなく違うもののような気もするし、でもそもそも「Essay」の日本語訳が「随筆」じゃなかったっけ?ってことは同じもの?
「恋」と「愛」の違いの前に「エッセイ」と「随筆」の違いが気になってきたー!
わいのイメージとしては、「エッセイ」はちょっとポップで、日常の出来事をユーモアを交えて語るみたいな感じ
一方、「随筆」はもっと重厚で、深い考察と共に、普段思ってるこ -
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はい、アンサーレビューの『読まずにレビュー』第6弾です!(ドゴーン!)
*『読まずにレビュー』とは?
表紙と題名、作者のみを手がかりに本の内容を推理し、感想まで書いちゃう!という革命的レビューです!(先に表紙拡大して確認してみてね)
しかも今回は発売前に書いちゃいます!
挑戦は受けて立つ!( ゚д゚ )クワッ!!
(挑戦されてない)
はい中島敦さんの『文字禍』ですよ
まずもうね顔色が悪い!
確実になんかヤバい感じの風土病ですよ
おそらく中央アフリカですよ
水際対策必至ですよ
そしてタイトルは『文字禍』です
「禍」の意味としては「よろこばしくない事柄。不幸をひきおこす原因。災難。」てなこ -
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ネタバレイラストは現代風の可愛い系のイラスト。物語は明治28年から約30年後が舞台。昭和になってるかどうかという感じ。古風な世界観がすごくいい。
最初は『魚津の蜃気楼を見に行った』とある。これ、ラストのあたりで「東京から富山に引っ込んだ」とあるけど、魚津が富山県だとわからないと結びつかないのでは?と思ってしまった。
そして、蜃気楼の描写が……なんていうかすごい的確というか正確というか、そうなのよ『よくわからないモヤッとしたもの』が蜃気楼なんだよね。だから、普段見ていない人が見ても正直『それが蜃気楼』だと気が付かないことも多々ある。たぶん、私も言われないとわからない蜃気楼が沢山ある。写真になってるのは -
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初乙女♡
以前一読してすきになった萩原朔太郎の『猫町』
今回は、「しきみ」さんというイラストレーターのかたのコラボ絵本で読んでみる。
まず、主人公がペーパータグのピアスを付けた◯◯◯の姿で表現されているのにびっくり。
そうか!◯◯◯だったら✕✕に恐怖を覚えてもしょうがないもんね。
後半のクライマックスが、主人公を◯◯◯にすることによって活きてくる。
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前半。
いやーぼくってもう旅行とかもう興味ないんだよね。だってどこ行ってもおんなじじゃん?だからクスリでトリップしてたんだけど、からだこわしちゃって、けんこうのために家のまわり散歩なんかしてんの。そしたらさー、道迷っちゃってさ。ははは -
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「堕落させたくないもの程、益(ますます)堕落させたいのです。」
美しい顔をした悪魔はこう言って、涙を流した。
美しいものはそのままにして愛でたい、という思いはあるのに、それを汚してしまいたいと思う己の醜さに悪魔は涙した。悪魔は、人を堕落させるのが仕事なのだろうから、そう思い悩んでしまう辺りが悪魔に似つかわしくなく、哀れんであげたい気持ちになった。
大切にしたいけど、悲しませたい。
清くいてほしいと思うけれど、真っ黒にしたい。
この欲望はどこから来るのだろう。
占有したい感覚、所有して支配したい気持ちは、どうして生まれてくるのだろう。
どうして、美しいものほど、汚したくなるのだろう。
多