務台夏子のレビュー一覧
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ネタバレ「償いの雪が降る」の続編だったので。
大学を卒業しAP通信社の記者となったジョー。
父親と同じ名を自分につけたと母親から聞いていたジョーは、
同姓同名の男性の不審死を知らされ、彼の写真が自分と似ているのを認めて、
父親ではないかと事件の起こった町へ向かう。
父親は殺されたと判るが、異母妹は事件の時から意識不明、
容疑者は異母妹の恋人らしい。
父親の兄も町を訪れ、遺産目当てで異母妹の後見人になろうとして、
ジョーを追い払おうとする。
ジョーは容疑者と接触して情報を聞き出そうとするが…。
前作は大学の課題のために知り合った元服役囚という、
いわば他人の事件だったが、
今回はジョーの父親が殺され -
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ミステリー専門の書店を経営するマルコムの元に、FBIの女性捜査官グウェンが訪ねてくる。彼が昔ブログに載せた、完璧な殺人による犯罪小説のリストに基づき、本当の殺人が行われているのではないかというのだ。その小説は下記の8殺。おっと冊の変換が。。。
①A・A・ミルン「赤い館の秘密」
②アントニイ・バークリー「殺意」
③アガサ・クリスティー「ABC殺人事件」
④ジェームス・ケイン「殺人保険」
⑤パトリシア・ハイスミス「見知らぬ乗客」
⑥ジョン・D・マクドナルド「溺殺者」
⑦アイラ・レヴィン「死の罠」
⑧ドナ・タート「シークレット・ヒストリー」
有名な作品ばかりなのだろうか。わたしは残念ながら2冊しか -
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ピーター・スワンソンを読んだ2作目。
大のお気に入り作家というのではないので、立て続けに読んではいないのですが、広く振り返ってみて、けっこういいなと感じている今日この頃(笑)
ロンドンに住む若い女性ケイトは、ボストンに住む又従兄のコービンがロンドンに来る機会に、半年間、部屋を交換することにした。
ケイトはなぜか子供の頃から不安感が強い少女だったのだが、恐怖に取りつかれるのも無理のない事件にも遭遇していた。
訪れたアパートメントは凝った造りで、新たな地でしばらく平穏に暮らせると思ったのも束の間、隣室に住んでいた女性オードリーが殺される事件が起きる。
知り合ったばかりの人たちはそう悪い人に見えな -
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ネタバレ事前情報なにもなしに読んだのだけど、ずっとホラーじゃないかってドキドキしていました。
なんでそんなにホラーを疑ったかというと、多分、タイトルの「還る」って表記なんじゃないかな。
いかにも「よみがえり」見たいじゃないですか。(個人の感想です)
普通に「帰る」にしてくれれば、怖くなかったのに。
でも200ページまで読んでも、誘拐された少女たちの話が見えてこない。
あくまでも親や警察など、大人の話で。
なので前半しばらくびくびくしながらも退屈でした。
少女たちの状況が見えてくるにつれて、目が離せなくなりました。
たった10歳の少女たちが、自分の知っていること、できることを総動員して、二人で生きて -
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ネタバレ『償いの雪が降る』に登場する弁護士ボーディ・サンデンの高校時代を描く青春ミステリ。
公民権法が制定されて間もない、まだ人々の意識に人種差別が色濃い時代。田舎町に住む少年ボーディの向かいに都会から越してきたのは、ボーディ家よりも裕福な黒人のエルギン家。一家の息子トーマスはボーディと同い年の少年で、彼よりも経験豊富で洗練されている。当初は衝突した二人だが次第に交友を深めていく。
ある日キャンプをしていた二人は、山林の中で行方不明になっていた女性の死体を見つけ、それが近頃話題になっていた横領事件の渦中にあった女性ということを知る。
時を同じくして、コープスと呼ばれる白人至上主義集団がエルギン家や彼ら -
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ネタバレピーター・スワンソンと言えば前に「アリスが語らないことには」を読んだが、あまり私の好みではなかった。なので今回どうかな?と思いつつ読んだが、これは面白かった!読む前に目次に目がいくが、最後に「アクロイド殺し」と書いてあったので、あーこれは所謂、信頼できない語り手なんだなと注意深く用心。でも中盤で語り手が真実を告白し(後で全てを告白したわけではないと分かったが)、どのように話が着地するのか全く予期出来なかった。結局、語り手は自分自身さえも信用できない、ギリギリの心理状態だった故に、読むこちら側も最後まで惑わされてしまった。実際、身近に実行犯が”本当に”いたなんて思いもしなかった。語り手の主人公は