【感想・ネタバレ】クリスマスに少女は還るのレビュー

あらすじ

クリスマスも近いある日、二人の少女が町から姿を消した。州副知事の娘と、その親友でホラーマニアの問題児だ。誘拐か? 刑事ルージュにとって、これは悪夢の再開だった。十五年前のこの季節に誘拐され殺されたもう一人の少女――双子の妹。だが、あのときの犯人はいまも刑務所の中だ。まさか……。そんなとき、顔に傷痕のある女が彼の前に現れて言う。「わたしはあなたの過去を知っている」。一方、何者かに監禁された少女たちは、奇妙な地下室に潜み、力を合わせて脱出のチャンスをうかがっていた……。一読するや衝撃と感動が走り、再読しては巧緻をきわめたプロットに唸る。では、新鋭が放つ超絶の問題作をどうぞ!/解説=萩原香※紙書籍版とはカバー画像が異なります。

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Posted by ブクログ

子供の頃に双子の妹を誘拐され、殺されたルージュ(男)は警察官になっていた。

ある年のクリスマス間近、二人の女の子がいなくなる。

一人は副知事の娘で、知能指数の高いグウェン。
もう一人は、ホラー映画が大好きで、他者を驚かせることが楽しみで仕方ないサディー。

親友の二人はそれぞれの家に帰れるのか…

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2024年08月12日

Posted by ブクログ

「小説という毒を浴びる」で紹介されていなければ読まなかった。
紹介頂いて桜庭一樹さんには感謝。
良かった。
最後も、あーそんななんだと驚きあるし。
もっとボリュームがあっても良かったな。もっと登場人物の話があって欲しかった。
ルージュのお母さん良い感じだったし。

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2023年12月24日

Posted by ブクログ

クリスマスを控えたある街で二人の少女が姿を消す。事件を追う警察官ルージュは15年前に双子の妹を殺された過去を持つ。監禁されながらもなんとか生き延びようと力を合わせ奮闘する二人の少女のパートと、警察、法心理学者、両親たちが事件を追う側のパートが交互に進む。少女たちの強さは涙が出るほどだが、大人たちの奮闘にも心奪われる。それは親の愛情であり、あるいは贖罪であり…。半端なピースが思いもかけないところにはまり、別の場所では思いもかけない真実が見え、読後は邦題にため息をつく。クリスマスの素晴らしい読書タイムだった。

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2020年12月27日

Posted by ブクログ

よく練られたストーリー。
いくつもに折り重なるプロット。
はじめは複雑に感じるが一気に引き込まれる世界観。。少女は誰に助けられたのか。
最後に訪れるクリスマスにふさわしい奇跡とは。

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2020年12月15日

Posted by ブクログ

ややネタバレ含むかな?
少女の誘拐がモチーフになっているので、しんどくて一気には読めなかったけど、15年前の少年少女と事件、今の少年少女と事件、大人達が絡みあって終盤一気に収束して行くのは快感。
古さを感じなかったので、20年前の作品だという事に驚いた。

※ポール・マリー神父とアーニー・パイル捜査官が似ているのは、ドクタークレイを追い詰める以外に何か意味はあったのかな?
※原題JUDAS CHILD、途中で気づいて裏切りの子?意味深、と思っていたけど、解説によると囮の子っていう意味だとか。
日本語のタイトルも印象的だけど、原題も好き。

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2018年12月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こんなに時間をかけて読んだ本は今までにないくらい、丁寧に読んでしまった。
ミステリーの枠を超えファンタジーかとも思えるし、登場人物の多様性から群像劇とも思えるような。
クリスマスを迎えるたびにこの本を思い出しそう。

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2016年12月03日

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人は闇を嫌う。恐れる。
闇の中に光があれば、それに向かって歩みだす。
光は希望で、光は正義だ。
人は光に近づき、そのまぶしさに目を細め、
そして穴に落ちる。

もっと端的にいえば、
ろうそくの明かりにひき寄せられ、
炎で羽を焦がしかけた蛾の気分、というか。

この前に読んだ同じ著者の作品「愛しい骨」
子供の殺人事件を扱い、犯人を追うのは残された兄弟という似たような設定だが、
まったく展開も雰囲気も違う。
強烈な女性が登場するところは、どちらも共通しているが。

犯人の追及の過程もさることながら、
途中で子供たちの居場所がわかりかけた後の、
引き込まれ感はすごい。
そして、私は穴に落ちたわけだが。
このラストについては納得いかない人もいるかもしれない。
単純な私は、穴の底でただただびっくりしただけで、
不快感や怒りはなかった。

そして、
雪が降る中、売却されてしまった野球場で野球が始まる場面は、
ぜひ映像化してほしいと思うほど、美しかった。

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2015年11月10日

Posted by ブクログ

・600ページ超え!読むのに時間はかかるがとてもよかった。タイトルの意味に気づいた時涙がこぼれた。

・エピローグで裏切られる




「あたしにあんたを置いていけるわけがないでしょう?」

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2025年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

事前情報なにもなしに読んだのだけど、ずっとホラーじゃないかってドキドキしていました。
なんでそんなにホラーを疑ったかというと、多分、タイトルの「還る」って表記なんじゃないかな。
いかにも「よみがえり」見たいじゃないですか。(個人の感想です)
普通に「帰る」にしてくれれば、怖くなかったのに。

でも200ページまで読んでも、誘拐された少女たちの話が見えてこない。
あくまでも親や警察など、大人の話で。
なので前半しばらくびくびくしながらも退屈でした。

少女たちの状況が見えてくるにつれて、目が離せなくなりました。
たった10歳の少女たちが、自分の知っていること、できることを総動員して、二人で生きて帰ろうとする。

ところが、警察は一連の誘拐事件のパターンでは、一人はすぐに殺される、もう一人はクリスマスの朝に殺されるので、生きているはずの一人だけは早く救い出そうというスタンス。
え?
死体も上がっていないのに、いつものパターンでひとりは死んでいるはずって、決めつけちゃうの?

タイムアウト。
もう一人も殺されたであろうことにショックを受けて飲んだくれる警察署長。
マジか。
ちゃんと探してくれよ。

これはフィクションだからなのでしょうか。
それとも、アメリカの捜査ってそんなものなんでしょうか。

それに引き換え少女たちは本当に健気で痛々しくて。
心も体も傷だらけで、それが癒えることは当分ないのだろうけれど、それも含めて自分を受け入れて成長してほしいと思ったよ。

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2024年06月27日

Posted by ブクログ

積読の中から1冊。いつかクリスマスシーズンに読もうと思っていたけど、結局、今。1999年初版との事。意外と古かった!
少女2人が誘拐され、行方が分からなくなってしまう事件。過去に双子の片割れを誘拐され殺された経験を持つ刑事ルージュが事件を追っていく。警察やFBIの連携の悪さにイライラしつつ(携帯電話もない時代だし余計に)、早く彼女たちを助けてあげてとハラハラしながら読んだ。一方で誘拐された少女たちグウェンとサディは、協力し困難に立ち向かう。
そして最後の最後でどんでん返し。あ〜これは思いもしなかった。クリスマスの奇跡だったのか。少しビターな結末でした。
中盤でルージュが事件を目撃したディヴィッド少年と、グラウンドで野球をするシーンが、いかにもアメリカっぽくて良かった。

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2024年04月29日

Posted by ブクログ

アメリカの作家「キャロル・オコンネル」の長篇ミステリ作品『クリスマスに少女は還る(原題:The Judas Child)』を読みました。
アメリカのミステリ作家の作品が続いています。

-----story-------------
●「近藤史恵」氏推薦――「残酷さと優しさに心を揺さぶられるはず。」
●「浅倉卓弥」氏推薦――「直近の慟哭本です。ラストがこれなら、この厚さに付き合っても納得。」

クリスマスも近いある日、2人の少女が失踪した。
刑事「ルージュ」の悪夢が蘇る。
15年前に殺された双子の妹。
だが、犯人は今も刑務所の中だ。
まさか? 
一方、監禁された少女たちは奇妙な地下室に潜み、脱出の時をうかがっていた……。
一読するや衝撃と感動が走り、再読しては巧緻なプロットに唸る。
新鋭が放つ超絶の問題作!

*第2位「本の雑誌」この10年の絶対おすすめ翻訳ミステリー・ベスト10(「霜月蒼」・「杉江松恋」・「千街晶之」選/2005年10月号)
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1998年(平成10年)に刊行されたノンシリーズ物、、、

『東西ミステリーベスト100』では、海外篇の58位にランクインしている作品… ミステリとしても愉しめ、クリスマスの奇蹟として感動できる作品でした。


クリスマスも近いある日、二人の少女が町から姿を消した… 州副知事の娘「グウェン・ハブル」と、その親友でホラーマニアの問題児「サディー・グリーン」だ、、、

誘拐か? メイカーズ・ヴィレッジ署の警察官「ルージュ・ケンダル」にとって、これは悪夢の再開だった… 15年前のこの季節に誘拐され殺されたもう一人の少女――双子の妹「スーザン」。

だが、あのときの犯人で神父だった「ポール・マリー」はいまも刑務所の中… まさか……。

そんなとき、顔に傷痕のある女「アリ・クレイ」が「ルージュ」の前に現れて言う… 「わたしはあなたの過去を知っている」、、、

一方、何者かに監禁された少女たちは、奇妙な地下室に潜み、力を合わせて脱出のチャンスをうかがっていた……。


600ページを超える長篇で、登場人物が多いので万人向けではないかもしれませんが… 個人的には、とても愉しめた作品でした、、、

捜査する側の立場(これも地域の警察署、州警察、FBIと入り乱れていますが… )からは警察小説として愉しめるし、捕らわれた少女たちの立場からは冒険小説として愉しめるるんですよね… 捜査側は「ルージュ」、捕らわれる側は「サディー」に、それぞれ感情移入して愉しみました。

それにしても… ラスト数ページで物語の様相が一変しましたねー

「サディー」のことにはホントに衝撃的! クリスマスの奇蹟、まさに"クリスマスに少女は還る"でしたね。

この真実を知って、さらに「サディー」のことを好きになっちゃいました… メインのミステリ要素よりも、こっちの方が強く印象に残りましたね、面白かったです。



以下、主な登場人物です。

「グウェン・ハブル」
 聖ウルスラ学園の生徒

「マーシャ」
 グウェンの母。ニューヨーク州副知事

「ピーター」
 グウェンの父

「サディー・グリーン」
 グウェンの親友

「ベッカ」
 サディーの母

「ハリー」
 サディーの父

「デイヴィッド・ショア」
 聖ウルスラ学園の生徒

「ルージュ・ケンダル」
 メイカーズ・ヴィレッジ署の警察官

「スーザン」
 ルージュの双子の妹。故人

「エレン」
 ルージュの母

「ブラッドリー」
 ルージュの父。故人

「チャーリー・クロフト」
 メイカーズ・ヴィレッジ署の署長

「マージ・ジョナス」
 メイカーズ・ヴィレッジ署の職員

「フィル・チャペル」
 警察官

「ビリー・プア」
 警察官

「ハワード・チェイニー」
 検察官

「コステロ」
 州警察の警部

「バディー・ソレル」
 州警察の捜査官

「オズ・アルモ」
 私立探偵。もと州警察捜査官

「アーニー・パイル」
 FBI特別捜査官

「アリ・クレイ」
 法心理学者

「モーティマー・クレイ」
 精神科医。アリの父

「ドッド」
 クレイ家の執事

「ウィリアム・ペニー」
 心臓外科医

「マイルズ」
 ウィリアムの弟。医師

「ポール・マリー」
 神父

「ドミナ」
 神父。マリーの師

「エリオット・カラザーズ」
 聖ウルスラ学園の園長

「ミセス・ホフストラ」
 聖ウルスラ学園の寮母

「ジェラルド・ベッカーマン」
 聖ウルスラ学園の教師

「ジョン・スチューベン」
 犬の調教師

「マーティン・フランド」
 霊能者

「ジュリアン・ギャレット」
 ジャーナリスト

「バーマン」
 上院議員

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2023年06月02日

Posted by ブクログ

知り合いなのにモンスターの正体知らないとか、犬の件の展開など、理解できない処もあるが、読ませるパワーはある。消えた少年たちを思い出した。

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2022年08月29日

Posted by ブクログ

クリスマスストーリーが好きだ。クリスマスに起こる小さな奇跡で暖かい気分にさせてくれる話だ。この小説は少女誘拐事件を追うサスペンス警察小説なのだが同時にクリスマスストーリーである。クリスマス直前に10歳の2人の少女が消えた。政治家の娘グウェンと親友の問題児サディ。15年前双子の妹が誘拐されクリスマスの朝に殺害されていた刑事のルージュ。彼の前に現れた顔に傷のある女、法心理学者のアリは何故か犯行のパターンに拘る。一方囚われ怪我をしたグウェンはサディに励まされ力を合わせて脱出のチャンスを伺う。2人は助かるのか?犯人は誰か?事件を通して苦しみ、翻弄され、あがき、闘う人たちの贖罪のドラマが平行する。ハラハラドキドキの展開で解決後エピローグでとんでもない事実が明らかになり驚愕の奇跡に感動が押し寄せる。すぐにページを戻って読み直したくなる見事なプロット。すべての人に平安を!メリークリスマス

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2020年11月22日

Posted by ブクログ

登場人物がたくさんいてごちゃごちゃするところと,その割に魅力的な人物に欠けるところがあるけれど,たった10歳の少女達の生命の輝きが,特にサディーの一風変わった魅力がこの本の軸だ.精神科医の守秘義務のあり方も考えさせられた.

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2017年12月23日

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少女二人が力を合わせて無事の脱出を祈るように読んでいたが最後の最後に、えっ、そうきたか…どんでん返しくらうとは…マジか~ 
女目線で読むと、ルージュ派(赤毛)or アーニー派(金髪)どっちに惹かれるかってとこですが、私はアーニーかなw アリとも元さやに戻ったようで…って、えっ戻ってなかった?花ことば「友達でいよう」か ん~、アーニーよ、それでいいのか⁉

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2016年11月22日

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ネタバレ

分厚くて、読みきれるのか心配になったけど、癖のある登場人物ばかりのわりにスラスラ読めた。職業倫理を守りすぎ!もう少し融通を利かせれば…と思ってしまった。記念品の隠し場所は、犯人の残忍さが現れていて、吐き気がした。自分より弱い者に手を出すなんて、本当に許せない。
結末は、驚いて読み返した。犬への合図が犯人に届かなかったのは、そういうことか!と納得。
サディーもルージュもアリも、そしていつの間にかアーニーも好きになっていく不思議な物語だった。

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2016年08月29日

Posted by ブクログ

アカン、外国語文学を読めるスキルをもっと磨かなアカン。背景の理解に時間がかかるし、それでもなお理解し切れていないところもあるし。会話分も、日本語なら言外に含まれた微妙なニュアンスまで汲み取れるところが、表面通りの内容しか理解出来ん。結果、主人公たちの感情の機微が追い切れず、最期に準備されたタネ明かしの醍醐味も、存分に味わえたとは言い難い。あり得ない話なんだけど、十分な存在感を持って彼女は存在し、感動と仰天のクライマックス。人気作品というのも納得の充実作とは思うんだけど、上記理由で個人的ベストな作品とは思えず。残念です。頑張ります。

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2015年12月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

少女が二人誘拐された。
一人は副知事の娘で超がつくほどの美少女。
もうひとりは、中の上くらいの家の女の子。しかし、とにかくユニーク、ホラー映画マニアで悪趣味ないたずらもしょっちゅう、およそ正反対の二人だが無二の親友。
実はこの町では10年以上前から何度も類似の事件が起きている。美少女が誘拐され、クリスマスの朝に凌辱された遺体が発見されるというおぞましい未解決事件。
さらに犯人は捕まっているものの類似事件が過去にあり、その被害者は今回の事件を担当することになるハンサムな警察官の双子の妹。
双子と言っても、二人はありえない一卵性双生児の兄妹で離れがたく結びついていた。
彼が優秀な子供たちが集められている学校の寮に入り、離れてしまい妹を救えなかったその時から彼は心に穴を抱えて生きている。
さらに、顔の半分に傷跡がありながらも魅力的な謎の女性博士が現れ、過去の事件も今回の事件も同じ犯人、つまり拘留されている神父は無罪だと主張する。
さらには二人ずつ誘拐されているうちの、一人が犯人の真の目的であり、もうひとりは囮や手段であるため、本命を手に入れた犯人はすぐさま一人を殺す、この場合は美少女はまだ生きているが、もう一人の親友は殺されていると断定する。
しかし、少女たちは二人で犯人の隠れ家から逃げ出そうと手を取り合い模索していた。

この話の魅力の八割はホラーマニアのサディーの活躍に尽きる。
彼女はいい子キャラではない。冒頭は言葉をあまりしゃべられない少年をひどくからかったり、結果的にけがをさせたりしている。
けれど、その少年も彼女の魅力に引っ張られているということが中盤でわかる。
グウェンを溺愛し、彼女に悪影響を与えると引き離したグウェンの娘の友達としては賛成しかねるが、彼女のことが好きだった。
主人公ルージュや少女たちの通う学園の校長はルージュに容疑をかけられたときに、もし自分が少女を恋人に選ぶ嗜好があるならサディーを選ぶという。
サディーの母親が断言するように、皆が彼女を好きになるという魅力的なキャラなのだ。
さらに、その親友グウェンも自分ならサディーを見捨てて逃げてしまうかもと自責の念に囚われたりしながら、必死で脱出方法を考えるやはり勇敢な子供なのだ。
子供だけではない、登場人物はそれぞれ個性的だ。
過去の被害者であるルージュは事件を追いながらも、娘を奪われた怒りですべてを破壊してしまった父の過ちを調べ、母や己の再生へ向かって歩き出す。
他も最初はやな奴と思った人間が実はけっこうロマンティストだったり、強いと思っていた人が過去の傷に苦しめられていたりとミステリーとしてより群像劇として楽しめる。
無実の罪を着せられ、牢獄で性的な虐待を受けた神父の人物造形もすばらしい、普通は彼の心境のうつりかわりなどスルーしてしまうだろう。
ただ、あまりに登場人物が多すぎて混乱してしまうのも確かだ。
犯人もだいたい途中で見当がつく。しかし、犯人の書き込みがほかの人間に比べて希薄だ。

最後にタイトル、特に邦題はすばらしい。

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2015年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

*クリスマスを控えた町から、二人の少女が姿を消した。十五年前に双子の妹が殺された刑事ルージュの悪夢が蘇る。そんなとき、顔に傷痕のある女が彼の前に現れ―。一方、監禁された少女たちは力を合わせ脱出のチャンスをうかがっていた…。巧緻を極めたプロット。衝撃と感動の結末。超絶の問題作*

まさかこういう話だったとは!原題「 囮の子」もいいけど、この邦題には唸らずにはいられない。
「みなさんはあの子を愛さずにはいられなくなるわ」。その言葉通り、ホラー映画フリークの超問題児でやんちゃ過ぎる、勇敢で健気なサディーに心底魅惑された。これは、「少女たち」の救済と贖罪の物語。そして、クリスマスに少女は還る。

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2015年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

サディーのお母さんの「みなさんはあの子を愛さずにはいられなくなるわ」の言葉は、読者にとってもその通りだ。冒頭の登場シーンのサディーの印象はちっとも良くないのに、読み終えてみれば一番魅力的なキャラクターは間違いなくサディー。前半を乗り切れば彼女が活躍する中盤からは本当に面白い。
主人公格の一人美貌の青年警察官ルージュ・ケンダルにそっくりで一心同体の双子の妹スーザンの存在はルージュが少女誘拐の捜査にのめり込む重要なファクター。彼ら双子にまつわる表現にはなにやら背徳的な雰囲気(果たして一般的米国人は妹にAIMMなどと書くものなのか!?)を感じたが別になんでもなかった。考えすぎか。
ルージュが警察官として活躍するシリーズがあったら読みたいと思ったが残念ながらないみたい。

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2015年07月15日

Posted by ブクログ

ひとつ、ひとつのピースがあるべき場所に収まりパズルが完成すると、切ない気持ちがこみ上げた。
虐げられた犬、顔に傷があるアリの謎、双子の妹が誘拐され殺害されたルージュ、そして新たに誘拐された2人の少女。
切ないけど、前向きな様子が窺えたので読後感は悪くなかった。
エピローグでは、「え、サディーはそういうことだったの?」と驚きでしたが、私としては母親が想像した通りだったらいいのにと思ってしまう。
緻密な構成も素晴らしかったけど、物語を引っ張る登場人物たちが魅力的でした。
アリに歪んだ愛情を持つアーニーも最後には好きになっていた。
この作者さんは、女性の刑事を主人公にしたシリーズものを書いているようだけど、そこにルージュが登場したりしないのかな?
他の作品も追いかけたくなった。

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2015年02月06日

Posted by ブクログ

『愛おしい骨』がつまらなかったので、著者の別の作品をと思い、ネットの書き込みでも評価の高いこの本を読んでみた。確かにこっちのほうが数段面白い。

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2017年08月15日

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ネタバレ

第二章(60ページ)まで読んで、もうやめようと思った。
日本語訳が酷すぎるし、(そのせいで)話がよくわからず面白くない。
文庫本で600ページ以上ある小説なので、時間の無駄は最小限にとどめたい。
ってことでとりあえず、解説を読んで終わりにしようと決める。
その解説に書いてあったことは、本書の読者評価が高いということと、監禁されたホラー映画好きな女の子が友達と窮地を脱出するために活躍する、という内容。悪くない。
そして、再読開始。
その後日本語訳もだんだんこなれてきて(第二章まで別人が訳してた?)、ホラー映画の騙しテクニックを駆使して少女たちが犯人を煙に巻く展開を心待ちにして読み進める。

昔の少女誘拐事件で一卵性双生児の妹を亡くした少年は、いつしか地元の警察官となっていた。
そして、今回もよく似た誘拐事件が発生、警察官としての主人公の活躍と並行して、監禁された少女たちの戦いを、かなりリアルに描写してゆく。しかしそこに、奇跡は起こらない。あくまでも、現実の厳しい状況と悲しい結果のみ。とはいえ、一人だけ助かる事実がまた辛い。

少女たちの犯人を欺く八面六臂の活躍からの生還というストーリーを期待していたから、その悲しい結末に驚く。本作は現実離れした面白ストーリーよりも、リアリティ重視の人間模様を優先したミステリーとなっている。
2000年度「このミス」海外ミステリー部門第6位。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

623頁となかなかのボリュームで読み応えもある。だが残念ながらそこまで響かなかった。こればかりは好みや嗜好の問題なので深くは言わないけれど、確かに物語として引っ張る力はあるのだが何となく先の想像がついてしまう。そこまでの分量は必要でなくてもよかったと感じた。

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2025年05月03日

Posted by ブクログ

クリスマス目前に誘拐された少女達の物語。
登場人物が多く理解が大変だが、少女達が懸命に戦う姿、助けたい大人達の奮闘、そして15年前の事件など、どれも続きが気になりスイスイ読めました。
結末には驚愕と感動と喪失感…すごい小説でした。

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2024年04月21日

Posted by ブクログ

そうとも、あの子は死んでいる。そうでなくてはおかしい。

原題は「囮の子」。この邦題は素晴らしい。

誘拐された女の子を、過去の類似事件から殺されることが予想されるクリスマスの日までに助け出せるかが主題になるが、手に汗握るタイムリミット・サスペンスではない。
600ページを超す話だが、警察パートの大半は遅々として進まない捜査の描写にあてられる。それを読むことで、読者も半ば絶望しながらもすがるような思いで我が子を待つ親の気持ちになるのだ。

最後に驚くべき真実が明かされるが、個人的には捜査に参加する法心理学者を巡る謎の結末の方に感動した。

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2020年08月17日

Posted by ブクログ

2015.7.10.とにかく長くて読み終えるのに苦労した。それなのに、一回読んだだけではよくわからない。いつか、再読してからかな…。評価できるのは…。

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2015年07月10日

Posted by ブクログ

前半が退屈で読み始めは苦労した。
脇役が誰が誰だか、て感じになって読み進めるたび戻ったり。。
後半は夢中になって読めた。ラストは感動的。

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2015年03月15日

Posted by ブクログ

長かったー。
訳のせいもあるかと思いますが、登場人物が多く人間関係を追っていくのが大変でした。
でもエピローグは予想外でした!
伏線でもあるかと思いますが、個人的にはもう少し集約してもらいたかったです。

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2015年02月07日

Posted by ブクログ

少女監禁物のは最近色々とやばいな
やや、反則じゃぁ!という犯人だったが、読みごこちが良かったので許そう。

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2021年02月20日

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