あらすじ
ある日、ヒースロー空港のバーで、離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに声をかけられる。彼は酔った勢いで、1週間前に妻のミランダの浮気を知ったことを話し、冗談半分で「妻を殺したい」と漏らす。話を聞いたリリーは、ミランダは殺されて当然と断じ、殺人を正当化する独自の理論を展開してテッドの妻殺害への協力を申し出る。だがふたりの殺人計画が具体化され、決行の日が近づいたとき、予想外の事件が起こり……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の攻防が語られる鮮烈な傑作犯罪小説。/解説=三橋曉
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Posted by ブクログ
海外小説の中でも特に日本作家に近い翻訳でとても読みやすかった。
海外ならではの伏線で翻弄され、女性ならではの心理描写に恐怖心を植え付けられる。
幼い頃に経験したことは、その人の一生をかたどるものになるのだと再認識できた。
Posted by ブクログ
面白すぎた。没入感が半端なくあっという間に読み終わってしまった。解説でも書いてあったけど、クリフハンガーと同シーンのキャラごとの視点のストーリーが良くて引き込まれたね。この作家さんを追うことにします。
Posted by ブクログ
最初から引き込まれて,中盤にはもうジェットコースターに乗っていましたね。一気に最後まで読んでしまいました!最後の最後までドキドキして手に汗握るとはこの事!と言った状況で読んでいました。最後の最後のどんでん返しもスパイス効いていてよかった!
久々に痺れるミステリーを読みました!
Posted by ブクログ
すごく面白かった!
殺すつもりが殺される。追いつ追われつ、全く予想できないスリリングな展開で、連続ドラマにしたら面白そうだなぁと思った。解説に書いてあった映画化はどうなったんだろう。
主人公のリリーは独自の正義(倫理感)を持っているが、リリー目線で読んでいるとそれほどサイコパス感がないというか、不思議と嫌な感じに見えない。ただし、リリーの殺人の理由はやむにやまれて…というよりは、過剰防衛にも思えるが。
全く知らない地名ばかりだけど、リリーの育った郊外、リリーの通った大学、勤務先の大学、テッドの別荘を建設中のリゾート地、いずれも風景描写が印象的。月が海を照らしていたり、殺人の夜が満天の星空だったり、街に林檎酒の香りが漂っていたり。
ラストのリリーの父からの手紙に驚愕。私は、父はリリーの行動に気づいていると思って驚いたのだが、どうだろう?
Posted by ブクログ
ジャンルとしてはミステリーなのだが、犯人は分かってるのでそういう謎解きを楽しむものではない。
むしろ自分が犯人の立場になって、周辺の人物との攻防でハラハラドキドキ楽しむタイプのものかな。
完璧な殺人、のはずが予想外の事が次々に起こって、先の読めない展開になっていく。
第一部はリリーとテッド、第二部はリリーとミランダ、第三部はリリーとキンボールの独白が交代で進んでいく構成もなかなか面白い。
リリーはいわゆるソシオパス、サイコパス、なのだが、それは人間の価値観・倫理観での基準であって、動物の価値観に当てはめると自分に害をなす者を排除する、というのはごく自然、という記述にするっと納得した。
Posted by ブクログ
面白いやん!
まずこの1人1人の話をわけてるのが分かりやすい。
リリーは結局、大量殺人者?
一気に読めました。
まさかテッドが殺されるとは思わなかった。
そして、スパナでどっちが?とハラハラした。面白い。
最後の父からの手紙で、あちゃー!と思った。↑これによってスカッと終われた。
もしくは完全にリリーが逃げ切れてもスカッと終われたかも。他のアリスとかも読むの楽しみ。
Posted by ブクログ
映画ゴーンガールを思い出す。視点が変わり、どんどん真実が明らかになっていく、群像劇的な展開。最後はどうなるかと終始ハラハラで、非常に楽しめました。
Posted by ブクログ
ずっと気になってた1冊。想像以上にバンバン人が死んで、なんだか読み終わって疲れたかも。でも終始ハラハラドキドキで次に何が起きてしまうのか気になって続きを読んでしまうし、びっくりする仕掛けもあったりして面白かった。
リリーの生い立ちには同情するけど、自分に不利益を与える人間が現れるたびに殺していくのではキリがないよ〜と思いながら読んだ。というか登場人物みんな、わりと簡単に人殺しを決意してしまうから誰にも共感はできなかった!笑
Posted by ブクログ
意外な展開にとても衝撃を受けました。一部でテッド(夫)殺されちゃうんですもん。語り手のひとりなのにそんなことある?って思いました。そして二部ではミランダが語り手のひとりとなり…。ああ、だから『そして』が着くのかと思い至った。最後逃げ切れるかと思いきや森が売られてしまい掘り起こされてしまう(もう掘り起こされてる)という最後の最後にどんでん返し。気を抜けない。面白く読みました。
Posted by ブクログ
衝撃的なタイトルに劣らず、内容もなかなか面白かった。こんなに流行ってた本なのに、今まで何の情報も見なかった自分はエライ!
ミステリーの感想ってどう書けばいいのか分からない。ともかく先が読めなくてワクワクした。
Posted by ブクログ
「死体から始まらない本は、どうも信用できないんだよ」
ピーター•スワンソン「アリスが語らないことは」の中の一節だが、ミステリー好きには良くわかると思う。死体から始まらない本は、どうにもノレなくて、、、一人目の殺人が起きるまでが冗長気味で、、、そこが今回、星が一つ少ない理由。
三人目の殺人からは、思いもしない怒涛のストーリー展開。
ラストは身勝手な女に相応しい幕切れなのも気に入った。
彼の作品は、読まずにはすませられない面白さだ。
Posted by ブクログ
痴情のもつれといえばそれまでだが、この小説ではそれぞれの登場人物(特に女性)の立ち位置が複雑になっていて、展開が気になってどんどん読んでしまった。
(ストーリーと関係なしに、アメリカやイギリスの小説を読んでいると、ティーンエイジャー達の生活の治安が心配になる)
Posted by ブクログ
ある日、出会った美女に殺人を持ちかけられたら?
しゃれたタイトルと、あらすじ紹介の2行目で想像したのと似たようなタッチの作品ではありましたが。
展開は予想外で、クール!
空港のバーで、テッドは知り合ったばかりの美女リリーに妻が浮気していると喋り、殺したいと口走ると、当然だと言われる。
妻の名はミランダ。
まさかと思いつつも、再会を約束する二人。
リリーというのが実は、普段は地味な勤めをしている目立たない女性。
テッドは企業家で大金持ち。
ミランダは美人だが気が強く、わがまま。
とはいえ、殺されるほどのことをしているかと言うと、そうでもない。
ただ、現実にも出会ったら、「嫌だな」と思うだろう‥
そういうタイプの存在を、さっくり殺してしまう、というのに、ちょっと笑ってしまうブラック・ユーモア。
動機としては弱いので、罪を犯してもバレず、すぐは捕まらないでいるのも。
こんなことを実行する人間は、普通ではない、サイコパスに違いない。
でも、「嫌だな」という気持ちの中には「こんな奴、いない方がいい」という考えも混じっているかも?
いや、あくまでフィクションなので。
ダークめな犯罪小説だが、視点が変わる面白さや意外性ある盛り上がりがスマートに描かれています。
ミステリの各賞で2位と上位だったのは納得です。
Posted by ブクログ
いつ殺すのかなあってダラダラ読んでいたら、半分くらいで思いもしてなかった事態になって、震えて、それから最後まで一気に読んだ。
一つのシーンを2人の視点で描くのもよかった。主観と客観の違和感を、殺す人と殺される人で描くの天才すぎる。
最後までどうなるか読めないのも、好き。
サイコパスの殺人鬼が主観なので気持ちいい読書ではなかったけど、完成度高すぎる。傑作であることは間違いない。
Posted by ブクログ
おもしろかった!
導入部から最後の一文まで、
緊迫感が途絶えることはなかった。
最近読んだミステリーの中では
群を抜くストーリー展開の素晴らしさ。
(ただし、少々アダルトな展開も多めなので、
ああ、また始まったかー、な所もなきにしもあらず)
タイトルの「そしてミランダを殺す」の通り、
最初はどんなふうにこの殺人が行われるのかという興味がメインだったのが、徐々に
登場する女性たちの頭脳戦にワクワク。
語られることのない結末までもが
なんとも言えない余韻を残した。
※全くの余談ですが、最後の方に出てくる弁護士の名前が「ステファニー・フリン」で、ポー&ティリーシリーズ大好きのわたしは同姓同名の登場に思わず叫んでしまった!
Posted by ブクログ
同作家の「アリスが語らないことは」
を読んでからすぐに読み始めたので
地名や設定など、ところどころ似ていて
ちょっと困惑。
早々にテッドが殺されてびっくり。
リリーは人間的には理解できなかったけれど
つい感情移入してしまいハラハラドキドキ。
うまく逃げおおせたと思いきや
結局最後はつかまるフラグがたってしまった。
「アリス〜」にも書いてあった
シェパードパイを作りたくなった。
面白かった
既出のスワンソン氏邦訳本のなかでは一番楽しめた。
俗な視点から
氏の作品の特徴として感じることは、
1)死人がやたらに多いこと。
2)主人公・サブ主人公の女性が皆、美人でスレンダーもしくはスタイル抜群であること。
(金髪率多し。昭和感のあるステレオタイプの美女。笑)
3)いかなる理由があれ、殺人を犯した者を許さないこと。
(デビュー作「時計仕掛けの恋人」を除く)
今後の作品の翻訳が待たれる。
Posted by ブクログ
男女4人による殺人狂躁曲 - ピーター・スワンソン「そしてミランダを殺す」 ★★★★☆
「ソシオパス(反社会性パーソナリティ障害)」という言葉は初めて聞きました。よく聞くような「サイコパス」は先天的なもので、「ソシオパス」は後天的なものになります。
あまりソシオパスになった原因をはっきり記載していないので、「サイコパスじゃね?」って気がしますが、本文上ソシオパスとなっているので、それにならいます。
最終的なオチはアメリカっぽくて皮肉が効いていていいのですが、その手前の墓地のシーンはいらないだろ。そこまで完璧にしてきたのにあまりに雑すぎ。もったいない。
中盤のネタは、日本では実現できない表現の妙をついていて魅力的です。違和感があったので読み直してよかった。
Posted by ブクログ
空港のバーで出会った女と妻の殺人の計画を立てるという話。
全体的にジメジメしたような雰囲気でどこか不気味な感じがよかった。
ミランダとフェイスが同一人物だと分かった時はかなり驚いた。
終わり方が好き。
Posted by ブクログ
全く前情報なしに買ってみた本作。
帯に「最低でも3回の驚愕を保証」とあるが、「え!?(大)」が1回、「え?(小)」が1回の計2回でした。
確かに面白いが、「恋愛サスペンス系(解説によれば犯罪小説)」「性的描写が多い」という自分の苦手要素がギッシリだったため、その点が面白さからマイナスされる、という印象。
特にこれまで古典小説ばかりを読みまくっていたこともあり、現代的な性的描写の多さとストレートさには辟易してしまった。
「セ○クス」「体位の描写」「股」「股間」「ペ○ス」「キ○タマ」「立たない」「胸が云々」「○慰」などが、最初から最後まで一定間隔でワードや描写として出てき続ける。
そういう描写書きたくて無理矢理本文に入れてるだろwと思うレベルで出てくるため、その点が残念。
個人的には「感情」や「人間関係」よりも「物」や「事実」を重視したきっちりサッパリした作品の方が好きなので、ピーター・スワンソン氏の作品が全て本作のような傾向なら次作以降は読まないかもなあ、と思ってしまった。
逆に、本作のような性的描写オンパレードな作品でなければ次作以降も読んでみたい。
というのも、話としては普通に面白かったので。
Posted by ブクログ
最初は読みにくさからなかなかページが進まなかったけど、中盤あたりからなんとなくスイッチが入ってやっとはまった感。さほど登場人物は多くないので混乱はしないで読めた。たまに視点が切り替わって語られるので、状況はわかりやすかったかな。
これからも海外ミステリはちょっとずつ読んでみようっと。
Posted by ブクログ
先日読んだ『自由研究に向かない殺人』内で本の紹介を見て読みました。
“空港でたまたま出会った人に妻の浮気を知ったことを話す。奥さんを殺す協力を申し出て…”。気になる物語ですぐ読み終わってしまった。
主人公の目線になりつつも、最終的には罪のある人はそれなりの報いをうけるという結末で後味はスッキリ。(最初に殺された方は微妙ですが)
ウィノナ・ライダーやナンシー・ドルーの登場にちょっと親しみを覚えたりして。(ナンシー・ドルーは子供向けなんですね、知らなかった)
Posted by ブクログ
最初から犯人がわかっている、いわゆる「古畑任三郎」方式の倒叙ミステリー。このジャンルはいつか触れたいと思っていたのですが、たまたま手に取った本書がその方式でした。
タイトルからミランダが殺されることはわかっているものの、第一部の終わり、そして第二部の始まりは衝撃でしたね〜。ただ、予想するストーリーとは尽く異なる方向に進み、最後の最後まで安心できませんでした。最後もね……あれはジ・エンドといっていいでしょう。
犯人がわかっているのに何を楽しむのか最初はわからなかったのですが、なるほど犯人の思考回路はこうなっているのか!と新鮮な感覚でした。
それでも、読み進める中でやはり待ち望まれたのは警察(真相を解き明かすもの)の存在。
リリーの最初の殺人はまだわかるとしても、それ以降については、殺人という一方的な暴力を押し付けたことへの怒りは否定できません。正直、浮気しただけで彼氏を殺すような女がそのへんを出歩いてるの、怖すぎる……(しかもアナフィラキシーショックを使うなんて!)。
解説ではサイコパスへの言及もありましたが、同じルールを共有している前提の社会で、独自のルールを押し付けてくる存在は一市民からしたら恐怖でしかありません。そういう意味では、以前読んだ『ザリガニの鳴くところ』の主人公と似たものを感じました。
そして四人目の語り手として警察が出てきたと思ったら、優秀かもしれないけれど下品な詩を作り、個人的な妄執で尾行を始めちゃうんだから……おいおいリリーはこのまま野放しか?と本当にハラハラしました。
一応の決着はついた形ですが、終盤に両親と仲を深めるシーンがあっただけに胸が痛みます。まあたぶん、リリーは両親が悲しんでもなんとも思わないのでしょうが……。
現代ミステリーはあまり読まないのですが、それは必要以上にシリアルキラーだったり性的な描写が多いからだなぁと改めて感じました。
それが物語を刺激的にするのかもしれないけれど、私はもっと奥ゆかしいミステリーが好きですねぇ。面白さとは別のベクトルで、好みの問題です。
もう一人現代作家で気になっているのが、『ボーン・コレクター』で有名なジェフリー・ディーヴァー。
彼も本当に面白いと有名ですが、(物理的に)痛い描写が多そうで、なかなか勇気が出ずにいます……。むむむ。
Posted by ブクログ
第一部はダラダラ読んでいたけど、第一部ラスト〜最後までは続きが気になる展開で面白く一気に読み進められた。
ただモノローグを担う男女4人が全員好きになれず、そのためラストも不完全燃焼感があった。
Posted by ブクログ
★3の下。
空港で知り合った男女の殺人計画。その行く末と真実は。
タイトルが印象的。
原題はThe Kind Worth Killing
英語知らんから意味わからん。
「そして」でも
「ついに」でも
「やっと」でも
「とうとう」でも可。
「それから」なら不可。
目的はあくまでもミランダであり、しかし時間の経過はあるもののそれほどの執念もない。
結局「そして」でいいのか(笑)
キャラクターはわりと好き。
長く感じるけど終盤は良い。
ラストも。
少し古い感はあるが皮肉っぽい切れ味があって好感が持てる。
昔のオーソン・ウェルズ劇場なんかを思い出したな。
いや、懐かしい~。オープニングが怖かったな。
Posted by ブクログ
前から気になっていたもの。男女4人の視点で語られる。(終盤は刑事視点も)ラストの手紙はあの罪がいずれさらされることになるという提示かな。破滅ということかしら。
Posted by ブクログ
詰まらなくは無いけど、物語が退屈、殺人計画も杜撰で運が良いだけ、今までの人生が上手く行き過ぎなんだよね。
最後のおちは確かに「太陽がいっぱい」を彷彿させる。
少し期待外れだった。
ミステリーをあまり読んだ事が無い人に薦めるには丁度良い作品。
Posted by ブクログ
さっと読み進められるミステリー。殺人の動機や真犯人の性格描写が、共感はできないが、リアリティがなくはない。周囲の環境が異なれば、防ぐことができたのだろうか。ミステリーとして楽しむよりも、犯罪心理の難しさに感じ入った。
うおぉーそうきたかー!!という最後です
途中で出てくる人の悪意にやられて気持ち悪くなり、後味悪く終わるのかと思わせて…です
決してスッキリメデタシメデタシではありませんが、溜飲は下がる感じですので頑張って最後まで読んでいただきたいと思います
続きが見たいよー