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Posted by ブクログ
すごく面白かった!
殺すつもりが殺される。追いつ追われつ、全く予想できないスリリングな展開で、連続ドラマにしたら面白そうだなぁと思った。解説に書いてあった映画化はどうなったんだろう。
主人公のリリーは独自の正義(倫理感)を持っているが、リリー目線で読んでいるとそれほどサイコパス感がないというか、不思議と嫌な感じに見えない。ただし、リリーの殺人の理由はやむにやまれて…というよりは、過剰防衛にも思えるが。
全く知らない地名ばかりだけど、リリーの育った郊外、リリーの通った大学、勤務先の大学、テッドの別荘を建設中のリゾート地、いずれも風景描写が印象的。月が海を照らしていたり、殺人の夜が満天の星空だったり、街に林檎酒の香りが漂っていたり。
ラストのリリーの父からの手紙に驚愕。私は、父はリリーの行動に気づいていると思って驚いたのだが、どうだろう?
Posted by ブクログ
2023.2.20
先日、だからダスティンは死んだを読んで
スワンソンの世界に魅了されてすぐこれを手に取った。
めちゃくちゃ面白かった〜
ミランダの死に際は呆気なかったけど、
人が死ぬ瞬間ってこういうモンなのかもな
最後、終わり方がゾクゾク。
今年本国で続編出るみたいなので、
日本でも早く読めますように。
リリーとキンボールがどうなるか、、楽しみ。
Posted by ブクログ
空港で謎の美女リリーに声をかけられた実業家テッドは妻の浮気を目撃したこと、「彼女を殺してやりたい」という秘めた想いを告白する。本気ではなかったはずのその思いはリリーによって実現可能な「計画」へと変わっていく。
いやー、面白かった!なぜリリーが協力するのか、そして彼女の過去と、気になる要素はあるものの正直前半までは前振りといった感じ。
それが後半、ミランダの視点が加わることで一気に面白さが高まっていき、リリー、ミランダ、ブラッドが集まる新居での対決は深夜でしたが眠気が吹っ飛ぶほどの緊張感と解放。まさに手に汗握りました。
恐らくリリーはサイコパスなどに分類される人物。悪とみなせば殺人にも倫理的な抵抗を感じない冷静かつ頭の回転が速い女性。
間違いなく受けつけない方もいると思いますが、私は正直彼女にかなり肩入れ、というかめちゃくちゃ応援しました。
リリーが悪と判断する人って確かに私から見ても最低なんですよね。もちろん、そんなことで「殺していい」とはならないんですが、彼女の悪に対する強い憤りは理解できる。そこへ持ち前の頭脳と動じない胆力で殺人を成功させていくのはクールだし爽快感すら覚えました。もし、彼女が無差別に自分の利益の為に殺す、または快楽殺人者なら感情移入は到底できないんですが、殺人という選択肢があるだけの”愛と平穏を求める女性”なのが魅力的でした。
だからこそ、終盤に彼女が自分の自由の為だけに刑事を手にかけ、それすらも乗り切ったと思いきやのあの手紙に、やっぱりそうなるよね...と。正直私は彼女に逃げのびてほしかったんですが、あそこで全てが明るみになることで広がる物語の余韻に、やはりあるべき最期だったのだと思わされました。
誰にでもおすすめ!とは言えない物語ですが私には大ヒットのエンターテインメントサスペンスでした。
Posted by ブクログ
空港で出会った男女。
偶然の出会いの中、男は妻の浮気の件を話し2人は殺人計画を立てていく。
語り部が交互に描かれるミステリー。
テッドとリリーの共犯殺人ものと思いきや、途中でテッドが逆に殺されたところから急に舵を切り物語に引き込まれていきました。
過去と現在を取り混ぜて描く構成が絶妙。
主人公はテッドとリリーの2人と思いきや、真の主人公はリリーですね。リリーはサイコパスと呼ばれる部類なのでしょうか。彼女視点から描かれるため、当然のように描写され麻痺していく感覚があり怖く感じた。
最後の結末も見事。具体的に書かずに想像させる結末が良かった。
Posted by ブクログ
二転三転して面白かった。
最初はミランダは殺すほどか?と思ってたけど、テッドが死んでフェイスだとわかったあたりで、やっちまえに変わり、だんだん、いやまあもうみんな捕まれよという心境で、最後の最後、やっぱ逃げ切れるなら逃げ切って、だって警官キモいと思ったらあのラスト。手紙で知らせるのが最高に良い。
警官は最初、どうとも思ってなかったけど、リリーに執着したあたりで気持ち悪いなと思った。その気になる、というのは容疑者として、それとも容姿が?ごっちゃになってない?純粋に犯人を追いかける以外の感情が気持ち悪かった。
リリーは、アリス同様、こういう美人書きたいっていうのが伝わってくるし、またかって思った。
美青年が犯罪おかすとなると、あんまウケないのかな。ハイスミスと被るのかもしれない。『太陽がいっぱい』とか。
リリーがちょくちょく他人を必要としない、と内心考えるところが良かった。他人とのきやすい関係が好きじゃないんだろう。彼氏も作ってみたものの、心の底から信頼してたわけじゃなさそうだなあと思ったし、エリックの性格を考えるとだるそう。
とりあえずまあまあ面白かったから、ダスティンも読んでみたい。
Posted by ブクログ
同作家の「アリスが語らないことは」
を読んでからすぐに読み始めたので
地名や設定など、ところどころ似ていて
ちょっと困惑。
早々にテッドが殺されてびっくり。
リリーは人間的には理解できなかったけれど
つい感情移入してしまいハラハラドキドキ。
うまく逃げおおせたと思いきや
結局最後はつかまるフラグがたってしまった。
「アリス〜」にも書いてあった
シェパードパイを作りたくなった。
Posted by ブクログ
話者が切り替わるタイプのサスペンス。富豪のテッド、その妻ミランダ、謎の女リリー、刑事のキンボール。妻の不貞に気付いたテッドは、妻と浮気相手への殺意を偶然出会ったリリーに告白する。認知バイアスや認知の歪みが当事者の視点から感じられる。悪事を正当化する思考。飼い猫を守るために野良猫を殺す。親に相談しても解決しないだろうから、気持ち悪い居候の画家を殺す。ダンスパーティで恥をかかせたので、死ぬほど怖がらせる。自分を裏切って浮気した相手は殺す。どうせいつかは死ぬのだから、自分が殺してもいい。エスカレートする行動とその終焉。
面白かった
既出のスワンソン氏邦訳本のなかでは一番楽しめた。
俗な視点から
氏の作品の特徴として感じることは、
1)死人がやたらに多いこと。
2)主人公・サブ主人公の女性が皆、美人でスレンダーもしくはスタイル抜群であること。
(金髪率多し。昭和感のあるステレオタイプの美女。笑)
3)いかなる理由があれ、殺人を犯した者を許さないこと。
(デビュー作「時計仕掛けの恋人」を除く)
今後の作品の翻訳が待たれる。
Posted by ブクログ
途中でミランダを殺す人が変わるんだろうなと気付いた時にはワクワクした。警部が出てきてつかまるのか?とも。しかし、そうはならない。のに、ラストの父からの手紙で終わるという…。ゾクっとする読後感。