務台夏子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
後半からの盛り上がりが、すごくおもしろかった!
酒と金と男にだらしない母親に翻弄される大学生ジョーが主人公。大学の課題で年長者の伝記を書くことになったジョーは、30年前に残酷な犯罪を犯して服役、今は末期がんで施設に仮釈放中のカールにインタビューすることにしたのだが、どうも冤罪ではないかと思うようになり・・・
聡明なガールフレンドと愛らしい自閉症の弟と一緒に事件の絡まった糸を解いていく。
誰もが抱いて秘密にしている過去が、少しずつ事件の解明に導いていく流れが見事。
読んでいくうちに冴えない主人公のジョーがとても魅力的に思えて来る。無鉄砲で軽率な行動がいくつもの窮地を呼ぶのだが、ハフハフしなが -
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Posted by ブクログ
ネタバレアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』へのオマージュでありながら、
登場人物は集まらず、孤島にも行かず、クローズド・サークルにもならない──
その構造自体がとても斬新でした。
一方で、犯行動機にはまったく共感できず、
自分の行いを完全に棚に上げているように感じられたのも正直な印象です。
物語は、1人ずつ人が減っていく過程が淡々としているようでありながら、
それぞれの人生が突然、他人の手によって断ち切られていく点では非常にドラマチックでもあり、
結末に至るまでの展開は大変読み応えがありました。
この緊張感の持続こそが、ピーター・スワンソン作品の魅力なのだと感じました。
↓この下読む -
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Posted by ブクログ
キャロル・オコンネル著、務台夏子訳『クリスマスに少女は還る』(原題:JUDAS CHILD)のレビューです。
600ページを超える長編で、読むのが大変でしたが、読み終わったときの達成感と余韻はなかなかのものでした。
序盤から中盤にかけては、登場人物が多くて名前が覚えられないとか、誰が大切なのか分からなくなるとか、海外文学あるあるの読みにくさはあります。
・過去に双子の妹を事件で亡くしたルージュが主人公ポジションですが、この本の真の主役は、サディーとアリ・クレイでしょうか。
・今回行方不明になった二人の少女のうち、グウェンは裕福な政治家家庭の可愛い娘で、サディーはその親友でぶっ飛んだ性格。 -
Posted by ブクログ
ネタバレジャンルとしてはミステリーなのだが、犯人は分かってるのでそういう謎解きを楽しむものではない。
むしろ自分が犯人の立場になって、周辺の人物との攻防でハラハラドキドキ楽しむタイプのものかな。
完璧な殺人、のはずが予想外の事が次々に起こって、先の読めない展開になっていく。
第一部はリリーとテッド、第二部はリリーとミランダ、第三部はリリーとキンボールの独白が交代で進んでいく構成もなかなか面白い。
リリーはいわゆるソシオパス、サイコパス、なのだが、それは人間の価値観・倫理観での基準であって、動物の価値観に当てはめると自分に害をなす者を排除する、というのはごく自然、という記述にするっと納得した。
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Posted by ブクログ
面白かった。ピーター•スワンソンは私には合う作家なので、読み始めから終わりまでずっと読んでて心地良い読み心地だった。
話も細部まで考えられていて良かった。単純な動機じゃ無いところがピーター•スワンソンらしい。
本当にミステリーが好きな作家さんだなあ、と思わせられるところが沢山あり、そこもやっぱり好き。本が好きで沢山読んできたんだなあ、と思わされる描写が随所にある。
何故か今までのピーター•スワンソン作品に比べて穏やかで、平和な終わり方に感じた。最終的な結果は全然穏やかじゃないし、むしろ酷いのに、穏やかな事件に感じる不思議。
次回作も楽しみ。 -
Posted by ブクログ
ジェレミーに再び会いたい*( ᵕ̤ᴗᵕ̤ )*
と思って、先日「償いの雪が降る」を読んで即ポチした作品。
続きの作品なのかと思ったら、やんわり続いているけれど、今回はリーガル小説と言っていいんじゃないかな?
舞台は法廷でした。
高級住宅街で女性ジェネヴィエヴが殺害される。容疑者は夫で弁護士の ベン・プルイット。
プルイットは潔白を訴え、旧友で大学教授に転じていた弁護士 ボーディ・サンデスに弁護を依頼。
前回も出てきた刑事マックスと、マックスの友人である弁護士のボーディが、互いの正義の為に陪審裁判に臨む。
翻訳本なのに、この作者様の本は滅茶苦茶読みやすい!私が続けて読めるのだから(笑) -
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Posted by ブクログ
エスケンス3冊目。
本作は『償いの雪が降る』に登場したマックス・ルパード刑事と、ボーディ・サンデン教授が主役である。
警官と弁護士でありながら厚い友情で結ばれていた2人が、刑事裁判において敵同士となる。
注目すべきは、どちらもそれぞれが信じる正義のために戦っているということ。著者の作品はどれも、登場人物達が正義のためにどこまで自分を犠牲にして向き合えるのか、彼らがどう成長していくのかといったことがテーマとなっている気がする。
心が抉られるような事実が明かされたとしても、マックスとボーディが苦しみながらも奮闘し、自身が納得できる結末を迎えた姿に、読後は清々しい気持ちになれた。 -
Posted by ブクログ
私にとっては4作目だが、アレン・エスケンスの翻訳2作目に当たる。と、後書きを見て気付いた。
主人公は2人。マックス・ルパート刑事と、ボーディ・サンデン弁護士。友人でもある2人が、ある殺人事件で対立する。今までは若者が主人公だった分、爽やかで初々しい気持ちになったが、今回は、中年の彼らがそれぞれ背負ってしまった人生の重みが読んでいて苦しい。特にマックスは最愛の家族を亡くして立ち直れず、その隙をボーディに突かれ、どんどん追い込まれていく。
2人が全力でそれぞれの正義で戦っているのだが、アメリカの法律の理不尽さ(規則ともいう)もやるせなく、一体この話はどういう風に決着するのか、先が全く読めなかった。