務台夏子のレビュー一覧

  • 時計職人の娘 下

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    大好きなケイト・モートンさんの最新作〜
    2017年、アーキビストとして働くエロディが見つけた古い肩掛け鞄…
    そこに入っていたスケッチブックに描かれていたのは、事故死した母親が幼い頃、寝る前に語り聞かせてくれていたお話の館そのものだった!
    そして美しい女性の1枚の写真
    彼女は一体誰なのか?

    時代を行き来しながら物語が進むのは彼女の作品の魅力だが、今作はなかなか作品に入り込めなかった…
    19世紀の芸術家たちの時代と現代の2017年を行き来するのに加え、時系列もバラバラ、そして登場人物の多さ…
    さらにバーチウッド領主館という館自身の視点が語り手が加わり、もう大混乱…(笑)
    これはどうなることか…
    と思ったが、いつものようにそれぞれの時代の人物相関をメモしながら読み進める…
    そして少しずつ散りばめられたパズルが埋まっていく…
    さらに下巻に入ると次々に物語の核となる事件の真相が明かされていく 
    そして悲しい運命を突き付けられるのだ
    なるほどそういうことだったのか!
    さすが、ケイト・モートン!
    しかし、その真相はあまりに辛かった
    誰かの保身が誰かを傷つける
    そしてそれが取り返しのつかないことになる
    なかなか受け入れられず、読後もそれについて考え続けてしまった…
    でもきっと歴史は誰かの沈黙の上に成り立っている
    そしてその犠牲の上に今があるだ
    エロディの未来も…

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    2026年10月16日
  • 時計職人の娘 上

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    時代や登場人物が度々入れ替わる、語り手が代わるという内容に読み手は惑わされるかもしれないけれど、全体を流れるテムズ川の流れに乗るように物語の展開にゆったりと身を任せた。

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    2026年10月15日
  • 時計職人の娘 下

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    読み終わると館が主人公で、館の祝福を受けた人々の世代を超えた交流の物語だったんだと分かる。(作者さんがあとがきで解説しておられる)
    この感覚は、旧い館が残るイギリス(ヨーロッパ?)の文化だなぁと憧れる。日本でいうと座敷童?←屋敷には付かないから違うか
    盗難も殺人もありミステリでもあるんだけど、とても豊かな物語でした。文学。真相を追って読み飛ばしちゃうと勿体ない、大切に読みたい作品だと思いつつ、若い恋人たちが辿った顛末が気になってしまい、一気読みしてしまいました。。

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    2026年10月11日
  • たとえ天が墜ちようとも

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    ボーディとマックス、友人同士の二人の物語

    ある女性の殺害から始まる法廷劇
    理不尽に妻を失ったマックス、過去に依頼人を死に至らしめたボーディ…
    二人の苦悩と疑惑の容疑者ベン

    「たとえ天が墜ちようとも」貫かねばならぬ彼等の正義とは
    その果てに何があるのか…救済か、さらなる闇か…

    畳み掛ける終盤の展開にすべてが崩れ落ちていく様を見る

    ボーディとマックスのラストシーンの余韻に浸る

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    2026年09月29日
  • 償いの雪が降る

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    主人公の青年ジョー・タルバート
    彼の葛藤と実直さと無鉄砲さとありきたりな若者らしさに青春の輝きを感じる
    飲んだくれのどうしようもない母親、そのどうしようもない交際相手、自閉症の弟、淡い恋心を抱く隣の彼女…
    様々な重荷を背負う彼に人生の転機が訪れる

    ヴェトナム戦争が変えたある男の人生、ジョーが心に沈めた祖父への後悔
    彼らが葬り去ろうとしたものは何だったのか

    三十年前の事件が繋ぐ二人の物語

    前半はジョーの周囲のゴタゴタ、カールの重い回想
    後半は謎が徐々に解け、スリリングな展開で緊張感が高まる
    死にゆく男が最後に望んだ雪
    ヴェトナムのクリスマスと監獄の中では見ることができなかった雪

    ジョー・タルバートの傷と成長の物語

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    2026年09月28日
  • 時計職人の娘 上

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    著者はミステリー系の作家であるらしく、本書も一応ミステリーとして刊行されているようだが、なかなかの難物である。
    巻頭に置かれた「読者へ」という章で説明されているように、本書は“バーチウッド領主館”なる建物にまつわる物語だ。1862年にこの屋敷で起きたある事件を、様々な時代、複数の登場人物たちの目を通して、重層的に追っていく。人々の関係は(まだ)明快に示されず、わからないまま読み進めるしかない。
    時計の文字盤が描かれた章の一人称の語り手はいったい誰なのかが気になる。
    下巻へ。

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    2026年09月23日
  • あの夏が教えてくれた

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    アレン・エスケンスの作品は「償いの雪が降る」「たとえ天が堕ちようとも」に続いて三冊目だけど、相変わらず上手い。
    両作に出ているボーディ・サンデンの少年時代のお話で、最初はこの手の作品によくある展開でまたかと思ったけれど、途中ある人物の真意がわかってからは一気に作品の世界に入り込めました。
    後半のアクションシーンも中々の迫力で最後まで退屈させない青春ミステリーの良作。
    やっぱり少年少女が成長するお話は好きだな。

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    2026年09月23日
  • 時計職人の娘 上

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    ネタバレ

    待ちに待った、ケイト・モートンの新作! 何年か前に原作が出たと知り、それからずーっとずーっと翻訳が出るのを待ってた。やっと出た。まずは好物の館物。そして時代、人物が複雑に入り組む構成も好物で、楽しく読んでいる。下へ。

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    2026年09月06日
  • そしてミランダを殺す

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    ネタバレ

    3部構成の長編小説。
    各部が各章に分かれており、1部では主人公リリーとテッドの目線が章ごとに入れ替わり、2部ではリリーとミランダ、3部ではリリーとキンボールに入れ替わり物語が進んでいく。

    2部に入ったとたんにビックリさせられ、物語が進につれ想像通りではない展開で、最後はほっとしたはなから、驚かされる。






    空港でたまたま知り合ったテッドからリリーは妻の浮気の話を聞かされ、テッドはリリーの助言により妻を殺害しようと計画を立てる。
    2部の冒頭でリリーは偶然を装いテッドと知り合ったと思っていたが、テッドの妻ミランダを学生時代から恨んでいたことが分かり、テッドを婚約者として以前ミランダから紹介されていた事が分かる。

    テッドは妻を殺害する前に反対に妻の浮気相手により殺されてしまう。
    リリーはこの浮気相手を使ってミランダを殺害し、この浮気相手を自分の手で殺害する。

    計画は上手くいったように見えたが、刑事のキンボールに疑われ、刑事をナイフで刺してしまい逮捕されるが、裁判で勝てそうな見込みになったところで、最後の最後に父親からの手紙の追伸で、死体を隠した井戸が取り壊されること知る。

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    2026年08月14日
  • 9人はなぜ殺される

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    ネタバレ

    誰か探偵役が出てくる訳でもなく、FBIや地元警察が大活躍するわけでもなく、淡々と物語が進み、次々と人が殺される。一部を除いて被害者同士が顔を合わせることも会話することもないし、「殺されるかもしれない」という恐怖とも、ほぼ無縁。
    普通に生活してたはずなのに、気付いたら殺されていたという感じ。
    殺人の動機もちょっと納得いかないかな。それやってどうする?という感じがした。
    それでも私は面白く読んだし、他の作品も読んでみたいと思う。
    サクサクと物語が進むので、一気読みできる小説だと思う

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    2026年08月10日
  • そしてミランダを殺す

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    クライマックスが最高の盛り上がり。
    終わりかたも痺れた。

    全然違うけど、寝る間も惜しんで読み耽ったシドニィ・シェルダンをまた読みたくなった。

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    2026年07月24日
  • 9人はなぜ殺される

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    限りなく☆3に近い☆4。
    共通点がありそうもない9人にリストが送られ、1人ずつ殺されていく。登場人物それぞれの視点で描かれるプロットは正直かなり複雑で難儀だったものの、古典オマージュながら被害者を記号化しない手法は好感が持てる。
    動機や方法(○○○が登場したときはあまりに興醒めして読むのをやめようかと思った)はかなり強引でご都合主義的なところもあり、これが評価を落とす要因にはなりそうだ。私自身としてはそこよりも、一番最後の章が本当に不要だと思った。全くもって蛇足。

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    2026年07月18日
  • そしてミランダを殺す

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    沢山の殺人と駆け引き。
    ラストの幕引きも良い!

    ピーター・スワンソンは、謎多き魅力的な女性を書くのがとても上手い!

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    2026年06月28日
  • アリスが語らないことは

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    過去:なんだかんだ読むの止まらなくなって、ドロドロだと思いながら読み進めた記憶。ここからピータースワンソンにハマる。

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    2026年06月22日
  • 8つの完璧な殺人

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    最後まで一気に読み切り。ミステリー専門書店憧れるな。クレアとの関係性なんとかならなかったのか…分岐がいろいろあった気がする。悲しい結末だった。

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    2026年05月31日
  • 8つの完璧な殺人

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    ページをめくって目に飛び込んでくるのは、ある注意書きだ。
    「この本は複数の本のネタバレをしています(意訳)」

    作中にはアガサ・クリスティやハイスミス、あるいはA・A・ミルンなど、実在するクラシック・ミステリーの名作が実名でバンバン登場する。
    それらのプロットを現代の事件にどう落とし込んでいるのか、というオマージュが本作の特徴だ。

    私がネタバレリストの中で、知っているのはアガサ・クリスティだけだった。
    だから気にせず読み出した。
    しかし、途中で有名作品のとんでもないネタバレをくらい、衝撃の大きさに笑ってしまった。

    めっちゃネタバレしてくるじゃん!!!
    (注意書きに書いてあるのだから当たり前)

    アガサ・クリスティ未読の方は注意が必要です。

    ミステリーをたくさん読んできた人はもちろん、あまり詳しくない人でも楽しめる一冊。
    おもしろかった!

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    2026年05月31日
  • 9人はなぜ殺される

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    ある日、アメリカ各地に住む9人に各々の名前の入った人名のリストがおくりつけられる。
    そしてそのリスト上の人物が1人また1人と殺されていく。

    いかんせん9人の話が並行してバラバラに始まるわけだから"この人誰だっけ?"がなかなか解消されず、巻頭の登場人物紹介に何度も戻ることになる。
    それはさておき、終盤にかけて一気に話が収束していき最後に犯人の告白文が見つかる、という王道ストーリー。それでも
    ドキドキさせられてしまうのは流石のひと言に尽きる。あぁ、後半は一気読みだったな。

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    2026年05月19日
  • そしてミランダを殺す

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    特にクライマックスが最高の盛り上がり。
    終わりかたも痺れた。

    全然違うけど、寝る間も惜しんで読み耽ったシドニィ・シェルダンもまた読みたくなった。

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    2026年05月06日
  • 9人はなぜ殺される

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    自らのもとに、自らとそれ以外の8人の名前が入ったリストが送られてきて、それらが、1人ずつ殺されていく。誰が?なぜ?が、前半、全く明かされないが、終盤で突然、カーテンをサっと開けられるように闇が解け、謎が解決される。違う意味でサプライズを受けた。

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    2026年04月14日
  • そしてミランダを殺す

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    ネタバレ

    今年はひと月に1冊は海外ミステリーを読むという目標を立てたものの、『ハウスメイド』のようにさくさくというわけには行かず。驚異の読みやすさだったそれと比べると、まずこれは字が小さい。果たしてどれぐらいの日数がかかるのかと心配していたら、なんちゅうことありませんでした(笑)。

    第1部の最後では「マジ!?あんたが死ぬんかい!」と唖然とし、あとは寝る間も惜しんで読みたくなる。但し、気持ちの良い話ではなく。最初の殺人ではリリーに肩入れしたくなったけど、彼女も含めてどこか好きにはなれない登場人物ばかり。刑事もキモすぎてゾッとします。

    最後の最後に苦笑い。嫌な感じがちょっと癖になりそう。

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    2026年03月26日