あらすじ
大学卒業を数日後に控えたある日、ハリーは父親が事故死したという知らせを受ける。急ぎ実家に戻ると、傷心の美しい継母アリスが待っていた。葬儀の翌日、ハリーは刑事から意外な話を聞かされる。父親は海辺の遊歩道から転落して死亡したが、その前に何者かに殴られていたという。しかしアリスは父の死について話したがらず、ハリーは疑いを抱く。――これは悲劇か、巧妙に仕組まれた殺人か? 過去と現在を行き来する2部構成の物語は、ある場面で、予想をはるかに超えた展開に! 『そしてミランダを殺す』の著者が贈る、圧巻のサスペンス!/解説=吉野仁
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Posted by ブクログ
ただのサスペンスではなく、ゾワゾワするような怖さ、サイコみがあってそれでいてセクシャルなサスペンス。過去と現在を交錯させて、小説ならではの仕掛けがある。最近こういう終わり方の物語を読んでなかったから面白かった!
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ピーター・スワンソン、3作目。
ミランダ、ケイト、アリスと来ましたね。
大学生のハリーは、父が急死したという知らせで、帰宅します。
転落死だが、慣れた道なのに?という疑惑も…
父と再婚した若い継母アリスは美しいが、どことなく不自然な気配も感じられるのだった。
視点を変えて、過去と現在が交錯します。
想像の上を行く展開が、じわじわと迫るサスペンス。怖いわ~。
この構成、滑らかな繋がり、作者の頭の切れには、感心します。
作風や主人公のタイプは、変化つけて来てますね。どれが一番面白かったか?この時点では迷いました。ミランダは読みやすいけど、ケイトの方が好み。完成度ではアリス?
5作読んだ時点で、4作目が一番面白かったです☆
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15歳で母を肺癌で亡くし、大学の卒業式の直前に、父を殺されてしまうハリー。彼のたった一人の家族は、共に残された美しすぎる継母。父が死んだというのに、何故かウキウキと嬉しそうにも見える継母。そして、彼女は異常にもハリーにその美貌で迫ってくる。誰が父を殺したのか?
話がどこに向かうのか、落とし所はどこなのか、勘の鈍い私にはわからないまま、次なる展開に期待して息も忘れてしまうくらいに読み進めた。
ピーター・スワンソンの初めて読んだ一冊目「8つの完璧な殺人」が面白過ぎての二冊目だった。私の好きな作風とは違うのに、中毒になってしまった。今作のラストも最高だった。
Posted by ブクログ
週末に一気読み。
ミランダもケイトも読みましたが、これが一番好きかも。
中盤に犯人にスポットライトが当たり出すまで、犯人が誰か中々わからなかったし、あと個人的には最後が因果応報という感じで爽快でした!
(ミランダとケイトの内容、ちゃんと思い出せないものの、なんだかぼやっと終わった気がして。。)
個人的に腑に落ちなかったのは、アリスの友達とそのお母さんがなんでそこまでアリスを気に掛けたのかな?という点。
やばい大人たちが繰り広げる頭のねじがぶっ飛んだ行動の話なので、理由なんて探しちゃいけないのかもしれませんが。。。
Posted by ブクログ
ここ最近、読む本を選ぶときの基準になるのはタイトルと内容であって、著者はあまり気にしないことが多い。でも何かピンときた場合は、ちゃんとその名前を心に刻んでおくことにしている。そして一番新しく刻まれた名前が、この本の著者であるピーター・スワンソンだ。
なんか邦題に惹かれちゃう(結局タイトルなのか)。
大学の卒業式を直前に控えたハリーは、父親が遊歩道の崖から転落して死んだという知らせを受ける。急いで実家に戻った彼を迎えたのは、悲しみに暮れる美しい継母のアリスだった。
当初は事故かと思われていた父の死は、死体の状況から他殺の可能性が出てきた。更に葬儀には、父親の愛人だという若い女性が現れる。
父親を殺害する動機をもつのは誰なのか、調べ始めるハリーやその周りの人たちにも危険が近づく。
・・・こっちが【現在】の章。
【過去】の章の最初では、アル中の母親と二人暮らしのアリスの子ども時代が描かれる。【現在】の章では何も見えてこない彼女の人間性が徐々に明らかになってくると、やっぱりあの美しいハリーの継母は、何か訳ありの人間なんじゃないかと思う。
現在と過去がどこで交わるのか、読んでいてそれが待ち遠しかった。
『今起きている犯罪は、実は過去が糸を引いている』という設定がわたしは好きなので、これは結構楽しめた。
終わり方は・・・どうだろう。
語らなければ嘘をついていることにはならないかもしれないが、意図的な沈黙は紛れもない罪だ。はたから見れば悪いことでも、本人にとっては「だって自分のせいじゃないし」って思ってることは確かにある。だけど自分がしたことを言わないということは、それが悪いという自覚があるからだ。
だから仕方がない。
報いを受けたのだ、あの人は。
Posted by ブクログ
2024.6.25 スワンソンの中では、そしてミランダを殺すの次に好きかな
アリスの「わたしは誰も傷つけてないのに」ってセリフがすごく頭にこびりついてる
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良質なサスペンスミステリーでした。過去と現在に登場しているアリスは、果たして同一人物なのか?おそらくこの物語を読むと、誰もがまず、そのことを思うと思います。これは、過去と現在のシーンで繰り返される構成の妙といったところ。また歴史は繰り返すというのも、この本のテーマの一つ。最後まで読むと、アリスと一緒に長く生きてきたような気になりました。
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この作者さんらしい女性に、わたしはなぜこんなに魅了されてしまうのか。
警戒して読んでいたのでラストにあまり衝撃は受けなかったけど、それでも最後までとてもとても楽しかった。こんなふうにこんな女性を魅力的に描けるなんて。ラストまで彼女は彼女のまま。そこが彼女らしく、すこし、切なくもある。
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ハリーの父が亡くなり、継母のアリスが殺したのでは?と疑う話。出てくる人全員怪しくて全員疑ってた、最終的に通りすがりの人まで怪しんでた。
そしてラストの展開は想定出来てなかったけど腑に落ちた。
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ピータースワンソンはこれで3作目。日常を変える出来事の描き方がスリリングで好き。過去と現在、継父継母との関わり、若い子への執着、今回の設定は好みが分かれそうだけれど、その時々の情景や思考をひたすら想像しながら読み進めるという、読書にしかできない味わいがある。
Posted by ブクログ
大学卒業を控えたハリーに父が亡くなった知らせが入る。
散歩中に足を滑らせて転落した為だと聞かされたが、後日訪れた刑事から事件の可能性があると知らされる。
父の後妻である若く美しいアリスは、何も語らない。
大学に入ってからアリスと父の関係も詳しくわからなかった。
その後、父と関わりのある女性も殺されて…。
アリスの過去と現在が交互に物語は進んでいく。
アリスの周りで起きた過去の死とそれを引き摺るかのように現れてくる義父の執念は怖い。
Posted by ブクログ
ピーター・スワンソンの3作目(東京創元文庫では3作目)。
ミランダ、ケイトときてアリス。邦題はなんとなく統一感がある。
正直、ケイトより面白いが、ミランダほどではない印象。犯人の衝撃感はそこまでなかったか。
ただ、結末が気になるストーリー構成は見事。
そしていつもどおり、今回も特殊な性癖の方々が多数。普通、あの子が好きだからその親と結婚しよう、とはならないでしょw
その辺りのゾワっと感も魅力ではあるけど。。。
絶妙に後味が悪く、絶妙に因果応報感があるラストが非常に良い。次はダスティンだ!
Posted by ブクログ
「だからダスティンは死んだ」を読んだ時にも感じた読んでる間にずっとある不気味さがクセになる。自分にとってはアブノーマルに思えることも何故かわかるような気がするのもこの作品の面白さ。お金をもらっても65歳になりたくないでしょう?というアリスの言葉がすごく心に刺さった。
Posted by ブクログ
面白かったが、ミステリーってよりもサスペンス。あらすじにもそう書かれていたが。
ハウダニットよりもホワイダニットが強い。
真相がわかったあたりで、これは『白夜行』や『ロリータ』だなと感じた。そしてアリス自身は『春にして君を離れ』だなと。
自分が信じたいものを信じて人を操ろうとするキャラクター。それでもジェイコブとの最期はせつなさがあって良かった。
ジェイコブの身勝手な献身は面白い。初体験とその後の経験と両親からの愛情を感じられないという境遇から形成されたところが面白かった。
献身さ具合は映画の「モールス」や「マジカル・ガール」を思い出す。
アリスの悪女っぷりは作者が男だという点や、ハリーのモテモテ具合から好きじゃないな。
出来るだけフラットに描きたかったんだろうなとは思う。ジェイコブも同様に。
ハリーはなんであんなにモテるのかわからん。顔が良いからか。
キャラの視点を変えることでハリーへの第三者目線がわかって面白かった。
アリスもジェイコブも孤独で、たぶんハリーも孤独な人間なんだと思う。人と内心をわかちあうような温かみのあるシーンとは逆の、冷たさが横たわるようなやりとりが強調して多く描かれていたと思う。
すべては美しい嘘。
語らないということは人に誤認させる行為であり、それは美しい嘘であるという定義づけなのかなと思った。
ラストの末路は、「父の秘密」を思い出したし、過去に追いつかれてしまったアリスにふさわしかった。
第二部のタイトルが「黒い水」というのも良いな。嘘という海に飲みこまれていく感じ。
Posted by ブクログ
オフィシャルなあらすじ以外、余計な情報を入れないで読んでください。作者の意図に身を任せて、流れるままに読み進めるのがいいと思います。作者が明らかに犯人が誰かを示してから後が結構長くて、ちょっと飽きちゃうんですが、ぐっと抑えて最後まで見届けてくださいね。
Posted by ブクログ
因果応報。読み終えた瞬間、まさにその言葉を思い浮かべた。
大学生のハリーは、父親ビルの事故死を知らされる。
急ぎ実家に戻ると、傷心の美しい継母アリスが待っていた。
その後の調査で、父が海辺の遊歩道から転落する前、
何者かのよって父は頭を殴られていたということがわかる。
しかし、アリスは事件について話したがらず、ハリーは疑いを抱く。
まず、怪しさしかない継母のアリス。
父の死の真相を探るハリーの現在と、10代のアリスの様相を描く過去。
その二つの時間軸が交互に展開されていく構成。
なかなか読み応えはあった。
次の展開がどうなるのかというワクワク感はありつつも、
テーマとしてなのか、またここでもかと思わせる設定が幾つか出てくる。
その辺のモヤモヤ感は最後まで拭いきれなかったかもしれない。
老いと若さ。見た目に現れる非情さ。
大きな年齢の差というものは愛だけで乗り越えられるのか。
はたまたそれを愛と呼ぶのか、フェチズムと呼ぶのか。
苦手な人はとことん苦手であろう内容でもあった。
Posted by ブクログ
過去と現在が交互に語られ、終盤に収束する。中だるみせずどんどん読み進められる。
これだけ多くの人物の人生を一つの作品に描いたらネタ切れにならないか心配してしまうほど。
Posted by ブクログ
海外の翻訳作品に登場する人の名前が最近覚えにくく、面白さが半減してしまうこともありました。しかし、この作品は登場人物が少ないのがありがたかったです。
過去と現在が入り交じった2部構成で描かれていますが、登場人物の現在を知るためには、過去が重要であり、展開をより面白くしていました。
原題は「All the Beautiful Lies」直訳すると「すべての美しい噓」ということになり、これはアリスの本質を指しているようです。日本語訳はその本質を題名で推測させないためだったように感じました。
最近は日本のミステリー、サスペンスも上質になり、海外に引けを取らない作品が数多くあります。それでもその良さを感じるために時折こうして海外の作品に触れるのもいいものだと思います。
くりかえす
大学卒業間近のハリーの父が亡くなったことが発端となる、過去と現在のループ。義母のアリスが自己中過ぎて、読み進むことに疲れてしまい、ミステリってことも忘れてしまった。すべては繰り返して、やがて、自分へと返ってくると言う教訓をもたらした作品。
Posted by ブクログ
主要人物たちが精神異常者でキチガイすぎてなーんも感情移入出来ないんだけど、それでも読み入ってしまうのは翻訳者の技術のなせる技か
そうは言ってもラスト150頁くらいは読み切るのにとても体力が必要だった 作者の次作を読もうか迷うな 同系統の内容なら正直期間空けずに読むタイプの代物ではない笑
Posted by ブクログ
「死体から始まらない本は、どうも信用できないんだよ」
ミステリ小説好きなら、同感できる人が多いのではないでしょうか?
人物紹介がダラダラ続いて、おまけの殺人事件ではなく、最初っから殺人事件!って分かるのが読みやすい。
現在と過去を交互に描き、真相が理解できていく。
Posted by ブクログ
うーん。
ピーター・スワンソンを期待して読んだから星3つにしかならなかった…いや、作者をみなかったら買ってさえいなかったかも。
時系列ごとに読ませる物語構成はわかりやすく、ミランダの時のように主人公の深掘りがされて効いている。なんだけど、なんだろ、この、ハラハラ感のなさ。
過去と現在だけで舞台の転換が少ないせいなのか…と思ったけどあれだ。多分、全ての発端が現在ではなく過去に起因してるので、今の事件を起こすメインキャラが全員、老人だからだ。高齢者による殺人なのでこう言ったら失礼だけど見せ場に乏しく、よってちょっとうーん、という気分になってしまったのかも。あとはどうも、誰も本気で犯人探しをしてないように見えて、熱が感じられなかったのもそうかも。熱血刑事もいなければ真犯人を憎む遺族もいない。なんとなく淡々と事件があって、あらたいへん。死んじゃったわね。みたいに見えちゃって。
殺人経済的には優秀なんだろうけどすみません、フィクションないしはファンタジーとしての殺人事件を期待してしまった自分としてはなんだか刺激を受けられず、ちょっと期待はずれな気分になってしまった。
Posted by ブクログ
この作家さんの3冊目だけど毎回、精神的に異常な方ばかり出てくる。
流石にあきる(笑)
思春期に熟女によって、仕込まれた奴がロリータになるのか?経験が無いからイマイチ分らんが・・
毎度、この人があの人だったのワンパターンで、さして驚かなくなる(読んでる途中で気が付くよね)
三冊ともミステリー初心者にはお勧めな作品です。
Posted by ブクログ
過去と現在の二部構成で話が進み、ある場面でその2つの話の秘密が明らかになる。
サスペンスということもあり、中盤以降の怒涛の展開にとてもハラハラさせられた。原題は「All the beautiful lies(すべての美しい嘘)」ということを解説で知ったのだが、結末を知った上で改めて邦題の意味を考えると、粋な翻訳だと感じた。
Posted by ブクログ
完全なネタバレ
とてつもない衝撃とあったので期待して読んだ。
確かに衝撃的ではあったけれど
少々気持ち悪く、受け入れ難かった。
イーディスの夫であり継父のジェイクxアリス
ビルxアリス
アリスx彼女と結婚したビルの息子ハリー
ビルxグレイス
この4組の年配のほうの性的嗜好の物語。
ジェイクがジョンとしてビルの仕事を
手伝っていたのには驚いた。
そしてジェイクとアリスがそれぞれ
同じような目的で結婚した事にも驚いた。
ハリーにビルの遺伝子が受け継がれていませんように。
Posted by ブクログ
うーん、よく出来た話だと思うが、みんな節操がなさすぎ。主人公のハリーでさえ、なんだかなあと言う感じ。アリスは最後、あんなことになってしまったのも、自業自得というより悪運つきたということか。しぶとく生き残って、不幸にまみれた人生でもよかったかもね。
Posted by ブクログ
サクサク読めるし、犯人は意外な人だった。
結局アリスという人が何を求めている人なのか謎だったのが、不気味な気もする。
原題は「すべての美しい嘘」だが、ハリーに嘘はなかった気がする。
Posted by ブクログ
やっぱりおかしい人たちばかり。「ケイト~」の時はそれがゾワーって感じで引き込まれて面白かったんだけど、今回は…性的倒錯者?が多いというか、思考がすべてそれしかないみたいな感じで、、あまり好きではなかった。
サスペンス的なのはジェイクの正体だけって感じもしちゃったな。
Posted by ブクログ
親が事故死し故郷に帰ってきた息子
のハリーは、父の死が事故ではなく他殺の可能性があることを知る。
ハリーはしばらく継母のアリスと二人で暮らすことに…だがアリスには秘密が…
現在のハリー視点、過去のアリス視点が交互に展開
何となくトリック自体は読めて少し当たったけどほぼ外れ…
異常心理を淡々と描写していく「冷たさ」のある文章がやはりスワンソンさんの持ち味、少し肩透かしでしたが面白かった。
なんとなく、少し前に読んでたクーンツに
出てくる悪役や、サスペンスに出てくる母親達とキャラが重なる感覚があった。
今のところ
1位ミランダ
2位アリス
3位ケイト かな。