あらすじ
そのふた組の夫婦は、よく晴れた風の強い日に、屋外パーティーで知り合った。――版画家のヘンは、夫のロイドとともにボストン郊外に越してきた。パーティーの翌週、ふたりは隣の夫婦マシューとマイラの家に招待される。だがマシューの書斎に入ったとき、ヘンは二年半前のダスティン・ミラー殺人事件で、犯人が被害者宅から持ち去ったとされる置き物を目にする。マシューは殺人犯だと確信したヘンは彼について調べ、跡をつけるが……。複数視点で語られる物語は読者を鮮やかに幻惑し、衝撃のラストへなだれ込む。息もつかせぬ超絶サスペンス!/解説=村上貴史
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Posted by ブクログ
なんとなく手に取った本だけど、期待以上に面白かった!なんかNetflixにありそうなドラマみたいだし、クリミナルマインドにも似たような事件があったような気がする。登場人物もそんなに多くないから入り込みやすくてスラスラ読めた。
Posted by ブクログ
不穏な気配を漂わせながら、物語は流れる。
主要人物たちによって物語の視点が変わり、
「読み手は落ち着かない感覚に囚われ」
引っかかりを抱いたまま結末まで導かれる。
最後まで読み終えて、やっと、、、やっと一息つくことが出来た。
Posted by ブクログ
統合失調症で精神が不安定ながら誰からも信じられず事件を追い求める主人公。犯人が狂いに狂っていなければ冒頭で殺されていただろう。なんとなく犯人の人格の闇は想像ついていたから意外性はあまりなかった。狂いに狂ってる。
Posted by ブクログ
段々色々わかってくうちにひぃぃ〜!
ってなる1冊だった…!!!
面白かった!登場人物も多くなくて読みやすい!
海外ミステリーにハマりつつある今日この頃…
Posted by ブクログ
隣人宅に招かれ、そこで2年前の殺人事件の証拠を見つけ隣人を疑うヘンリエッタ。そこから証拠を積み上げて犯人を追い詰めるのかと思いきや、疑われているマシューの視点に話は切り替わり「あいつは俺の犯罪に気付いてしまったな」との展開に。良い意味で色々裏切られる。
ただ中盤過ぎくらいから「二重人格かな?」と分かってきてしまったのがちょっと残念かな。
Posted by ブクログ
久々のピーター・スワンソンだったが相変わらず読み応え十分。
なるほど、そういう展開ねと思わせる序盤。
そして、あれ?そうなる?と捻ってくる中盤。
怒涛の畳みかけで圧倒される終盤。
いや、実にお見事な構成であった。
若干、ダレる展開ではあるのだが、
小説ならではの叙述的な記述は引き込まれる。
こういうのを映像化するとどうなるのだろうと興味をそそられる一作。
Posted by ブクログ
ボストンの郊外に引っ越してきたばかりの版画家のヘンとその夫のロイド。あるとき、隣に住むマイラとマシュー夫婦の家に招待された。
ヘンはマシューの書斎で、ある高校のフェンシングのトロフィーが飾られているのを見た。そのトロフィーは、2年半前に起きた殺人事件の被害者のもので、現場から犯人が持ち去ったとされていたものによく似ていた。もしそれが本物であるのなら、マシューは間違いなく犯人だ。そう確信したヘンは、マシューの周囲を調べ始める。
複数の人間の視点から語られるこの物語は、同じものを撮影している複数のカメラが次々に切り替わっていくように、ずっと読んでいるとくらくら眩暈を起こしそうになる。
すべてにの登場人物が、過去もしくは現在に何かを抱えて生きているため、どこまで信用していいのか分からない。
人がたくさん死に過ぎる。
マシューのお父さんが酷過ぎる(彼が語ることが真実なら)。
それでも面白かった。
ピーター・スワンソンの作品は、いつも読んだあとに、すっきりしない・・・と思う。それでももっと読みたい。邦題のセンスもいいと思う。
もうクセになっちゃってるのかもしれない。
Posted by ブクログ
ピータースワンソンさん何冊か読みました!
私の好きなオチに落ちてくれて読み応えありで
ハラハラ展開ありで好きな推理小説
視点が変わるので臨場感もあります!
Posted by ブクログ
男あるある女あるあるをものすごい切れ味で切り込んでおいて最後にコテコテのミステリで畳み込んできた
読み終わってから振り返るとちゃんとグッとくる邦題になってる
Posted by ブクログ
久しぶりの海外ミステリー。解説にあったとおり、"上質"のミステリーでした。とにかく登場人物みんなが怪しく、なんだかもやもやしたまま進んで、最後に色々辻褄が合い、なるほど!と唸ってしまいました。
Posted by ブクログ
ピーター・スワンソンの小説の構成は登場人物の視点、語り手が交代しながら物語が進行していくところなのか、『ミランダ』からこの辺りは変わらず。
そして、静かだなあ、と思う。常に冷静と静寂な空気感が漂っていて。
その空気感が好きで、たんたんと読み勧めてしまう。
『そしてミランダを殺す』の続編が出る、との噂を耳にして楽しみでならない。
Posted by ブクログ
ミランダやアリスより好きかも。ミランダはエンタメとしての面白さや話の完成度が高かったが、ダスティンは、ヘンとマシュー、時々マイラやリチャードで、いろんな視点で見られて面白かった。
リチャードの正体は、ミシェルの家に行こうとして行かなかったところで、もしかして実在していない?と思った。マイラは知ってたけど、黙殺してたんだろうな。
ヘンが信頼できない語り手ポジなのが面白い。ロイドよく付き合うな、結婚までするな、と思ったら浮気してた。その点、マシューが紳士的に見えるが、静かに狂ってる感じ。みんなちょっとずつ欠陥があって面白い。程度の差はひどくあるが。
これ映画化するなら、ヘンとリチャードの対決のところはもっとアクションがあっただろうなと思った。あっさりだったが、それで良かった。
そして最後のヘンとダスティンの繋がり。だからヘンは気にしていたのか。
彼女が彼を知る前。だからダスティンは死んだ。
マシューが自分の殺しの正当化は罪と罰の主人公的であるし、父親殺しであり、自分を殺す行為でもあって面白い。
面白かった。
Posted by ブクログ
邦題:だからダスティンが死んだ
原題:Beofore she Knew Him
ピーター・スワンソンは4作目だが、邦題と原題の意味するところを考えながら読むのが楽しい。今回もラストでニヤリとさせられました。ミステリーの根幹部は途中で予想できてしまったし、前作(アリスが語らないことは/All the Beatiful Lies)あたりから少々おどろおどろしさがある点が個人的には趣味ではないのだが、サスペンスとしてのゾクゾク感は増しているし章ごとに認証を変えて語られる双方の心理描写が秀逸なので、次作が出ればきっと読むだろう。
Posted by ブクログ
☆4.2
スワンソン大好き!と声高に叫びたくなる一冊。
章ごとに視点となる人物を変えるいつものやり方で、ミステリ好きなら何度か遭遇したであろうトリックを披露してくれます。
今まで邦訳されたスワンソンの小説(ミランダ、アリス、ケイト)の中ではややじれったさを残しましたが、やはり面白かった。
やらかしつつも可哀想なロイドがツボでした。いいヤツではあるんだよね...
Posted by ブクログ
版画家のヘンリエッタが夫のロイドと引っ越した隣りには、同じような子どものいない夫婦が住んでいた。
隣りのマシューとマイラ夫妻の家に招かれたとき、ヘンは、マシューの書斎に並ぶ収集物のなかにあるトロフィーをみて驚く。
それは、二年半前に発生して未解決のままのダスティン・ミラー殺人事件で犯人が持ち去ったとされるものではないかと…。
ゆるゆると進んでいく前半にもそれぞれの夫婦の心理的描写が絶妙である。
もしかして…と思いながらもラストまで確信できない結末に引き込まれてしまった。
心穏やかではいられない異質のサスペンスだった。
Posted by ブクログ
ぞわぞわしながら読んだ。邦題より「Before She Knew Him」の原題がしっくり来るし内容そのまんま(苦笑)ハラハラするような男女の心の探り合いも含めてこの作者の作品はハズれない。
Posted by ブクログ
ヘンは隣家マシューの所に行くと殺された青年ダスティンのトロフィーがあった。マシューは殺人犯なのか?ヘンとマシューが交互に描かれる。殺人者と目撃者とその妻、夫を絡める複雑でシンプルな物語
面白かった。登場人物が少ないのに、手に汗握る上質な心理サスペンスだった。いや、サイコサスペンスなのかも。
Posted by ブクログ
展開がなめらかで無駄がなく、緩急のつけかたが抜群に巧いミステリだと思いました。
翻訳ミステリは序盤は地固めというか設定周りを丁寧に張ってから展開させる印象が個人的に多いのですが、この作品は序盤からさくっと意外性ある事実をあっさりと明らかにします。
その事実を前提とした心理戦を、彼ら彼女らの微妙な関係性とともに長く展開し、その緊張感が頂点に達するとともに大技を放ちます。斬新なアイディアとまではいかなくても、その真実を開く手つきの巧さが良い。ある程度の予感を持ちつつも、ここぞというところでバシっと決まった、という爽快感がありました。
そしてさらにカタルシスを残す余韻をもうひとつ残してあり、この邦題と、そして原題とともに深い納得に浸ります。Before She Knew Him。確かに彼女から始まる物語であったのでした。
ミステリの醍醐味に気持ちよく浸かれた作品でした。
Posted by ブクログ
「アリスが語らないことは」が合わなくて、購入を迷ったけど、これは読んでよかった。
マシューとヘンの奇妙な関係が面白く、いつかは破局が来ることは分かっていても、次の展開が楽しみだった。
マシューとリチャードの関係は途中で分かってしまうし、リチャードが動き出してからの展開はまあありがちで無難な結末を迎えた感があるけど、
ヘンの強さが印象的で悪くない終わり方だったと思う。
病歴と過去に起こした事件から証言を信じてもらえない主人公と、その状況を利用して犯罪を告白する犯人という構図はこれからもっと発展させられる可能性を秘めているように感じた。ヘンの続編やスピンオフ的な話をもっと読んでみたい。
Posted by ブクログ
面白く読めた。だけど、ちょっと帯が煽り過ぎなような気がする…。けど読後感は悪くなかっだ。
驚きがある中でもしっかりした背景とエピソードで、それだけじゃない読後感を残してくれるピーター・スワンソン。好き。
ミステリー好き、本好きなのがところどころから伝わってくる。
Posted by ブクログ
隣人の部屋で、ある殺人事件の証拠品を目にした主人公。
隣人を告発したいが、自身も過去に起こした事件や疾患のせいで周囲の理解が得られない。
更なる証拠を掴もうとするが…
犯人との対峙シーンが印象的。
Posted by ブクログ
2.9
早い段階で結末が読めてしまったし、他のピータースワンソン作品と比べるとかなり評価が普通の印象。
マイラについて、もう少し色々と知りたかったな。
Posted by ブクログ
海外作家さんのサスペンスは ほぼほぼ初読書で、途中で挫折しそうになった(笑)犯人がわかっているのに、きっとこの人 殺されちゃうんだし、みたいに読んで気がついた。そもそも夫婦って 秘密めいたこと持ってる。お互いがお互いを探り合うとか なんとなく目が離せないとか、あるわーという感じ。隣が気になるのも もちろん、ありだ。それが殺人に繋がっちゃうのが サスペンスなんだなぁ〜と思ったところ。登場人物はみんな クセが強すぎ。
Posted by ブクログ
精神疾患のある主人公の言い分を周囲がなかなか信じてくれない、というタイプの話は読んでいてストレスを感じてしまう。登場人物全員に魅力を感じなかった。
Posted by ブクログ
隣同士の若い夫婦。越してきた夫婦は夕食に招かれ、その書斎でトロフィーを見る。招かれた版画家のヘンはそれはある殺人事件の現場から持ちされれたもので、そこの主人マシューが犯人ではないかと思い始める。
ヘンは逡巡ののち警察に通報するが、過去に躁鬱病をわずらったこともあり、相手にしてもらえない。独自にマシューを尾行すると・・
マシュー、その妻マイラ、ヘン、その夫ロイド、この4人の心の内が描かれる。事件が進むにつれそれぞれ夫、妻に対する感情が変化してゆくのがなんだか悲しい。
最後に2つのへえー。マシューの弟と、ヘンが何故過去の殺人事件を覚えていたのかも明かされる。結果として何とか均衡を保っていたものが壊れる、いやーな結末。
原題:Before She Knew Him
2019発表
2023.1.27初版
Posted by ブクログ
2年半前の事件の被害者の持ち物であるトロフィーを、マシュー宅でヘンが発見するところから一連の話は始まる。
優しそうでありながら隣人に秘密を暴露する大胆さもあるマシューだが、まさかの、弟の存在。
最近読んでる本でよくあるネタだが、好きだ。
マシュー側から接近禁止命令まで出してヘンをいかれた女扱いしていた流れから、世間的にはいかれた女だからあいつが何を通報しようが誰も信じまい、ならば今まで秘密にしてきたことを暴露する相手として良いんじゃないか、と、マシューとヘンが秘密を持つ共通の友人という関係になり、バーで会話しているのが奇妙で面白かった。
暴力的な父と、それに従う母という、問題のある両親の元で育ち、マシューも弟も影響を受けた。
結果、弟は特に父の影響を強く受けて暴力的な考えを持ち、マシューくらいしか一定の交流を持たず、仕事も続かないのでマシューが定期的にお金を工面している。
当のマシューは、弟ほどではないが、表向きは良きアメリカ的男性としているものの、人を殺すことで得られる快感を胸に抱いている。(初対面のロイドと食事会をしている最中も、この男を殺せたなら…と妄想するなど。)
ヘンは躁鬱病で過去に警察沙汰になっており、マシューのことを通報してもそれ以上、事は進まない。
マシューの妻・マイラは過去に碌でもない男と付き合っていたが、おそらくその頃仲良くしていたマシューが殺したことで自由を得て、マシューと結婚した。
ヘンの夫・ロイドは元カノと1年前から肉体関係を持っていたことがヘンにバレる。(マシューから、あいつは浮気をしているだろう、というアドバイス?をヘンにしたことにより、メールを遡ってみたら痕跡があった。)
弟・リチャードの方がマシューより過激と思いきや、マシューは成長してくると父親より身体が大きくなり、地下室への階段から突き落として殺す。マイラと付き合っていた暴力男を殺す。レイプをしたダスティンを殺す。など、問題のある男をなんだかんだで何人も殺していた。弟は女を犯すことなどを考えているが、殺しに関してはマシューほどじゃない。
【要約】
マシューが暴力的父の影響で殺しに快感を覚えて男を殺し、ヘンは目撃して通報するも過去の警察沙汰のせいで信用されず、逆手を取られてマシューの暴露相手になる。
マイラはマシューが人殺しだろうと疑いつつ、自分はそれで助けてもらった過去もあるため見て見ぬふり。ロイドはヘンが躁鬱病で療養中に介護人になった気分で嫌気が差し浮気。
実は弟・リチャードは赤ん坊の頃に亡くなっており、今存在するリチャードは、マシューの別人格だった。
ーーわたしは実際、幸せな人間よ。昔からずっとそうだった。でもそれは、わたしの性格。この壊れた脳はそれとは無関係に、周期的に、説得力を持って、おまえは生きるに値しないつまらない人間だとわたしに告げるの。p61
「ライ麦畑でつかまえて」13歳のころ、彼を救った本。両親に対し、世界全体に対し、怒りを感じていることを、それでもいいんだ、とようやく思わせてくれた本だ。
「フラニーとズーイ」女の子に対する庇護欲を初めて彼に感じさせたのが、この本なのだ。p313
Posted by ブクログ
CL 2023.5.30-2023.6.1
相変わらずの気持ち悪さ。
どの登場人物も何かしら抱えていて信頼できないところがあり、どんどん不穏になっていくのが面白い。
Posted by ブクログ
ミステリかと思って読み始めたらサスペンスだった。
隣人が犯人か…?という話が続くのかと思いきや、犯人はそいつだと早々にわかり、そこからさらにいろんな視点で話が広がっていく。
序盤の緊迫感などは好きだったけど、途中からはちょっとトンデモ感があるかなぁと。
この手の真相はあんまり驚きもないしちょっと古い感じもするし…
あとこれは現代の話なんだよね?監視カメラとかないの?いくらなんでも警察が無能すぎる気がする…
サクッと読めてアッという気持ちになりたいときにはいいかもしれない。