【感想・ネタバレ】だからダスティンは死んだのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

偶然隣り合わせに住んでいる二組の夫婦が知り合った時、過去の殺人事件に思考回路を巡らすひとりの女性。
かつて殺されたのはダスティンという若い男性だった。
そして、視点をそれぞれに人間に移し、弟や、同僚までも巻き込みストーリーは誰も分からない結末へ加速してゆく。

読む人をここまで引きずり込み振り回すことの出来るこのスワンソン、いつもながら驚かされます。
過去のダスティンがその時また登場してきたことにも息を呑んでしまう。
そして まさかの、「彼」の出現により一層、驚愕するばかり。
夫婦の脆さ、人間の浅はかさ、男の思考、女の過去の情け…
一瞬も気の抜けない読書タイムで寝不足気味。

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2023年02月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ミランダやアリスより好きかも。ミランダはエンタメとしての面白さや話の完成度が高かったが、ダスティンは、ヘンとマシュー、時々マイラやリチャードで、いろんな視点で見られて面白かった。

リチャードの正体は、ミシェルの家に行こうとして行かなかったところで、もしかして実在していない?と思った。マイラは知ってたけど、黙殺してたんだろうな。

ヘンが信頼できない語り手ポジなのが面白い。ロイドよく付き合うな、結婚までするな、と思ったら浮気してた。その点、マシューが紳士的に見えるが、静かに狂ってる感じ。みんなちょっとずつ欠陥があって面白い。程度の差はひどくあるが。

これ映画化するなら、ヘンとリチャードの対決のところはもっとアクションがあっただろうなと思った。あっさりだったが、それで良かった。
そして最後のヘンとダスティンの繋がり。だからヘンは気にしていたのか。
彼女が彼を知る前。だからダスティンは死んだ。

マシューが自分の殺しの正当化は罪と罰の主人公的であるし、父親殺しであり、自分を殺す行為でもあって面白い。

面白かった。

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2023年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

☆4.2
スワンソン大好き!と声高に叫びたくなる一冊。
章ごとに視点となる人物を変えるいつものやり方で、ミステリ好きなら何度か遭遇したであろうトリックを披露してくれます。
今まで邦訳されたスワンソンの小説(ミランダ、アリス、ケイト)の中ではややじれったさを残しましたが、やはり面白かった。
やらかしつつも可哀想なロイドがツボでした。いいヤツではあるんだよね...

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2023年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

犯人が自分の犯行を目撃した主人公に対して、ありえない行動を取ったことに驚いた。
それによりダスティンが亡くなった理由もわかり、まだ物語は続くのにこんなに早くわかってしまっていいの?
でも、この後に主人公のプライベートに起こる様々な出来事や、主人公と犯人の関係性が変化する心理描写がおもしろくて、飽きずに読める。
終盤で犯人と彼の弟に関する衝撃の事実が明らかになって「そう来ましたか!」とさらに驚いた。

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2023年04月23日

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ネタバレ

「アリスが語らないことは」が合わなくて、購入を迷ったけど、これは読んでよかった。
マシューとヘンの奇妙な関係が面白く、いつかは破局が来ることは分かっていても、次の展開が楽しみだった。
マシューとリチャードの関係は途中で分かってしまうし、リチャードが動き出してからの展開はまあありがちで無難な結末を迎えた感があるけど、
ヘンの強さが印象的で悪くない終わり方だったと思う。
病歴と過去に起こした事件から証言を信じてもらえない主人公と、その状況を利用して犯罪を告白する犯人という構図はこれからもっと発展させられる可能性を秘めているように感じた。ヘンの続編やスピンオフ的な話をもっと読んでみたい。

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2023年03月29日

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ネタバレ

2年半前の事件の被害者の持ち物であるトロフィーを、マシュー宅でヘンが発見するところから一連の話は始まる。
優しそうでありながら隣人に秘密を暴露する大胆さもあるマシューだが、まさかの、弟の存在。
最近読んでる本でよくあるネタだが、好きだ。

マシュー側から接近禁止命令まで出してヘンをいかれた女扱いしていた流れから、世間的にはいかれた女だからあいつが何を通報しようが誰も信じまい、ならば今まで秘密にしてきたことを暴露する相手として良いんじゃないか、と、マシューとヘンが秘密を持つ共通の友人という関係になり、バーで会話しているのが奇妙で面白かった。

暴力的な父と、それに従う母という、問題のある両親の元で育ち、マシューも弟も影響を受けた。
結果、弟は特に父の影響を強く受けて暴力的な考えを持ち、マシューくらいしか一定の交流を持たず、仕事も続かないのでマシューが定期的にお金を工面している。
当のマシューは、弟ほどではないが、表向きは良きアメリカ的男性としているものの、人を殺すことで得られる快感を胸に抱いている。(初対面のロイドと食事会をしている最中も、この男を殺せたなら…と妄想するなど。)

ヘンは躁鬱病で過去に警察沙汰になっており、マシューのことを通報してもそれ以上、事は進まない。
マシューの妻・マイラは過去に碌でもない男と付き合っていたが、おそらくその頃仲良くしていたマシューが殺したことで自由を得て、マシューと結婚した。
ヘンの夫・ロイドは元カノと1年前から肉体関係を持っていたことがヘンにバレる。(マシューから、あいつは浮気をしているだろう、というアドバイス?をヘンにしたことにより、メールを遡ってみたら痕跡があった。)

弟・リチャードの方がマシューより過激と思いきや、マシューは成長してくると父親より身体が大きくなり、地下室への階段から突き落として殺す。マイラと付き合っていた暴力男を殺す。レイプをしたダスティンを殺す。など、問題のある男をなんだかんだで何人も殺していた。弟は女を犯すことなどを考えているが、殺しに関してはマシューほどじゃない。

【要約】
マシューが暴力的父の影響で殺しに快感を覚えて男を殺し、ヘンは目撃して通報するも過去の警察沙汰のせいで信用されず、逆手を取られてマシューの暴露相手になる。
マイラはマシューが人殺しだろうと疑いつつ、自分はそれで助けてもらった過去もあるため見て見ぬふり。ロイドはヘンが躁鬱病で療養中に介護人になった気分で嫌気が差し浮気。

実は弟・リチャードは赤ん坊の頃に亡くなっており、今存在するリチャードは、マシューの別人格だった。

ーーわたしは実際、幸せな人間よ。昔からずっとそうだった。でもそれは、わたしの性格。この壊れた脳はそれとは無関係に、周期的に、説得力を持って、おまえは生きるに値しないつまらない人間だとわたしに告げるの。p61

「ライ麦畑でつかまえて」13歳のころ、彼を救った本。両親に対し、世界全体に対し、怒りを感じていることを、それでもいいんだ、とようやく思わせてくれた本だ。
「フラニーとズーイ」女の子に対する庇護欲を初めて彼に感じさせたのが、この本なのだ。p313

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2023年09月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ミステリかと思って読み始めたらサスペンスだった。
隣人が犯人か…?という話が続くのかと思いきや、犯人はそいつだと早々にわかり、そこからさらにいろんな視点で話が広がっていく。

序盤の緊迫感などは好きだったけど、途中からはちょっとトンデモ感があるかなぁと。
この手の真相はあんまり驚きもないしちょっと古い感じもするし…
あとこれは現代の話なんだよね?監視カメラとかないの?いくらなんでも警察が無能すぎる気がする…

サクッと読めてアッという気持ちになりたいときにはいいかもしれない。

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2023年05月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公ヘンのトラウマが最後に分かったけれど、それまでに殺人を防ぐ方法がありそうな気がした。マシューとリチャードの関係性にいつ気付くかがこの作品の鍵。なんとなくわかってしまったのが残念。

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2023年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あっという間に読み終わった。
叙述トリックがくるかくるかと期待していたが、想像を超えるものではなかった。
二重人格を超えてほしかった。

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2023年02月20日

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