務台夏子のレビュー一覧

  • あの夏が教えてくれた

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    「償いの幸が降る」などの著者の邦訳4作目のミステリー。前作の主人公ボーディの少年時代、1970年代のミズーリ州の小さな町が舞台。黒人女性の横領失踪事件を皮切りに、ボーディ少年は陰謀の中に巻き込まれていく。一部の権力を持つ白人とそれに与する保安官。公然と黒人差別思想が渦巻く中、フェアの立場を貫く人々への嫌がらせが始まる。真実に目を向ける様、諭す隣人、引越してきたトーマスとの関係など、成長小説としても面白い。痛ましい事件を乗り越えたからこそ、その後のボーディになり得たと納得。沢山の教訓が詰まった一冊。タオルを準備して。

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    2024年05月22日
  • あの夏が教えてくれた

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    1976年のアメリカ、ミズーリ州が舞台。
    黒人差別が色濃くのこる田舎町で暮らす15歳のボーディ。
    学校にも馴染めず、母親とも距離がありいつも一人で孤独に過ごしていた。
    そんな中、町を牛耳るハルコム一族が工場長を務めるライク工業に新たに黒人の工場長が就任し、一家はボーディの隣に引っ越してくる。
    一家にはボーディと同い年の男の子がおり、二人は徐々に共に過ごすようになる。

    謎の隣人ホーク、ライク工業の黒人女性の失踪事件、過激な白人至上主義団体…一夏の少年の成長譚。

    ・感想
    この手の回顧録的な作品めっちゃ好き…解説にもあったけどまさに私の大好きなロバートマキャモンの少年時代と同系統の話

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    2024年05月14日
  • あの夏が教えてくれた

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     著者アレン・エスケンスは、元は弁護士であったが後に作家となった人である。2019年翻訳され話題となった『償いの雪が降る』から四作目となる本書は、ダブル主人公で描かれた第三作『たとえ天が墜ちようとも』で主人公の一人を務める弁護士ボーディ・サンデンの少年時代を描いたものである。

     冒頭に作者による注記があり、この作品は1991年に書き始められたが完成を見ず、その後既存の5作品(邦訳は3作品のみ)の後に、再度チャレンジして書き上げることができたという、ある意味、作家人生を賭けた渾身の力作であり難作であったらしい。

     本書の主人公は前期の通り少年時代、つまり15歳のボーディ・サンデンである。と同

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    2024年05月07日
  • 償いの雪が降る

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    めちゃくちゃ良いバンドの1stアルバムを聴いたときみたいなワクワク感がある。
    主人公が若くてガンガン行動するタイプゆえに粗い感触も味わえるんだけど、それはあくまで表面の手触りであって、中身はしっかりと密で巧く練られてる。
    真犯人は?ジョーの家庭の問題と進路は?ロマンスの行方は?ジョー絶体絶命!っていうラインを追いかける“動”の波と、ジョーとカールの心が少しずつ近づいていく“静”の波が両側から打ち寄せて見事にクライマックスまでボールが運ばれていくその手腕。

    続編あるんすか?あざァす!!

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    2024年04月04日
  • そしてミランダを殺す

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    3部構成で凄く読み易かった。ミランダが中々殺されないでヤキモキした所もあった(笑)ある人物が早々に退場した事に驚いた。

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    2024年04月06日
  • たとえ天が墜ちようとも

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    アメリカの作家アレン・エスケンスの長篇ミステリ小説『たとえ天が墜ちようとも(原題:The Heavens May Fall)』を読みました。
    アレン・エスケンスの作品は1年半前に読んだ『償いの雪が降る』以来ですね。

    -----story-------------
    この絆が断ち切られても、
    彼らは陪審裁判を戦い抜く。
    刑事と弁護士、親友同士の正義が衝突する!
    『償いの雪が降る』の著者の鮮烈な法廷ミステリ

    高級住宅街で女性が殺害された。刑事マックスは、被害者の夫である弁護士プルイットに疑いをかける。
    プルイットは、かつて弁護士としてともに働いたボーディに潔白を証明してくれと依頼した。
    ボーディ

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    2024年03月28日
  • そしてミランダを殺す

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    最初から引き込まれて,中盤にはもうジェットコースターに乗っていましたね。一気に最後まで読んでしまいました!最後の最後までドキドキして手に汗握るとはこの事!と言った状況で読んでいました。最後の最後のどんでん返しもスパイス効いていてよかった!
    久々に痺れるミステリーを読みました!

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    2024年03月03日
  • 8つの完璧な殺人

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    ネタバレ

    様々な作品のオマージュをふんだんに盛り込んだ作品。
    登場人物が多いので、忘れないうちに一気に読みました。
    犯人は誰か、という視点のみだと容疑者候補がどんどん減っていくので分かりやすいかも。
    ただ、展開が早く文章によるミステリの良さが存分に味わえる作品なのでミステリファンは楽しめるのでは。

    作中には色々なミステリのネタバレが含まれてしまうので、作中で肝となるクリスティの『ABC殺人事件』『アクロイド殺害事件』は読んだ上で本作を読むとより楽しめるのではないかなと思います。

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    2024年01月05日
  • クリスマスに少女は還る

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    「小説という毒を浴びる」で紹介されていなければ読まなかった。
    紹介頂いて桜庭一樹さんには感謝。
    良かった。
    最後も、あーそんななんだと驚きあるし。
    もっとボリュームがあっても良かったな。もっと登場人物の話があって欲しかった。
    ルージュのお母さん良い感じだったし。

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    2023年12月24日
  • そしてミランダを殺す

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    ネタバレ

    すごく面白かった!
    殺すつもりが殺される。追いつ追われつ、全く予想できないスリリングな展開で、連続ドラマにしたら面白そうだなぁと思った。解説に書いてあった映画化はどうなったんだろう。
    主人公のリリーは独自の正義(倫理感)を持っているが、リリー目線で読んでいるとそれほどサイコパス感がないというか、不思議と嫌な感じに見えない。ただし、リリーの殺人の理由はやむにやまれて…というよりは、過剰防衛にも思えるが。

    全く知らない地名ばかりだけど、リリーの育った郊外、リリーの通った大学、勤務先の大学、テッドの別荘を建設中のリゾート地、いずれも風景描写が印象的。月が海を照らしていたり、殺人の夜が満天の星空だっ

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    2023年09月03日
  • 過ちの雨が止む

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    ネタバレ

    ジョーの軽率さ(チャーリーとのシーンの数々を見よ。お前、もうちょっと上手く立ち回れよ、言いたくなる)にイライラし、「ん? こいつの言動は、ちと怪しいぞ」とミスリードさせられたり、と愉しませてもらいました。希望を持たせるラストもいい。

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    2023年08月19日
  • 償いの雪が降る

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    主人公の大学生のジョー・タルバートは、授業で身近な年長者の自伝を書くことになる。
    身近に年長者がいないジョーは、介護施設を訪れ、末期癌患者のカール・アイヴァソンを紹介される。
    カールは30数年前に少女暴行殺人の罪で服役していたが、病状が進み、仮釈放されて施設で最後の時を迎えようとしていた。
    ジョーは断られるのを覚悟で、カールにこれまでの人生を語って欲しいと願い出る。
    裁判でも自らの犯罪に全く弁解をしなかったカールは、なぜかジョーの申し出を受け入れ、臨終前の供述を語ることになる。
    カールの話を聞き進むに従って、ジョーは事件に疑念を抱くようになり、真相を知るために行動を起こす。
    果たして事件の真相

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    2023年07月13日
  • 過ちの雨が止む

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    ネタバレ

    読みやすくて面白かった。
    ちょっと自意識過剰で突っ走り気味のジョーだが、強い腕っぷしが頼もしい。事件もそれほど複雑でなく、トントン拍子に進むので中弛みしない。
    最後にはみんなきちんとハッピーエンド、正義感の強いジョーにも大満足。悪いやつはちゃんと成敗されるとこもすっきり。

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    2023年06月24日
  • だからダスティンは死んだ

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    さすがスワンソン。
    期待を裏切らない。
    狂気を描かせたら絶品。
    狂ってる当人は至って筋が通ってるからタチが悪い。

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    2023年06月13日
  • だからダスティンは死んだ

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    段々色々わかってくうちにひぃぃ〜!
    ってなる1冊だった…!!!
    面白かった!登場人物も多くなくて読みやすい!
    海外ミステリーにハマりつつある今日この頃…

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    2023年04月19日
  • アリスが語らないことは

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    週末に一気読み。

    ミランダもケイトも読みましたが、これが一番好きかも。

    中盤に犯人にスポットライトが当たり出すまで、犯人が誰か中々わからなかったし、あと個人的には最後が因果応報という感じで爽快でした!
    (ミランダとケイトの内容、ちゃんと思い出せないものの、なんだかぼやっと終わった気がして。。)

    個人的に腑に落ちなかったのは、アリスの友達とそのお母さんがなんでそこまでアリスを気に掛けたのかな?という点。
    やばい大人たちが繰り広げる頭のねじがぶっ飛んだ行動の話なので、理由なんて探しちゃいけないのかもしれませんが。。。

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    2023年02月05日
  • 過ちの雨が止む

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    「よう、相棒」
    「"過ちの雨が止む"はもう読んだかい?」
    「まだかも」
    「じゃあ、他の本もいいけどこれはすぐに読まないと」
    「読むかも」



    前作で大学生だったジョーは本作では大学を卒業しAP通信社の記者として働いていた
    そして自分が書いた記事に対して名誉毀損で訴えられ思わぬ危機に立たされる
    さらに自分の父親と思われる「ろくでもないくそ野郎」が殺されたことを知る

    とんでもない状況下になっていくジョーだが、そんな中でも母親との問題が感動的に和解していき、過ちの雨が止んでいく

    なのに、ジョーは自ら違う過ちの雨を降らしてしまうんだなぁ…
    ライラという彼女がいるのにヴィッキー

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    2022年12月30日
  • 償いの雪が降る

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    主人公のジョーは大学生で、アル中の母と自閉症の弟がいる。まったく親として機能しない母と、弟の世話、そして大学生活との板挟みで苦労しながらも、大学の課題として少女暴行殺人で有罪となったカールにインタビューをすることになる。カールと接していくうちに彼が無実ではないかと思い始めて・・・というストーリー。ベトナム帰還兵のトラウマ、それによるカール自身への仕打ちが判決を早め、末期がんとして横たわるカールの心中ははかりしれない。彼が犯人でなければ登場人物は少ないので、ある程度犯人は絞りこめる。犯人に驚きはなくても、いかにもアメリカらしい犯人の最後、主人公の救済があり、ドラマのような展開でおもしろく読めた。

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    2022年11月27日
  • 過ちの雨が止む

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    ネタバレ

    前作「償いの雪が降る」の続編、ジョー・タルバートがAP通信社の記者となって、名前しか知らない父の殺人事件の真相と、自身の過去と向き合う話。
    前回は他人事の殺人事件に首を突っ込んだ形だったが、今回は遺産も絡んで冷静になれない部分もあったり、恋人レイラや母親との関係がこじれたりで、あまりヒーローらしくなかったが、ボロボロになっても最後まで正義を貫いてくれて良かった。あれから、ろくでなしの伯父がどうなったのか気になるが、まだ続き(レイラが主人公らしいが)があるようなので楽しみ。

    追記:ジョーが飛行機も乗ったことがなければ、海も見たことがない。泊まりがけの旅行にも行ったことがない、と語ったこと。アメ

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    2022年11月19日
  • たとえ天が墜ちようとも

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    前作『償いの雪が降る』と同じく★5コ以上の作品!

    今作の主人公は前作にも登場したマックス・ルパート刑事とボーディ・サンデン

    前作主人公のジョー、ライラそしてジェレミー
    じゃないの…、と読み始める前は残念に思っていたけど…
    マックスさん、ボーディさんごめんなさいm(_ _)m
    あなた達二人で充分満足でした!お腹一杯です♪

    で、今回はボーディは本当に大変だったと思う
    妻殺害の疑いをかけられた友人のプルイットを弁護するのか、そうすれば親友のマックスと敵対することになる

    もし、あなたならどうします?ボーディが出した答えはいかに…?

    そして、マックスもボーディも果たすべき正義に対し向き合う姿勢

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    2022年11月15日