務台夏子のレビュー一覧
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主人公のジョーは大学生で、アル中の母と自閉症の弟がいる。まったく親として機能しない母と、弟の世話、そして大学生活との板挟みで苦労しながらも、大学の課題として少女暴行殺人で有罪となったカールにインタビューをすることになる。カールと接していくうちに彼が無実ではないかと思い始めて・・・というストーリー。ベトナム帰還兵のトラウマ、それによるカール自身への仕打ちが判決を早め、末期がんとして横たわるカールの心中ははかりしれない。彼が犯人でなければ登場人物は少ないので、ある程度犯人は絞りこめる。犯人に驚きはなくても、いかにもアメリカらしい犯人の最後、主人公の救済があり、ドラマのような展開でおもしろく読めた。主人公は“平凡”という設定だが、土壇場でも適格に判断できる頭の良さ、ろくでもない男たちを撃退する運動神経、堂々と大人達とやり合う度胸の良さ、自分の利だけで流されない愛情深さは正にスーパーヒーロー。続編もあるとのことで楽しみ。
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ネタバレ前作「償いの雪が降る」の続編、ジョー・タルバートがAP通信社の記者となって、名前しか知らない父の殺人事件の真相と、自身の過去と向き合う話。
前回は他人事の殺人事件に首を突っ込んだ形だったが、今回は遺産も絡んで冷静になれない部分もあったり、恋人レイラや母親との関係がこじれたりで、あまりヒーローらしくなかったが、ボロボロになっても最後まで正義を貫いてくれて良かった。あれから、ろくでなしの伯父がどうなったのか気になるが、まだ続き(レイラが主人公らしいが)があるようなので楽しみ。
追記:ジョーが飛行機も乗ったことがなければ、海も見たことがない。泊まりがけの旅行にも行ったことがない、と語ったこと。アメリカの二十代男性の一般的な事情ではないだろうが、珍しくもないんだな、と感じた。帰るところは場所ではなく、人であると悟ったとしても、彼の家族たちにはもっといろんな思い出が増えてほしい。 -
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前作『償いの雪が降る』と同じく★5コ以上の作品!
今作の主人公は前作にも登場したマックス・ルパート刑事とボーディ・サンデン
前作主人公のジョー、ライラそしてジェレミー
じゃないの…、と読み始める前は残念に思っていたけど…
マックスさん、ボーディさんごめんなさいm(_ _)m
あなた達二人で充分満足でした!お腹一杯です♪
で、今回はボーディは本当に大変だったと思う
妻殺害の疑いをかけられた友人のプルイットを弁護するのか、そうすれば親友のマックスと敵対することになる
もし、あなたならどうします?ボーディが出した答えはいかに…?
そして、マックスもボーディも果たすべき正義に対し向き合う姿勢はカッコいい!
「フィーアト・ユスティティア・ルアト・カエルム "天堕つるとも、正義を為せ"」
とにかく今作も最高です!ぜひ読んでみて下さい♪ -
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これ面白い!また凄い作品に出会いました。
大学の授業で身近な年長者の伝記を書くことになったジョーは、訪れた介護施設で、末期がん患者のカールを紹介される。カールは三十数年前に少女暴行殺人で有罪となった男で、仮釈放され施設で最期の時を過ごしていた。話を聴いてジョーは事件に疑問を抱き、真相を探り始める。といった内容。
最初のうちは授業の課題をこなしたり、隣人ライラに恋をしたり、自閉症の弟ジェレミーの面倒を見たりと普通の大学生といった感じだが、ジョーの事件の真相に近づくにつれて運命を大きく変えていくことになる。
また、作中でライラが言った
「誰にでも背負うべき荷物はあるものでしょう」
の一言が印象的。
カールは少女暴行事件、ジョーは自閉症の弟とどうしようもない母親、そして祖父の死の真相、またライラも辛い過去の出来事。
登場人物みんなが何かしらの荷物を背負っている。
とにかく素晴らしい作品。是非読んでみて! -
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ネタバレえ、え!どうなる?
の連続で寝る間も惜しんで読みふけった本。
こういう本に出会える幸せを噛み締めつつ、
主人公の不幸せさに怖気を震わせながら。
ケイトは普通の女の子のはずだったのに何故か変な男を呼び寄せてしまうという磁力もある(本人が言うのだから間違いない)
又従兄のコービンという、殆ど見ず知らずの男性と半年間住まいを交換するなどと、住宅事情の悪い日本では考えられない、イギリス人とアメリカ人。この件については、まあ、不問とすることにしたとしても!
次々に判明する、(作者が案内してくれる)過去の事件の諸々。いちいち驚いていたのでは追いつかない変態たち…
「ミランダ」も「アリス」も読んだので、是非ともこれを読まねば!と思い。
変態たちの仕様も桁違い。
それにしてもスケールが違うのは私は普通に過ごしてるから?日本人だから? -
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特技ってありますか?
自分はいつでもどこでも寝れるという特技を持ってます
もちろん特技というくらいですからそれなりの目的意識のもと鍛錬を重ねて習得に至っているわけです
1980年代から1990年代にかけて子ども時代を過ごした人の実に8割はノストラダムスの大予言をなんとか乗り越えればいつか自分の机の抽斗からドラえもんが顔を出すと信じていたと言われています
もちろん8割の方の子ども時代を過ごしたわたくしですが他の人と違ったのは安穏と時を過ごすだけでなく、その未来をより確実なものとすべく2つの特技の習得を目指したわけです
1つはどこでも寝られる
そしてもう1つはすでにみなさんもお気づきの通りあやとりです
しかしあやとりの得意な人など周りになく、仕方なく活字情報つまり入門書に頼りました
そう!入門書を『あやとりの為に読む』なんちて
さて『過ちの雨が止む』です
普通の男ジョー・ダルバートがその一生懸命さと誠実さによりヒーローとなった前作『償いの雪が降る』から時は過ぎ、AP通信の記者となったジョーに自分の父親と思われる男が不審死をとげたとの情報を得ます
事件の真相を追うべく現地に向かったジョーですが今作は悪い意味での普通の男っぷりを撒き散らして行きます
あーそうだよねー普通はそう考えちゃうよねー
普通は腹立つよねー、普通はそっちに流されちゃうよねー、と
でも僕らはそんなジョーを見たいんじゃないんだよ!ライラだつてそんなの望んでないよ!
果たしてジョーは本来の自分を取り戻し事件を解決に導くことができるのか!?
過ちの雨が止む時、晴れ渡る空と共に感動の嵐に包まれます!
★5じゃ足りない面白さ!
最後にみんみんさん
「やっぱり順番に読んだ方が良かったかも」(byジェレミー) -
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前作「償いの雪が降る」に続く第二弾
やっぱりこのシリーズいいです!
不器用で頑固、誠実で一生懸命、若さ故に間違えたり失敗もある。そんなジョーが今作で大きく成長するのが今作の読みどころ(*^^*)
相変わらず満身創痍です。
今回の田舎町も保安官含めて皆んな怪しい笑
ボロボロになりながらの孤軍奮闘に、我が息子を見守る母の気持ちで応援しつつ読むのが止まらない!
二度と許す事はないと頑なジョーが母親と再会する場面にはウルウルです(/ _ ; )
今作もやはり大円団の爽快な読後感でアレン・エスケンス大好きを再確認(*´∀`)♪
そしてジェレミーがホント可愛いわ\(//∇//)\ -
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うどんは好きですか?
うちは家族みんな好きなんですよね
そしてうどんといえば讃岐うどん
讃岐うどんといえば丸亀製麺ですよねw
安くて美味しい!
先日暑かったのでざるうどんなんかいいかな?と奥さんと一緒に行ってきたんですが
奥さんはトマたまカレーうどん食べてましたw
暑いときこそ熱いもの食べる派なんですよね
自分は暑いときこそ熱いもの食べる…はぁあ?なので初志貫徹でざるうどんを食べましたよ
そして丸亀製麺といえば種類豊富な天ぷらですよね
中でも『かしわ天が美味しいのよ』なんちて
さて『たとえ天が堕ちようとも」です
『償いの雪が降る』に続くエスケンス2作目です
変なダジャレにしちゃいましたが邦題がかっこいいですよねもうセンスしか感じないです
中身の方は今回法廷ものなんですが単純な法廷ミステリーでは終わらす色々詰め込まれてます
色々詰め込まれてるけどごたごたしてないところがさすがでした
二人の主人公がかっこいいんすよね
二人の信念とか決して譲らない矜持
「天堕つるとも、正義を為せ」
かっこいい! -
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『償いの雪が降る』に続くジョー・タルバートのシリーズ第二作。前作では少女暴行殺人罪で有罪となった過去を持つ末期がん患者をインタビューする大学生として、過去の事件の真相に取り組む姿を見せていた主人公ジョーだが、彼を取り巻く過酷で特殊な家族環境は、作品に重厚感と心震わせるヒューマニティを与える独特なスパイスであった。
本書でもそれら家族の問題を取り上げるばかりか、見知らぬ父が被害者となった殺人事件を息子が追う、しかも家族の過去を掘り出しつつ、現在の再生を願うというタルバートの第二の決定的な時期と事件と取り上げて、家族と言う問題、差別や欲といった部分にまで詰めてゆく非常に厳しい物語となっている。
それでもジョーの一人称文体で綴られるページの重さや、誠実さはそのまま読者に感性や心理の浮き沈みを伝える武器となっており、この作家の優れたセンスを窺わせつつ読者の心を摑んでくる物語であるところは、毎作変わらない。アレン・エスケンスは、信頼性の置ける作家としてマークすべき一人である。
この作品では主人公が、見知らぬ父の死を謎含みの殺人事件として取材するとともに、自分探しの旅、また人生の転換点となる糸口としても、最重要視していることがわかる。その捜査の中で、同棲中の恋人との将来、落ちぶれた母の再生、自閉症の弟を含めての家族全体の再生などの大きな課題とも取り組んでゆく。
とりわけ兄弟が、大きな変化を遂げようとしている母と再会するシーンの心にこれでもかと言うくらい響いてくる。久々に心を打たれました。凄い作家である。人間性の重みをこれだけ持たせながら、物語の持つ娯楽性、ミステリとしての仕掛けや幾重ものツイスト、全体の起承転結のしっかりした構成、どれをとっても一流の作品である。
弁護士を引退して作家として成功をスタートさせた作家アレン・エスケンス。追いかけ続けねばならぬ作家がまた一人、ぼくのリストに色濃く書き加えられる。 -
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いやはやとんでもない
もちろん自分の記憶の整理整頓のために読み終わった本に★をつけているわけです
加えて一応それなりの基準があるわけですが
★5じゃ足りないと思える傑作には「★5じゃ足りない」というタグを付けています
これは自分の感覚的には★8くらいなんです
そして今月「★5じゃ足りない」大大傑作がもうこれで4冊目ですよ!
幸せだな〜
主人公ジョーにめちゃくちゃ感情移入できるんですよね
ていうかめちゃくちゃ応援したくなるんですよ
隣に住む女の子ライラへのアプローチもそう
弟ジェレミーへの接し方もそう
そして元服役囚カールのために奮闘する姿に対しても
とにかくジョー頑張れ!!って気持ちがずっと続くんです
それはジョーが女の子を一目で恋に落としてしまう外見を持ってる訳でもなく
次々と問題を解決して真相に近付いて行くような天才的な閃きを持っているわけでもなく
むしろうまくいかない事の方が多くて葛藤したり時には致命的な失敗をしたり
そして好きな女の子はなかなか振り向いてくれないし
だけどジョーは自分の出来る最大限をなんとか実行しようと頑張ります
だから応援したくなるしジョーはさらに必死で応援にこたえようとしてくれるのでどんどん好きになるんです
この魅力的な主人公と旅を続けることで最高に感動的で最高に幸せな結末を迎えることができました
泣けるぜ! -
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マロリーシリーズ。
(最後? これ以降新作でてないらしい)
修道女が行方不明になり、その捜索が依頼される。彼女には盲目の甥がいて、彼の行方もわからなくなっていた。
数日後、修道女は、市長官邸の前に置かれた複数の死体の中で発見された。
全く接点が見えなかった事件たちが、つながり絵になっていく様は、すごい。
もっとも、その絵を強引に絵具をぶちまけるようにして、描いていくのはマロリーなんだけどね。
とはいえ、今回は盲目の少年の描かれ方が…。
オコンネルといえば「クリスマスに少女は還る」なんだろうけど、それを髣髴とさせる。
にしても、盲目の甥を育てるためにまだ幼かった修道女がとってきた行動のそれぞれが、切ない。
と、タイトルの意味が分かった時の衝撃。
最高に面白かったのだけど、どう書いてもネタバレになりそうなので…。
ちょいちょい、年取ったバトラーが回想しているってシーンがはいるのだけど、なんかそれ読むたびに切ない。
この作品以降、シリーズは書かれていないそうなのだけど、先を知りたいけど知りたくない気もする。
マロリーが、幸福な老人になってる姿ってどうしてもイメージできないものね。
でも、そうなってほしいのだけどなあ。 -
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1951年作。
とても充実した、良い小説だった。
なにしろこのところ『聊斎志異』や江戸時代の草双紙集を読んでシンプルな「物語」の楽しさを味わい、次いで西村京太郎さんの今風のスカスカな小説世界を『スーパー北斗殺人事件』でざっくりと走り抜けてきた私は、本書のページをめくりたちまちにして<西洋近代小説>の重厚で濃密な文学世界に放り込まれたのだった。
主にサスペンス系、すなわちエンタメ・サイドの作家と思われるだろうが、このダフネ・デュ・モーリアの文学作品は恐ろしく緻密に描き込まれた心情や情景が鮮やかな、エモーショナルに充実した作品世界なのである。この音調は、西欧19世紀後半の後期ロマン派の調性音楽を思わせる。さらに言えば、このほとんど過度なまでに書き込まれた描写の重さ・そしてある意味「まどろっこしさ」は、セザール・フランクの交響曲のそれに似ている。もちろん20世紀半ばの本作なので、「遅れてきたロマン主義者」「頑なな伝統主義者」に分類されることだろうが。
本作のような濃密な情緒性と「まどろっこしさ」は、現代の、スピードを至上のものと据える情報消費社会の読者には「重苦しくてつまらない」「読むのに時間がかかりすぎる」等といった不評の種となることだろう。どこまでもgraveなこの文学世界を味わい尽くすには、現代人の心は多忙に過ぎることだろう。
本作は20代男性の「わたし」の1人称として、その眼前に現れる謎の女性(絶対他者としての異性)レイチェルの実体を掌握しようともがくその焦燥感の物語である。女性の作家が男性の視点を通して、女性という謎を追究するという倒錯したこの構図は、素晴らしく上手くいっている。ナイーブなタイプの主人公男性をよく捉えており、その心理描写は濃やかで実にリアルだ。
圧倒的な心理描写のストリームに「他者」レイチェルの像がちらつき、近づき、遠ざかり、やがて破局へと向かう。本当に後期ロマン派音楽の圧倒的クライマックスを思わせる。
ここでは肉も情感も過剰であり、その過剰さによる息苦しさがそのまま、この文学世界の価値となっている。かけがえのない値打ちのある小説と思う。 -
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イギリスはコーンウォールの原野に建つ元宿屋の館「ジャマイカ・イン」は、建物も住む人も禍々しく謎めいていた。
若き女性が孤独の身となって、叔母が住むその館に頼よるしかなかったのだから、叔母が息も絶え絶え、叔父が荒くれ男で、災禍がおこるのもやむなし、けれども自立心の強い女性であるゆえ、危険がせまっても、冒険をせずにはいられない、避けられない。なるべくして謎と暴力との目まぐるしい展開になるのを、息もつかせず読まされるのであった。
コーンウォールの荒々しい風景描写と心理描写が巧みでグッと引きつけられ、設定は19世紀なのに現代をも彷彿させる困難な女性自身の自主独立へのあがきは心強いものがある。
『レベッカ』の嫋々としたサスペンスとは違う面白さ、ローリングプレイング的の痛快さ。
お馴染みモーリアの「館もの」なんだけど『レベッカ』の「マンダレイ」といい、この「ジャマイカ」といい、館のネーミング、今は昔だけど、さすがは世界に進出したイギリスらしいよ。