務台夏子のレビュー一覧
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これ面白い!また凄い作品に出会いました。
大学の授業で身近な年長者の伝記を書くことになったジョーは、訪れた介護施設で、末期がん患者のカールを紹介される。カールは三十数年前に少女暴行殺人で有罪となった男で、仮釈放され施設で最期の時を過ごしていた。話を聴いてジョーは事件に疑問を抱き、真相を探り始める。といった内容。
最初のうちは授業の課題をこなしたり、隣人ライラに恋をしたり、自閉症の弟ジェレミーの面倒を見たりと普通の大学生といった感じだが、ジョーの事件の真相に近づくにつれて運命を大きく変えていくことになる。
また、作中でライラが言った
「誰にでも背負うべき荷物はあるものでしょう」
の一言が印 -
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ネタバレえ、え!どうなる?
の連続で寝る間も惜しんで読みふけった本。
こういう本に出会える幸せを噛み締めつつ、
主人公の不幸せさに怖気を震わせながら。
ケイトは普通の女の子のはずだったのに何故か変な男を呼び寄せてしまうという磁力もある(本人が言うのだから間違いない)
又従兄のコービンという、殆ど見ず知らずの男性と半年間住まいを交換するなどと、住宅事情の悪い日本では考えられない、イギリス人とアメリカ人。この件については、まあ、不問とすることにしたとしても!
次々に判明する、(作者が案内してくれる)過去の事件の諸々。いちいち驚いていたのでは追いつかない変態たち…
「ミランダ」も「アリス」も読んだので -
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特技ってありますか?
自分はいつでもどこでも寝れるという特技を持ってます
もちろん特技というくらいですからそれなりの目的意識のもと鍛錬を重ねて習得に至っているわけです
1980年代から1990年代にかけて子ども時代を過ごした人の実に8割はノストラダムスの大予言をなんとか乗り越えればいつか自分の机の抽斗からドラえもんが顔を出すと信じていたと言われています
もちろん8割の方の子ども時代を過ごしたわたくしですが他の人と違ったのは安穏と時を過ごすだけでなく、その未来をより確実なものとすべく2つの特技の習得を目指したわけです
1つはどこでも寝られる
そしてもう1つはすでにみなさんもお気づきの通りあ -
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前作「償いの雪が降る」に続く第二弾
やっぱりこのシリーズいいです!
不器用で頑固、誠実で一生懸命、若さ故に間違えたり失敗もある。そんなジョーが今作で大きく成長するのが今作の読みどころ(*^^*)
相変わらず満身創痍です。
今回の田舎町も保安官含めて皆んな怪しい笑
ボロボロになりながらの孤軍奮闘に、我が息子を見守る母の気持ちで応援しつつ読むのが止まらない!
二度と許す事はないと頑なジョーが母親と再会する場面にはウルウルです(/ _ ; )
今作もやはり大円団の爽快な読後感でアレン・エスケンス大好きを再確認(*´∀`)♪
そしてジェレミーがホント可愛いわ\(//∇//)\ -
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うどんは好きですか?
うちは家族みんな好きなんですよね
そしてうどんといえば讃岐うどん
讃岐うどんといえば丸亀製麺ですよねw
安くて美味しい!
先日暑かったのでざるうどんなんかいいかな?と奥さんと一緒に行ってきたんですが
奥さんはトマたまカレーうどん食べてましたw
暑いときこそ熱いもの食べる派なんですよね
自分は暑いときこそ熱いもの食べる…はぁあ?なので初志貫徹でざるうどんを食べましたよ
そして丸亀製麺といえば種類豊富な天ぷらですよね
中でも『かしわ天が美味しいのよ』なんちて
さて『たとえ天が堕ちようとも」です
『償いの雪が降る』に続くエスケンス2作目です
変なダジャレにしちゃいまし -
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『償いの雪が降る』に続くジョー・タルバートのシリーズ第二作。前作では少女暴行殺人罪で有罪となった過去を持つ末期がん患者をインタビューする大学生として、過去の事件の真相に取り組む姿を見せていた主人公ジョーだが、彼を取り巻く過酷で特殊な家族環境は、作品に重厚感と心震わせるヒューマニティを与える独特なスパイスであった。
本書でもそれら家族の問題を取り上げるばかりか、見知らぬ父が被害者となった殺人事件を息子が追う、しかも家族の過去を掘り出しつつ、現在の再生を願うというタルバートの第二の決定的な時期と事件と取り上げて、家族と言う問題、差別や欲といった部分にまで詰めてゆく非常に厳しい物語となっている -
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マロリーシリーズ。
(最後? これ以降新作でてないらしい)
修道女が行方不明になり、その捜索が依頼される。彼女には盲目の甥がいて、彼の行方もわからなくなっていた。
数日後、修道女は、市長官邸の前に置かれた複数の死体の中で発見された。
全く接点が見えなかった事件たちが、つながり絵になっていく様は、すごい。
もっとも、その絵を強引に絵具をぶちまけるようにして、描いていくのはマロリーなんだけどね。
とはいえ、今回は盲目の少年の描かれ方が…。
オコンネルといえば「クリスマスに少女は還る」なんだろうけど、それを髣髴とさせる。
にしても、盲目の甥を育てるためにまだ幼かった修 -
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1951年作。
とても充実した、良い小説だった。
なにしろこのところ『聊斎志異』や江戸時代の草双紙集を読んでシンプルな「物語」の楽しさを味わい、次いで西村京太郎さんの今風のスカスカな小説世界を『スーパー北斗殺人事件』でざっくりと走り抜けてきた私は、本書のページをめくりたちまちにして<西洋近代小説>の重厚で濃密な文学世界に放り込まれたのだった。
主にサスペンス系、すなわちエンタメ・サイドの作家と思われるだろうが、このダフネ・デュ・モーリアの文学作品は恐ろしく緻密に描き込まれた心情や情景が鮮やかな、エモーショナルに充実した作品世界なのである。この音調は、西欧19世紀後半の後期ロマン派の調性 -
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怖い怖い怖いっ 不安と疑念と差し迫る恐怖がリアル!超良作サスペンスミステリー #ケイトが恐れるすべて
ロンドンに住む主人公ケイトが、アメリカに住む従兄と部屋を交換するところから物語は始まる。チャレンジングな新しい生活を求めつつも、もともと不安症持ちの彼女は憂いでいた。
そんな中、交換した部屋に到着した翌日に隣に住む女性が死体で発見されてしまう。誰が殺したのか… 同じアパートに住む人々、訪ねてくる人々、従兄、警察官たちが、さらにケイトを不安にさせていく。
強烈な登場人物たちが暗躍する描写がお見事、ズバリ面白い!
どんだけ変態なんだと。
ストーリーの組み立ても素晴らしく、少しずつ見えてくる事 -
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イギリスはコーンウォールの原野に建つ元宿屋の館「ジャマイカ・イン」は、建物も住む人も禍々しく謎めいていた。
若き女性が孤独の身となって、叔母が住むその館に頼よるしかなかったのだから、叔母が息も絶え絶え、叔父が荒くれ男で、災禍がおこるのもやむなし、けれども自立心の強い女性であるゆえ、危険がせまっても、冒険をせずにはいられない、避けられない。なるべくして謎と暴力との目まぐるしい展開になるのを、息もつかせず読まされるのであった。
コーンウォールの荒々しい風景描写と心理描写が巧みでグッと引きつけられ、設定は19世紀なのに現代をも彷彿させる困難な女性自身の自主独立へのあがきは心強いものがある。
『レ -
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19世紀半ば、イギリスはコーンウォールの領地にある古い館で、両親を亡くした主人公フィリップ(わたし)は従兄アンブローズに育てられた。
教育を授けてくれ、領地の管理、小作人達の面倒をみながら暮らす領主の生活を身に付けていった。ゆくゆくは領主という肩書きと莫大な財産を受け継ぐ身の坊ちゃまとして。
ところが40代になった従兄アンブローズは転地療養のためイタリアに度々出かけるようになり、ある年、レイチェルという女性と結婚してしまい、急逝してしまった。
わたしは従兄アンブローズを父と思い兄と思い、愛し愛されて穏やかに暮らし誰にも邪魔されずにいたのだったから、彼の妻となったレイチェルに猛烈な恨みを抱 -