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Posted by ブクログ
マロリーシリーズ。
(最後? これ以降新作でてないらしい)
修道女が行方不明になり、その捜索が依頼される。彼女には盲目の甥がいて、彼の行方もわからなくなっていた。
数日後、修道女は、市長官邸の前に置かれた複数の死体の中で発見された。
全く接点が見えなかった事件たちが、つながり絵になっていく様は、すごい。
もっとも、その絵を強引に絵具をぶちまけるようにして、描いていくのはマロリーなんだけどね。
とはいえ、今回は盲目の少年の描かれ方が…。
オコンネルといえば「クリスマスに少女は還る」なんだろうけど、それを髣髴とさせる。
にしても、盲目の甥を育てるためにまだ幼かった修道女がとってきた行動のそれぞれが、切ない。
と、タイトルの意味が分かった時の衝撃。
最高に面白かったのだけど、どう書いてもネタバレになりそうなので…。
ちょいちょい、年取ったバトラーが回想しているってシーンがはいるのだけど、なんかそれ読むたびに切ない。
この作品以降、シリーズは書かれていないそうなのだけど、先を知りたいけど知りたくない気もする。
マロリーが、幸福な老人になってる姿ってどうしてもイメージできないものね。
でも、そうなってほしいのだけどなあ。
Posted by ブクログ
550頁。いつもなら二日ほどあれば読めるペースなのだが、6日かかった。これがキャロル・オコンネルに取り組むときのきっとぼくの平均的ペースである。スピーディに読み進めない。きっと作者もスピーディには書いていない。すごく丹念に凝りに凝ったレトリックを駆使して、本シリーズのヒロイン、キャシー・マロリーを描こうとする。木彫りに入れられる丹念な彫刻刀のような筆致で、肌理細かく。
それほどこだわりぬいた作風。この作家の個性。マロリーのさらにスーパーな個性。拾い親である亡き刑事ルイ・マーコヴィッツに育てられた孤独な孤児。天性のハッカーで、目的のために手段を択ばない冷徹さと頑強さ。
彼女と鉄壁の三連馬車を構成するのは、キャシーの親代わりみたいな中年ベテラン刑事ライカ―。高IQでコミカルな風貌の愛すべき巨漢心理学者チャールズ・バトラー。
挑む相手は複雑でグロテスクでしかも劇場型とも言える多重殺人事件。取り巻くマスコミ。怪しい市長と、怪しい投資家グループ。依頼主ゲイルと殺し屋イギー。巻き込まれた若き修道女=元売春婦=元孤児のアンジー。死の直前に、彼女が買う二輪の薔薇。殺し屋に拉致されたアンジーの盲目の甥っ子ジョーナ。市長と被害者を仲介する怪しげな男たち。
ともかく目が回るほど複雑な事件であり、そこに投げ出される残酷な死体や、混迷する捜査陣、群がる報道陣や流れるTVニュースが、事件のスケールを物語る。
主人公であるマロリーを出し抜くくらいに盲目の少年と彼を拉致する冷血な殺し屋の関係が小説では強いアクセントで物語られる。死んだはずのアンジーのつけていた鈴の音が聞こえる館と、庭には薔薇。大道具、小道具も見事にセッティングされた環境下、ニューヨーク市警ソーホー署管轄区を襲う悲喜劇を創り出し、圧倒的なストーリーテリングで描き切る筆腕こそがキャロル・オコンネル。そう言うしかあるまい。
なお本作以降作者は筆を止めているらしい。現存する最後のマロリーシリーズ。だからこそ惜しむ気持ちが本書の読書ペースにブレーキをかけたのかもしれない。1994年から四半世紀を越えて読んできた本書である。ラストのマロリーの選択にも、氷のハートの深部にこもる何ものかを感じざるを得ない。深い物語である。
修道女アンジーとマロリーの辿った少女時代は、極めて酷似するものだったはずなのだから。
Posted by ブクログ
「キャシー・マロリー」シリーズ。
おかえり、マロリー。
感情移入が出来ないと思いながら読み続けてきたこのシリーズだが、
冷徹で頑固で愛を受け入れないマロリーを、
とうとう懐かしく思うまでになってきた。
修道女とその甥である盲目の少年が姿を消す。
少女時代のマロリーを知る神父が修道女の消息を探すよう、
マロリーに頼みに来る。
だが、残念ながら彼女の遺体は、市長の官邸の庭で発見される。
他の三体の遺体と一緒に。
マロリーの独善的な捜査は相変わらずで、
枢機卿が来ていると嘘をついて、
告解室で修道院長の事情聴取(?)をしたりしていた。
それゆえ、少女の頃、相棒のライカ―を脅した後に、
仲直りの贈り物としてデスクにピーナッツの袋を置いた、
という話がかわいらしく思えたくらいだ。
一人息子を亡くした母親が、
犯人に囚われている少年を助けるために、
自分の息子の墓を暴かないといけないと判っていながら、
少年を助けるよう、マロリーに叫ぶ場面は印象的だった。
ようやく、なじんできたと思ったのに、
この後の作品は現在のところ書かれていないらしい。
残念。
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