務台夏子のレビュー一覧

  • 生贄の木

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     劇画的なまでのけれん味たっぷりな誇張により、常に超越的な存在として彫刻のように描写されてきたこの世で最も美しく冷たい女刑事キャシー・マロリーのシリーズ最新作。と言っても10ヶ月前に邦訳された作品。さらに言えば原作は2011年にUSA出版済み。
     創元推理文庫の翻訳作品が原作出版から10年単位の遅れというのは今に始まったことではないのだが、そういった長い長い時差を経てもなお良作と呼べる物語(もう完結してしまったがR.D.ウィングフィールドのフロスト・シリーズや、新ミステリの女王ミネット・ウォルターズの作品群等含め)をしっかりと日本人読者に届けてくれる地道な無骨さは、海外小説の老舗出版社としての

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    2019年01月25日
  • 生贄の木

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    もうマロリーとチャールズの関係は修復不可能なのだろうか?良心と真実に忠実だった者が必ずしも報われる訳ではない辛さ。それでもマロリーの徹底した復讐はまるで仕事人。ココのために螢を集める姿とは対照的。さすが氷の天使。ここで描かれるNYは地獄。だからむしろマロリーは堕天使。

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    2019年01月11日
  • そしてミランダを殺す

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    男女4人による殺人狂躁曲 - ピーター・スワンソン「そしてミランダを殺す」 ★★★★☆

    「ソシオパス(反社会性パーソナリティ障害)」という言葉は初めて聞きました。よく聞くような「サイコパス」は先天的なもので、「ソシオパス」は後天的なものになります。
    あまりソシオパスになった原因をはっきり記載していないので、「サイコパスじゃね?」って気がしますが、本文上ソシオパスとなっているので、それにならいます。
    最終的なオチはアメリカっぽくて皮肉が効いていていいのですが、その手前の墓地のシーンはいらないだろ。そこまで完璧にしてきたのにあまりに雑すぎ。もったいない。
    中盤のネタは、日本では実現できない表現の

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    2023年10月27日
  • 生贄の木

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    ネタバレ

    ウィリアムズ症候群という病気を本書で初めて知った。
    今回、マロリーは、浮浪児時代、庇護者役だった娼婦(名前忘れた)的な立場に立たされることになる。
    過去作に出て来た元児童娼婦(エドワード スロープが引き取った)、父親(前作「ルート 66」)、大叔母さん(過去作「天使の帰郷」)のエピソードのように、ココも今回限りの存在っぽく(少なくとも数話は塩漬け)、個人的には今後が気になる。

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    2018年08月17日
  • ルート66 下

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    フォルクスワーゲンを選んだ理由がわかり、スッキリ。
    マロリーのお母さんは、親友に恋路の邪魔をされるわ、恩を仇で返され殺されるわ(過去作)、散々な人生だと思う。

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    2018年08月17日
  • ルート66 上

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    年間80万人とも言われている児童失踪があるアメリカならではの舞台背景だと思う。
    登場人物が多い割には、「この人誰だっけ?」と思う場面も少なく、読みやすい。

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    2018年08月17日
  • 生贄の木

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    ネタバレ

    「キャシー・マロリー」シリーズ。

    悪徳警官の賄賂とか証拠隠滅とか、極端な例として殺人とかは、
    刑事ミステリーにはある意味欠かせないパーツだが、
    腹黒上官、それもトップに上り詰めようとしている元警官が直接手を汚したというのは、
    なんだかしっくりこなかった。
    いくら金と権力を併せ持つ存在の後押しがあるという設定としても。

    現在の殺人事件、マロリーの処遇、過去の殺人事件、
    遺伝的特徴を持つ目撃者である少女とマロリー、
    といろいろな話が盛り込まれていたが、この順で興味が引かれたので、
    正直現在の殺人事件のことは途中でどうでもよくなっていた。

    とはいえ、シリーズの中では面白かった。
    きっちりしっか

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    2018年08月05日
  • ウィンター家の少女

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    マロリーシリーズ第8かな?
    チャールズは相変わらず残念だけど、オルテガおばちゃんが掃除以上に活躍するのがイイ
    ネッダは残って欲しいキャラだった。。。

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    2018年06月22日
  • ルート66 下

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    最後まで読んだ甲斐はあったよね。前シリーズをすべて読んでいないけれど、ラストを読んだら、過去を振り返り1から読む必要はないかな、と思う。 とにかく描写がくどくて、こちらの想像力とのピントが合っていないのよ……。

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    2018年06月08日
  • 生贄の木

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    キャロル・オコンネルの作品で読んだことがあるのは『クリスマスに少女は還る』と『愛おしい骨』だけなので、このマロリーシリーズは読んだことがない。最初に感想を言うと、主人公であるマロリーの過去を知っていれば、もっと面白いんだろうな、と思った。マロリーはこの巻の前には、どうやら何か月か失踪していたようだ。クールビューティ&タフネスの女刑事という、いかにもアメリカらしい鉄板キャラ。結構この設定は好き。相棒のライカーはそんな彼女とは好対照で、ややお調子者のような感じ。そこそこ切れ者なのだが、なにぶんマロリーの能力が突出しているので、ライカーは損している。ただ彼がいないとマロリーの行動は謎が多すぎるので、

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    2018年06月06日
  • 愛おしい骨

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    キャロル・オコンネルの最初に読んだ本『クリスマスに…』では魔手に襲われた姉妹の15年後、そしてこれは兄弟の20年後か。。。
    少年期からおば様方から秋波を送られていたお兄ちゃん、そして20年ぶりの帰還にも(。・ω・。)ノ♡。そんな役にピッタリな俳優は誰だろうな???とか考えてたら楽しかった

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    2018年06月05日
  • ルート66 上

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    マロリーのシリーズ、9作目。
    (もう10作目も刊行されています)
    マロリーの重要な面が明らかになるので、初期作品を読んでいる方は必読ですよ。

    ニューヨーク市警のキャシー・マロリーは、天才ハッカーにして、見た目は完璧でクールな美女。
    幼い頃はストリート・チルドレンだったため、ごく普通の感情が理解できず、善悪の判断も危ういのでは、と周りに心配されていました。
    そんなマロリーが突然、失踪。
    マロリーの部屋には見知らぬ女性が残され‥

    マロリーは改造したフォルクスワーゲンで、ルート66を爆走。
    じつは、古い手紙をたどりながら、という旅でした。
    シカゴからロサンジェルスへ向かうルート66は、マザーロー

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    2018年06月02日
  • 氷の天使

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    『ルート66』上下巻を買った後で、マロリーのシリーズが何冊もあることに気付き、1作目を古書で入手^^;
    天才的な頭脳と鮮烈な美貌を持つ女刑事もの!

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    2018年04月29日
  • 生贄の木

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    だんだん分厚くなるマロリーシリーズ…登場人物の名前がこんがらがって何度も一覧をひっくり返した。
    ネズミの大群に襲われた老女に怖気をふるったあと、袋に入れて吊された被害者の惨状に犯人への怒りを…感じようにも無理がある。どいつもこいつも最低な奴だった。
    初耳のウィリアムズ症候群なる病気、その特異な症状と、ココの不憫さ!
    マロリーに西海岸で何があったのか読者は全く知らされないままに、怒濤のように「断食芸人」を追い、権力闘争の罠をくぐり抜け、過去の出来事をたどり、追及し、復讐し…というマロリーについていく。疲れたーでもまたまた楽しめましたね。そして靴ひもを懸命に結んだココ、ホタルのやさしい灯りに眠った

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    2018年04月12日
  • 生贄の木

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    キャロル・オコンネル『生贄の木』創元推理文庫。

    キャシー・マロリー・シリーズの第10作。マロリーの物語は一体どこへと向かうのか…ここ何作かは天才ハッカーのようなマロリーのコンピューター技術を駆使した捜査も描かれなくなり、一風変わった普通の刑事になってしまった感が強い。

    森の中で袋に入れられて木から吊るされたパーティーガール、変質者、狂気に冒された配給所の聖女。目撃者は妖精のような幼女。奇妙な、奇妙な事件の行方は…

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    2018年04月03日
  • ルート66 下

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    キャラバンにいる大人が相次いで殺される。刑事も殺される。犯人は誰?ーー。女刑事マロリーの追跡が続き、犯人を追い詰める。犯人との最後の一騎討ちが見もの(読みどころ)。本作は女刑事マロリーのシリーズものである。私は本作しか読んだことがないので、もしかすると他の作品から読んだ方が良かったかもしれない。なんとなく、本作品でシリーズが完結した感があるので。また、海外作品にはありがちだが、登場人物の性別が名前だけでは判別できないなど、読むのに少し苦労した。

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    2018年03月19日
  • ウィンター家の少女

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    マロリーのシリーズ、8作目。
    とある屋敷内で起きた事件と、58年前にそこで起きた怪事件を捜査するマロリー。

    キャシー・マロリーはニューヨーク市警に所属するが、天才ハッカーでかなり自由な立場というか、普通の人の手には負えないユニークなキャラ。
    完璧な美貌だが本人は自覚していないという。
    兄のような存在の相棒ライカーと、署には内緒でやっている仕事のパートナーのチャールズに心配されつつ、突き進んでいきます。

    由緒あるウィンター邸に、保釈中の犯罪者が侵入?
    邸内には、70歳の老婦人と小柄な姪しかいなかった。
    58年前、9人もの犠牲が出た大事件は未解決のまま。
    老婦人は以来行方不明だったネッダで、事

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    2018年02月19日
  • クリスマスに少女は還る

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    登場人物がたくさんいてごちゃごちゃするところと,その割に魅力的な人物に欠けるところがあるけれど,たった10歳の少女達の生命の輝きが,特にサディーの一風変わった魅力がこの本の軸だ.精神科医の守秘義務のあり方も考えさせられた.

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    2017年12月23日
  • レイチェル

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    謎めいた美女を書かせたらデュ・モーリアの右に出る人物はいないんじゃなかろうか。「彼女が何を考えてるのか知りたくてたまらん!」と読者に思わせられたら作家の勝ち。レイチェルの頭の中を暴きたくて仕方がない私は、デュ・モーリアに全面降伏です。でも本を読み返せど、やっぱり理解出来た気がしない。一体どっちだったんだよレイチェル…。

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    2017年09月08日
  • ルート66 上

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    いつもマロリー物は読み終わった後も胃の辺りにもやーっとした感じが残るのだが、今回は初のハッピーエンド!
    凄惨なサイコパスの殺人も、無能で狡猾なFBIの捜査官もどこかに追いやられて、マロリーのこれまでの日々を思う。
    まだシリーズは続くみたいだが、マロリー、そしてチャールズはどうなるのだろう。

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    2017年04月07日